コードレス運転&ヘッドだけ分離&ミストシャワー放出と多機能な「シャーク フレックスブリーズ コードレスサーキュレーターファン FA222J」をレビュー!
ここ数年で増えてきている、据え置き型のコードレス扇風機は、バッテリー内蔵でコンセントの位置を気にせずに使えるのが魅力です。
今回紹介するのは、シャークから2025年5月30日に発売された「シャーク フレックスブリーズ コードレスサーキュレーターファン FA222J」。もちろんコンセントからも給電できますが、特筆すべきは最大24時間のコードレス運転が可能なこと。また、スタンドから扇風機本体をワンタッチで取り外し、サーキュレーターのように使えるのも魅力です。
さらに注目すべきは、シャーク独自の「ミストアタッチメント」が付属し、ミストシャワーを噴射できる点。公式サイト価格は29,700円(税込)と扇風機としては少々お高めですが、多機能で自由な使い方ができる一台に仕上がっています。
ここでは、実際に1週間使用してみたレビューをお届けします。
「シャーク フレックスブリーズ コードレスサーキュレーターファン」の「ブラック」(FA222JBK)●サイズ/重量(扇風機本体+スタンド):35(幅)×35(奥行)×94(高さ)cm/約5.5kg●消費電力:36W(最大)
一般的な扇風機は、画一的なデザインのものが多く生活感が出がちですが、本モデルは非常にスタイリッシュ。操作ボタンは本体天面に配置されており、洗練された印象が高められており、モダンなインテリアにもなじみそうです。カラーは「ブラック」(FA222JBK)と「ホワイト」(FA222JWH)の2種類がラインアップされています。
高さ94cmと少々大きめのサイズなので、狭い部屋ではそれなりに存在感を覚えます。ただ、ヘッドがコンパクトな分、リビングなどの広い空間での圧迫感は少ない印象です。
広い空間での圧迫感は少なめ
本モデルの最大の特徴が、独自の「リフトアウェイ技術」により、スタンド背面のリリースボタンを押して扇風機本体を持ち上げるだけで、簡単に取り外せる珍しい機能を搭載していること。取り外した本体に搭載された四脚を広げることで、小型サーキュレーターファンとしても使用できます。
折りたたまれてスタンドに収納されていた脚は、外側に力を入れるだけ簡単に開きます
スタンドから取り外したときのサイズ/重量は、35(幅)×35(奥行)×40(高さ)cm/約2.8kg
スタンドから外した本体は、脱衣所などの狭めの部屋でも設置しやすいサイズ感。ただ、卓上で使うには少々大きいかも。
ベッドサイドや屋外などで卓上で使用している様子。この状態でも首振りやミストシャワーの機能は使えます
付属品は、左から「ミストアタッチメント」、充電アダプター、スタンド、本体
実際、コードレスで使えるのは、やはり便利でした。
もちろん定期的な充電は必要ですが、家の中のいろいろな場所に持ち運んで使いたいときに、コードをいちいち抜き差ししないで済むのは本当に楽。ケーブルがコンセントに届かない場所でも使えるので、エアコンがあまり効かないキッチンで料理中に使ったり、洗面所の湿気ごもりを解消したりできます。有線タイプだと、コンセントが近くにあってもケーブルがジャマだったり、水回りでの使用は不安だったりしますが、コードレスなら安心して設置できます。ちなみに、充電は、スタンドに挿しても扇風機本体に挿しても行えます。
充電ポート(1)スタンドの下部
充電ポート(2)四脚の中心
本モデルは、IPX4の防水性能とUV耐性を搭載しており、屋外でも使用可能。突然の雨や強い日差しの中でも使えます。特に、長時間作業していると頭がぼーっとするような、ガーデニング中などの暑さ対策として活用できそうです。
コードレスでありながら、長時間バッテリー内蔵で最大24時間使える点(風量1の場合)もアウトドアに向いています。ちなみに、風量3なら6時間、風量5なら2時間が目安。
風量1〜3だと、洗濯物の速乾など、パワーが必要な用途では物足りなさを感じる可能性はありますが、十分な涼しさは得られるため、日常生活で使用する分には特に不便だと思うことはありませんでした。また、災害時にも活躍しそうです。
屋外でコードレスで使用している様子。写真のケーブルは「ミストアタッチメント」のもの(後述)
ただ気になるのが、本体とスタンドを合わせた総重量が約5.5kgと重いこと。背面のハンドルはガッチリしており、片手でも安定して握りやすい設計ですが、ちょっとした移動でもやはり重みが……。力がない人にとっては、持ち運びに苦労しそうです。また、ベッドで寝ながら扇風機の位置を調整する際、ひょいっと持ち上げて動かすような使い方は難しいでしょう。したがって、色々な場所で使いたい場合は、本体をスタンドから取り外して持ち運ぶとよさそうです。
背面のハンドルは持ち上げやすいですが、スタンドごとでは気軽な持ち運びには向いていないかも。扇風機本体だけ取り外して持ち運ぶのがベストでしょう!
本モデルのもうひとつの特徴が、付属の「ミストアタッチメント」を取り付けて水道につなぐことで、ミストシャワーを楽しめること。ミストの気化熱効果で、最大5度くらいまで肌の表面温度が下げられます。真夏のバーベキューやガーデニング時にはもってこい! ちなみに、屋内での使用は避けたほうがよさそうです。
扇風機本体の中央にセットした「ミストアタッチメント」から爽やかなミストシャワーが出ます
ミストは、アタッチメントの金色の噴射口2か所から“ハの字”に広がるように噴射され、風量を強くするほど噴射範囲が広がります。なお、扇風機本体の電源を入れなくても、水道の蛇口をひねればミストが出る仕様です。
ミストは、噴射口から約50cmの位置に手をかざすと、10秒ほどで手のひらがびしょ濡れになるほど出ています。少し離れてミストを浴びると、体感的にも表面温度が低下したように感じられ、清涼感がしっかりと得られました。
アタッチメントのホースと、用意したホースの接続部分。水道の蛇口を開いた状態で、アタッチメント側のバルブをひねることでミストが出せます
ただ、利用方法の手順がやや煩雑に感じました。
扇風機本体に「ミストアタッチメント」を取り付け、別売りのホースコネクターを介して水道の蛇口に接続する必要があります。また、使用可能な範囲は、蛇口からホースが届く距離に限られ、利用シーンが制限されるので、購入前に使用シーンを想定しておきたいところです。ちなみに、「ミストアタッチメント」に付属するホースは約2.2m(コネクタやミストアタッチメント含む)です。
「ミストアタッチメント」のホースと、別で準備したホースを接続している状態。必要に応じて蛇口にニップルを取り付けますが、ねじ止めが必要な場合も。取り付けや取り外しには手間がかかるため、自宅の庭などに蛇口があり、ホースを付けっぱなしにできる環境が向いてそうです
風量調整は、6段階(風量1〜5+ブーストモード)で調整可能です。
風量1は心地よいそよ風レベルで、約2m離れるとほとんど感じませんでした。一般的な扇風機の風量1では、就寝時に強すぎることがありますが、本モデルはゆるやかな風が出せるので就寝時でも使いやすかったです。
風量3になると風量がそこそこ強く、約5m先でも風を感じるレベル。リビングで使うのにも十分な風量でしょう。ただ、ヘッドが少し小さい分、包み込むような風というよりは、風が当たる部分が一点に集中しやすい印象も受けました。
ブーストモードを使うと、最大20m先まで届くとされるほどのパワフルな風量。体感では最大約7m離れていても風を感じられるレベルで、広いリビング用としても使えそうです。また、洗濯物をスピーディーに乾かす用途に向いており、サーキュレーターとして1年中活躍することが期待できます。
いっぽうで稼働音は、ブラシレスDCモーターを採用しているので非常に静か。風量1ではほとんど聞こえない“ささやき声レベル”です。風量3でも図書館内の音レベルの静かさで、会話やテレビの音をさまたげません。ブーストモードだと、乗車中の車内レベルというそこそこ大きめの音になりますが、日常生活であまり使う機会はなさそうなので音が気になるシーンは少なそうです。
左右首振り(自動)は45/90/180度、上下角度調整(手動)は55度、電源オフのタイマー設定は1/2/3/4/5時間から選べます
操作性に関しては、便利な機能を多数搭載しており、全体的に使い勝手がよかったです。
操作ボタンは本体天面にあるため、屈まずに操作できます。リモコンは扇風機本体背面のマグネットにピタッとくっつけて収納できるので、紛失防止にもつながります。
リモコンはシンプルなデザインで、直感的に操作できます。自動首振り設定ボタン(中央右)のほかに、左右に18度刻みで角度が調整できるボタン(下)が搭載されているのがユニーク
首振りは45〜180度と幅が広いので、衣類を部屋干しするときに広範囲に並べても乾かしやすいです。上下は最大55度まで手動で角度調整できるため、高い位置にかけた衣類にも送風できます。
洗濯物を乾かしている様子
オフタイマー設定の幅は、1〜5時間まで。5時間あれば、部屋干しの洗濯物の乾燥にもある程度対応できるでしょう。
使用中の風量は、本体上部の丸いライトが点灯する個数で表示。ボタンを押した20秒後くらいには消えるので、風量を常時確認できるわけではないですが、ライトが点灯し続けないので就寝時は助かります
以上のように、本モデルは全体的に使いやすく、いろいろな用途で活躍することがわかりました。一般的な扇風機と異なり、スタンド(ポール)の高さは調節できませんが、首の可動性は高いですし、本体の取り外し機能もあるため、あまり気にならないでしょう。
シャークの「フレックスブリーズ コードレスサーキュレーターファン」は、扇風機本体がスタンドから着脱可能なうえ、パワフルで静音性にすぐれているため、リビングで普通の扇風機として使ったり、コードレスでキッチンに持ち運んで使用したり、扇風機本体を取り外して衣類乾燥に使ったりと、マルチパーパスなモデルです。
長時間の稼働が可能で、防水性能とUV耐性も備えているため、屋外での使用でも活躍しそうです。ミスト機能については、蛇口にコネクタを接続して使用する必要がありますが、自宅の庭に元々蛇口があり、ガーデニングや水やりなどの用途ですでに利用している家庭では手間なく活用できるでしょう。
扇風機としては少々お高めな価格設定であることから、一室でただ涼むだけの用途であれば本モデルはオーバースペックかもしれません。ただ、ユニークな便利機能を多数搭載しているため、広いリビングでの扇風機利用や、衣類乾燥のサーキュレーター利用、そして庭作業しながらのミスト扇風機利用など、1台でさまざまな用途で使い人には“替えの利かない扇風機”と言えるでしょう。
なお、コードレス扇風機「シャーク フレックスブリーズ」シリーズは、コードレスでミストが出せる水タンク付きの上級モデル「プロ ミスト コードレスサーキュレーターファン FA302J」と、コンパクトモデルの「ハイドロゴー コードレスサーキュレーターファン FA052J」もラインアップされています。用途に合わせて別モデルも検討してみてください。
「シャーク フレックスブリーズ」シリーズのラインアップ。左から水タンク付き「プロ ミスト コードレスサーキュレーターファン FA302J」、今回紹介した「コードレスサーキュレーターファン FA222J」、コンパクトモデルの「ハイドロゴー コードレスサーキュレーターファン FA052J」
「プロ ミスト」は、公式サイト価格で34,980円(税込)と、今回紹介したモデルより高いですが、ミスト用水タンクが付属しているため、蛇口へのホース取り付けが不要でミストを噴射できます。屋外でのスポーツや、蛇口がない環境でのガーデニングの際にも便利です。
「プロ ミスト」の使用イメージ
「ハイドロゴー」は、サーキュレーターのように小型なので、自宅ではテーブルの上、アウトドアではテント内などでの使用に最適です。こちらは水タンク一体型で、ホースなしでドライミストを噴射します。なお、左右の首振り機能やタイマーは非搭載。
「ハイドロゴー」の使用イメージ
「シャーク フレックスブリーズ」シリーズのスペック比較表