登場した当初こそキワモノ感があった「布団クリーナー」だったが、2013年から売り上げを伸ばし、今では掃除機売り上げ全体の約2割を占める市場になっているという。東芝ライフスタイルでは、こうした背景から、今後も布団クリーナーは“新たなカテゴリー”として安定したニーズがあると判断。国内大手の掃除機メーカーとしては最後発となる布団クリーナー「TORNEO V cordless(トルネオ ヴイ コードレス) VC-CLF1」を、9月1日に発売するとした。
最後発とあれば、よりユーザーニーズを反映させた製品になっているはず。しかも、国産掃除機第1号を作り、現在も人気ナンバーワン(価格.com内掃除機トレンドランキングの日本メーカーにおいて/2015年7月16日現在)の掃除機メーカーである東芝初の布団クリーナー。期待は高まるところ。早速、実機をチェックしてきた!
コードレスサイクロン式クリーナー「TORNEO V cordless(トルネオ ヴイ コードレス) VC-CLF1」
2,000回の充電使用が可能なリチウムイオン電池を内蔵し、コードレスで最長約25分の運転が可能
本体サイズは、270(幅)×210(高さ)×450(長さ)mm、使用時で、275(幅)×535(高さ)×195(奥行)mm。重量は、1.8kg(本体、ふとんブラシの合計)。コンパクトに収納できる充電台と、ヘッド部を保護するカバーなどが付属する
同社の調べによれば、拡大した布団クリーナー市場においてユーザーの購入時の主な重視点は、「吸引力」「アレルギー物質を取る」。いっぽう、購入にいたらなかった方の理由の上位は、「重い」「使いにくそう」だった。こういった意見を反映し、後発製品として他社製品を研究しつくして開発したのが「TORNEO V cordless」なのだという。ユニークなのが、布団クリーナーとして同社が注目したポイント。清潔な布団を維持するにはダニの除去を目的とするのではなく「ダニのエサや死骸を取り除くべきである」としたことである。
掃除機全体の約2割を占める布団クリーナー市場
そんな中からわかった、“ユーザーの不満点”や“買わなかった理由”を製品開発に反映させたという
生きているダニは、布団表面にUVランプや温風をあてたり叩いたりしても、奥に逃げてしまうだけ
清潔な布団を維持するには、ダニのエサとなるヒトのフケや皮脂をしっかり吸い込んで取り去ること、また、布団内部のダニの死骸やフンをたたき出して吸い出取ることが重要だとした
「TORNEO V cordless」では、ダニの死がいや糞などのアレル物質をより確実に吸引するための工夫が随所に凝らされているのが特徴。まず、注目なのは、ヘッド部分。ヘッド裏面に搭載された「ワイドビーター」は毎分約1,600回で高速振動し、布団内部のダニの死骸やフンをたたき出す。さらに、約21cmという幅広の吸い込み口でパワフルに吸い込み、寝具のアレル物質を約99%以上除去するという。また、コードレスで本体も軽量なため扱いやすいのも魅力。ふとん1枚の掃除にかかる目安時間は、約80秒となっている(同社試験条件による。2m×1mのシングルサイズの敷ふとん片面に対し、秒速約80cmで2往復させた場合)。
毎分約1,600回転の高速振動でアレル物質を叩き出すプレート「ワイドビーター」は、外圧によって沈む仕組みにおなっており、シーツやカバーなどの生地の吸い込みを防いでくれる
ヘッド奥の2つのローラーは吸引による生地の吸い付きをおさえる役割をはたす
ヘッド両脇の大きな車輪により、広い面でもスイスイ走行させることが可能
1.8kgと軽量なうえコードレスなので、片手でヒョイと持つことができる。ハンドルが握りやすくヘッドのネック部分の可動域が広いので、手首や腕に掛かる負担が少なくて済む
実際に布団の上で稼動させてみたが、走行性がよく“スイスイ軽く動く”という印象
毎分最大約11万回転の遠心分離サイクロン「バーティカルトルネードシステム」により、「強力な吸引力」と「高い吸引持続力」を実現。吸引力低下の原因となるミクロのゴミまで99%以上分離し、吸引力を99%以上持続できるという
なお、捕集したゴミはダストカップ内で圧縮され、ゴミ捨て時の舞い上げ抑制してくれるようになっている。ちなみに、集じん容積は0.2Lとなっている
赤外線検知の「ゴミ残しまセンサー」を搭載。目に見えないハウスダストもLEDランプが点灯して知らせるため、取り残しを確認しながら掃除可能。さらに「自動モード」では、ハウスダストのあるところでは吸引力を自動で強くし、ハウスダストのないところでは、吸引力を通常に戻し電池消費を抑えるようになっている。掃除モードは「自動/かけふとん(綿)/羽毛ふとん」の3つ。それぞれの布団にあった叩き方や吸引パワーで稼動させることができる
ありがたいのが、布団だけでなく、ベッド回りの気になるか所をちょこっと掃除するハンディクリーナーとして使用できるパーツが付属していること。掃除機としての心臓部がしっかりしてるので、ベッドサイドのテーブルのホコリやベッドフレームの隙間など、そうとう活用できそうな気がする!
布団周りで使用すことを配慮し、衛生的な仕様になっている点も見逃せない。本体の手に触れる部分が抗菌、ウイルス抑制仕様になっているほか、ダストカップはもちろん、遠心分離部の中まで水で丸洗いすることが可能
ヘッド部も、布団に密着する部分には抗菌加工が施されており、パーツを取り外して水洗いもできる