2021年2月18日、東芝映像ソリューションは4K液晶レグザの新フラッグシップモデル「Z740XS」シリーズを発表した。ラインアップは65V/55V/50V型の3サイズで、65V/55V型は3月5日、50V型は4月発売。市場想定価格は、65V型が28万円前後、55V型が21万円前後、50V型は未定(いずれも税別)。
タイムシフトマシン4K液晶レグザ Z740XSシリーズ
2021年はレグザブランド誕生から15周年のアニバーサリーイヤーということで、今回発表された4K液晶レグザの新フラッグシップモデル「Z740XS」シリーズは、昨年発売された「Z740X」シリーズをベースに開発したスペシャルエディションという位置付けで展開される。VAパネル、倍速駆動、全面直下型バックライトLEDなどのハードウェア構成や、Zシリーズでおなじみとなっているタイムシフトマシンといった部分はベースモデルの「Z740X」シリーズと共通しているが、画質や音質、本体デザインなどをブラッシュアップし、4K液晶レグザのフラッグシップモデルとしてふさわしいモデルに仕上がっているという。
2021年の4K液晶レグザ第1弾モデルとして発表された「Z740XS」シリーズ。昨年はクラウドに保存されているジャンルや番組ごとの画質チューニング用データと連携して高画質化を狙う「クラウドAI高画質テクノロジー」が高画質化技術の大きなテーマとなっていたが、2021年モデルの「Z740XS」シリーズでは“美肌”をテーマに取り組んだのが大きな特徴となっている。
レグザシリーズはこれまでにも人の肌をきれいに再現するためのさまざまな高画質化技術を搭載してきたが、今回はこれまで培ってきた高画質化技術のノウハウに加え、人の肌を美しく見せるにはどうあるべきかという学術的見地からのアプローチを加えた新技術「ナチュラル美肌トーン」を搭載したのがポイント。リアルタイムに人肌を検出し、撮影時の照明や視聴環境の照明の影響によってシャドーが強かったり、肌のハイライトが白飛びした不自然なコントラスト感をなくすとともに、緑被りや赤みがかったような記憶色から外れたカラーシフトに対して色を補正することで、あるべき姿の肌再現を目指したという。
これまで培ってきた美肌に関する高画質化技術のノウハウに学術的見地のアプローチを新たに加えたのがポイント
白飛びや黒つぶれに対するガンマ軸補正、超解像技術を使った精細感補正だけでなく、カラーシフトに対する補正を追加したのが大きな特徴だ
「ナチュラル美肌トーン」により、より健康的で自然な人肌を再現できるようになった
ちなみに今回の「Z740XS」シリーズは、全面直下型バックライトLEDのハードウェア構成自体は前モデル「Z740X」シリーズと同じだが、バックライトLEDそのものの性能アップにより、輝度が最大10%向上しているという。この上昇分を輝度を稼ぐ方向に使うのではなく、階調表現やコントラスト表現に用いているという。メリットは「ナチュラル美肌トーン」にもあるそうで、バラエティやドラマなどでは、シーンの切り替わりで同一人物でもカラーシフトによって不自然に肌の色や質感が変化することがあるが、「Z740XS」シリーズではそういった不自然な変化が起こりにくくなっているという。
また、前モデル「Z740X」シリーズで搭載されていた視聴環境に合わせて画質を自動調整する「おまかせAIピクチャー」、地デジ高画質技術「地デジAIビューティPRO」、ネット動画高画質化技術「ネット動画ビューティPRO」についても、それぞれ「おまかせAIピクチャーII」、「地デジAIビューティPRO II」、「ネット動画ビューティPRO II」へとパワーアップ。特に「おまかせAIピクチャーII」については、先述したLEDバックライトの性能アップの恩恵もあり、従来よりも積極的に色温度を合わせていく方向へとチューニングを実施したそうで、夜間視聴時のブルーライトを「Z740X」シリーズに比べて約40%カットできるようになったそうだ。
「おまかせAIピクチャーII」では、従来よりも積極的に色温度を合わせていく方向へとチューニングを実施
今回の「Z740XS」シリーズでは、極細のべセルで画面への没入感を高めるというこれまでのデザインアプローチを継承しつつ、スタンド部分やスピーカーグリルにメタル素材を使用したり、リモコンにガンメタリックカラーを採用するなど、全体的に高級感のあるデザインにシフトしているのも見逃せないポイントだ。
スピーカーグリルやスタンド部にメタル素材をふんだんに使い、より高級感のあるデザインにシフト
付属のリモコンもカラーをガンメタリックに変更し、高級感が増している
また、スピーカーについても「クリアダイレクト2ウェイスピーカー」と「クワッドパッシブ重低音バズーカウーファー」を総合音声出力80Wのマルチアンプで駆動させるという構成は前モデル「Z740X」シリーズと共通だが、グリルに剛性の高いパンチングメタルを新たに採用したことで、振動抑制と開口率アップを実現。各スピーカーの音被りによる濁りを抑えるために新たに実装した高遮断クロスオーバーフィルターとの相乗効果で、より聞き心地のよいクリアなサウンドとなったという。
剛性の高いメタル素材採用による付帯音の抑制と、高遮断クロスオーバーフィルター採用によるスピーカー音の濁り抑制により、よりクリアなサウンドを実現
録画機能は「Z740X」シリーズと共通で、専用の地デジチューナーを使用して地デジ番組を最大6チャンネル分自動録画できるタイムシフトマシンと、地デジ/BS/110度CSチューナー×3を使ったW録画に対応。機能面では、タイムシフトマシンや通常録画した番組を好みのジャンルごとにサムネイル表示してくれる「おすすめ番組」を新たに搭載したのが特徴で、いつも見る録画番組をネット動画で作品を選ぶような感覚で簡単に楽しめるようになっている。
録画機能は、地デジを最大6チャンネル分自動録画できるタイムシフトマシンと、W録画仕様の通常録画を搭載
昨年発売された「V34」シリーズに搭載されていた「おすすめ録画リスト」をベースに開発された「おすすめ番組」。ネット動画を視聴するときのように、ジャンル別に整理されたサムネイルから録画番組を簡単に探すことができる
PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。