LGエレクトロニクス・ジャパンは4月12日、薄型テレビ2018年モデルを発表した。有機ELテレビのラインアップのみで5シリーズ10機種と圧巻のラインアップを展開する。
「すべての有機ELテレビは、LGから始まる。」のキャッチで届けられるLGの2018年有機ELテレビ
有機ELテレビ2018年モデルのラインアップ
“LG Signature”として展開される有機ELテレビ最上位モデルの「OLED W8P」シリーズは、昨年の最上位モデル同様に宙に浮いたようなデザインコンセプトを継承。新ラインの「OLED G8P」シリーズはスタンドタイプでガラスカバーデザインが採用された。
スタンダードモデルとしては「OLED E8P」「OLED C8P」「OLED B8P」の3シリーズをラインアップ。「OLED E8P」は壁掛けにも向いたデザイン、最大77インチモデルを用意した「OLED C8P」はスタンド型デザイン、入門モデルの「B8P」というフルラインアップ展開となっている。
“LG Signature”のハイエンドモデルの「OLED W8P」と「OLED G8P」
最上位モデルの「OLED W8P」シリーズは77/65インチの2サイズ展開
スタンドスタイルのハイエンドモデル「OLED G8P」は65インチサイズをラインアップ
スタンダードモデルとしては「OLED E8P」「OLED C8P」「OLED B8P」の3シリーズを展開
「OLED E8P」は65/55インチの2サイズ展開。ワンランク下に位置する「OLED C8P」シリーズとの違いはスピーカーで、「OLED E8P」には60Wのスピーカーが標準搭載される
2017年の大ヒットモデル「C7P」の後継にあたる「OLED C8P」。こちらは77/65/55インチの3サイズで展開される
有機ELテレビの入門モデル「B8P」シリーズは、後述する「α9インテリジェントプロセッサー」が唯一非搭載となっている。サイズは65/55インチの2サイズだ
2018年のLG有機ELテレビのポイントとなるのが、有機ELテレビ専用の高画質エンジンである「α9インテリジェントプロセッサー」の搭載だ(B8Pを除く)。
「α9インテリジェントプロセッサー」は有機ELパネルの特性を熟知したLGが開発した、「有機ELテレビ専用エンジン」。フレーム比較でノイズを検出して除去を2段階で実行、さらにバンディングノイズ除去も2段階の“4ステップノイズリダクション”、映像の周波数解析と背景とオブジェクトの識別によるコントラスト処理、そして色正確さを高める“イメージエンハンサー”の機能も搭載している。
従来、日本市場での同社製有機テレビは地上デジタル放送の解像感やノイズ処理の甘さが弱点として語られてきたが、改めて「α9インテリジェントプロッサー」の処理の内容を見ると、ソニー、東芝、パナソニックら映像エンジンの開発を得意とする日本メーカーにだいぶ近い水準となっていた。このあたりをみると、同社が有機ELテレビの日本市場における拡大に向けて高画質化に真剣に取り組み始めたことがわかる。
最大の画質強化ポイントが「α9インテリジェントプロセッサー」
ノイズリダクション、イメージエンハンサー、カラーマッピングを強化
暗部の階調表現力も大きく改善している
3Dルックアップテーブルを用いて鮮やかな色再現を実現
また、同社独自の高画質への取り組みが「HFR(ハイフレームレート)」への対応だ。2018年モデルでは、最大4K/120Hz表示までの信号に対応するという。現時点では対応ソースもなくUSB再生のみとなっているが、ソースが登場した際にはハードウェア能力を生かすアップデート対応にも期待大だ。
全モデルがHFR(ハイフレームレート)も対応
映像表示のぼやけの改善もデモしていた
HDR周りでは、「4K Cinema HDR」の名前で「HDR10」「DolbyVision」「HLG」「Adbanced HDR」(テクニカラー)の4方式に対応。サウンドについても、有機ELテレビは、ハイエンドの全シリーズの10機種がオブジェクトベースの「DolbyAtomos」にテレビ一台で対応となった。
スピーカー構成はそれぞれ異なるが全モデルで「DolbyAtomos」に対応
スマートTV機能は引き続き「web OS」を採用し、音声アシスタントにも対応。なお、海外発表時、同社の有機ELテレビは「LG OLED TV AI ThinQ」というAI対応を前面に押し出したブランド名で発表されていたが、発表時点の有機ELのブランドは「LG OLED」のままで、「LG OLED TV AI ThinQ」の名称はAI関連のみで用いられている。これは2018年4月時点では日本語対応ができていないためで、チャンネル変更やボリューム操作等は英語など10か国語のみ利用可能となっているためだ。
同社としてはAI対応について1.「チャンネル変更などの基本操作」、2.「Googleアシスタント、Amazon Alexa対応」、3.「“この出演者について教えて”というテレビ情報連動」、「4.“このレストランを予約して”という拡張機能」の4段階で考えており、1、2の機能は日本でも早い段階でアップデート対応を予定しているとのことだ。
「LG OLED TV AI ThinQ」の名称は今後AI関連機能のアップデート後に展開していくという
スマホの画面入力にも対応
今年の有機ELテレビのキャッチは「すべての有機ELテレビは、LGから始まる。」という意味深な文面だが、これは“今売られている他社製も含めた全有機ELテレビのパネルを製造しているのはLGディスプレイなんだぞ”という意味。事情を知っている身としては、思わずニヤリとしてしまうメッセージだ。
LGが有機ELテレビの発売を始めて、グローバルで6年、日本では4年目。2018年は有機ELテレビの日本の出荷数前年比3倍を予定している。有機EL=LGというイメージもすでに定着した同社だけに、今年のさらなる飛躍に期待だ。