ケルヒャーと言えば“高圧洗浄機”という印象を持っている方も多いかと思いますが、それをいい意味で裏切ってくれるのが、2024年4月に同社から発売された新モデル「マルチクリーナー OC 3 FOLDABLE」(以下、マルチクリーナー)です。
なにを隠そう(なにも隠していませんが)、この「マルチクリーナー」はそんなに高圧じゃないのに、価格.comの人気売れ筋ランキングで上位にランクインして注目を集めているんです。その人気の秘密はなんなのか、今回実際に使ってわかった「マルチクリーナー」の魅力を紹介していきます。
本体サイズは約298(幅)×271(高さ)×305(奥行)mm、重量は約2.2kg(アクセサリーを含まない)。価格.com最安価格は19,683円(2024年7月24日時点)
気になる製品の紹介の前に、まずはメーカーをチェックしておきましょう。ご存じの方も多いと思いますがケルヒャーは、世界的な知名度を誇るドイツの清掃機器メーカー。1935年の創業以来、高圧洗浄機をはじめ、さまざまな清掃機器を展開しています。
今回紹介する「マルチクリーナー」は、コンパクトで持ち運び可能な、バッテリー内蔵タイプの洗浄機「マルチクリーナー OC 3」のリニューアルモデルにあたります。
ちなみにバッテリータイプの洗浄機は「モバイルクリーナー」というくくりで展開されていて、高圧の手持ちタイプ(ハンドヘルドタイプ)のモバイル高圧洗浄機と、給水タンクを備えた低圧のマルチクリーナーがあるのです。で、今回紹介する「マルチクリーナー」は、その高圧“じゃないほう”の洗浄機というわけなのです。では、一体どういった特徴の洗浄機なのかと言うと……。
・充電式バッテリー内蔵で水道や電源のない場所で使える
・高圧じゃないけれど水道の約2倍の圧力で洗浄できる
・給水タンクを折りたたむと高さが108mmになり収納も楽々
といった感じで、圧力は控えめだけど、高圧洗浄機の“面倒くさい”を解消してくれるのが「マルチクリーナー」の大きな特徴ではないかと思います。
そんな本機を詳しく紹介する前に、「バッテリータイプの洗浄機ってどんな感じなんだろう?」と思う方もいると思いますので、まずはこちらの動画をチェックしてみてください。
ということで、さまざまな高圧洗浄機の“面倒くさい”を解消してくれる、本機の3つの特徴をチェックしていきたいと思います。まず1つ目のポイントは、使用時に電源や水道が不要なところです。
高圧洗浄機を使用する場合は、電源や水道の確保がネックになりやすく、どこでも気軽に使えるかというと難しいところもあります。ですが、本機の場合は充電式バッテリー内蔵し、バケツ型の本体に水を溜めて持ち運べるので、基本的にどこでも使用できるのが大きな魅力です。
本体の充電はUSB Type-Cで行い、約2時間15分で満充電となり、最大で15分の使用が可能
給水タンク容量は8L、吐出水量は(最大)毎分2Lなので、水量満タン時であれば約4分間使用できる計算です
本体のサイズ感はこんな感じ。撮影時は気づかなかったのですが、取っ手の内側部分にくぼみがあり、ホース部分を引っ掛けられて便利です
続いて2つ目のポイントが、水道の約2倍の圧力で洗浄できるところ。前段で“高圧じゃないほう”と書いてはいますが、水を噴射する吐出圧力は0.5MPa(メガパスカル)あります。東京都内の水道の平均水圧が0.25MPa(※東京都水道局)なので、水道の2倍ほどの圧力で洗浄できるわけです。
ちなみに一般的なコードあり高圧洗浄機の最大吐出圧力は6〜10MPaほどあり、バッテリータイプの高圧洗浄機の吐出圧力も最大2MPaクラスの製品も多いです。これらに比べると控えめな圧力に設計されていますが、実際にベランダや玄関の泥汚れの掃除で使ってみたところ、なかなかいい感じなのです。
ベランダの網戸やサッシに溜まった砂埃や泥汚れもご覧のとおり。低圧とはいえ水道の倍の圧力があるので、水流を当てるだけで汚れが流れていきます
近くに電源や水道がなく掃除しにくい窓のサッシも、本機であればかなりお手軽です。ブラシで擦って水で流すといった重労働もなく一気に洗浄できました
こんな感じに泥汚れくらいであれば、本機の圧力で十分洗浄できるので、水場から離れた玄関まわりや電源のないベランダ、窓のサッシなどの洗浄には、抜群の相性と言えそうです。
そして最後の3つ目のポイントは、とにかく収納が楽なところです。大切なことなので、もう一度言いましょう。とにかく収納が楽なんです。
本機は名前に「FOLDABLE」とあるように、バケツ型の本体は折りたたんで収納が可能。しかも、本体のバケツ部分を折りたたんだ内側にホースとトリガーガンをまとめられて、厚みは108mmとコンパクトになるので、使った後の置き場に困ることはないでしょう。
多くの高圧洗浄機ユーザーが思っている(であろう)、片付けが面倒くさすぎる問題や収納場所に困る問題を見事に解消するだけでなく、次に使うときにサッと取り出して使える手軽さも大きな魅力と言えます。
折りたたみ前の本体の高さは271mmですが、折りたたみ時の高さは108mmと約3分の1のサイズにまとめられます
ホースやトリガーガンも無理なく本体に格納できるので、片付けも楽々。本体からパーツを取り外さないので、ホースやトリガーガンに残った水が溢れ出る心配もありません
洗浄機とは思えないほどコンパクトにまとまるので、あまり高さのない収納場所でもスッとしまえて、収納場所に困ることもなさそうです
ということで、「マルチクリーナー」の魅力を紹介してきましたが、高圧洗浄機の“面倒くさい”ところを解消してくれる、本機特有の使い勝手のよさをお伝えできたのではないでしょうか。
今回実際に使ってみて、水道や電源がない場所でも使える便利さや、高圧ではないけれど十分洗浄できるところが大きな魅力に感じましたが、個人的にいちばん便利に感じたのは、収納の簡単さであり、サッと取り出せる使い勝手のよさでした。
私自身、同社の「K2 クラシック プラス」を愛用している高圧洗浄機ユーザーなので、高圧洗浄機自体は便利だけれど、使うまでの準備に時間がかかるし、片付けもちょっと面倒だな……という思いがあったので、「マルチクリーナー」の使い勝手のよさを、より強く感じたのかもしれません。
圧力は控えめですが、扱いやすくて気になるポイントを掃除するのにピッタリな洗浄機なので、気になった方は、価格.comや家電量販店でぜひチェックしてみてください。