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業界初! コードレススティック掃除機「FREED」の“走るヘッド”ってなに?

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高級タイプの掃除機を選ぶ際、これまではキャニスター型を選択する傾向にあったが、シャープの調査によると2014年頃からコードレススティックの需要が大きく伸張。構造の改良やバッテリー性能の向上によりメイン掃除機として使えるレベルになったことが背景にあるが、同時に利用者は“高級だからこそ”という期待からさらなる使いやすさとゴミ取り性能を求めているという。このようなユーザーの声に応えるべく、シャープから“走るヘッド”を採用した「FREED EC-SX520」が誕生。従来の自走式とは異なる仕組みで、かつ、掃除性能を高める“圧力”を利用した吸引ができる機構を施しているのが特徴だ。説明会で見てきたEC-SX520の詳細を紹介する。

左側2製品が上位モデル「EC-SX520」(市場想定価格:85,000円前後)で、右側が下位モデル「EC-SX320」(市場想定価格:60,000円前後)。“走るヘッド”は上位モデルのみとなる。どちらも5月下旬発売予定

掃除性能と使いやすさを高めた新ヘッド

掃除機は基本的に、吸込口と床の密着度が高いほうが細かいゴミを吸引しやすいが、その反面、吸込口周囲の大きなゴミが吸い取りにくくなったり、操作しづらくなる。特にコードレススティック型の場合、バッテリーやモーターといった部品すべてを腕で支えなければならず、床面への密着と本体重量の「重くて操作性が悪い」という不満につながっていた。また、壁際のゴミもこれまでのヘッドでは吸気が不十分で取り残しが多いのも事実。“微細じんも大きなゴミも壁際ゴミもしっかり吸い込み動かしやすいヘッド”は、相反する要素を1つの吸込口で担わねばならず、実現は難しいものだったという。

EC-SX520が、そんな課題をクリアできたのは3つの新機構を搭載したヘッドにある。文章だけではわかりづらいので、1つずつ写真を交えながら紹介していこう。1つ目は、壁際のゴミへの対策。ヘッドの前方に軟質バンパーを装着することで、壁に押し付けられるとバンパーの開きが狭くなるようにしている。これにより吸引部が高圧力化され、隅ゴミを残さずキャッチできるようになった。

普通のヘッドに見えるが、前方に柔らかい素材のヘッドを配置

普通のヘッドに見えるが、前方に柔らかい素材のヘッドを配置

通常の床掃除ではバンパーは開いているため、その隙間から綿ホコリなど大きめのゴミにもしっかり対応。壁際にヘッドがぶつかるとバンパーが押され、ヘッド前方と壁の隙間が狭くなる。これにより吸引部の圧力が高まり、高速風が生まれるという

壁際を模したものでゴミ取り性能をテストしてみた(下の動画参照)。

ヘッド前方の壁際のゴミだけでなく、コーナーのゴミも一度の走行でキレイに取れた

ヘッド前方の壁際のゴミだけでなく、コーナーのゴミも一度の走行でキレイに取れた

2つ目の新機構は、普通の床面での清掃力を向上させる工夫だ。ヘッド裏の回転ブラシの近くに仕切りを設け、吸気風路を細くしている。内部の圧力が高まり、吸気風が従来の倍にアップ。微細なハウスダストも強力に吸い取る。

一般的な吸込口を採用している下位モデル「EC-SC320」と比較してみると、EC-SX520のほうは吸引部分と回転ブラシのあいだに仕切りがあることがわかる。この構造により吸気風スピードが100km/hに向上

チョークを畳に擦りつけ、畳の目にまで汚れが入った所をEC-SX520で掃除機がけしてみた(下の動画参照)。往復させてみたが、1度の通過でも汚れの取れ具合は上々だ。

そして、最後に紹介する新機構は使い勝手を高める“走るヘッド”。一般的な自走式ヘッドの場合、回転ブラシを利用してヘッドを動かしている。そのため、カーペットなど抵抗(摩擦)の大きなところでは走行をアシストしてもらえるが、フローリングでは空回りしてほとんど自走できていないそう。この課題を解決するのが、走行用の専用モーター。ヘッド裏にあるゴム製のローラーをモーターで稼動させ、走行を助ける。回転ブラシは本来の役割であるゴミをかき取ることに特化できるので、掃除性能も高まるという。

ヘッド内に走行のためのモーターを搭載

ヘッド内に走行のためのモーターを搭載

中央部にある黄色いローラーがモーターで駆動し、走行をアシスト。後方にある黄色いパーツも、小回りを利かせるための工夫だという

回転ブラシによる自走アシスト(前モデル)と、専用モーターによる駆動(EC-SX520)の違いを比較してみよう。フローリング上で稼働させた際の自走力の差を下の動画で見ていただきたい。

上の動画でもわかるように、回転ブラシを利用したアシストではまったく自走せず。フローリングでは、ほぼ人の力で掃除機を走らせているということになる。では、続いてEC-SX520を下の動画でチェックしてみよう。まったく手を添えていないのに、グングン走っていく。自走力の違いは明確で、どちらのほうがよりラクに掃除機がけできるかは一目瞭然だ。

回転ブラシで自走する掃除機は直進性が高いが、EC-SX520はヘッド中央部のローラーで進むため方向転換もスムーズに行える。家具が多い、小回りが求められる場所でも掃除しやすいだろう

ほかにも使いやすい工夫がいっぱい!

ヘッドの進化が大きなポイントだが、ほかにも前モデルからの改良点があるので紹介しておこう。目に見えないゴミをセンサーで検知してキレイになったかを知らせてくれる機能やプラズマクラスターイオンが放出されるダストカップ、そしてたっぷり掃除できるように交換用のバッテリーが同梱されるなど、メイン掃除機としての満足度を高める工夫が施されている。

赤外線でハウスダストを検知し、汚れていると判断するとランプが点灯(自動モード時)。消灯するまで、キレイにしたくなりそうだ

プラズマクラスターをダストカップに放出することで、静電気を除去。プラズマクラスターが放出されるEC-SX520のダストカップ(左)は側面にゴミが付着していないことがわかる。ゴミを捨てる時に、捨てきれない事態が低減できるという

FREEDのバッテリーは外せる仕様となっており、充電も本体から取り出して専用の充電器で行う。新モデルでは最初からバッテリーが2つ同梱される

バッテリーが2つあるので、掃除している間は残り1つを充電しておける。自動モードであれば満充電で約30分掃除できるので、バッテリー交換すれば約60分の掃除が可能だ。バッテリーの充放電回数は1つあたり1,100回

たっぷり掃除できるようになったため、アタッチメントも充実。高い所を掃除できる伸縮ノズルや車の中の清掃に役立ちそうな延長ホース、そして寝具ケアに対応する布団用のヘッドが付属する

前モデルで好評だった自立構造は引き続き採用されているが、写真のように直立にするといったん運転が停止状態になる。再び、掃除機がけをする姿勢になると運転が再開する仕様となった。その様子は下の動画でチェック!

動画では直立させた時に手を沿えているが、離しても自立するので大丈夫。一時停止のまま放置しておけるのは約1分で、それ以上の時間が経過すると完全に停止する。掃除機をかけている途中で物をどけたり、一瞬別の用事をしたい時に便利だ。

中村真由美(編集部)
Writer / Editor
中村真由美(編集部)
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。気づけば15年以上、生活家電の情報を追い、さまざまな製品に触れています。
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