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2月より全世界500台限定で発売。価格は298,000円(税込)

final×DITAがタッグを組んだ! 妥協一切なしの超弩級イヤホン「SHICHIKU.KANGEN−糸竹管弦−」

2020年12月12日、finalは都内で新製品発表会を開催。シンガポールのオーディオブランドDITAとコラボレーションした超弩級イヤホン「SHICHIKU.KANGEN−糸竹管弦−」を2月より全世界500台限定で発売すると発表した。価格は298,000円(税込)だ。

final×DITAの超弩級イヤホン「SHICHIKU.KANGEN−糸竹管弦−」

final×DITAの超弩級イヤホン「SHICHIKU.KANGEN−糸竹管弦−」

finalはこれまでアーティストやアニメ作品など、オーディオ以外の異業種とのコラボ製品は手がけてきたが、今回発表した「SHICHIKU.KANGEN−糸竹管弦−」は、イヤホンを手がけるライバルメーカー同士が手を取り合って作り上げたという意欲作だ。

異業種との一般的なコラボレーションモデルでも、それぞれのブランドの理念を理解しつつも、双方で譲り合いや妥協というものが生まれるというのに、今回はイヤホンを手がけるライバルメーカー同士のコラボレーションだ。音作りの理念が異なるイヤホンメーカー同士がひとつのイヤホンを作り上げるというのはかなり異例とも思えるが、finalは日本、DITAは東アジアでそれぞれのブランドの代理店を務め、互いのブランドをリスペクトして損得勘定抜きに正直な話し合いができる信頼関係、そして市場にない面白い製品や素材にこだわって加工技術まで開発するなどのものづくりに対する共通した考え方がバッグボーンにあったことで、お互いに妥協を一切せず、市場にまだない新しいイヤホンの開発を実現できたという。

これまで培ってきた信頼関係に加え、ものづくりに対する考え方が近いことなどから、両社のコラボが実現

これまで培ってきた信頼関係に加え、ものづくりに対する考え方が近いことなどから、両社のコラボが実現

そんな新製品開発のきっかけになったのが、2019年に両者が発表したフラッグシップモデル、final「A8000」とDITA「Dream XLS」だ。finalの細尾氏とDITAのDanny氏は以前からなにか作りたいという話は以前からあったそうだが、このタイミングで両社のフラッグシップモデルの投入タイミングが重なり、お互いのフラッグシップモデルの試作機を交換し、お互いのフラッグシップモデルを気に入ったことから、コラボレーションのプロジェクトが本格的に立ち上がったという。

ビデオレターで参加したDITAのDanny氏。イヤホンメーカー同士のコラボレーションの実現には、まるでホンダとトヨタが組んで車を作ってしまったかのようだとコメント

ビデオレターで参加したDITAのDanny氏。イヤホンメーカー同士のコラボレーションの実現には、『まるでホンダとトヨタが組んで車を作ってしまったかのようだ』とコメント

新製品の「SHICHIKU.KANGEN−糸竹管弦−」という名前は、DITAから中国語で糸が琴、竹が笛の意味を表す「糸竹」という名称の提案をもらい、finalから「管弦」という言葉を足し、音楽や楽器の総称として用いられる古語「糸竹管弦」が由来で、目の前で楽器を演奏しているかのような生々しいサウンドと、演奏するたびに手になじみ愛着が深くなる楽器という、2つの意味を込めて決まったそうだ。

そんな製品名の由来になっている目の前で楽器を演奏しているかのような生々しいサウンドという理想を実現するために、「SHICHIKU.KANGEN−糸竹管弦−」では、「トゥルーベリリウム ドライバー Gen.SK」と呼ばれるドライバーユニットを新たに開発。楽器のような美しい高域や、立ち上がりのよい音色を実現するため、振動板に「A8000」で採用されたトゥルーベリリウム振動板を採用するとともに、広がりのある豊かな低域を実現するために、複雑な樹脂成形や加工を得意とするDITAのノウハウを生かし、ボイスコイルからの引き出し線と振動板との接着方法も新設計にしたそうだ。

final「A8000」で採用されたトゥルーベリリウム振動板や、DITAのノウハウを生かしたボイスコイルからの引き出し線と振動板との接着方法の採用など、両社のこだわりが詰まった新開発の「トゥルーベリリウム ドライバー Gen.SK」

final「A8000」で採用されたトゥルーベリリウム振動板や、DITAのノウハウを生かしたボイスコイルからの引き出し線と振動板との接着方法の採用など、両社のこだわりが詰まった新開発の「トゥルーベリリウム ドライバー Gen.SK」

音作りについては、final側でベースとなる開発キットを用意し、final・DITAのサウンドエンジニアでチューニングを実施した試作機をラリーする形で進めたという。コラボレーションモデルのプロジェクト立ち上げ当初は、学術的な研究成果を製品に盛り込んで音作りを行うfinalと、エモーショナルな音決めが得意なDITAでは、ここが一番交わるのに苦労しそうと考えていたそうだが、2人アーティストが交互に筆を入れながら1枚の絵を完成させるようなイメージで、実際のやり取りは非常にスムーズだったそうだ。

発表会に登壇したfinalの細尾氏。『音を聴けば、詳しく話さなくてもだいたいどういうことかがわかる。試作機のラリーは4往復くらいで、非常にスムーズに音作りができた』とコメント

発表会に登壇したfinalの細尾氏。『音を聴けば、詳しく話さなくてもだいたいどういうことかがわかる。試作機のラリーは4往復くらいで、非常にスムーズに音作りができた』とコメント

音作り以外についても「SHICHIKU.KANGEN−糸竹管弦−」の見どころは多いが、なかでも中国から伝わったという日本の伝統技法「沈金」を施したステンレス削り出し筐体はかなり特徴的な部分だ。

中国から伝わったという日本の伝統技法「沈金」で麻の葉文様を施したステンレス削り出しの筐体デザイン

中国から伝わったという日本の伝統技法「沈金」で麻の葉文様を施したステンレス削り出しの筐体デザイン

沈金は本来、漆器の表面などに専用の刃物(沈金刀)で幅約0.1mmの細かな模様を彫り、漆をすり込み、金箔や金粉を塗り重ねるものだが、硬くて立体的な造形のステンレス筐体表面に約0.1mmの模様を掘るのは、既存のドリル切削や溶剤で溶かすエッチング技術は採用できなかったという。そこで、今回の「SHICHIKU.KANGEN−糸竹管弦−」では、0.1mm幅の細い溝をステンレス筐体に施すための特殊な加工技術を新しく開発。最新のテクノロジーを駆使して模様を掘り、漆を摺り込み、立体的に輝くように金粉を塗り重ねていく職人技が求められる部分の作業は石川県輪島の漆職人に依頼することで実現したという。

堀りの精度が低いと沈金の輝きがぼやけてしまうため、加工精度をしっかりと担保できるような特殊な加工技術を新しく開発したという

堀りの精度が低いと沈金の輝きがぼやけてしまうため、加工精度をしっかりと担保できるような特殊な加工技術を新しく開発したという

沈金では、立体的に輝くように金粉を塗り重ねていく熟練した職人の技術も必要

沈金では、立体的に輝くように金粉を塗り重ねていく熟練した職人の技術も必要

「SHICHIKU.KANGEN−糸竹管弦−」では、沈金の塗りの作業を石川県輪島の漆職人に依頼。ひとつひとつて作業で金粉を塗り重ねている

「SHICHIKU.KANGEN−糸竹管弦−」では、沈金の塗りの作業を石川県輪島の漆職人に依頼。ひとつひとつて作業で金粉を塗り重ねている

ちなみに、沈金で表現した麻の葉文様は、日本の伝統工芸の技術や文化に高い関心を持つDITAからの提案だそう。美しい沈金の麻の葉文様が美しく輝くように、本体色は黒漆の濡れたような深く美しい黒色を表す日本の伝統色「呂色」をイメージした鏡面仕上げとなっている。

ほかにも、「トゥルーベリリウム ドライバー Gen.SK」のサウンドを最大限引き出せるよう、付属ケーブルにDITAのOSLOケーブルをベースに、芯線の太さ、本数、編み方、被服の厚みなど数十種類も試作を繰り返して決定した新設計のケーブルを採用したり、環境に応じてプラグを変えられるAWESOMEプラグを採用するなど、サウンドやデザイン、使い勝手の細部までしっかりとこだわって作られている。

OSLOケーブルをベースに、「トゥルーベリリウム ドライバー Gen.SK」のサウンドに合わせて試作を繰り返した付属ケーブル

OSLOケーブルをベースに、「トゥルーベリリウム ドライバー Gen.SK」のサウンドに合わせて試作を繰り返した付属ケーブル

AWESOMEプラグを採用。プラグを交換することで、3.5mmアンバランス、2.5mm4極バランス、4.4mm5極バランスのそれぞれの接続を楽しめる

AWESOMEプラグを採用。プラグを交換することで、3.5mmアンバランス、2.5mm4極バランス、4.4mm5極バランスのそれぞれの接続を楽しめる

finalとDITAがタッグを組み、妥協を一切しないで作り上げられた超弩級イヤホン「SHICHIKU.KANGEN−糸竹管弦−」。実際に試聴してみたが、何度聴いても飽きることのないニュートラルかつ自然な音色が好印象で、特に製品名の由来にもなっている弦楽器の響きと余韻がとても気持ちよく、アコースティック楽曲やクラシックなどはかなり相性がよさそうに感じた。

finalらしさ、DITAらしさの両方をうまく感じさせるチューニングはなかなか面白い。final「A8000」やDITA「Dream XLS」を所有しているユーザー向けの特別試聴会も企画しているそうなので、finalファン、DITAファンはぜひ一度試聴してみてはいかがだろうか。

遠山俊介(編集部)

遠山俊介(編集部)

PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。

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