レビュー
サイパンの海で水中撮影も検証!

4K×タフネス!異色のビデオカメラJVC「Everio R GZ-RY980」海外レビュー

卒業式や入学式、春の行楽シーズンで大活躍するビデオカメラだが、近年、スマートフォンとの差別化のためか、各社とも4Kでの高画質撮影に力をいれている。なかでも、今年2月に発売されたJVCの「Everio R GZ-RY980」は、「防水」「防塵」「耐衝撃」「耐低温」と圧倒的なタフネス性能を備えた異色の4Kビデオカメラとして注目を集めている。今回は、自慢のタフネス性能を確認するべく、サイパンでロケを敢行。抜群の透明度を誇る海で知られるマニャガハ島でその実力を確かめた。

2月に発売したJVCの4Kビデオカメラ「GZ-RY980」のサイパンロケを敢行

2月に発売したJVCの4Kビデオカメラ「GZ-RY980」のサイパンロケを敢行

「GZ-RY980」はどんなカメラかというと、4K(3,840×2,160)/30p撮影に対応したビデオカメラ。4K撮影の撮影モードはQuickTime準拠(MOV)で、ビットレートは最大約70Mbpsとなっている。JVCのビデオカメラといえば、アクションカムではなく、手のひらでしっかりとグリップできる横長スタイルのボディながら、他社にはない「防水」「防塵」「耐衝撃」「耐低温」の4つのタフネス性能を備えているのがウリだが、「GZ-RY980」はこれらのタフネス性能に加え、4Kでの高画質撮影を実現した同社ビデオカメラの最高峰モデルとなる。

本体メモリーはなくダブルSDカードスロットを搭載、また防水という仕様もありバッテリーは交換式ではないが大容量バッテリーを内蔵する。なお、4Kの撮影時間は実撮影時間で約2時間20分、連続撮影時間は約4時間20分だ。

「防塵」とはつまり砂浜でも利用可能ということ。アクションカムではなく横長タイプでは貴重な存在だ

「防塵」とはつまり砂浜でも利用可能ということ。アクションカムではなく横長タイプでは貴重な存在だ

防水はIPX8/IPX6に準拠し、水深5mで1時間以内までは大丈夫なようになっている。防滴ではなく水中まで対応なので、砂浜で波にさらわれそうになっても安心だ

防水端子カバーはパッキンで保護。海で使い倒した後に撮影したので砂が付着しているのはご愛嬌

防水端子カバーはパッキンで保護。海で使い倒した後に撮影したので砂が付着しているのはご愛嬌

アクションカムではない通常タイプのビデオカメラであるメリットは、やはり光学ズームを利用できることだろう。ズーム倍率は広角29.9mmから望遠299mmのレンジで、アクションカムのような引いたカットばかりにならないのはメリットだ。撮影スタイルも通常のビデオカメラのようにバンドでホールドするタイプなので安定感がある。重量は約620gとやや重めではあるが、グリップ感がよく疲れにくい。

南の島で「GZ-RY980」を構える僕。タフネスなので海辺まで躊躇なく持ち出せる

南の島で「GZ-RY980」を構える僕。タフネスなので海辺まで躊躇なく持ち出せる

広角29.9mmから望遠299mmのズーム(動画から切り出し)

広角29.9mmから望遠299mmのズーム(動画から切り出し)

ズームと撮影以外の操作は画面のタッチインターフェイスを使う。静止画撮影も画面タッチだ

ズームと撮影以外の操作は画面のタッチインターフェイスを使う。静止画撮影も画面タッチだ

実際に手持ち撮影で「GZ-RY980」を試してみたが、ハイクオリティな4K対応ということで、画質面はさすが。見た目通りの情報量をストレートに引き出している。「GZ-RY980」の傾向として、基本的には落ち着いた発色でiPhoneのカメラで撮影したようなビビッドな色にはならない。静止画を撮影しても同様だ。ビデオカメラ通では“発色が気に入らないならマニュアルで調整すればよい”という考えもあるが、「GZ-RY980」は画質調整系がメニュー奥深くで切り替えにも不向きと、基本はオート撮影での運用になるので、常にこの色味を前提として撮影を考えておいたほうがいいだろう。

「GZ-RY980」で南の島を手持ち撮影

「GZ-RY980」で撮影した波打ち際は映像の乱れもなく高精細

もうひとつ、「GZ-RY980」でしかできない撮影方法が海にそのまま持ち込む水中撮影だ。回りを見回してもアクションカムユーザーはいるが、横長のビデオカメラを海に持ち込んでいたのは僕だけで、事あるごとに“It's water proof”と説明する必要があったほど。なお、「GZ-RY980」は使用後にメンテナンスすれば海でも利用も認めているが、水深5mまでの対応なのでスキューバダイビングではなくシュノーケリングまでの対応という点は覚えておこう。

いざ、覚悟を決めて「GZ-RY980」を水中に沈めて撮影を開始。最初はうまく撮影できるかかなり心配だったのだが、それはまったくの杞憂だったようだ。設定も変えずに陸上から水中までシームレスに4K画質で撮影できるのはまさに“楽しい!!”の一言に尽きる。熱帯の海の魚たちを追いかけながら水中撮影を4K画質で撮れるのは便利だし、操作性はそのままなので画面を見てカメラを向けズームをしつつ撮れるのは、アクションカムにはないメリットだ。4K画質はまさに水中の視界そのままと呼んで良いほどで、これだけでもはるばる日本から持ってきた甲斐もあった。ただし、撮影者(僕)の腕の問題もあるが水中撮影は、手持ちのブレとは異なり大きなフリをしてしまいやすい。水中で上手く一箇所にとどまって撮影するのがコツだ。

海中にも持ち出して撮影をテスト。なおGZ-RY980は水に浮かないので珊瑚の上に落とさないように

海中にも持ち出して撮影をテスト。なおGZ-RY980は水に浮かないので珊瑚の上に落とさないように

「GZ-RY980」の水中撮影の映像

水中撮影でもタッチパネル操作以外はズーム等も使える

水中撮影でもタッチパネル操作以外はズーム等も使える

タフネス性能を有し、海辺や砂浜など、さまざまな環境に1台で対応できる「GZ-RY980」。では「GZ-RY980」は4Kビデオカメラとして最強か!?というと、シチェーションを変えて撮影をしていて気がついてしまった弱点もいくつかった。

たとえば、手ブレ補正機能。今やビデオカメラの必須機能となっているが、「GZ-RY980」は“歩き撮り”対応の強力なタイプではない。「GZ-RY980」で歩きながら撮影すると歩みにあわせてガクガク揺れるは当然……なのだが、そんな悪条件も乗り越える光学手ブレ補正がライバルの4Kカメラには搭載されている。

もうひとつ気になったのが暗所での撮影。高感度精度の勝負となる夜間撮影の画質は、盛大にノイズリダクションがかかり、晴天下と比較すると精細感が大幅に落ちるし、見た目の映りとしても暗い。三脚を立てて「GZ-RY980」で撮影しつつモニターを覗き込んだ時点で撮影の厳しさが分かるほどで、暗所撮影が得意なモデルとも呼べないようだ。

「GZ-RY980」を使った夜間の撮影

僕自身、4Kビデオカメラはそれなりに使い込んでいるし、今ならiPhoneでも4K撮影もでき、しかも防水まで対応している。そんな経験があってもJVC「GZ-RY980」を持ち出す経験は格別だった。持ち前のタフネス性能で躊躇なく海に持ち出せるし、「GZ-RY980」なら常に手に持ったまま泳ぎに行けて、結果として撮影チャンスも増えた。心配だったバッテリー駆動もポイントを絞って使えばマニャガハ島で撮影したほぼ1日使い続けられた(夜間撮影はホテルに戻って充電をしている)。4K画質は後で思い出としてテレビで見直した時のメリットは格別だし、ムービーから静止画を切り出した時の画質も素晴らしかった。

今さら横長タイプのビデオカメラを買うの?と思ってしまう人も多いかもしれないが、普段のイベント撮影も光学ズーム付きでこなしつつ、1台で海や水辺で思い切り使い倒せるというのは思った以上に便利だ。横長タイプのビデオカメラで4K撮影&タフネスという唯一無二のキャラクターを持った「GZ-RY980」。ビデオカメラで4K撮影が当たり前になってきた今だからこそ、指名買いすべきビデオカメラといえそうだ。

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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