LGエレクトロニクス・ジャパン(以下、LG)から、同社有機ELテレビの2021年ラインアップとして、3シリーズ10機種が発表された。ラインアップは以下の通りで、2021年5月下旬より順次発売開始となる。
・“OLED G1”シリーズ(4K/OLED evoパネル搭載)
「OLED 65G1PJA」(65インチ)想定実売価格480,000円前後(税込)/2021年5月下旬発売
「OLED 55G1PJA」(55インチ)想定実売価格350,000円前後(税込)/2021年5月下旬発売
・“OLED C1”シリーズ(4K/OLEDパネル搭載)
「OLED 83C1PJA」(83インチ)想定実売価格1,100,000円前後(税込)/2021年6月中旬発売
「OLED 77C1PJB」(77インチ)想定実売価格660,000円前後(税込)/2021年5月下旬発売
「OLED 65C1PJB」(65インチ)想定実売価格430,000円前後(税込)/2021年5月下旬発売
「OLED 55C1PJB」(55インチ)想定実売価格290,000円前後(税込)/2021年5月下旬発売
「OLED 48C1PJB」(48インチ)想定実売価格250,000円前後(税込)/2021年5月下旬発売
・“OLED A1”シリーズ(4K/OLEDパネル搭載)
「OLED 77A1PJA」(77インチ)想定実売価格620,000円前後(税込)/2021年7月下旬発売
「OLED 55A1PJA」(55インチ)想定実売価格250,000円前後(税込)/2021年6月中旬発売
「OLED 48A1PJA」(48インチ)想定実売価格220,000円前後(税込)/2021年7月下旬発売
3シリーズとも4K/3,840×2,160ドットの有機ELパネルを搭載するが、特に注目したいのは、新開発の「LG OLED evo」パネルを搭載する「OLED G1」だ。
LGは8年間にわたって有機ELテレビの世界シェアNo.1(同社発表による)を獲得しているブランドだが、その有機ELパネルが新しい素子を使用した最新世代「LG OLED evo」に進化したというのがトピック。新開発の発光素材によりR・G・Bの波長を改善して、色純度を高めている。色の再現性と明るさを向上し、より鮮明に豊かで緻密な色表現が実現できたという。
「LG OLED evo」を搭載するOLED G1
同社の従来のOLEDパネルとOLED evoの光の波長を比較したイメージ。特にグリーン部分が強化されていることがわかる
そのほかのOLED C1シリーズとOLED A1シリーズは、従来の4K有機ELパネルを搭載する(右下がLG OLED evoを搭載するOLED G1)
また、内部の映像エンジンも新しくなっており、OLED G1とOLED C1の2シリーズは第四世代となるAI対応プロセッサー「α9 Gen4 AI Processor 4K」を搭載する。地上波の番組やネット動画など、各コンテンツに合わせて最適な映像処理を行う「AI映像プロ」に対応しているのが特徴。従来は、視聴中の映像ジャンルをシネマ・スポーツ・アニメーション・スタンダードの4つに分類していたが、これに加えてシーンも夜景・町並み・自然・スタンダードの4つに分けて自動認識するようになった。ジャンルとシーンをそれぞれ分析し、最適な画質設定を自動適用する。
シーン認識機能とバーチャル5.1.2ch再現に新しく対応した第四世代エンジン
さらに、サウンド機能も進化している。視聴コンテンツのジャンルやシーンをリアルタイムでAIが分析して、ドラマ・スポーツ・映画・ニュース・音楽の5つに分類し、それぞれに最適なバーチャル5.1.2chサウンドに変換して鳴らす「AIサウンドプロ」を搭載した。
なお、いずれのモデルもスピーカーユニットはスリムなパネルの下部に搭載されており、上向きのユニットがあるわけではないが、独自のバーチャルサラウンド技術により、臨場感のある立体的なサウンドを再現するのがポイントとなる。なお、OLED C1のみ前方にクリアな音質を届ける「ディンプルスピーカー」を搭載している。また、OLED A1は下位の「α7 Gen4 AI Processor 4K」を搭載し、5.1chまでのバーチャル再現を行うAIサウンド」に対応する(5.1.2chのバーチャル再現は非対応)。
「AIサウンドプロ」は、地上波放送のほか、ネット動画やYouTubeのコンテンツにも適用できる
HDMIポートは4系統を装備し、いずれもHDMI 2.1をサポート。OLED G1とOLED C1は4K/120p、VRR/ALLM/eARCをサポートしている(OLED A1のみVRRに非対応)。HDRゲームの普及団体HGiGのガイドラインに準拠しており、ゲームシーンによって発生する白飛びや黒つぶれを抑える仕様となっている。応答速度は1msで、「NVIDIA G-SYNC Compatible」にも対応するなど、ゲームプレイ時の快適性を向上させた。
また、メニューからゲーム用の設定画面「ゲームオプティマイザ」にアクセスしやすくなっているのも特徴で、ゲームジャンル設定によって映像を最適化するなど、画質モードをスムーズに設定可能。スタビライザー調整によって、白飛びや黒つぶれの個所をオリジナル映像のようによみがえらせる機能や、FPSでは明暗のコントラストを強化、RPGではコントラストを強調してグラフィックを強化するなど、FPS・RTS・RPG・スタンダードの4ジャンルで映像を最適化できるようになっている。
左側のメニュー画面から、「ゲームオプティマイザ」をスムーズに開ける
「Xbox Series X」をHDMI接続すると、自動的にゲーム設定機能がONに。ちなみにLGは、Xbox Series Xのオフィシャルパートナー。LGの有機ELテレビと Xbox Series X を組み合わせることで、高速な応答速度となめらかなグラフィックが実現するとアピールしている。ゲーム用の「Dolby Vision」や「Dolby Atmos」にも対応する
こちらは、Xbox Series X側からOLED C1がどういう映像デバイスとして認識されているかを確認した画面
もちろん、LGならではのスマートテレビ機能も強化されている。テレビ本体には独自OS「webOS 6.0」を採用しており、マジックリモコンを使った操作で、ストレスの少ないスマートな操作が可能。「Netflix」や「Amazonプライム・ビデオ」などさまざまな動画配信サービスに対応している。
またリモコンを使い、独自の音声操作技術や、「Googleアシスタント」「Amazon Alexa」の音声操作に対応するのも同社製テレビの特徴だが、新しいマジックリモコンには「Googleアシスタント」と「Amazon Alexa」のボタンがそれぞれ独立して搭載され、より声での操作がしやすくなったのもトピックと言える。
UIも洗練された印象に。ネット動画コンテンツや設定画面にスムーズにアクセスできる
マジックリモコンをテレビに向けて上下左右に振ることで、カーソル&スクロール操作が可能。独立した「Googleアシスタント」「Alexa」ボタンのほか、VODでは「Netflix」「Amazon Prime Video」に加え、「Disney+」と「U-NEXT」のボタンも新しく追加された
映像関連機能としては、「Dolby Vision」対応コンテンツの再生時に、室内の明るさに合わせて映像を自動最適化する「Dolby Vision IQ」や、バーチャルで「Dolby Atmos」のサウンドを再生する音声モードにも対応。また、動画配信アプリや地上波の放送を見ているときそれぞれで、一貫した音声レベルを維持する「オートボリュームレベリング」にも対応する。
ネット動画のDolby Atmos/Dolby Visionコンテンツを選択すると、対応テレビとしてしっかりロゴが表示される
そのほか、「FILMMAKER MODE」も搭載。これは映画視聴に最適化したモードで、あえてフレーム補間なし&ノイズリダクションをオフにすることで、映画制作者の意図どおりの映像表現を再現するというもの。映画を楽しみたい人にはもってこいの機能だ。
また、上位モデルのOLED G1のみ、別売の壁掛け金具を使用することで、壁面にぴったり密着させて設置できる「ギャラリーデザイン」を採用している。壁掛け用の取り付け金具がテレビ本体の中に収まる構造となっており、テレビと壁の間に隙間が生まれない設計が特徴となる。
こんな感じで、壁にぴったり寄せて配置できる。そのほか、壁寄せ設置できる別売のギャラリースタンドもラインアップされる予定
壁掛け時のテレビが1枚の絵のようになるアートギャラリー表示機能も
オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。