梅雨の時期だけでなく、近頃は、花粉のほかPM2.5や黄砂などの大気汚染問題、また、帰宅が夜になってしまうDINKSや一人暮らしの女性の防犯対策としても、洗濯物を室内に干す、いわゆる“部屋干し”というスタイルが増えています。そんな背景を受け、象印マホービンが開発したのが、送風機構に業界初という「360°送風オートスイングルーバー」を採用した衣類乾燥除湿機「サーキュレート ドライ RJ-XA70」(以下、RJ-XA70)です。
RJ-XA70は、これまでの“衣類乾燥もできる除湿機”とは違い、“衣類乾燥に特化した除湿乾燥機”である点がポイント。“なかなか乾かない”“生乾きのニオイが気になる”などといった部屋干しの不満点を解消する独自機能を搭載しているのが最大の特徴となっています。その独自機能とは? 効果は? 先日行われた記者説明会でRJ-XA70をくわしくチェックしてきたので、お伝えします。
まずは、RJ-XA70の最大の特徴である「360°送風オートスイングルーバー」をチェック。RJ-XA70は、295(直径)×550(高さ)mmの円筒形で、上部側面に送風口があり、その送風口部分が水平方向に360°回転する機構になっています。洗濯物に直接風を当てるだけでなく“360°送風”することで、部屋全体に風を送り室内の空気を攪拌・乾燥させます。これにより、洗濯物に直接風を当てる場合に比べ、大量の洗濯物を、ムラなく、より早く乾かすことができるようになったとし、目安として「2kgの洗濯物なら約50分で乾燥できる」とのことです。
最大360°回転する送風口部分
グルグルと一定方向に無限回転するのではなく、360°回転したら逆回転になるスイング式
スイング幅は、360°/180°/ 90°/ 60°で調整可能なので、スポット送風もOK
上下方向の風向きは、上方向が60°
下方向30°上下方向90°という3つの送風範囲でルーバーの調整ができるようになっています
RJ-XA70の“360°送風”のにようす。送風口からは乾いた風が放出されています。ちなみに、RJ-XA70の除湿方式はゼオライト式で、消費電力は570W/580W(50Hz/60Hz)。適用床面積は、コンクリート住宅の洋室で16畳、木造住宅の和室で8畳
本体のサイズは、295(直径)×550(高さ)mm。重量は約9.5kg
本体側面に持ち手があり持ちやすいのですが、女性が1人で運ぶには少々重め
キャスターがないのは残念
フィルターは、ホコリがたまってきたら掃除機などで吸ってお手入れすればOKだそう
部屋干しのニオイ対策として、送風口の両端奥に、抗菌・消臭効果があるというナノプラチナを添加したユニット(交換不要)が2つ設置されています。このユニットを通過する乾燥した空気で洗濯物を乾かすという仕組み
除水タンクの容量は2.8L(自動停止容量)
発表会では、各除湿方式のメカニズムとメリットデメリットも解説。ゼオライト式の本製品は、“季節を問わず安定して使えるが、消費電力と室内の温度上昇が気になる”といったところ。なお、同社サイトによれば、「脱水された2kgの洗濯物は、約0.8kg弱の水分を持っています」「洗濯物の乾燥時には、部屋の除湿も行いますが、約6kgの洗濯物を乾燥することができます」とあります
運転コースは、「乾燥コース」「エココース」「夜干しコース」「循環送風コース」から選択可能。“運転音”から選べる「5段階風量調節」(「乾燥コース」「循環送風コース」選択時)も搭載しており、使うシチュエーションを考慮することができます
風向きや風量調整、タイマー設定(2/4/6/12時間)とあわせれば、選択の自由度はかなり高いといえます
同社によれば、除湿機の市場は昨今の環境問題などを受けつつも比較的安定した市場になっており、年間65〜70万台で推移し(出荷台数)。そんな中、ユーザーの“部屋干し”に対する不満をリサーチしてわかったのが、「スピード乾燥」「ニオイの抑制」ができる衣類乾燥機が求められているということでした。
そこから研究・開発されたのが、洗濯物に直接風を当てるのではなく、“360度送風”機能により、部屋の空気を攪拌することでスピーディに衣類を乾燥させるという方式の衣類乾燥機だったといいます。また、家庭での1回の洗濯量は約3〜6kgで、これをちゃんと乾かすとなると、衣類に直接風を当てるこれまでの方式では、前面に比べ後ろにあるものが乾かず、乾きムラができてしまう。この問題も、この発想の転換により生まれたRJ-XA70により、解決できるようになったそうです。