ソニー初の4Kチューナー内蔵ブルーレイレコーダー「FBシリーズ」
ソニーは9月2日、ブルーレイレコーダーの2019年モデルを発表した。同社初となる4Kチューナー内蔵モデル「FBシリーズ」を一挙6モデル投入するほか、4Kチューナー非内蔵のレギュラーモデル「Zシリーズ」も3モデルラインアップするなど、ひさびさのフルラインアップ展開となっている。ここでは、ユーザー待望の4Kチューナー内蔵モデルを中心に、新モデルの特徴をいち早く紹介していこう。
新製品ラインアップ
FBシリーズ
FBシリーズは、同社が満を持して投入した4Kチューナー内蔵のブルーレイレコーダーだ。
HDD容量やチューナー数の違いで一挙6モデルという気合の入ったラインアップからも、その力の入れようがうかがえる。
いずれのモデルも、4Kチューナーは2系統用意されており、4K放送の2番組同時録画も可能。トリプルチューナーモデルの場合は、最大で4K放送の2番組同時録画を含む3番組までの同時録画にもしっかりと対応している。ちなみに、トリプルチューナーモデルは、3チューナーのうち2つに対して4Kチューナーがアサインされているのだが、ソフトウェア側にチューナー制御がしっかりと入っており、ユーザーが使用するチューナーを意識することなく、4K放送の2番組同時録画を含む3番組同時録画が可能となっているそうだ。ディスクメディア対応は、2018年モデル同様、Ultra HD ブルーレイ(UHD BD)まで対応。
4K放送の2番組同時録画に対応
そして、ソニーの4Kチューナー内蔵ブルーレイレコーダー最大の目玉といえるのが、4K放送の長時間録画モードの搭載とその多彩さだろう。4K放送の長時間録画に対応したモデルとしては、パナソニックがすでに先行しているが、パナソニックが「4 K DRモード」「4K 2倍録モード」「4K 4倍録モード」の3種類だったのに対し、ソニーは「DRモード」から最大11倍となる「EERモード」までの全8種類のモードから選択できるようになっている。画質のことを考えると、単純に長時間録画モードの“○○倍”という部分だけが増えればいいというわけではないが、HDDの残量やBDメディアの容量といった状況を考慮してユーザー側で多彩なモードから選べるようになったことは大いに歓迎したいところだ。
圧縮についてはビットレートを間引く形となっており、各モードとビットレートの関係性は以下の画像に示した通りとなる。なお、長時間録画モードはリアルタイム変換ではなく、一度「DRモード」で録画したうえで、アイドル時に長時間録画モードに変換する形となっており、4K放送の2番組同時録画中のマルチタスク制限についてはほぼ発生しないそうだ。また、長時間録画を含め、全録画モードを同じTS方式で記録する形となっており、異なる録画モードで録画した番組でもタイトル結合できるようになっているという。
4K放送長時間録画モードの概要
実際に各録画モードで録画した4K放送番組と、まったく同じ番組の2K放送バージョンを「DRモード」で録画したものを見比べてみたのだが、最大11倍となる「EER」だと動きの激しい映像で多少ブロックノイズ等が現れてくるが、それでも2K放送と比べると、解像感や色域の広さは圧倒的だった。一応、ソニーとしては4K放送の録画はDRモードの利用を推奨しているのだが、4K放送ならではの解像度と色域をそのまま生かして長時間録画できるメリットはかなり大きそうだ。
4Kチューナーを新たに内蔵したFBシリーズでは、同社ブルーレイレコーダーの代名詞ともいえるキーワード自動録画「おまかせ・まる録」をはじめ、2018年モデルで搭載された「新作ドラマ・アニメガイド」、ユーザーの録画予約ランキングをチェックできる「みんなの予約ランキング」、専用のスマホアプリ「Video & TV SideView」を使った録画予約など、これまでの同社レコーダーでおなじみの機能についても、しっかりと4K放送対応化を果たしている。ちなみに、「Video & TV SideView」は遠隔視聴も対応しているが、4K放送番組については、録画番組は対応するものの、リタルタイムでの視聴には非対応となっている。
「新作ドラマ・アニメガイド」も4K放送にしっかり対応
UIについては既存の同社ブルーレイレコーダーをほぼ踏襲しており、録画した番組や4Kカムから取り込んだ映像、背面のUSB端子に接続した外付けHDDもすべて同じリストで管理できる機能については、4K放送の録画番組も同様に管理できるようになった。
番組表はハイエンドテレビとの組み合わせを想定し、これまでのホワイト系の配色から、ブラウン系の落ち着いた配色に変更。スクロール速度も2倍に高速化されており、さらに快適に使えるようになっている。
ブラウン系の落ち着いた配色に変更された番組表(画像はイメージで、製品版と異なる部分があります)
このほか、薄型テレビBRAVIAシリーズとの連携機能も強化された。自動画質調整機能の「BRAVIAモード」では、解析用パラメーターに4K放送向けの項目を新たに追加。最新のFBシリーズでは約2500パターンから最適な画質に自動調整するようになったということだ(従来モデルは約500パターン)。
本体は、ブロックを積み重ねて本体が浮いているようなデザインを採用。インターフェイスはFBシリーズ全モデル共通で、背面にはHDD増設用USB 3.0×1、有線LAN(1000BASE-Tまで対応)、HDMI出力×2(うち1つは音声のみ)を、前面にはUSB 2.0×1を備える。
背面インターフェイス。オーディオセパレート用HDMI出力も全モデル装備している
前面には、ハンディカム等との接続に便利なUSB 2.0×1を用意
FBシリーズのリモコン。放送波切り替えボタンに4K放送が新設されている