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3Tの2019年モデル3車種を見てきた!!

SRAM製新コンポーネントでグレードアップした3Tのフロントシングルのエアロロード!


世界で初めてアルミ合金を自転車パーツに使用したメーカーとしても知られるイタリアの「3T(スリーティー)」。もともとロードバイク用の軽量なパーツを製造していたメーカーだが、近年は、さらに軽量なカーボンを多用したパーツでレースを中心に名を馳せており、2016年からはカーボン製のロードバイクやフレームなども手がけ、世界的に高い評価を獲得している。そんな3Tが2019年2月7日に、ロードバイクをはじめとする2019年モデルの発表会を開催。なかでも注目すべきは、この発表会が行われた同日にリリースされたSRAM製の新コンポーネント「Red eTap AXS」を装備したエアロロードだ。かなり高価格なラインアップだが、ロードバイク好きなら注目せずにはいられないモデル。発表会で見てきた3車種の詳細をお伝えしよう。

先進性の技術が光るエアロロード「STRADA」シリーズ

最初に紹介するのは、もちろん、発売されたばかりのアメリカメーカー「SRAM」のコンポーネント「Red eTap AXS」を搭載したエアロロード「STRADA TEAM RED eTap 1x12s」だ。2017年に初代モデルが登場したこの「STRADA」シリーズの特徴は、フロント側の変速機を持たないフロントシングル(前側の変速がないギア)となっていること。長距離をハイスピードで走るだけでなく、ときには山道も登ることがあるロードバイクは、通常、フロントとリアの両方に変速を備えているが、STRADAシリーズはフロント側の変速機構を廃することでより空気抵抗を減らし、エアロ効果を追求しているのだ。さらに、新搭載となるコンポーネント「Red eTap AXS」の変速段数が、従来の1×11速から1×12速になったこともポイント。選べるギアが増えたことに加え、50Tという大きなサイズのリアギアを選べるようになったことにより、登り坂などで、フロントギアを軽くすることができないフロントシングルの欠点を補えるようになった。

「STRADA TEAM RED eTap 1x12s」の価格は140万円(税別)。重量は7.2kgと非常に軽量だ

「STRADA TEAM RED eTap 1x12s」の価格は140万円(税別)。重量は7.2kgと非常に軽量だ

フロントのギアは1枚で41Tのサイズを装着。変速機がないため、フレームのエアロ効果を最大限に発揮できる

フロントのギアは1枚で41Tのサイズを装着。変速機がないため、フレームのエアロ効果を最大限に発揮できる

リア側の変速ギアは12枚。もっともペダルが軽くなるギアが非常に大きいので、フロントの変速がなくても急な登り坂にも対応しやすい。チェーンも12段変速に対応するために新開発された

実は、従来のSTRADAシリーズでもSRAMのコンポーネントを採用しているが、最上位グレードである「RED」にフロントシングルの設定がなかったため、セカンドグレードの「FORCE」を使用していた。今回、「Red eTap AXS」に1×12速の「HRD 1X」システムが登場したことにより、最高峰グレードが使用できるようになったのだ。これは、STRADAシリーズがロードバイク界に持ち込んだフロントシングルという思想が大きな流れとなり、コンポーネントメーカーすらも動かした結果と言えるのではないだろうか。ちなみに、変速の切り替えはレバーにあるボタンを押せば電動で行われる。この仕様自体は別段めずらしいものではないが、ボタンと変速機の接続が無線なのは「Red eTap AXS」が初めてだ。変速ボタンは最大4か所に設置でき、ボタンに割り当てる役割などはスマートフォンの専用アプリで変更できる新世代の変速システムとなっている。

前後ともに油圧式ディスクブレーキを搭載。ホースは、フレームやフロントフォークの内部を通している

前後ともに油圧式ディスクブレーキを搭載。ホースは、フレームやフロントフォークの内部を通している

ブレーキレバーが変速レバーを兼ねる仕組み。油圧ディスクブレーキながら、レバーの付け根部分もコンパクトだ

SRAM製コンポーネントを中心に紹介してきたが、「STRADA TEAM RED eTap 1x12s」の基本性能も最上級。一般的にレース向けのフレームは、剛性は高いもののエントリーユーザーには硬くて乗りにくい傾向だが、事前試乗会などで「STRADA TEAM RED eTap 1x12s」に乗った人の多くが、しなやかで快適な乗り味に驚くという。なお、この車種名に入っている「TEAM」は、トップレベルのレース車にも用いられる軽さと長距離ライドでの快適さを両立した3T製品の上位グレードに与えられる名称だ。

フレームは、前に向かってブレードのような形状になっており、後ろ側は切り落とされたようなシェイプになっている

リアタイヤに沿うような特徴的なシルエットは空力特性を突き詰めたもの

リアタイヤに沿うような特徴的なシルエットは空力特性を突き詰めたもの

シートポストもフレームと同様、エアロ形状。もちろん3T製だ

シートポストもフレームと同様、エアロ形状。もちろん3T製だ

ハンドルやステムも3T製のカーボンを用いて軽量化を実現

ハンドルやステムも3T製のカーボンを用いて軽量化を実現

ホイールはリムハイトの高いエアロ形状。ロードバイクにしては太めな700×30Cのタイヤを履いている

ホイールはリムハイトの高いエアロ形状。ロードバイクにしては太めな700×30Cのタイヤを履いている

エアロフレームを採用したグラベルロード「EXPLORO」シリーズ

今回展示されていた3車種の内、2車種は未舗装路も走れるグラベルロードの「EXPLORO」シリーズとなる。2016年に3Tが初めてリリースした完成車が、このシリーズだ。そんなEXPLOROシリーズの特徴はグラベルロードでありながら、エアロ形状のフレームを備えていること。レース向けのロードバイクよりも低い速度域で走るグラベルロードにエアロフレームが必要なのか?という疑問も湧いてくるが、林道でも下りではスピードが出ることが多いほか、標高の高い場所では風が強いことも想定されるため、エアロ効果が効いてくるのだという。さらに、林道などへのアプローチで舗装路を走る際にエネルギー消費を抑えられるメリットもあるらしい。

2019年モデルの最上位機である「EXPLORO LTD RED eTap 2x12s」は、カーボンフレームに3Tの中でも最上級グレードとなる「LTD」を採用(エアロロードは2番目のグレード「TEAM」)。軽さと振動吸収性を突き詰めた素材で、ダートを含めた長距離ツーリングでも疲れが少ない。コンポーネントには前述のエアロロードと同じく、SRAM製の新しい「Red eTap AXS」コンポーネントを使用しているが、激しい登りも想定する車種らしくフロント側の変速も備えた「HRD 2X」システムとなっている。また、700×37Cのブロックパターンのタイヤは、40Cまでの太さに対応し、マウンテンバイク用の27.5インチタイヤも装着可能だ。

「EXPLORO LTD RED eTap 2x12s」は、太いタイヤを装着しながら重さは8.0kgに抑えられている。価格は140万円

「EXPLORO LTD RED eTap 2x12s」は、太いタイヤを装着しながら重さは8.0kgに抑えられている。価格は140万円

メインチューブのエアロ形状などは、エアロロードのSTRADAシリーズと同様。剛性のバランスなども特にグラベルロード用に変更していないことからも、基本設計での快適性の高さがうかがえる

太いタイヤを装着するため、リア側のフレーム形状はSTRADAシリーズと異なる

太いタイヤを装着するため、リア側のフレーム形状はSTRADAシリーズと異なる

フレーム同様、ホイールにも「LTD」グレードのカーボンを採用。リムハイトの高いエアロ形状となっている

フレーム同様、ホイールにも「LTD」グレードのカーボンを採用。リムハイトの高いエアロ形状となっている

SRAM製「Red eTap AXS」コンポーネントは、フロント側にも変速を搭載した「HRD 2X」システムを採用

SRAM製「Red eTap AXS」コンポーネントは、フロント側にも変速を搭載した「HRD 2X」システムを採用

リア側の変速は12段。フロント側に2枚のギアがあるので、リアのギア比はあまり幅が広くない(大きなギアが必要ない)

太いリアタイヤや2枚あるフロントギアと干渉しないよう、右側のチェーンステーは下側に逃されている

太いリアタイヤや2枚あるフロントギアと干渉しないよう、右側のチェーンステーは下側に逃されている

前後ともに油圧ディスクブレーキを装備。ホースはフレームの内部を通す仕様となっている

前後ともに油圧ディスクブレーキを装備。ホースはフレームの内部を通す仕様となっている

「EXPLORO」シリーズには、下位モデルとなる「EXPLORO PRO RIVAL1 1x11s」もラインアップ。フレームのジオメトリーなどは上位モデルと同じだが、カーボン素材を3Tの3番目のグレードに位置する「PRO」とし、コンポーネントもSRAMの3番目のグレードとなる1×11速の「RIVAL」を装備。フレーム素材と装着パーツのコストを抑えることで、55万円(税別)というリーズナブルな価格を実現した。

バイクパッキング用のバッグを装備した状態で展示されていた「EXPLORO PRO RIVAL1 1x11s」車重は9.0kgと、これまで紹介してきたモデルに比べると重いが、油圧ディスクブレーキと700×38Cの太いタイヤを装備していることを考えれば、十分軽いといえる

右側のチェーンステーが下側を通す構造となっているなど、基本的な設計は上位モデルと同様だ

右側のチェーンステーが下側を通す構造となっているなど、基本的な設計は上位モデルと同様だ

SRAM製「RIVAL」コンポーネントを装備。激しい登りを攻めるよりツーリングでの使い勝手を重視している

SRAM製「RIVAL」コンポーネントを装備。激しい登りを攻めるよりツーリングでの使い勝手を重視している

変速はリア側に11段。「RIVAL」コンポーネントを採用しているため、変速はワイヤー引きとなる

変速はリア側に11段。「RIVAL」コンポーネントを採用しているため、変速はワイヤー引きとなる

油圧ディスクブレーキを前後に装備し、制動力を確保。山道の下りも安心して走れる。フロントフォークはエアロ効果の高いブレード形状

「RIVAL」グレードの油圧ブレーキレバーは、やや取り付け部分が大きい。レバーが変速も兼ねる構造は同じ

「RIVAL」グレードの油圧ブレーキレバーは、やや取り付け部分が大きい。レバーが変速も兼ねる構造は同じ

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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