ソニー「ICF-B99」
2016年4月14日(木)に端を発した「熊本地震」であるが、その影響で、災害対策関連製品への注目度が増している。価格.comで取り扱いのあるカテゴリーでも、「発電機」や「ライト・ランタン」「テント・タープ」といった災害対策関連製品へのアクセスが急激に増加しているが、その中のひとつが「ラジオ」。なかでも、手回し式充電器で発電できる「手回しラジオ」への注目度が高まっている。
図1:「ラジオ」カテゴリーのアクセス数推移(過去3か月)
図1は、「価格.comトレンドサーチ」で見た、過去3か月における「ラジオ」カテゴリーのアクセス数推移だ。これを見ると、それまで2万PV/日レベルだった同カテゴリーのアクセス数が、震災の発生した4月14日以降急激に伸びており、4月17日(日)にピークとなる26,813PV/日を記録している。伸び率にしておよそ30%程度の上昇となっており、ラジオへの注目度が高まっていることがわかる。
図2:「ラジオ」カテゴリーの売れ筋上位5製品のアクセス数推移(過去3か月)
図3:ソニー「ICF-B99」のアクセス数推移(過去3か月)
では、ラジオの中でもどんな製品に注目が集まり売れているのだろうか。図2は、過去3か月における「ラジオ」カテゴリーの売れ筋ランキング上位5製品のアクセス数推移を示したものだが、これを見ると、なかでも伸びが大きいのは、ソニーの「ICF-B99」であることがわかる。図3は、「ICF-B99」のアクセス数推移だけを抜き出したものだが、それまでは200PV/日台で推移していたアクセス数が、4月14日以降一気に伸長。ピークとなった4月18日には、1,380PV/日というアクセス数を記録した。一気に6倍以上のアクセスを集める形となったわけだ。
数あるラジオ製品の中でも、ここまで「ICF-B99」が多くの注目を集めることになったのには理由がある。本製品は、普通のラジオではなく、本体に手回し式の充電器を備えた「手回しラジオ」なのだ。乾電池などの外部電源がなくとも、手回しで充電すれば動作する。また、ボディ上部には太陽光パネルを備えており、太陽光充電にも対応。もちろん単三乾電池やAC電源でも動作するという、非常にオールマイティーな電源方式を採用しているのだ。さらに、内蔵充電池を外部電源として利用することも可能となっており、搭載するUSBポート経由で携帯電話やスマートフォンを充電することもできる。本体前面には、LEDライトも備えているので、ライトとして利用することも可能。まさに、非常時、災害時に持っておくと便利な1台となっているのだ。
熊本地震をきっかけに、再度災害時に便利なラジオの重要性が見直されているが、なかでも電池の心配がない本製品の便利さに、多くの消費者が気づき、手元に1台置いておきたいという状況となっていると言えるだろう。
図4:ソニー「ICF-B99」の取り扱い店舗数推移(過去3か月)
さて、そんな便利なソニー「ICF-B99」であるが、ふだんさほど注目されていないラジオという製品だけに、市場に流通している在庫もさほど多くはない。すでに多くの店舗が品切れを起こしており、残る在庫もわずかという状況になりつつある。図4は、過去3か月における「ICF-B99」の取り扱い店舗数の推移を示したものだが、3月20日時点では48店舗で取り扱いがあった本製品も、4月19日には22店舗にまで減少。さらに詳細に見ると、4月20日時点で取り扱いのある20店舗のうち、在庫ステータスが「有」となっているのは、わずか4店舗のみ。あとの店舗では、「取り寄せ」あるいは「問い合わせ」のステータスとなっている(図5)。急激なニーズの増加によって、品切れを起こす店舗が続出しているようだ。
図5:ソニー「ICF-B99」の価格比較画面(2016年4月20日時点)
これにともなって、販売価格のほうも急騰している。図6は、過去3か月における「ICF-B99」の最安価格推移を示したものだが、3月20日時点で7.387円であったものが、4月18日時点では7,776円と、5%ではあるが上昇している。なお、ソニーストアでの販売価格は9,990円であり、そこから比べると2割程度安いが、今後品切れ状況が加速していくと、この水準まで上昇する可能性もある。購入を考えているなら早めがいいだろう。
図6:ソニー「ICF-B99」の最安価格推移(過去3か月)