あれこれ通信
「CEATEC JAPAN 2015」の注目展示

全自動洗濯物折りたたみ機「laundroid(ランドロイド)」の実演デモを見てきた!

IT・エレクトロニクス関連の総合展示会「CEATEC JAPAN 2015」にて、大きな注目を集めているのがセブンドリーマーズのブースだ。世界初となる全自動洗濯物折りたたみ機「laundroid(ランドロイド)」の製品化を発表し、ブースにてプロトタイプのプレゼンテーション&実演デモを開催。テレビなど各種メディアで取り上げられたこともあって、連日多くの来場者でにぎわう人気ブースとなっている。デモの動画を交えながら、このまったく新しい家電製品の特徴をレポートしよう。

laundroidのプロトタイプが組み込まれた展示。白い枠で囲まれた部分がlaundroid

laundroidのプロトタイプが組み込まれた展示。白い枠で囲まれた部分がlaundroid

画像解析技術とロボティクス技術を組み合わせて自動化を実現。2017年の発売を目指す

laundroidは、衣類の種類を判別し、自動で折りたたんでくれるというシンプルな機能の機器だが、その内部には、セブンドリーマーズが開発した非常に高度な技術が詰まっている。同社は「世界初の全自動洗濯物折りたたみ機」と発表しているが、世界初をうたうのは「複数の衣類に対応している」からだ。これまでは、シャツやシーツなど1種類を折りたたむ業務用機器は存在したが、複数の衣類を認識し、かつ一般家庭で利用できるようなものはなかった。これまでどの家電メーカーも製品化しなかった(できなかった)ものを実現したということで、その技術に話題が集まるのもうなずける。

まずは、CEATECのブースで行われた実演デモをご確認いただきたい。以下、1枚のシャツをlaundroidに投入して、自動で折りたたんで出てくるまでを収めた動画になる。

どうだろうか? 現時点のプロトタイプでは、Tシャツ1枚を折りたたむのに約10分弱の時間がかかるとのことだが、3回のデモを確認した限りでは、いずれも5分程度で完了していた。それでも「想像していたよりも遅い……」というネガティブな感想を持つ方もいるとは思うが、製品版では時間が短縮され、スペック上では1枚5〜10分程度になるとのこと。製品版で対応する衣類は、シャツ、ズボン、スカート、タオルの4種類で、約40枚(約4.5kg)まで一気に投入可能だ。40枚を投入した場合、処理が終わるのに3〜6時間程度かかるとのこと。衣類のサイズは、子ども用から大人の3Lサイズまで対応する。

「衣類の種類を判別して折りたたむ」というのは、これまでは人が考え、手で作業するしかなかったことであり、機械でそれを自動化するには、想像以上に高度な技術が求められる。laundroidでは、工場のオートメーション化で培ってきたという、衣類の種類を認識する「画像解析技術」と、認識した衣類を折りたたむ「ロボティクス技術」の2つをコア技術とし、自動判別&自動折りたたみを実現した。

投入前のTシャツ

投入前のTシャツ

折りたたまれたTシャツ

折りたたまれたTシャツ

Tシャツの裏側もキレイに折りたたまれていることをアピール

Tシャツの裏側もキレイに折りたたまれていることをアピール

画像解析技術とロボティクス技術の2つのコア技術

画像解析技術とロボティクス技術の2つのコア技術

動作中のlaundroidの内部をモニタリングしている様子。左が画像解析技術で衣類の種類を認識している様子、右がリアルタイムに折りたたんでいる様子(※機密情報のためモザイクがかかっている)

製品展開としては、2016年度中に予約受付を開始し、2017年に折りたたみ専用機を発売する予定。2018年には、折りたたみ機能に分配収納機能を加えたものを介護福祉施設・病院向けに展開。2019年には、洗濯乾燥機一体型の、洗濯から乾燥、折りたたみまでを一貫して行うオールインワンモデルを投入予定だ。さらに2020年には、家庭へのビルトインモデルを計画。イメージとしては、洗濯・乾燥・折りたたみの後に、衣類が部屋のクローゼットやたんすに自動で格納されるインテグレーテッドシステムを想定しているとのこと。なお、製品化に向けては、パナソニックと大和ハウス工業がパートナー企業となる。パナソニックは折りたたみ専用機の製品化に、大和ハウス工業は介護福祉施設・病院向けモデルの製品化に協力する。

なお、細かい技術やスペックは機密情報が多く非公開となっているが、最初に発売する製品の大きさについては、家庭用の大型冷蔵庫と同等程度になるとのこと。価格は、「高級家電としての価格帯になる」と発表されている。

なぜ「折りたたみの全自動化」を考えたのか?

セブンドリーマーズによると、一般的な家庭において一生で洗濯作業に費やす時間は18,000時間で、その約50%の9,000時間が洗濯物をたたんで、分配し、運んでいる時間に該当するという。各家庭で1人がすべてを担当したとすると、洗濯物のたたみ・分配・運びにかかる時間は、約1年(約375日)になる。laundroidは、この時間を開放することで、人生に自由な時間を増やすことをコンセプトにした製品である。

また、開発を始めるにあたっては、競合調査・特許調査を行い、未開拓の分野で、折りたたみ機能が自動化されていないことを確認。製品化にはハードルが高いことを理解しつつ、「想像できることは実現できるはずだ」をスローガンに、2005年から約10年にわたって、衣類を「つかむ」「広げる」「認識する」「折りたたむ」「仕分け・収納する」という5つのプロセスの自動化を目指し、研究・開発を続けてきたという。

洗濯物のたたみ・分配・運びにかかる時間は、一生の約1年(約375日)

洗濯物のたたみ・分配・運びにかかる時間は、一生の約1年(約375日)

「つかむ」「広げる」「認識する」「折りたたむ」「仕分け・収納する」のプロセスを自動化することを目指し、開発を続けている

セブンドリーマーズとは?

初めて聞く社名という方もいると思うが、セブンドリーマーズは、2011年創業の若い会社だ。ただし、その母体となるのは、1957年創業のスーパーレジン工業(炭素繊維を中心とした先端複合材料を用いた成形加工メーカー。現在はI.S.Tグループの傘下)となる。スーパーレジン工業は、FRP(繊維強化プラスチック)成型のパイオニアで、これまでに、宇宙開発分野や航空分野で実績を積み重ねており、代表的なところでは、小惑星探査機「はやぶさ」に同社の製品が採用されている。ユニークなところでは、岡本太郎氏より依頼を受けて、1970年に大阪万博の「太陽の塔」の顔の製作も担当した。

スーパーレジン工業ならびに親会社のI.S.T.はBtoB中心の会社だが、セブンドリーマーズは、BtoCへの展開を目的に設立された会社である。革命的な技術力でイノベーションを起こすことを目指し、2014年3月に、宇宙衛星開発技術を生かした測定システムと設計技術をもとに、完全オーダーメイドの高性能ゴルフシャフトを販売。続いて、2014年7月に、ヘルスケア商品として、睡眠中のいびきや無呼吸を防ぐ世界初の鼻腔挿入デバイス「ナステント」を販売開始している。そして第3の事業として立ち上げたのが、今回のlaundroidというわけだ。

セブンドリーマーズの阪根信一社長。スーパーレジン工業の社長でもある

セブンドリーマーズの阪根信一社長。スーパーレジン工業の社長でもある

真柄利行(編集部)

真柄利行(編集部)

体力勝負ならそこそこ強い編集部デスク。カメラやAV家電を中心に製品のレビュー記事を担当しています。撮られるのは苦手ですが撮るのは好きです。

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