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SUBARUは自転車も“全輪”駆動! 「AWD自転車」200km爆走レポ

日本の自転車メーカーDOUBLEとコラボ

自動車ライターのマリオ高野です。
この夏、自動車ブランドのSUBARUからAWD(All Wheel Drive=常時全輪駆動)の自転車が発売されます。

SUBARUは長年にわたってAWD車の開発や販売で定評があり、AWDのイメージが強いことから、日本で唯一の二輪駆動自転車メーカー「DOUBLE」とのコラボによりAWDの自転車が企画されました。

SUBARUの4WDシステムは「常時全輪駆動」でAWDと呼ばれています。SUBARU以外の四輪駆動システムは「フルタイム4WD」とうたっていても常に四輪すべてが駆動しているシステムばかりではありません

2回目の限定発売となるAWD自転車

自動車ブランドの自転車は数多くありますが、AWD(常時全輪駆動)の自転車を発売するのはSUBARUだけ。

実は、2016年の秋にも「DOUBLE」とのコラボによるAWDの自転車が発売されたのですが、限定の60台が瞬く間に完売。再販を希望する声が噴出したことから、満を持しての後継モデル「 minivelo(ミニベロ)」の発売となります。

今回発売されるAWD自転車には2種類があり、オレンジ色が「スタンダードモデル」、青と白のボディが「ハイスペックモデル」となります

AWD自転車の最大の特徴は、クルマのAWD車と同じく「直進安定性」や「悪路走破性」の高さ。普通のアスファルトの上を少し走るだけでも、前輪にも駆動力が伝わることによる安定感の高さが誰にでもすぐに実感できます。一般的な一輪駆動(後輪駆動)の自転車では得られない安定感が味わえるのが最大の魅力といえ、未舗装路や雨にぬれた路面などでも安定感を損なわずに走れるのです。

ペダルをこぐと、前後輪が等速で回る

二輪駆動自転車の仕組み。元画像はDOUBLE公式HPより

二輪駆動自転車の仕組み。元画像はDOUBLE公式HPより

カンタンに説明すると、AWD自転車のペダルに付いているギアとチェーンが、後輪だけでなく前輪を回すチェーンにもつながっています。普通の自転車では後輪しか回らないところ、AWD自転車は後輪と前輪が同時に回り、走行性能の向上を狙っているのです。

専用チェーンとパーツを駆使したAWDシステムを使用することにより、後輪の駆動を前輪の駆動へとつなげ、前輪と後輪の駆動を等速で同期されることに成功したオリジナルのAWD自転車。後輪から前輪へと駆動力を伝達させる専用チェーンは、サビに強いCPチェーンを採用。常時全輪駆動を実現するために開発した、オリジナルフレーム、フォーク、そして二輪駆動専用パーツで構成されます。駆動力を伝達する各部品を保護するためのチェーンパイプやギアカバーの形状を見直し、安全なAWD自転車を実現。AWD駆動チェーンのチェーンラインを確保するダブルギアにより、駆動力を安定的に等速ジョイントへ伝えます。

一般的な自転車ではふらつきがちな状況、たとえばこぎ出しの直後や急な坂道を登るときなど、スピードが遅くなる状態でもふらつきを最小限に止めてくれるところもAWDのメリットの1つ。

前作と同様、後輪の駆動力を前輪へ伝達させ、前輪も推進力を発揮する独自の常時全輪駆動システムを搭載。耐久性に優れた専用設計のオリジナルのクロモリ鋼フレームと、屈強なフロントフォークを採用します。

変速機構、および駆動機構は信頼と実績のあるシマノ製

変速機構、および駆動機構は信頼と実績のあるシマノ製

等速ジョイントにより、ハンドル操舵(そうだ)に影響されずに、駆動力を全輪に伝達させます

等速ジョイントにより、ハンドル操舵(そうだ)に影響されずに、駆動力を全輪に伝達させます

樹脂製のチェーンパイプで駆動チェーンをカバーし、衣服への油汚れを防止します。またチェーンケースでもダブルギアをカバーし、衣服への油汚れと巻き込みを防止します

樹脂製のチェーンパイプで駆動チェーンをカバーし、衣服への油汚れを防止します。またチェーンケースでもダブルギアをカバーし、衣服への油汚れと巻き込みを防止します

前作ともっとも異なるのはフレームサイズとタイヤで、前作は445mmの26インチ、または450mmの27.5インチと、やや大きめのオフロード向けのタイヤを装着していたのに対し、今回の新作は380mmの20インチで、よりアスファルト路面向きのタイヤを装着しています。

基本は折り畳み式自転車なので、ハンドルやペダルはコンパクトに格納できます

基本は折り畳み式自転車なので、ハンドルやペダルはコンパクトに格納できます

ギアは「スタンダードモデル」が7段、「ハイスペックモデル」は9段と、より幅広い状況に対応しやすくなっていますが、普通に乗る分には7段でもまったく不満はありませんでした

ギアは「スタンダードモデル」が7段、「ハイスペックモデル」は9段と、より幅広い状況に対応しやすくなっていますが、普通に乗る分には7段でもまったく不満はありませんでした

ハンドルは高品質な素材を採用。握り心地がよく、操作性の高さを実感しました

ハンドルは高品質な素材を採用。握り心地がよく、操作性の高さを実感しました

駆動力が前後に配分されるので、登り坂や静止状態からこぎ出し直後の加速も力強く感じられるのです。自転車に乗るのが苦手な人にもおすすめですね。

ごく普通のタイヤながら、AWDのおかげでちょっとした土手ぐらいなら難なく走破できてしまうところも一般的な自転車にはない魅力。男性の脚力なら、そこそこ急な土手でも登りきることができるでしょう。女性の脚力でも低めのギアなら予想以上に坂道を力強く登ることができます。

前輪への駆動を配分する機構はやや複雑で部品点数が多く、走行抵抗は増すように思えますが、実際にこいでみると、一般的な自転車と比べてペダルが重く感じることはありません。

基本は街乗り用途向けながら、オリジナルのクロモリ鋼フレームはきわめて頑丈、かつAWD機構を支える各部品も耐久面と安全面に対するテストが入念に繰り返されているので、そこそこタフな用途にも十分応えてくれます。

ペダルを回すことで前後輪が同時に駆動される様子を動画でご覧ください

AWD自転車でドイツの道を200km走ってきた

実際、筆者はこの自転車でドイツのフランクフルトからニュルブルクリンクというサーキットまでの約200kmの道のりを3日間かけて走りきりました。200kmのルートのうち2割ぐらいは未舗装路で、途中で遭遇した泥や草だらけの悪路も問題なく走破。大きなトラブルもなく走りきり、AWD自転車の路面対応力の高さを実感してきました。

筆者(マリオ高野・青)と自動車ライターの井元貴幸氏(黄色)。2人とも自転車は初心者ながら、異国ドイツの田舎道を走りきりました

筆者(マリオ高野・青)と自動車ライターの井元貴幸氏(黄色)。2人とも自転車は初心者ながら、異国ドイツの田舎道を走りきりました

未舗装路ではAWD(常時全輪駆動)の本領発揮。その気になれば、そこそこの悪路でもラリーマシンのような走りを楽しむことができます

筆者は、いわゆるママチャリで近所に買い物に出かける程度しか自転車に乗った経験のない初心者ですが、それでも1日平均60km以上を無理なく走り切れたのには、我ながらビックリ。


一緒に走った自動車ライター仲間の井元貴幸氏も、無事完走を果たしました。ご覧の巨漢からもわかるとおり、井元氏も普段は自転車に乗らないばかりか、実は大の運動嫌い。正直、慢性的な運動不足の井元氏が途中でリタイヤすることを多くの人が予想していましたが、井元氏はいい意味で予想を裏切りました。ペースは遅いながらも肉体的な限界に達することもなく、運動嫌いの体躯(たいく)でも怪我をせず完走できたのは、ひとえに自転車がAWDだったからではないでしょうか。

いかに悪路での走破性が高かろうと、一般的な自転車よりも抵抗が増す分負担が大きくなるのでは? との質問をよく受けますが、実際はその逆。ペダルから入力される駆動力が前後に分散されるAWDゆえに、坂道などでは逆にペダルが軽く感じられ、体への負担が小さくなるのです。

筆者も、初日は持病の膝痛が痛みだすなど、足の不調を感じましたが、2日目以降はこげばこぐほど膝の調子がよくなるという、奇跡的な感覚を覚えました。これも体への負担が少ないことを証明する事実。やはり、自転車の初心者におすすめといえます。



ドイツ・ニュルブルクリンクサーキットに到着した直後の様子。ニュルブルクリンクサーキットで開催された自動車の24時間耐久レースの応援イベントの一環として企画されたサイクリングでした

ドイツ・ニュルブルクリンクサーキットに到着した直後の様子。ニュルブルクリンクサーキットで開催された自動車の24時間耐久レースの応援イベントの一環として企画されたサイクリングでした

ラインアップは2種類あり

タイヤ径は20インチと小さく、速度はあまり出ないので、高速で巡航したい人には不向きですが、筆者のような初心者にとっては、最高速度が低めゆえにどんな状況でも恐怖感を覚えることなく、常に安心して走れました。一方、自転車のエキスパートの人にとっても、AWDによる独自の安定感や駆動力の高さにより、新鮮なサイクリングが楽しめることでしょう。



この2台は、筆者と自動車ライターの井元貴幸氏が実際にドイツで走った個体。各部の質感や剛性は高く、基本設計や性能は自転車のエキスパートからも高く評価されています。水筒やペットボトルをホールドするドリンクホルダーを装備

この2台は、筆者と自動車ライターの井元貴幸氏が実際にドイツで走った個体。各部の質感や剛性は高く、基本設計や性能は自転車のエキスパートからも高く評価されています。水筒やペットボトルをホールドするドリンクホルダーを装備

ラインアップは「スタンダードモデル」と「ハイスペックモデル」の2種類で、ハイスペックモデルにはカゴと泥除(よ)けが装備され、ギアは9段となり、より幅広い路面状況に対応可能。

シンプルなスタンダードモデルはギアが7段となりますが、低めのギアでの駆動力は9段と同じ。価格はスタンダードモデルで15万円ほどになる見込みです。

通常ではハイスペックのほうには前カゴが備わりますが、今回のロングツーリングではカゴを外して走行しました。また「スタンダードモデル」にはオプションとなる泥除けを装着しています

通常ではハイスペックのほうには前カゴが備わりますが、今回のロングツーリングではカゴを外して走行しました。また「スタンダードモデル」にはオプションとなる泥除けを装着しています

前カゴがあれば実用性は高まりますが、カゴを付けるとフロント部分の重量が増して風の抵抗を受けやすくなることから、長距離走行時には外したほうが負担を軽減できます。短距離ならカゴ付きでもまったく問題ありません

前カゴがあれば実用性は高まりますが、カゴを付けるとフロント部分の重量が増して風の抵抗を受けやすくなることから、長距離走行時には外したほうが負担を軽減できます。短距離ならカゴ付きでもまったく問題ありません

AWD自転車は「6月13日」発売です

発売は6月13日の予定で、SUBARUのオンラインショップでの限定販売になります。
SUBARUのオンラインショップはコチラ

今回も台数限定販売となり(おそらく120台ほど)、過去の実績からすると早めに売り切れることが予想されるので、気になる人はSUBARUのオンラインショップのサイトをマメにチェックしてください。

メンテナンスについては、AWD機構以外の部分については特殊性はないので、一般的な自転車屋さんなどに依頼して問題ないようです。AWD機構に関しては専門的な知識や経験、技術が必要となりますが、全国に販売協力店が用意されており、そちらに相談すればよいでしょう。

マリオ高野

マリオ高野

1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。2台の愛車はいずれもスバル・インプレッサのMT車。

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