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シャープもQD-OLEDに参入! 2023年AQUOS有機ELテレビはWOLEDと2本柱で展開

シャープもQD-OLEDに参入! 2023年AQUOS有機ELテレビはWOLEDと2本柱で展開

シャープもQD-OLEDに参入! 2023年AQUOS有機ELテレビはWOLEDと2本柱で展開

シャープは7月25日、4K有機ELテレビの2023年モデルを発表した。今回発表されたのは、QD-OLED(量子ドット有機EL)パネルを採用した「FS1ライン」と、従来型のWOLED(白色有機EL)パネルを採用した「FQ1ライン」。ラインアップや発売日、市場想定価格は以下のとおりだ。

■AQUOS QD-OLED FS1ライン
4T-C65FS1(65V型、9月16日発売、市場想定価格605,000円前後)
4T-C55FS1(55V型、9月16日発売、市場想定価格440,000円前後)

■AQUOS OLED FQ1ライン
4T-C65FQ1(65V型、8月5日発売、市場想定価格473,000円前後)
4T-C55FQ1(55V型、8月5日発売、市場想定価格330,000円前後)

QD-OLEDと立体音響システムで画音質を追求した「FS1ライン」

同社初となるQD-OLED(量子ドット有機EL)パネルを搭載した「FS1ライン」。画面サイズは65V型と55V型の2サイズで展開される。

QD-OLED(量子ドット有機EL)パネルを搭載した「FS1ライン」(写真は55V型の「4T-C55FS1」

QD-OLED(量子ドット有機EL)パネルを搭載した「FS1ライン」(写真は55V型の「4T-C55FS1」

QD-OLEDを簡単に説明すると、有機EL発光層の上に量子ドット層を配置して光の波長を変換することで、これまでの4K有機ELテレビで採用されていたWOLEDに比べて純度の高い色(赤/青/緑)を再現できる新構造の有機ELのこと。国内では、ソニーからQD-OLEDパネルを搭載したテレビ「A95K」シリーズがすでに発売されているが、今回投入される「FS1ライン」はそれに続く国内2例目のQD-OLEDテレビとなる。

有機EL発光層の上に量子ドット層を配置して光の波長を変換することで、純度の高い色(赤/青/緑)を再現できるQD-OLED。「FS1ライン」で採用したパネルでは、新世代の有機EL素子を採用することで輝度も向上しているという

有機EL発光層の上に量子ドット層を配置して光の波長を変換することで、純度の高い色(赤/青/緑)を再現できるQD-OLED。「FS1ライン」で採用したパネルでは、新世代の有機EL素子を採用することで輝度も向上しているという

ちなみに、ソニー「A95K」シリーズは2022年発売モデルだが、2023年も有機ELブラビアの最上位モデルとして展開されている。今回シャープから発表された「FS1ライン」も、高い色再現性を備えたQD-OLEDパネルならではの高画質と、独自の立体音響システムによる高音質を兼ね備えたAQUOSの4K有機ELテレビ最上位モデルとして、新ブランド「AQUOS QD-OLED」を冠して展開される。

「FS1ライン」は新ブランド「AQUOS QD-OLED」で展開

「FS1ライン」は新ブランド「AQUOS QD-OLED」で展開

そんな「FS1ライン」だが、AQUOSの4K有機ELテレビ最上位モデルにふさわしい高画質を実現するために、QD-OLEDパネルのパフォーマンスを最大限に引き出す専用カスタマイズが施されている。具体的には、有機EL素子の発光の妨げとなる熱上昇を抑える放熱構造「クールダウンシールドII」と、輝度・色彩性能を引き出すパネル駆動回路「クライマックスドライブ」だ。

放熱構造「クールダウンシールドII」では、アルミ製インナープレートに加え、有機EL発光層とアルミ製インナープレートの間に独自素材の放熱シートを追加することで、アルミ製インナープレート単体よりもさらに高効率な放熱を実現。パネル駆動回路「クライマックスドライブ」では、パネルの温度分布と有機EL素子の発光状態を解析し、発光量を緻密に制御することで、高輝度でありながら多彩な色を正確かつ鮮やかに映し出せるようになったという。

「FS1ライン」では、QD-OLEDパネルのパフォーマンスを最大限に引き出すために、放熱構造「クールダウンシールドII」とパネル駆動回路「クライマックスドライブ」を新たに採用

「FS1ライン」では、QD-OLEDパネルのパフォーマンスを最大限に引き出すために、放熱構造「クールダウンシールドII」とパネル駆動回路「クライマックスドライブ」を新たに採用

「FS1ライン」で使われているアルミ製のインナープレート

「FS1ライン」で使われているアルミ製のインナープレート

QD-OLEDパネルのパフォーマンスを余すことなく引き出すため、アルミ製のインナープレートはかなり分厚い設計になっている

QD-OLEDパネルのパフォーマンスを余すことなく引き出すため、アルミ製のインナープレートはかなり分厚い設計になっている

「FS1ライン」で実際に映像を体験してみたが、夜景の映像では、有機ELならではの引き締まった黒だけでなく、まぶしいほど輝くビルの照明やネオンの光もしっかりと再現されており、新世代の有機EL素子を採用したQD-OLEDのポテンシャルの高さを確認できた

「FS1ライン」で実際に映像を体験してみたが、夜景の映像では、有機ELならではの引き締まった黒だけでなく、まぶしいほど輝くビルの照明やネオンの光もしっかりと再現されており、新世代の有機EL素子を採用したQD-OLEDのポテンシャルの高さを確認できた

画像処理エンジンに関しては、mini LEDバックライトを搭載したフラッグシップライン「AQUOS XLED EP1ライン」で採用実績のある「Medalist S4X」に、2023年最新機能を盛り込んで搭載。先行して発表された4K液晶テレビ「AQUOS 4K」の2023年モデル同様、AIプロセッサーを活用してコンテンツに合わせて画質や音質を最適化する「AIオート高画質」「AIオート高音質」、周囲の明るさに応じて輝度や階調レベルを自動で調整してくれる「環境センシング技術」が搭載されており、視聴環境に左右されず、常にテレビまかせで最適な画質・音質でコンテンツを楽しめるようになっている。

画像処理エンジンは「Medalist S4X」を搭載。「AIオート高画質」や「AIオート高音質」、「環境センシング技術」で常にテレビまかせで最適な画質・音質でコンテンツを楽しめるようになっている

画像処理エンジンは「Medalist S4X」を搭載。「AIオート高画質」や「AIオート高音質」、「環境センシング技術」で常にテレビまかせで最適な画質・音質でコンテンツを楽しめるようになっている

スピーカーシステムは、画面上部(ハイトツイーター×2+ハイトミッドレンジ×2)、画面中央(サブウーハー×1)、画面下部(ツイーター×2+ミッドレンジ×4)の合計11スピーカーを配置した総合出力85Wの「ARSS+(AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS)音響システム」を搭載。Dolby Atmosにも対応しており、天井反射音と直接音を組み合わせることで、音に包み込まれているような立体音響を楽しめるという。

「FS1ライン」に搭載されている合計11スピーカー・総合出力85Wの「ARSS+(AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS)音響システム」。ミッドレンジとサブウーハーには、軽量・小型化した高効率スピーカーユニット「パワーボイススピーカー」が採用されている

「FS1ライン」に搭載されている合計11スピーカー・総合出力85Wの「ARSS+(AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS)音響システム」。ミッドレンジとサブウーハーには、軽量・小型化した高効率スピーカーユニット「パワーボイススピーカー」が採用されている

本体はセンタースタンド仕様のオーソドックスなデザインで、スタンド部分は視聴位置に合わせた角度調整や掃除の際に便利なスイーベル機構も搭載。テレビプラットーフォームはAQUOSではおなじみの「Google TV」で、リモコンだけでなくハンズフリーでの音声操作にも対応する。「Google Fit」対応機器と連携し、歩数や心拍数、体重、血圧などの変化をわかりやすくグラフで表示する健康管理アプリ「AQUOSヘルスビューアー」や、市販のWebカメラを接続して利用できるカメラアプリ「リビングカメラ」のYouTube同時表示といった新機能は、先行して発表された4K液晶テレビ「AQUOS 4K」の2023年モデルと共通だ。

テレビプラットーフォームは「Google TV」で、ハンズフリー操作にも対応。付属のリモコンには、ネット動画サービスに素早くアクセスできる合計10個のダイレクトボタンも用意されている

テレビプラットーフォームは「Google TV」で、ハンズフリー操作にも対応。付属のリモコンには、ネット動画サービスに素早くアクセスできる合計10個のダイレクトボタンも用意されている

WOLEDパネルを採用した「FQ1ライン」は画像処理エンジンをアップデート

65V型と55V型の2サイズをラインアップする「FQ1ライン」。放熱性を高めて輝度をアップさせた「S-Brightパネル」や、ハイトスピーカーを搭載した「ARSS+(AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS)音響システム」など、2022年モデル「ES1ライン」の流れを汲むWOLEDパネル採用のハイエンドモデルという位置づけだ。

WOLEDパネルを採用した「FQ1ライン」(写真左が65V型「4T-C65FQ1」、右が55V型「4T-C55FQ1」)

WOLEDパネルを採用した「FQ1ライン」(写真左が65V型「4T-C65FQ1」、右が55V型「4T-C55FQ1」)

「FQ1ライン」には、放熱性を高めて輝度をアップさせた「S-Brightパネル」を採用

「FQ1ライン」には、放熱性を高めて輝度をアップさせた「S-Brightパネル」を採用

「FQ1ライン」のスピーカーシステムは、ハイトスピーカーを備えた「ARSS+(AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS)音響システム」。なお、合計11スピーカーという点はQD-OLEDパネル採用の「FS1ライン」と同じだが、「FQ1ライン」には「パワーボイススピーカー」は採用されておらず、総合出力も70Wとなっている

「FQ1ライン」のスピーカーシステムは、ハイトスピーカーを備えた「ARSS+(AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS)音響システム」。なお、合計11スピーカーという点はQD-OLEDパネル採用の「FS1ライン」と同じだが、「FQ1ライン」には「パワーボイススピーカー」は採用されておらず、総合出力も70Wとなっている

画像処理エンジンが最新世代の「Medalist S4」となったことで、画音質の基礎体力が向上したほか、コンテンツに合わせて音質を最適化する「AIオート高音質」や、周囲の明るさに応じて輝度や階調レベルを自動で調整してくれる「環境センシング技術」など、2022年モデル「ES1ライン」には実装されていなかった新機能が追加されたのもポイントだ。なお、そのほかの機能性については「FS1ライン」とほぼ同等となっている。

画像処理エンジンは最新世代の「Medalist S4」。2022年モデルの「ES1ライン」には実装されていなかった「AIオート高音質」や「環境センシング技術」が新たに追加されている

画像処理エンジンは最新世代の「Medalist S4」。2022年モデルの「ES1ライン」には実装されていなかった「AIオート高音質」や「環境センシング技術」が新たに追加されている

遠山俊介(編集部)

遠山俊介(編集部)

AV家電とガジェット系をメインに担当。ポータブルオーディオ沼にどっぷりと浸かっており、家のイヤホン・ヘッドホンコレクションは100を超えました。最近はゲーム好きが高じて、ゲーミングヘッドセットも増えてます。家電製品総合アドバイザー資格所有。

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