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Amazon Fire TV Stick 4K Max 第2世代レビュー。レスポンスの高速化&新機能よりもリモコンが魅力かも

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Amazonが手がけるスティック型のメディアストリーミングデバイス「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」が10月18日に発売された。Amazonでの販売価格は通常時で9,980円だ。

2023年10月18日に発売となったAmazon「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」

2023年10月18日に発売となったAmazon「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」

Amazon「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」

言わずと知れたネット動画視聴の人気デバイス、Amazon Fire TVシリーズ。製品数が増えわかりにくくなっているので全体像を紹介しておくと、廉価モデルから順に「Fire TV Stick」、「Fire TV Stick 4K」「Fire TV Stick 4K Max」「Fire TV Cube」と合計4グレードがある。このうちスティック型のFire TV Stickの中で最上位モデルとなるのが今回する「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」だ。ちなみに、真ん中の「Fire TV Stick 4K」も同時に新しくなっており、世代も同じ“第2世代”という扱いだ。

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2023/09/21 07:00

前置きに長くなったが、さっそく「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」をレビューしていこう。比較対象には「Fire TV Stick 4K Max 第1世代」を用意してみた。

「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」はどこが変わったのか。いちばんわかりやすい内容だとスペックだろう。「Fire TV Stick 4K Max 第1世代」はクアッドコア1.8GHz、2GB RAM、8GBストレージでWi-Fi 6までの対応だったが、これが「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」ではクアッドコア2.0GHz、2GB RAM、16GBストレージでWi-Fi 6Eまで対応とRAM以外のすべてがパワーアップしている。

「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」のパッケージを開封したところ。いつもどおりの内容だ

「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」のパッケージを開封したところ。いつもどおりの内容だ

「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」は外見にも変化があり、スティック型の本体は丸みを帯びたデザインになった。ただ、Fire TV StickはテレビのHDMI端子に挿して使うデバイス。普段は見えないところに設置しているので、インパクトはあまりないかもしれない。給電用のUSB端子は「Fire TV Stick 4K Max 第1世代」と同じくMicro USB Type-Bのままだが……ケーブルをつなぎっぱなしで運用するものと考えると許容範囲と言える。

ボディの角が丸まった「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」

ボディの角が丸まった「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」

「Fire TV Stick 4K Max 第1世代」(写真上)と「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」(写真下)

「Fire TV Stick 4K Max 第1世代」(写真上)と「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」(写真下)

「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」は付属リモコンもアップデートされていて、やや細長になった。ダイレクトボタンはAmazonプライム・ビデオ、Netflix、TVer、U-NEXTという顔ぶれだ。

「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」(写真左)と「Fire TV Stick 4K Max 第1世代」(写真右)のリモコン。「Fire TV Stick 4K Max 第1世代」のリモコンは最初期のDAZNボタン版だ

「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」(写真左)と「Fire TV Stick 4K Max 第1世代」(写真右)のリモコン。「Fire TV Stick 4K Max 第1世代」のリモコンは最初期のDAZNボタン版だ

変化は「アンビエントディスプレイ」メイン? レスポンスはわずかに高速化

実際に僕の自宅に設置してある4Kテレビに接続、初期設定を済ませて違いを比較してみた。

4Kテレビに「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」を接続して操作性などを検証

4Kテレビに「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」を接続して操作性などを検証

「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」で操作画面レベルの違いはあるのか。OSの世代も進化していて、「Fire TV Stick 4K Max 第1世代」のFire OS 7から「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」ではFire OS 8に進化しているが……ホーム画面や動画視聴を使うレベルではまったく同じだった。

「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」のホーム画面

「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」のホーム画面

こちらが「Fire TV Stick 4K Max 第1世代」のホーム画面だ

こちらが「Fire TV Stick 4K Max 第1世代」のホーム画面だ

ちなみに検索機能に新たに追加された「無料/追加料金なし」という項目は、「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」だけでなく「Fire TV Stick 4K Max 第1世代」も利用可能になっている

ちなみに検索機能に新たに追加された「無料/追加料金なし」という項目は、「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」だけでなく「Fire TV Stick 4K Max 第1世代」も利用可能になっている

では「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」ではなにが変わったのかというと、「アンビエントディスプレイ」というソフト面の新機能が追加された。初期設定では5分で表示される、ウィジェット表示も可能なスマートディスプレイ的な画面のことだ。世界の名画や景色などのBGVも収録されている。

「アンビエントディスプレイ」を起動した画面。こちらはデフォルトのウィジェット表示を小にした状態

「アンビエントディスプレイ」を起動した画面。こちらはデフォルトのウィジェット表示を小にした状態

ウィジェット表示を大にした状態。この状態だと背景にがっつりかぶるので、BGV鑑賞には不向き

ウィジェット表示を大にした状態。この状態だと背景にがっつりかぶるので、BGV鑑賞には不向き

ちなみに、この「アンビエントモード」はAmazonアカウントに登録されたプロフィールに連動していて、カレンダー表示なども可能。ただ子ども用プロフィールではウィジェットは出なくなる。

ただ、「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」を取り付けたところでテレビを一日中つけっぱなしする訳ではないだろう。自分専用の「Echo Show」を作れるようなイメージかもしれないが、Amazon Musicのウィジェットがあってもタッチ操作ができる訳でも、そのまま話しかけてAlexaが応答する訳でもなくリモコン操作が必要だし、利用シーンはかなり限定的な気がする。なお、有機ELテレビでは焼付きに対する注書きもあったので、有機ELテレビと組み合わせる際は気を付けてほしい。

続いて、“Fire TV Stick史上最もパワフル”をうたう「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」の操作レスポンスをチェックしてみた。今回は、ホーム画面からYouTube、Netflix、Amazonプライム・ビデオの各アプリの起動時間を測定。電源ケーブルを抜いてからホーム画面起動を待ち、YouTube→Netflix→Amazonプライム・ビデオの順で測定を行っている。結果は以下のとおりだ。

YouTube起動
第1世代:4.6秒 第2世代:4.1秒
Netflix起動
第1世代:2.7秒 第2世代:2.3秒
Amazonプライム・ビデオ起動
第1世代:3.5秒 第2世代:3.2秒

クアッドコアプロセッサーのクロック数が1.8GHzから2.0GHzと引き上げられたおかげか、YouTube、Netflix、Amazonプライム・ビデオともに起動時間が確かに高速化している。とはいえ、その差は0.3〜0.5秒の世界。すでに「Fire TV Stick 4K Max 第1世代」を持っているという人は買い替える必要はなさそうだ。

「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」でスペックアップした項目だと、残るは倍増した内蔵ストレージ。スペック上は16GBで、表記上の空き容量は最大12.86GBだった。ただ、Fire TVシリーズで動画視聴する際はストリーミング利用が基本なので、今のころ内蔵ストレージに困ることは少なく、ゲームなどの容量の大きなアプリを多数インストールする人などでない限り、ストレージ容量倍増の恩恵は感じにくいかもしれない。

「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」の内蔵ストレージは16GBに倍増。実用量は最大12.86GBのようだ

「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」の内蔵ストレージは16GBに倍増。実用量は最大12.86GBのようだ

TVerにライブ放送、今どきのネット動画時代を反映した使い勝手のよい新型リモコン

これまで「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」の新機能を見てきたが、改めてリモコンにも注目しておきたい。

「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」の付属リモコン

「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」の付属リモコン

まず、ダイレクトボタンはAmazonプライム・ビデオ、Netflix、TVer、U-Nextという顔ぶれ。利用率の高いアプリが揃っている……と言いたいところだが、最も利用者の多いYouTubeが欠けている点は残念なところ。ただ、TVerボタンを採用したところに、時代の変遷を感じる。

TVerアプリをダイレクトに起動できるように。テレビの代わりにFire TVを使うという人はとても便利になるはずだ

TVerアプリをダイレクトに起動できるように。テレビの代わりにFire TVを使うという人はとても便利になるはずだ

そして、Fire TVシリーズを買い替えるのは久しぶりという人には、見慣れないボタンも多いと思う。

まず、音量(+−)とチャンネル(▲▼)ボタンの間にあるのは「番組表」ボタン。ここでいう番組表とは、ABEMAに代表されるネット放送局を表す。なお、ほかにもAmazonプライム・ビデオチャンネル、huluなどを追加可能だ。

「番組表」ボタンを初回押した時の設定画面。ここで視聴するサービスを追加できる

「番組表」ボタンを初回押した時の設定画面。ここで視聴するサービスを追加できる

サービス追加後の「番組表」ボタン。どれもライブ放送なのでテレビ放送感覚で番組を選べる

サービス追加後の「番組表」ボタン。どれもライブ放送なのでテレビ放送感覚で番組を選べる

続いて、アプリボタンの上に並ぶ3つのボタン、真ん中が「設定ボタン」。このボタンは設定画面へダイレクトに飛ぶものではなく、プロフィールやアンビエントディスプレイ、そして電源スタンバイに相当するスリープ、ミラーリング、そして設定といった各種機能へアクセスできるクイックメニューを呼び出すものだ。

「設定ボタン」から呼び出せるクイックメニューから設定画面にもアクセスできるが、動作モード切り替えなどの意味合いが近い

「設定ボタン」から呼び出せるクイックメニューから設定画面にもアクセスできるが、動作モード切り替えなどの意味合いが近い

そしていちばん右のボタンが「最近のアイテム」。これはアプリなどの履歴ボタンで、よく使うアプリ等が決まっている場合は実はこのボタンが役に立つ。

操作履歴にあたる「最近のアイテム」。ショートカットとして意外と便利

操作履歴にあたる「最近のアイテム」。ショートカットとして意外と便利

まとめ

10月18日に登場した「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」。新機能「アンビエントディスプレイ」が機能面での目玉だが、この機能のためだけに購入するかと言われると、アート作品や風景のためにテレビをつけっぱなしにする用途は限られるように思える。性能アップは確かに感じられるが、レスポンス速度の向上も誤差の範囲と呼べるくらいで、ストレージ容量もアップしたが現状では決定打になりにくい。

いっぽう、実は評価したいのはリモコンのアップデート。Amazonプライム・ビデオ、Netflix、TVer、U-Nextという顔ぶれは今どきだし、実質的にABEMAボタンにもなる番組表ボタンなど最近のネット動画のトレンドをうまく押さえている(ただ、相変わらずYouTubeがないところは不便だ)。そう考えると、リモコン目当てで購入という発想は悪くない。

通常時で9,980円という価格は、「Fire TV Stick 4K Max 第1世代」が6,980円(セールでは3,000円台)ということを考えるとやや高くなった印象はあるが、そもそもFire TV Stickシリーズは値付けが安めなので、9,980円でも十分安いように思える。もちろんセールが狙い目だが、4K対応のFire TV Stickシリーズを持っていないという人なら、「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」を選んでおくのもアリだろう。

折原一也
Writer
折原一也
オーディオ&ビジュアルライター/AV評論家。「オリチャンネル」主催。IT系出版の編集者出身で、2004年に独立後はモノ雑誌やオーディオ・ビジュアル専門誌で活動。2009年より音元出版主催のVGP審査員。画質・音質にこだわるAV評論家ではあるが、ライフスタイルになじむ製品、コスパにすぐれた製品を評価する庶民派。2022年に立ち上げたYouTubeチャンネル「オリチャンネル」では、取材メディアの人間として一次情報の発信、検証と測定データに基づくレビューなど独自の発信も行っている。最近のマイブームはAI全般。
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遠山俊介(編集部)
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遠山俊介(編集部)
2008年カカクコムに入社、AV家電とガジェット系の記事を主に担当。ポータブルオーディオ沼にはまり、家にあるイヤホン・ヘッドホンコレクションは100オーバーに。最近はゲーム好きが高じて、ゲーミングヘッドセットにも手を出している。家電製品総合アドバイザー資格所有。
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