レビュー
PowerShot Gシリーズの最高峰は「使えるカメラ」なのか?

キヤノン初のAPS-Cコンデジ「PowerShot G1 X Mark III」で東京オートサロンを撮ってみた

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2017年11月30日に発売された、キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」。キヤノンのコンパクトデジタルカメラ最高峰にして初のAPS-Cコンデジである当機。2,420万画素のAPS-Cサイズ撮像素子に、最新の「DIGIC 7」映像エンジンを搭載しており、カタログスペックの内容だけを見れば、キヤノンのミラーレスカメラ「EOS M5」を交換できないズームレンズにしたものと考えてもいい。そのうえ、EVF(電子ビューファインダー)が内蔵されていることで、「EOS M6」や従来の「PowerShot G1 X Mark II」などのEVFとクリップオンタイプのスピードライトが排他使用となるモデルに比べて、使い勝手もよさそうだ。

キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」

キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」

そんな「PowerShot G1 X Mark III」は、どれくらい使えるカメラなのだろうか? 実際に、1月12〜14日にかけて開催された「東京オートサロン2018」の会場で使って、その実力を試してみることにした。

東京オートサロン2018にキヤノン「PowerShot G1 X Mark III」を持ち込んで撮影を行った

東京オートサロン2018にキヤノン「PowerShot G1 X Mark III」を持ち込んで撮影を行った
18mm、F4、1/80秒、ISO800、+1.3EV、WB:オート
撮影写真(6000×4000、1.91MB)

コンパクトは正義か?

東京オートサロン2018は、1月12日から14日まで幕張メッセで開催されたカスタムカーの祭典ともいえる自動車ショーで、3日間の来場者数が30万人を超えるというビッグイベント。1日あたりの来場者数は「東京モーターショー」を余裕で超え、会場は人々で埋め尽くされていた印象だ。

キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」

キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」

筆者は、Webを中心に自動車系フォトジャーナリストとして活動しているが、東京オートサロンでの取材では、本当に機材の選定に苦慮している。一眼レフに標準ズームとクリップオンのスピードライトをぶら下げて、1日あたり10万人以上もの人々が集う会場に入っていくわけだが、最低限の装備の一眼レフであってもかなりの大きさとなり、スピードライトの電池も含めれば重量は1.4kgを軽く超える。人垣を掻き分けて取材対象のクルマやコンパニオンにたどり着くだけでも重労働なうえに、この重さのカメラを振り回すのだから、自分自身にとっても、また他の来場者の方々にとってもじゃまなことこの上ない。

キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」の重量は、約399g(バッテリーおよびメモリーカード含む)と軽く、ボディサイズは幅が約115.0mm、高さが約77.9mm、奥行きが約51.4mmと小型だ

そんな中、今回レポートするPowerShot G1 X Mark IIIは、本体重量が399gと非常に軽いうえに、大きさは収納時はコートのポケットにすっぽり入ってしまうほど。手の大きい方なら、手のひらだけでカメラが隠れてしまうほどだ。これだけコンパクトなカメラで、APS-Cの2,420万画素となれば、どれだけ仕事がはかどるのか? 想像しただけでも、ワクワクしてしまうのである。

東京オートサロン2018「3D Design」ブース/キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」を使用して撮影

東京オートサロン2018「3D Design」ブース/キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」を使用して撮影
19mm、F3.5、1/160秒、ISO500、+1EV、WB:オート
撮影写真(5723×3815、8.36MB)

キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」には内蔵ストロボが備わっている

キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」には内蔵ストロボが備わっている

PowerShot G1 X Mark IIIには、内蔵ストロボが用意されている。光量が少ないのであまり使えないと思われる方も多いだろう。しかし、意外と照射角度が広く、ズームの広角側では会場の照明に対しての補助光としての役割は充分に果たす。クルマの全景とコンパニオンを組み合わせて取るような場合、コンパニオンの瞳にキャッチライトを入れるためには十分な役割を果たしてくれる。また、光量が強すぎないおかげで、クルマの車体に強い光が映り込むこともなく、DIGIC 7のすぐれた描写性もあってキレイな仕上がりの写真となるのも嬉しい。

東京オートサロン2018「DIXCEL」ブース/キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」を使用して撮影

東京オートサロン2018「DIXCEL」ブース/キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」を使用して撮影
31mm、F5、1/100秒、ISO1000、+2EV、WB:オート

東京オートサロン2018「DIXCEL」ブース/キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」を使用して撮影

東京オートサロン2018「DIXCEL」ブース/キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」を使用して撮影
45mm、F5.5、1/100秒、ISO1600、+2EV、WB:オート

キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」

キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」

内蔵ストロボは望遠側に弱く、コンパニオンを半身より大きく撮ろうとすると途端に光量不足を露呈する。しかし、解決策がないわけでもなく、例えばDIXCELブースのように周辺の明るい展示ブースであれば、露出補正を+2程度にしたうえで内蔵ストロボを利用すると、比較的良好な写りとなった。上の写真はDIXCELブースの宮瀬七海さんを撮影したものだが、周囲の明るさを内蔵ストロボで補完しての撮影で、瞳のキャッチライトとともに周囲の光もマイルドに溶け込んでいる。しかし、周囲が暗めのブースでは内蔵ストロボでは役不足と言わざるを得ない。

外部スピードライトもコンパクトなものにしたい

東京オートサロン2018「トーヨータイヤ」ブース/キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」を使用して撮影
16mm、F3.2、1/160秒、ISO1000、+1EV、WB:オート
撮影写真(6000×4000、2.73MB)

周囲が暗めなブースに撮影対象物がある場合、やはり外部スピードライトは必要不可欠であろう。しかし、せっかくコンパクトなPowerShot G1 X Mark IIIに「600EX II-RT」のような大型のクリップオンタイプのスピードライトは、見た目もアンバランスなうえに重量配分も悪く撮影がしづらい。

キヤノン「スピードライト 270EX」。記事掲載現在では、後継の「スピードライト 270EX II」が発売されている

キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」に「スピードライト 270EX」を装着

キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」に「スピードライト 270EX」を装着

そこで、スピードライトもコンパクトなものを選びたい。これは、筆者の私物のキヤノン「270EX」だが、現在では「270EX II」が発売されている。機能もかなり充実していながら価格は手ごろで、価格.comのユーザーレビューでも好評を博している。

キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」では、ストロボ撮影時の露出を1/3段ずつ、-2段から+2段の範囲で補正することができる

スピードライトには電源スイッチと広角、望遠の切替しかスイッチ類がないが、発光量はカメラ側で調整ができる。また、横位置に構えたときに、上方向にバウンスができるなど使い勝手にすぐれている。

東京オートサロン2018「グッドイヤー」ブースの荒井つかささん/キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」を使用して撮影
35mm、F4.5、1/80秒、ISO800、+1EV、WB:オート

東京オートサロン2018「グッドイヤー」ブースの荒井つかささん/キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」を使用して撮影
24mm、F5、1/80秒、ISO800、+1EV、WB:オート

上の画像は、グッドイヤーブースでグッドイヤーエンジェルの荒井つかささんを撮影したものだ。影が強めに出てしまってはいるが、被写体に充分な光が当たっていることはおわかりいただけると思う。また、この写真自体が撮って出しのJPEGファイルであるが、限られた撮影時間と撮影をするには必ずしもいいとは言えない環境の中で、かなりの解像感が得られるところがポイント。フォーカスはかなり素早く、EVFでのフレーミングのしやすさも相まって、ズーミングさえ決まっていればスピーディーに撮影ができる。

東京オートサロン2018「フォルクスワーゲン」ブースの藤井みのりさん/キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」を使用して撮影
33mm、F5、1/125秒、ISO1600、+1.3EV、WB:オート

上の画像は、フォルクスワーゲンブースの藤井みのりさんを撮影したものだが、この写真自体は、衣装のディティールを出すように撮影している。スピードライトを正面から直接当ててしまうと衣装の陰影が均質化してしまうので、通路の白壁を利用してバウンス、衣装の陰影を強くすることで、エナメルの質感を強調した。

このように、270EXのようなコンパクトなスピードライトであっても、表現の幅は広がっていく。EVF内蔵のPowerShot G1 X Mark IIIだからこそ、アクセサリーシューを活用した写真が撮影できるのだ。ただし、こういった会場でメインとして本機をお使いの場合は、バッテリーだけは複数用意したほうがいいだろう。

PowerShot G1 X Mark IIIや270EXは本来、こういった使い方は想定されていないので、バッテリー容量が少ないのだ。

>>「画質はM5より上」「デジイチとかミラーレスとか、もういらないかも」価格.comでキヤノン「PowerShot G1 X MarkIII」のレビュー・評価を見る

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