パナソニックはプライベートショーという形で4K有機ELテレビのフラッグシップモデル「HZ2000」シリーズ(65/55型)を発表した。2019年モデルと同じパナソニックによる独自構造による有機ELパネルに加え、2020年モデルは昨年発表された映画監督が意図したままの映像を表示する「Filmmaker Mode」、そしてドルビーによるHDRの新方式「Dolby Vision IQ」に対応したのがトピック。明るい部屋でも自動的にHDRの輝度を調整して高画質を実現するという。なお、8Kテレビに関する出展はなかった。
4K有機ELテレビの新フラッグシップ「HZ2000」シリーズ
「Dolby Vision IQ」「Filmmaker Mode」で暗い画面を明るく表示するデモの様子
このほか、パナソニックはCES 2020会場でmicroOLEDを搭載した4K解像度VRグラス(2048×2048を左右2枚)を出展。画素密度2245ppiという超高精細映像が映像系の目玉の出展となっていた。
今年のパナソニックの目玉となった「試作VRグラス」。BtoB向けのモデルだ
グラス型デザインで重さは100g台。VRグラスとして今までにない装着感
8Kテレビに関する出展は、中国メーカーも積極的だ。昨年、日本でも薄型テレビの本格展開を開始した中国TCLは、8K液晶テレビの「QLED TV 8K X915」シリーズ(75/65型)を発表。8Kテレビのフラッグシップモデルで、量子化ドット技術搭載のパネルに直下型LEDバックライトを搭載。「Dolby Vision」「Dolby Atmos」、そして「IMAX Enhanced」による高画質・高音質機能も備えている。
8K液晶テレビ「QLED TV 8K X915」シリーズ
また、TCLは次世代ディスプレイテクノロジーとして「Vidrian Mini-LED技術」も発表した。駆動半導体回路と数万個のマイクロメートルクラスのミニLEDを透明なガラス基板に搭載した、世界初のテレビバックライトで、液晶テレビを高画質化していく技術として今後日本にも導入する可能性大だ。
今年の8Kテレビから搭載された「Vidrian Mini-LED技術」
ハイセンスのCES2020ブースでの主役は4K液晶テレビの“ULED”こと4K液晶テレビの「65H9G」だ。量子化ドット液晶パネルを搭載し、1000nitsのピーク輝度、ローカルディミング対応と、日本のミドルハイクラスとして登場しそうなスペックだ。ハイセンスは液晶パネルを2枚重ねて明るさをコントロールする「DUAL CELL構造」で液晶テレビが苦手な黒の締りについて改善を進めている点も注目。日本国内向けモデルでの導入にも期待したい。
4K液晶テレビの最新モデル「65H9G」
海外では2層構造の液晶パネルで明るさを制御する「DUAL CELL」を導入済み
なお、8Kについては昨年秋に85/98型の8K液晶テレビ「U9E」シリーズを発表・発売しており、海外ではこちらを継続販売する予定だ。
8K液晶テレビ「85U9E」。海外ではすでに発売されている