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8K液晶、4K有機EL/液晶まで。シャープの2021年AQUOSは4K/120Hz対応もズラリ

2021年のAQUOS新製品として薄型テレビ13機種、4Kレコーダー6機種を発表

2021年のAQUOS新製品として薄型テレビ16機種、4Kレコーダー6機種を発表

シャープは2021年のAQUOSブランドの新製品として、薄型テレビ13機種、4Kレコーダー6機種を発表した。薄型テレビではAQUOS 8Kを冠する8K液晶テレビとしてDW1の1ライン、AQUOS OLEDを冠する4K有機ELテレビはDS1、DQ1の2ライン、AQUOS 4Kを冠した4K液晶テレビはDN1、DN2、DL1、DJ1の4ラインが登場する。ラインアップ全機種と市場想定価格は以下の通りだ。

※2021年4月28日追記:小型モデル「4T-C43DN2」「4T-C43DL1」「4T-C42DJ1」の情報を追加しました。

【8K液晶テレビ】
■AQUOS 8K DW1ライン
8T-C70DW1 6月12日発売 市場想定価格495,000円前後
8T-C60DW1 6月12日発売 市場想定価格385,000円前後

【4K有機ELテレビ】
■AQUOS OLED DS1ライン
4T-C65DS1 5月22日発売 市場想定価格495,000円前後
4T-C55DS1 5月22日発売 市場想定価格341,000円前後

■AQUOS OLED DQ1ライン
4T-C65DQ1 5月22日発売 市場想定価格462,000円前後
4T-C55DQ1 5月22日発売 市場想定価格308,000円前後

【4K液晶テレビ】
■AQUOS 4K DN1ライン
4T-C70DN1 5月22日発売 市場想定価格319,000円前後
4T-C65DN1 5月29日発売 市場想定価格275,000円前後
4T-C60DN1 5月22日発売 市場想定価格242,000円前後
4T-C55DN1 6月5日発売 市場想定価格198,000円前後

■AQUOS 4K DN2ライン
4T-C50DN2 5月29日発売 市場想定価格171,000円前後
4T-C43DN2 5月22日発売 市場想定価格149,000円前後

■AQUOS 4K DL1ライン
4T-C65DL1 5月29日発売 市場想定価格209,000円前後
4T-C50DL1 5月29日発売 市場想定価格143,000円前後
4T-C43DL1 5月22日発売、市場想定価格121,000円前後

■AQUOS 4K DJ1ライン
4T-C42DJ1 6月5日発売 市場想定価格110,000円前後

大人数で見るのに最適な大型モデルからパーソナルユースの小型モデルまで振るラインアップを取りそろえるシャープのAQUOSらしく、2021年モデルも8K液晶、4K有機EL、4K液晶と多彩なモデルを展開する。なお、有機ELテレビについては初参入となった昨年は“AQUOS”のブランドを付けず展開していたが、2021年モデルより“AQUOS OLED”の愛称が付けられ、正式にAQUOSファミリーとして展開される。まずは各ラインに共通するポイントから紹介してこう。

【ポイント1】第2世代画像処理エンジン「Medalist」の搭載と主要モデルで4K/120Hz対応

今回発表された2021年モデルから、高画質エンジンが第2世代の8K高画質エンジン「Medalist Z2」、4K画像エンジン「Medalist S2」へと刷新された。CPU性能は約1.6倍、GPU性能は約1.6倍の性能アップ、また選局スピードも20%高速化している(地デジ→BS4K選局時)。

8K高画質エンジン「Medalist Z2」

8K高画質エンジン「Medalist Z2」

4K画像エンジン「Medalist S2」

4K画像エンジン「Medalist S2」

高画質信号処理としては4K版にあたる「Medalist S2」も含め、信号処理でデティールを再現する精細感復元、ななめ線の輪郭を再現するリアリティ復元を搭載。8Kモデルで採用していた技術を全面的に取り入れた形となる。

4K/120Hz対応も、8K液晶のDW1、4K有機ELのDS1、DQ1、4K液晶のDN1、DN2で対応。エントリーモデルのDL1、DJ1を除く全モデルで対応と、ほぼ全面的に採用された形になる。なお、HDMI 2.1で規定されているVRR、ALLM、eARCには非対応だ。

【ポイント2】Android TV&新リモコンで映像配信対応が協力。音声操作ハンズフリーも拡大

おうち時間が増える中、エンタメ対応の強化も見逃せない。2021年モデルでは、全モデルで引き続き「Android TV」を搭載し、映像配信対応を強力にサポート。ポイントはリモコンのリニューアルで、Netflix、Amazonプライム・ビデオ、U-NEXT、Hulu、AbemaTV、Paravi、YouTubeと7つの映像配信ダイレクトボタンを搭載した。

全機種で「Android TV」を採用

全機種で「Android TV」を採用

7つの映像配信ダイレクトボタンを搭載した新リモコン

7つの映像配信ダイレクトボタンを搭載した新リモコン

Googleアシスタントのハンズフリー操作も8K液晶のDWライン、4K有機ELのDSライン、4K液晶のDN1と上位機種で対応。AQUOSオリジナルの作り込みとして本体前面にマイクを2基搭載し、音声の反応が見えるアシスタントLEDも搭載した。マイクをオフにできる本体スイッチも搭載している。「OKグーグル、録画番組を見せて」という録画テレビ向けの操作も対応する。

【ポイント3】AQUOSファミリーの隠れた人気機能 回転スタンドを全機種展開へ

買い替え需要の多いAQUOSファミリーの隠れた人気機能が、テレビ画面を左右30度動かせる「回転式スタンド」。リビングからキッチンのテレビを視聴したり、掃除をする時にちょっと画面をずらせたりとあると便利なシチェーションも多い機能だ。

画面の向きを変えられる回転式スタンドを全機種で展開

画面の向きを変えられる回転式スタンドを全機種で展開

従来は一部機種のみの展開だったが、2021年モデルでは、スタンダードモデルのDJ1ラインを除く全機種が「回転式スタンド」採用し、8K液晶のDW1ラインの70V型モデルのような大型モデルまでカバーした形だ。AQUOSファミリーの液晶テレビには広視野角パネル採用モデルがないため重要な付加機能だ。

8K液晶テレビAQUOS 8K DW1ラインは8Kチューナー搭載で価格も現実的

AQUOSファミリーのトップエンドは8K液晶テレビAQUOS 8KDW1ライン。最新8K高画質エンジン「Medalist Z2」搭載とともに、従来機種から引き続き「低反射N-Blackパネル」「メガコントラスト」といった高画質技術を搭載する。

8K液晶テレビAQUOS 8K DW1ライン

8K液晶テレビAQUOS 8K DW1ライン

8K放送チューナー搭載で8K放送を視聴できるだけでなく、新機能としてYouTubeで公開されている8K/30pのネット動画視聴にも対応。HDMI入力、そしてUSBメモリー再生では8K/60p動画までの対応もできるため、市販製品が増えてきた8K動画の再生用モニターとしても利用可能となる。

内蔵スピーカーは独自の傾斜構造スピーカーとサブウーハーを搭載した55W、2.1chの「WIDE-ARENA SOUND SYTEM」を搭載。下側に付けられたミッドレンジ、ツイーターユニットを独自の傾斜構造で前面に向けて搭載することで音場再生エリアを拡大。音に包み込まれる臨場感を取れる「音楽ライブ」サウンドモードを新搭載する。

8Kテレビは高嶺の花のようなモデルが多いなか、DSラインは70V型の8T-C70DW1が市場想定価格495,000円前後、60V型が8T-C60DW1は385,000円前後と現実的なプライス。購入候補になる8Kテレビだ。

有機ELは“AQUOS OLED”として登場

2021年から新たに“AQUOS OLED”として愛称が付けられたシャープの4K有機ELテレビ。上位シリーズにあたる65V/55V型のDS1ライン、スタンダードで同じく65V/55V型のDQラインを展開する。

新たに”AQUOS OLED”の愛称がついた4K有機ELテレビのDS1ライン

新たに”AQUOS OLED”の愛称がついた4K有機ELテレビのDS1ライン

両シリーズの違いはDS1ラインのみシャープが独自に設計、チューニングした高輝度「S-Brightパネル」を搭載していること。「S-Brightパネル」ではシャープ独自の放熱構造により有機ELの発光に伴う発熱を効率的に押さえる。採用している有機ELパネルもDS1とDQ1ラインでは異なり、DS1ラインは2021年に入り発表された輝度性能を高めた新素材の有機ELパネル採用、というところがポイントだ。

高画質エンジンは4K液晶と共通の「Medalist S1」。DS1ラインの実機を視聴してみたが、メリハリある明暗を描写する「スマートアクティブコントラスト」の効果もあって、輝度アップ効果と画面の平均的な明るさアップも体感できた。

スピーカーは2.1chの「FRONT OPEN SOUND SYTEM」でDS1ラインは65W、DS1は50W。DS1ラインのみで本体背面にサブウーハーを搭載し、よりパワフルなサウンドを楽しめるようになっている。「音楽ライブ」のサウンドモードもDS1ライン、DQ1ラインとも搭載される。

なお、“AQUOS OLED”として48V型モデルの発表はなく、2020年11月発売の「4T-C48CQ1」が継続販売する形となる。

50V型以上を5インチ刻みで選べるシャープの4K液晶テレビ

2021年のシャープの4K液晶テレビはAQUOS 4KのなかでもミドルレンジのDN1/DN2ライン、ローエンドのDL1ラインとDJ1ラインが展開される。全ての機種で高画質エンジン「Medalist S1」だ。

DN1で70V/60V/55Vという55V以上で5インチ刻みという細かなサイズラインアップで、設置スペースに応じて選びたいという需要に応えている。DN2は50V型と43V型の2サイズのみの展開だ。

4K液晶のトップモデルAQUOS 4K DN1ライン

4K液晶のトップモデルAQUOS 4K DN1ライン

仕様面ではDN1/DN2とも4K/120Hzパネルを採用し、「低反射N-Black」で映り込み防止仕様。バックライトエリア駆動はいずれも対応していない。サウンドは2.1chで「FRONT OPEN SOUND SYTEM」の35Wと大部分の仕様が共通。ただ細かな違いとして、DN1はGoogleアシスタントのハンズリー操作に対応するのがDN2は非対応となっている。

DL1とDJ1はAQUOS 4Kのなかでもローエンドの存在。液晶パネルは4K/60Hzで、映り込み防止のN-Blackは搭載していない。またこの機種のみ4K/120Hz入力も対応しない。スピーカーは、DLが2.1chの「FRONT OPEN SOUND SYTEM」、DJ1はバスレフ型スピーカーボックスで、いずれも総合出力は20Wという仕様だ。

4K液晶のローエンドモデルとなるAQUOS 4K DL1ライン

4K液晶のローエンドモデルとなるAQUOS 4K DL1ライン

AQUOS 4Kレコーダーも登場。新エンジン搭載で4K長時間録画、2KのHEVC録画もサポートへ

4K液晶テレビとあわせて、同社の4Kチューナー搭載BDレコーダーAQUOS 4Kレコーダーの新機種全6モデルも発表された。トリプルチューナー搭載のDT3ライン、ダブルチューナー搭載のDW3ラインの構成で、ラインアップと市場想定価格は以下の通り。

【AQUOS 4Kレコーダー】
■DT3ライン
4B-C40DT3 6月10日発売 市場想定価格135,000円前後
4B-C30DT3 6月10日発売 市場想定価格120,000円前後
4B-C20DT3 6月10日発売 市場想定価格105,000円前後

■DW3ライン
4B-C30DW3 6月20日発売 市場想定価格110,000円前後
4B-C20DW3 6月10日発売 市場想定価格100,000円前後
4B-C10DW3 6月20日発売 市場想定価格90,000円前後

最大の特徴は新エンジン「Medalist BD」搭載とHEVCコーデックによる4K放送2番組同時長時間録画対応となったこと。4K放送の長時間録画対応で先行していた他社にAQUOS4Kレコーダーも追従する形だ。4K放送は最大録画モードで「4K 12倍」まで対応する。

AQUOS 4Kレコーダー2021年モデル

AQUOS 4Kレコーダー2021年モデル

チューナー数、HDD容量別に全6モデルを展開

チューナー数、HDD容量別に全6モデルを展開

なお、DT3ラインはトリプルチューナー搭載だが、4K放送は2系統まで。3チューナー目は地デジ/BS/110度CS放送のみの対応となる。

AQUOS4KレコーダーDT3ライン、DW3ラインに共通するユニークな機能が「2K HEVC長時間ダビング」への対応だ。通常4K放送の長時間録画に用いるHEVCエンコーダーを使って2K放送をHEVCで圧縮した2K映像に変換するもので(直接録画は不可)、従来の長時間録画モードより圧縮効率がよく画質にすぐれる。シャープとしてはHEVCの2.4倍モード(10Mbps)をDRと同レベルとしている。実際にデモ映像を試聴してみたが、DRモードから大きな画質劣化がないことを確認できた。

なお、2KのHEVCモードは従来のBDフォーマットに準拠しないため従来の2Kレコーダーでの再生は不可。HEVC対応の4Kレコーダーは再生可能だが、シャープ製以外は保証外となる。昨今、4Kテレビの大画面化が進んでおり、長時間録画モードの画質が気になる人は要注目の機能と言えそうだ。

このほか、新エンジン「Medalist BD」による新機能として「OLEDモード」が搭載された。これは2K映像を再生時に映像信号をアップコンバートする「5upコンバーターPRO」でアップコンバートしてHDR化する際に、有機ELテレビとの接続を想定して出力パラメーターを明暗コントラストが大きくでるように設定、有機ELテレビでは、HDR効果がより大きく現れることになる。

UI関連の新機能としては約1分で番組概要をつかめる「タイトルプレビュー」、また録画リストでジャンル絞り込み強調が可能な「指定ジャンル強調 録画リスト」も追加。4K放送録画をより使いやすくなる新モデルとなっている。

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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