2014年に発売され、今年で10年目を迎えるデロンギのマルチダイナミックヒーターに、デザインや構造を刷新した「ソラーレ Wi-Fiモデル(IDH15WIFI-WB)」(以下、「ソラーレ」)が登場。2023年10月3日発売予定の新モデルを見てきました。
デロンギのマルチダイナミックヒーターといえば、白と黒のツートーンカラー、または黒一色というシックなデザインでしたが、新モデル「ソラーレ」は白を基調としたボディにベージュを差し色とした新しいデザインを採用。本体下部をスカートのように広げてキャスターを隠し、エレガントなシルエットに仕上げられています。
既存のマルチダイナミックヒーター「MDHAA15WIFI-BK」(写真左)と新モデル「ソラーレ」(写真右)。カラーや形状などデザインが見るからに異なります。「ソラーレ」の市場想定価格は99,800円(税込)
「ソラーレ」の天面右側にあるのはアロマボウル。水を入れ、アロマオイルを数滴垂らしておけば香りを楽しみながら部屋を暖められます。アロマボウルは着脱可能なので、取り外して使用してもOK
上の写真の2機種は、どちらも約10〜13畳の広さに適用する消費電力1,500Wの性能を有しています。サイズは既存モデルの「MDHAA15WIFI-BK」が275(幅)×495(奧行)×665(高さ)mm、「ソラーレ」が240(幅)×520(奧行)×680(高さ)mmとそれほど変わりませんが、「ソラーレ」は内部構造を改良することで、本体重量を約34%軽減。放熱板とヒーティングエレメント(熱源)が一体化した既存の構造に対し、「ソラーレ」はヒーティングエレメントを単体で配置し、その側面に赤外線を集めるインフラレッドシールドを備えた構造とすることにより使用する鉄の量が大幅に減り、軽量化につながったそう。
既存のマルチダイナミックヒーターは一体化したヒーティングエレメントで放熱板を直接温めて輻射熱を放出していましたが、「ソラーレ」は5本のヒーティングエレメントを水平に配置し、側面にインフラレッドシールドを備えた構造となりました
既存のマルチダイナミックヒーターの内部を本体下部から見た様子。金属モジュールがぎっしり配置されています
「ソラーレ」の内部は、棒ヒーターを曲げたようなヒーティングエレメントが5本、金網のようなインフラレッドシールが両面にあるだけのシンプルな構造なため、内部に空きスペースがあります。既存のマルチダイナミックヒーターと比べるとモジュールが少ないので心もとなく感じましたが、ヒーティングエレメントを素早く暖めて自然対流を促進し、インフラレッドシールドが赤外線を集めて輻射熱として放出する「インフラレッドシールドテクノロジー」により、既存モデルと変わらない暖かさと“速暖”を実現しているそう。また、ヒーティングエレメントの下部を優先的に使用するアルゴリズムを設定し、インフラレッドシールドを下のほうに配置しているため、従来モデルよりも床に輻射熱が伝わる効率がアップ。床面からの二次的な輻射熱で、足元から部屋全体を暖めます。
上部からは自然対流で熱が上昇し、同時に輻射で暖めます
「ソラーレ」の重量は約8.3kg。既存モデルの「MDHAA15WIFI-BK」は約12.5kgなので、持ち比べると明らかに軽くなりました。キャスターを使った移動なら片手で動かせます。既存モデルと同等の暖め方ができるので、持ち運んだり、移動させたりすることが多い家庭では「ソラーレ」の軽さが重宝しそう
ちなみに、「ソラーレ」を含むマルチダイナミックヒーターは、温風を出さず、輻射熱で床や壁、天井に熱を伝えて部屋の中を暖める点はオイルヒーターと同じですが、オイルより金属モジュールのほうが早く温まるため、オイルヒーターよりも素早く部屋を暖めることができます。また、緻密な温度制御ができるのもポイント。設定温度に合わせて室温を±0.1度の範囲でキープできるため、高い節電効果を発揮しながら快適に暖めます。
一般的な暖房器具は温度を設定していても室温のムラが大きく、ムダな消費電力を使うことが多いそう。その点、マルチダイナミックヒーターは設定温度から±0.1度で室温を維持できるので、部屋が暖まり過ぎたり、室温が下がり過ぎたりすることがありません。また、オイルヒーターの従来モデルと比べ、63%も節電効果があるそう
「ソラーレ」は内部構造だけでなく、操作性も一新。既存モデルでは側面にあった操作部を天面に配置し、より楽な姿勢で操作できるようにしました。さらに、デロンギのヒーターとしては初めて、カラー液晶ノブを採用。回して選択し、押して決定するというわかりやすい操作を採用しています。
本体の設置場所に合わせてディスプレイの表示の向きを変更可能。3方向から表示の向きを選択できます
ディスプレイの表示は一定時間過ぎるとオフになりますが、リングライトで離れた場所からでも稼働していることを確認できます。リングライトの明るさは4段階で切り替えできるので、就寝時も安心。なお、ディスプレイの表示は、ノブの上に手をかざすと表示されます(下の動画参照)
回して選択、押して決定という操作自体は簡単ですが、UIが独特。青い囲み(矢印の部分)が選択カーソルで、設定したいところに合わせてノブを押すと、選択した項目が変更できるようになります。写真は設定温度を変更している様子。温度を設定するところ(矢印の部分)にカーソルを合わせ、ノブを押してからノブを回して温度を変更し、再度、ノブを押すと設定温度が変更されます
オフタイマーやリングライトの明るさなどの設定をする際は、いちばん下にある三本線のマークにカーソルを合わせて選択します
数回操作すれば理解できますが、設定の中には階層が深いものもあるので、連携させたスマートフォンのアプリで行うほうが楽かもしれません
専用のスマホアプリを使えば、遠隔操作や、スマートフォンのGPS機能を利用し、設定した範囲内に入ると電源がオンになり、離れるとオフになる機能などが使用できるように。睡眠行程に合わせて設定温度を調整するマイスリープ機能も用意されています。
曜日ごとに運転をオンにする時間や温度を調整して設定できるスケジュール運転など、細かい設定が直感的にできるのがスマホアプリのいいところ。また、マルチダイナミックヒーターは運転中も静かなので、切り忘れてしまうことも。屋外から運転状況を確認し、運転をオフできるのでWi-Fi機能が使えるのは便利です