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日産「セレナ e-POWER」発売開始。注目度は高いが、評価は分かれる

日産「セレナ e-POWER」

日産「セレナ e-POWER」

人気を博した「ノート e-POWER」のシステムを搭載した注目のミニバン

2018年3月1日、日産から「セレナ e-POWER」が発売された。本製品は、同社の売れ筋ミニバン「セレナ」のパワートレインに、同社独自の「e-POWER」を搭載したもの。「e-POWER」とは、基本的にはモーター走行を行うEVでありながら、発電用のガソリンエンジンを搭載することで、充電なしでも電力をカバーできるという仕組みで、2016年12月に発売された「ノート e-POWER」で初めて実用化された技術だ。「ノート e-POWER」では、この仕組みによってもたらされた、EVならではの力強い走行性と、充電なしで走れる利便性、そして、アクセルペダルのみで車速の制御が可能な「ワンペダルドライブ」が非常に好評となったが、この仕組みが、同社の屋台骨を支える「セレナ」に搭載されるとあって、発売前から注目度は非常に高かった。

図1:「自動車」カテゴリーにおける人気5車種のアクセス推移(過去3か月)

図1:「自動車」カテゴリーにおける人気5車種のアクセス推移(過去3か月)

図2:「自動車」カテゴリーにおける人気5車種のランキング推移(過去3か月)

図2:「自動車」カテゴリーにおける人気5車種のランキング推移(過去3か月)

図1は、過去3か月間における、「自動車」カテゴリー・人気5車種のアクセス推移を、「価格.comトレンドサーチ」で示したもの。これを見ると、「セレナ e-POWER」以外の4車種はほぼ横ばいで推移しており、底堅い人気を維持しているが、そんな中で唯一「セレナ e-POWER」だけが、3月1日の発売日に向けて急激に注目度を上げてきていることがわかる。3月14日時点では人気ランキングの4位の座をキープしており、安定した人気のトヨタ「ヴェルファイア」「アルファード」、マツダ「CX-5」「CX-8」といった車種の間に割って入り込む展開となっている(図2)。

図3:「自動車」カテゴリーにおける人気5車種のユーザー満足度推移(過去3か月)

図3:「自動車」カテゴリーにおける人気5車種のユーザー満足度推移(過去3か月)

このように、注目度の高さはかなり高い「セレナ e-POWER」であるが、実際に本車種に試乗したユーザーからの評価はかなり分かれる結果となっている。図3は、上記人気5車種のユーザー満足度推移となっているが、ほかの4車種に比べて、「セレナ e-POWER」の満足度は低めで、3月14日時点では4.01とややふるわない。これだけ話題性があって、かつ注目度も高いのに、ここまで評価がふるわないのはなぜだろうか。現在までに寄せられたユーザーレビューから、その理由を探ってみよう。

高速走行ではややパワー不足の声もあり。あくまでタウンユース中心のファミリーカーという味付け

図4:「セレナ e-POWER」のユーザーレビュー評価(2018年3月14日時点)

図4:「セレナ e-POWER」のユーザーレビュー評価(2018年3月14日時点)

図4は、3月14日時点での「セレナ e-POWER」のユーザーレビュー評価であるが、上で記したように、総合的なユーザー満足度は4.01(レビュワー数:11人)。項目別に見ると、「エクステリア」「インテリア」「燃費」の3項目ではカテゴリー平均以上だが、その他の4項目はカテゴリー平均以下となっている。特に、本モデルのウリである「e-POWER」に関する「エンジン性能」「走行性能」「乗り心地」といった項目の評価が渋いのが気になる。

ということで、まずは気になる「エンジン性能」に関するユーザー評価のコメントをいくつか拾ってみよう。

・(ホンダの)i-MMDは高速域のみモーター駆動の効率の悪さを解消するためにエンジン直結できるみたいですが、e-powerはそれができないから結果的に高速でも100%モーター駆動になっちゃう。つまり高速走行には向かない近距離専用の車と言うことです。

・ステップワゴンハイブリッドや、こちらのセレナeーPOWERのクチコミで1200CCで非力そうで大丈夫かというのをよく見ていましたが、試乗した感じでは坂道でも以外と普通に登っていきました。ステップワゴンハイブリッドは試乗してないのでわかりませんが、私は特に不満は感じず、むしろエンジンで動くよりレスポンスも早く力強いので凄いなぁと感心するばかりでした。

・専門的な知識がないので、上手く言葉には出来ませんが、エンジンの唸りとアクセルワークが連動することで運転の楽しさを感じたい人は、向かないかもしれませんが、とてもスムーズな加速を感じました。高速での試乗はしていませんが、合流や追い越しなど、とても頼りになりそうです。

・重い車がジワジワ〜っと加速していく、ような感じはほとんどしません。ぐぐぐっと加速します。車体軽くなったイメージです。のんびりまったり巡航速度で走っている分には、アルファードとほとんど変わらないと思います。

・これは!すごい!流石はリーフと同じバッテリーで走行しているだけあります。リーフもそうですが、気を付けないと、法定速度を超えてしまいます。

以上のように、ポジティブな意見もあれば、ネガティブな意見もあり、評価としてはほぼ二分されている形だ。ただ、どのユーザーもエンジン性能に関してはほぼ同じような印象を持ったようで、競合するホンダ「ステップワゴン スパーダ ハイブリッド」などと比べると、エンジン性能は同等か、高速域ではやや劣るというイメージだ。

もちろん、「ステップワゴン スパーダ ハイブリッド」の「SPORT HYBRID i-MMD」と、「セレナ e-POWER」の「e-POWER」はシステムが異なっており、モーター中心で動くという意味では近しい部分もあるが、「SPORT HYBRID i-MMD」は高速域などでエンジンによるアシストが効くため、純粋なEV走行とは言えない。逆に言えば、「ステップワゴン スパーダ ハイブリッド」は、その点でハイブリッドシステムをうまく使いこなしているが、「セレナ e-POWER」はモーターでしか走行しないEV走行であるため、高速域でのパワーという意味ではやや不利になってしまうのはやむを得ない部分がある。この点を、どう感じるかで、この「e-POWER」に対する評価が二分されていると言ってよさそうだ。

ただ、そもそも「セレナ」というミニバン自体が、「走り」という面をことさら重視した車ではないということは理解しておいたほうがよいだろう。「セレナ」の場合、ガソリン車の場合でも、エンジンの非力さという点は多くのユーザーが指摘しており、信号待ちからのスタートダッシュや高速走行時の加速フィールは、それほどよくないという評価は定着していた感がある。それでも「セレナ」が売れ続けているのは、「走り」ではない実用性の部分を重視するファミリー層からの支持があるためだろう。そういう意味では、今回の「e-POWER」は、発進時などのもたつきという面では、従来のガソリン車の欠点を補うものであり、この点を重視するユーザーからの評価は悪くない。

なお、「乗り心地」の項目も、平均より点数は下回っているが、こちらも意見は二分されているという感じだ。

・静かです。車にあまり興味のない妻は、エンジン動いている、動いていないの差がわからなかったけど静かだったと。私はエンジンが動いた時はすぐにわかりましたが、それでも今乗っているガソリン車に比べるとめちゃくちゃ静かでした。

・とても静か。これにはビックリしました。ロードノイズの少なく、窓が新しくなったお陰か、外の音が本当に聞こえない。

・カーブ追従性が極端に悪いので、運転重視なロングドライブには向かないと思います。反面、高速道を90〜100km/hで流すようなトランスポートでしたら、不満は特に感じないと思います。プロパイロットもありますし。

こちらも総合すると、「セレナ」のガソリン車よりは格段に静かになっており、乗り心地もよくなっているが、加速性の乏しさや、ときおり聞こえるエンジン音、ハイトワゴンの弱点であるロールなど、課題も多いというイメージだろうか。ただ、やはり、それほどのロングドライブなどでなく、高速も巡航速度で流すという乗り方であれば、十分という声もある。

最後に、ほとんどのユーザーが指摘しているのは、価格の高さだ。

・半自動運転(プロパイロット)や両側スライドドア、サイドエアバッグなどオプション選択したら、同じような装備が標準でついているステップワゴンハイブリッドよりも更に値段があがります。正直高い。

・高いの一言です・・・。ハイウェイスターVにセーフティパックB、OP等付けたい物つけると簡単に400万オーバーしました・・・。

・正直、高い買い物ですが、全く同じ内容で比較しているわけではないので、一長一短ある中で、自分の使い勝手がよく、納得いく値段ではありました。

「セレナ e-POWER」の販売価格は、296〜382万円となっているが、実際に気に入って購入したユーザーも含め、ガソリン車より40万円高いという「セレナ e-POWER」の価格設定は高いと感じている人が多い。さまざまなオプションをつけていくと、400万円を超えてくるということで、トヨタの「ヴェルファイア」や「アルファード」ほどではないにしろ、上記でもよく比較されていた、ホンダ「ステップワゴン スパーダ ハイブリッド」(販売価格:330〜355万円)と比べた場合の価格的優位性はあまりない。

本モデルならではの、さまざまな独自技術や便利装備などに優位点を見いだせるかどうか、「e-POWER」というシステムに対する興味や面白さを感じられるかどうか、そのあたりが本モデルの評価を大きく変えそうだ。

鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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