特集
一眼レフとミラーレス、どっちを選ぶ?

キヤノンのエントリー一眼カメラ「EOS Kiss」シリーズ徹底比較

キヤノンのエントリー向け一眼カメラ「EOS Kiss」シリーズは、この春にミラーレスカメラの「EOS Kiss M」が登場し、さらに強力なラインアップとなった。一眼レフとミラーレスのどちらの“Kiss”を選ぼうか悩んでいる方も多いことだろう。そこで本記事では、一眼レフ“Kiss”の上位モデル「EOS Kiss X9i」(以下、Kiss X9i)、コンパクトな下位モデル「EOS Kiss X9」(以下、Kiss X9)、2018年3月に登場したばかりのミラーレス「EOS Kiss M」(以下、Kiss M)の3モデルを徹底比較。操作性やオートフォーカス(AF)、画質など3モデルの違いを詳しくレポートしよう。

右が一眼レフのKiss X9i、中央がKiss X9、左がミラーレスのKiss M

右が一眼レフのKiss X9i、中央がKiss X9、左がミラーレスのKiss M

サイズ・重量 EOS Kissシリーズらしく3モデルとも小型・軽量

EOS Kissシリーズはフィルム一眼レフ時代から小型・軽量ボディで定評がある。今回紹介する3モデルもその特徴を継承しており、いずれもコンパクトなカメラに仕上がっている

3モデルのサイズ・重量
Kiss X9i:131.0(幅)×99.9(高さ)×76.2(奥行)mm・約532g
Kiss X9:122.4(幅)×92.6(高さ)×69.8(奥行)mm・約453g(ブラックカラー、ホワイト:約456g、シルバー:約454g)
Kiss M:116.3(幅)×88.1(高さ)×58.7(奥行)mm・約387g(ブラックカラー、ホワイト:約390g)

Kiss X9i/X9の2モデルは、APS-Cサイズの撮像素子を搭載する一眼レフとしてはとてもコンパクト。特にKiss X9は、可能式液晶モニターを搭載するAPS-C一眼レフとして世界最軽量となる重量約453gを実現(※2018年4月18日時点)。ミラーレスのKiss Mはさらに小さく、電子ビューファインダーを搭載するミラーレスとしては最軽量となる重量400g未満の小型・軽量ボディとなっている。

3モデルのサイズ・重量だけを比較するとKiss X9iがもっとも大きく、そこからひと回り小さいのがKiss X9、さらにひと回り小さいのがKiss Mとなる。持ち運びやすさの点ではミラーレスのKiss Mがさすがに一歩上回る。

右がKiss X9i、中央がKiss X9、左がKiss M。それぞれひと回りほどサイズが違うのがわかるはずだ

右がKiss X9i、中央がKiss X9、左がKiss M。それぞれひと回りほどサイズが違うのがわかるはずだ

こちらはボディを横から撮影した画像。ミラー構造が省略されている分、Kiss Mはスリムだ

こちらはボディを横から撮影した画像。ミラー構造が省略されている分、Kiss Mはスリムだ

操作性 いずれもシンプルな操作性を採用。グリップやファインダーの違いに注意

EOS Kissシリーズはシンプルで使いやすい操作性も大きな特徴だ。3モデルともボディ右側にボタンを多くレイアウトしており、右手のみで多くの操作ができる。Kiss Mについては、ボタン類はすべて右側に配置されている。

ボタンの数はボディが大きいこともあってKiss X9iがもっとも多い。レイアウトに余裕があるのでボタン自体も押しやすい印象だ。ホワイトバランスや仕上がり設定の「ピクチャースタイル」、ドライブモードなどを呼び出す専用ボタンも用意されている。3モデルで操作できること自体に大きな差があるわけではないが、一眼カメラらしいダイレクトな操作感が強いのはKiss X9iだ。

背面を見ると、どのモデルも右側にボタンが集中していることがわかる

背面を見ると、どのモデルも右側にボタンが集中していることがわかる

Kiss X9iは3モデルの中でもっともボタンの数が多い。ホワイトバランスやドライブモードなどもボタン操作で呼び出せる

Kiss X9iは3モデルの中で唯一、側面に独立したカードスロットを装備する(※他2モデルは底面のバッテリー部にカードスロットが配置されている)

Kiss X9は露出補正ボタンや感度ボタンなどを独立して配置。Kiss X9iと比べると、背面の十字ボタンに機能が割り当てられてないのが大きな違いだ

Kiss Mはコンパクトなボディながら必要十分なボタンがうまく配置されている印象

Kiss Mはコンパクトなボディながら必要十分なボタンがうまく配置されている印象

グリップについては、Kiss X9i/X9は一眼レフらしい大きなグリップを、Kiss Mは指をひっかけるようにしてホールドする形状のグリップを採用。ホールド感は好みもあるので優劣はつけにくいが、カメラをしっかりとホールドできるのは一眼レフのKiss X9i/X9だ。特にKiss X9iは細くて深いグリップなので、大きな望遠レンズを装着した場合にも、比較的安定したホールド感が得られる。

液晶モニターは3モデルとも横に開いて上下方向に回転できるバリアングルタイプ。タッチ操作にも対応しており、タッチAFやタッチシャッターにも対応。メニューや再生画面もタッチで操作できる。モニターのスペックも3.0型・約104万ドットで共通だ。

3モデルともタッチ操作対応のバリアングル液晶モニターを採用

3モデルともタッチ操作対応のバリアングル液晶モニターを採用

一眼レフとミラーレスの操作性を比べるうえで知っておきたいのはファインダーの違いだ。一眼レフのKiss X9i/X9は光学ファインダー(OVF)で、ミラーレスのKiss Mは電子ビューファインダー(EVF)となる。

OVFは、レンズを通った光がそのまま届くので、ファインダー越しにリアルタイムの景色を見ることができる。タイムラグがないので動きに強く、撮りたい瞬間にシャッターを切ることが可能だ。EVFはライブビューの映像をそのままファインダーに表示する方式で、明るさや色合いなどを確認しながら撮れるのがメリット。シャッターを切る前にどういった写真が撮れるのかがわかるので初心者でも比較的使いやすいと言える。

Kiss X9i/X9のOVFは上位モデルのKiss X9iのほうが使いやすい。両モデルとも視野率は約95%で倍率はKiss X9iが約0.82倍、Kiss X9が約0.87倍。下位モデルのKiss X9のほうが像は大きいが、Kiss X9iのほうが見え方はクリアだ。さらに、Kiss X9iはグリッドや電子水準器などの情報をファインダー内に表示することもできる(※EOS Kiss X9は電子水準器非搭載)。

Kiss MのEVFは、「EOS Mシリーズ」の他モデルと同スペックの約236万ドット表示・0.39型。グリッドや電子水準器などの表示にも対応している。最近のEVFはひと昔前よりも遅延が抑えられており、動く被写体に対してもOVFとそん色のない使い方ができるものが増えているが、それと比べるとEOS Kiss MのEVFは特に連写時の表示レスポンスがもうひとつ。動く被写体が極端に追いにくいわけではないが、ハイエンド向けミラーレスのEVFと比べると差はあることは覚えておいてほしい。

左がKiss X9i、右がKiss X9のOVFを撮影した画像。Kiss X9iはグリッドや電子水準器などを表示することができる

Kiss MのEVFを撮影した画像。ライブビューの映像をそのまま映し出せるのがEVFのメリットだ。ヒストグラムなども表示できる

撮影可能枚数は、モニターでライブビュー撮影する場合、Kiss X9iが約270枚、Kiss X9が約260枚、Kiss Mが約235枚。光学ファインダー使用時はKiss X9iが約600枚、Kiss X9が約650枚。ライブビュー撮影だと3モデルでそれほど差はないが、光学ファインダーを合わせて使うことを想定すると、バッテリーの持ちは一眼レフのKiss X9i/X9がよいと言える。

AF ライブビューAFはKiss Mが使いやすい。Kiss X9iは45点の高性能AFを搭載

モニターを使ったライブビュー撮影でのAFは、3モデルの中で最新機となるKiss Mがもっとも性能が高く、使いやすいと感じた。

3モデルとも像面位相差AFによる高速合焦が可能な「デュアルピクセルCMOS AF」を採用しているが、最新の映像エンジン「DIGIC 8」を搭載するKiss Mは、測距エリア・測距点が従来から拡大。対応レンズであれば画面の幅約88%×高さ約100%の広いエリアで、横13×縦11の最大143点の測距点を使ったピント合わせが行える。いっぽうのKiss X9i/X9のライブビュー撮影でのAFは同じ性能で、画面内の画面の約80%(横)×80%(縦)で像面位相差AFが可能となっている。

シャッターボタンを半押しした際に1回ピントを合わせる「ワンショットAF」で使う限りでは3モデルで気になるような差はないが、ピントを合わせ続ける「サーボAF」で比べてみるとKiss Mが追従性で上回る。動く被写体に対してピントが合い続ける時間が長く、一度ピントが外れてからの復帰も速い。連写も最高約7.4コマ/秒に対応しており、Kiss X9iの最高約4.5コマ/秒、Kiss X9の最高約3.5コマ/秒を大きく上回っている。連写の速さも含めて、ライブビューで動く被写体を撮る場合にもっとも使いやすいのはKiss Mだと感じた。

左がKiss M、右がKiss X9i/X9のライブビュー撮影時のAFの様子を撮影した画像。白い枠内がAF可能エリアだ。Kiss Mは、対応レンズであれば、幅約88%×高さ約100%の広いエリアでAFを利用できる

Kiss Mは瞳を検出して優先的にピントを合わせる「瞳AF」を新搭載。サーボAFでの利用は不可だが、人物撮影時に便利な機能だ

ただし、ここに光学ファインダーでのAFを加えると評価が変わる。一眼レフは光学ファインダー撮影時に専用の位相差AFセンサーを使ったAFが可能。Kiss X9iは、全測距点でより精度の高いクロス測距でのAFが可能なオールクロス45点システムを採用。中央の測距点はさらに高精度なのデュアルクロス仕様だ。いっぽうKiss X9は中央がクロス測距の9点システムを採用。両モデルとも、被写体の動きを予測して高精度に追いかける「AIサーボAF II」にも対応している。

Kiss X9iのオールクロス45点システムはエントリー向けの一眼レフとしてはかなり高性能。測距点が画面をカバーするエリアが広く、被写体追従性も高い。連写は最高約6.0コマ/秒に対応している。それと比べるとKiss X9の9点システムは測距点のカバーエリアが狭いので初心者の方だと使いにくいと感じるかもしれない。ただ、中央測距点で使う分には追従性も十分な性能を持っている。

モニターでのライブビューと光学ファインダーで使い勝手に違いはあるものの、動く被写体に対してのAFは、Kiss X9iの光学ファインダーがもっとも高性能だと感じた。次いで、評価が難しいところだが、AFのカバーエリアが広い分、Kiss MのライブビューがKiss X9の光学ファインダーを使いやすさで上回ると感じた。

左がKiss X9i、右がKiss X9。Kiss X9iは黒い枠内の45点でAFが可能。中央測距点は低輝度限界性能(値が低いほうがより暗いところでのAFが可能なことを示す性能)もEV-3と高く、暗いところでのAFも強い。Kiss X9は9個の測距点がひし形に配置されている

画質 3モデルでほぼ差はないが最新モデルのKiss Mがわずかにリード

3モデルともに撮像素子の画素数はほぼ変わらず(Kiss X9i/X9は有効約2420万画素、Kiss Mは有効約2410万画素)、生成されるJPEG画像は6000×4000画素となる。異なるのは映像エンジンで、Kiss X9i/X9は「DIGIC 7」を、Kiss Mは最新の映像エンジン「DIGIC 8」を採用している。

そうした画質面でのスペックの特徴を踏まえたうえで、以下の比較画像をご覧いただきたい。3モデルで同じ遠景の風景を撮影したJPEG画像を等倍で切り出したものになる。

左からKiss X9i、Kiss X9、Kiss Mの切り出し画像となる。撮影の露出値はISO100、F8、1/250秒で、その他の設定はすべて初期設定とした

上の画像を見ると、Kiss X9iとKiss X9では解像感にほとんど違いがないが、それらと比べるとKiss Mは輪郭が強く、精細感が高い。大幅な進歩とまでは言えないものの、Kiss Mはよりシャープな写りをするようだ。なお、Kiss Mでは、仕上がり設定「ピクチャースタイル」のシャープネス設定の値が従来から変わった。上の画像はピクチャースタイルを初期設定の「オート」にしているが、Kiss X9i/X9のシャープネス設定は強さが「3」、細かさが「4」、しきい値が「4」なのに対し、Kiss Mは強さが「4」、細かさが「2」、しきい値が「4」となっている。このあたりの設定変更の影響も大きく、シャープネスの出方が変わったのだろう。

左がKiss X9i/X9、右がKiss Mのピクチャースタイルの初期設定値。Kiss Mではピクチャースタイルのシャープネス設定の値が変わった

続いて高感度の画質を比較しよう。以下にISO6400で撮影したJPEG画像の等倍切り出しを掲載する。パッと見ではほとんど違いがないように見えるが、Kiss X9i/X9ではわずかに大きな粒のようなノイズが目立つ。Kiss Mはディテールの再現性を保ったまま、より強力にノイズを抑えるようだ。

左からKiss X9i、Kiss X9、Kiss Mの切り出し画像。屋内の白熱灯下で撮影したテーブルフォトから切り出している。撮影の露出値はISO6400、F8、1/120秒で、その他の設定はすべて初期設定とした

全体的には最新モデルのKiss Mが細かいところの精細感にすぐれ、よりクオリティの高い画質を実現している。従来以上に高精度に白飛び・黒つぶれを抑えるようにもなっており、画質は間違いなく進歩している。ただ、これは画像を等倍表示で見比べるとわかる違い。モニターでの鑑賞やL判でのプリントであれば、よほど細かいところを見比べない限り、違いは感じないだろう。実用的に3モデルは画質で大きな差はないと考えてもらっていい。

その他機能 マニュアル設定など多彩な機能を搭載するKiss M

機能面では最新モデルのKiss Mがかなり有利だ。

撮影で使用する機能では、Kiss Mは感度をマニュアルで設定する際に1/3段ステップで選択できるようになった(※Kiss X9i/X9は1段ステップ)。さらに、ホワイトバランスは色温度を指定することが可能に。オートで撮影する場合は不要な機能だが、画質にこだわって撮影したい場合により便利に使えるようになった。

Kiss Mは感度を1/3段ステップで調整可能。ホワイトバランスは色温度を指定できる。これらの機能は中上級者向けということもあってこれまでのEOS Kissシリーズでは非対応だったが、Kiss Mでは機能が開放された

さらにKiss Mは、フルサイズ一眼レフ「EOS 5D Mark IV」と同じように、レンズ収差や回折現象を補正する「デジタルレンズオプティマイザ」をカメラ内に搭載。RAW用ソフト「Digital Photo Professional」の機能を撮影時に利用できるようになった。加えて、RAW記録が新しい「CR3」フォーマットに変更になったのもトピック。CR3では、画質優先での記録に加えて、フル画素のままデータ容量を抑える「C-RAW」を選択できるようになった。RAW関連では、カメラ内RAW現像に対応するようになったのも見逃せないポイントである。

中上級者向けの機能であるが、デジタルレンズオプティマイザをカメラ内で利用できる。RAWがCR3フォーマットに変わったのもKiss Mの特徴だ

Kiss Mはカメラ内RAW現像にも対応する。上位モデルと比べて設定できる機能に違いはない

Kiss Mはカメラ内RAW現像にも対応する。上位モデルと比べて設定できる機能に違いはない

Kiss Mの動画撮影機能は4K(3840×2160)/24p記録に対応。上位モデルでもまだ搭載していない4K撮影に魅力を感じる方も多いことだろう。ただ、実際に撮影してみると、AFがコントラストAFに限定されるため、ピント合わせはそれほどスムーズではない。撮像素子の中央部の画素をクロップする仕様のためか、フルHD撮影時と比べると手ブレ補正の効果もそれほど高くない。カメラを動かしたときのローリングシャッター歪みも目立つ。三脚で固定してゆっくりとパンするような撮り方なら問題ないだろうが、24p記録ということもあり手持ちでスムーズな4K動画を撮るにはかなり厳しい印象を受けた。Kiss Mの4K撮影は、あくまでも付加機能としてとらえたほうがいいと思う。

Kiss Mは動画撮影モード時に4K/24p記録が可能。ハイビジョン(1280×720)の120p/100pハイフレームレート記録にも新たに対応した

「コンビネーションIS」対応の高倍率ズームレンズ「EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM」を使用してKiss Mで撮影した4K/24p動画。レンズの焦点距離は100mm程度。ボディ内電子手ブレ補正を「する」にして、しっかりとカメラをホールドしながら手持ちで撮影している。大きな手ブレはある程度抑えられているが、細かく振動するようなブレが残っているのが気になる。ボディ内電子手ブレ補正を、さらに画角が狭くなる「強」にして試してみたが細かい手ブレを完全に抑えることはできなかった。

EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMを使って、かなりゆっくりとした動きで歩きながら撮影した4K/24p動画。電子手ブレ補正の設定は「する」。歩き撮り時に発生しやすい大きな手ブレを抑えきれていないのと、24p記録ということもあって、カクカクした動きが気になる映像になってしまった。なお、これよりワンテンポ速い速度(それでも普通に歩く速度よりは遅い)で歩きながらの撮影も試してみたが、ボディ内電子手ブレ補正を「強」にしても大きな手ブレは残った。

このほか、Kiss Mのシーンモードには、シャッタースピードを自動で調整する「流し撮りモード」と、電子シャッターで単写での無音撮影が可能な「サイレントモード」が追加された。また、スマートフォンとのWi-Fi接続が前提となるが、撮影時に画像を自動でスマートフォンに転送する機能も追加されている。

Kiss Mのシーンモードにはサイレントモードと流し撮りモードが追加された

Kiss Mのシーンモードにはサイレントモードと流し撮りモードが追加された

まとめ

以上、EOS Kissシリーズ3モデルの比較をお届けした。あらためて3モデルの特徴をまとめよう。

Kiss X9iは、EOS Kissシリーズの一眼レフの上位モデルらしく、光学ファインダーでの高性能なAFを搭載するのがポイント。ボタンで呼び出せる機能が多く、よりダイレクトな操作が可能なのも特徴で、今回紹介した3モデルの中ではもっとも一眼カメラらしいカメラとなっている。比較的大きなグリップでしっかりとしたホールド感が得られるのも特徴だ。光学ファインダーでの撮影を特に重視する場合や、大きな望遠レンズを装着して撮影することが多い場合に選びたい一眼レフである。価格.com最安価格(2018年4月19日時点)はボディ単体が81,000円程度、ダブルズームキットが84,000円程度。発売から1年が経過したこともあり、だいぶお買い得な価格になった。

Kiss X9は、Kiss X9iの下位モデルで、可動式液晶モニターを搭載するAPS-C一眼レフとして世界最軽量を実現したのがウリ。光学ファインダーのAFなどでKiss X9iに見劣りする点もあるが、画質はまったく変わりがない。光学ファインダーでの撮影を重視しつつ、よりコンパクトなボディで携帯性も妥協したくないという方にピッタリではないだろうか。価格.com最安価格(2018年4月19日時点)はボディ単体が57,000円程度、ダブルズームキットが72,000円程度とかなり安い。価格面でも魅力のある一眼レフだ。

Kiss Mは、2018年3月に登場したキヤノンの最新モデルで、エントリー向けではあるものの、DIGIC 8をいち早く採用するなどスペック面で魅力のあるミラーレスだ。特にAFが進化しており、ライブビュー撮影の使いやすいさはKiss X9i/X9を凌駕する。わずかな進歩ではあるものの3モデルの中でもっともクオリティの高い画質も実現している。多彩な機能を搭載するのも魅力で、中上級者も十分に納得できる機能性を持つ。そのうえで、ミラーレスらしく非常にコンパクトなボディにまとまっているのだ。一眼レフ“Kiss”のよさをそのまま詰め込んだようなミラーレスと言っていいだろう。価格.com最安価格(2018年4月19日時点)はボディ単体が63,000円程度、ダブルズームキットが96,000円程度で、性能を考慮するとコストパフォーマンスは高い。

今回紹介した3モデルはいずれも高性能なので、初心者の方はどれを選んでも十分に満足できると思う。どのモデルを選ぶかは、以下の6点のどれを特に重視するかで判断してはどうだろうか。

1.光学ファインダーのAF
2.モニターでのライブビューAF
3.携帯性
4.画質に関する機能性
5.価格
6.レンズのラインアップ

1を重視するならKiss X9i、2を重視するならKiss Mがいいだろう。3をもっとも重視するならKiss X9かKiss Mがより適している。4は中上級者が気にするところだと思うが、今回の3モデルの中では最新機のKiss Mがもっともできることが多い。5はKiss X9がもっとも安い(※他の2モデルもコストパフォーマンスは高い)。

6については、APS-C専用の「EF-Sレンズ」に加えて、長年の歴史があって多彩なラインアップの「EFレンズ」が使用できる一眼レフのKiss X9i/X9がミラーレスのKiss Mを上回る部分。ただ、ミラーレス用の「EF-Mレンズ」も広角ズームから望遠ズーム、単焦点、マクロまでそろっている。将来的に望遠ズームレンズや単焦点レンズなどを何本も買い足して撮影したいというのであればはじめから一眼レフを選んでおいたほうがいいだろうが、初心者の方がはじめて一眼カメラを使用する限りではミラーレス用のEF-Mレンズでも十分だ。

ちなみに、キヤノンは、ミラーレスEOSのボディに一眼レフ用のEF/EF-Sレンズを装着できるマウントアダプター「EF-EOS M」を用意しているが、初心者の方は、このアダプターありきでKiss Mを選ばないほうがいい。AFや手ブレ補正が動作するものの、レンズ本来の性能が出るわけではないので、すでに一眼レフを所有しているユーザーがミラーレスを買い足した際に補助的に使うものととらえてほしい。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
関連記事
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る