交換レンズ図鑑
「カメラグランプリ2018」の「レンズ賞」を受賞

オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」の“美しくにじむボケ”に感動!

実写作例

※以下に掲載する作例は、OM-D E-M1 Mark IIとM.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PROを組み合わせてJPEG形式の最高画質で撮影したもの(JPEG撮って出し)になります。

※サムネイル画像をクリックすると、撮影写真を長辺900ピクセルに縮小した画像が開きます。リサイズを行っていない撮影写真は、サムネイル画像下のテキストリンクをクリックすると開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

日没前の光が少ない日陰にて絞り開放で撮影。抜けが悪くなりそうな状況だが、その場の雰囲気を再現しつつ、クリアで十分なコントラストが得られた。周辺光量落ちも気にならない
OM-D E-M1 Mark II、ISO200、F1.2、1/1250秒、ホワイトバランス:オート、ピクチャーモード:Natural、JPEG
撮影写真(5184×3888、8.11MB)

ボケがうるさくなりそうな被写体だが、絞り開放でも気になるような二線ボケは見られず、立体感のある写真に仕上がった。背景ボケの輪郭はわずかに色づいているが、エッジがにじんでいるため自然なボケ方に感じる
OM-D E-M1 Mark II、ISO200、F1.2、1/4000秒、ホワイトバランス:オート、ピクチャーモード:Natural、JPEG
撮影写真(5184×3888、7.96MB)

最短撮影距離付近で絞り開放で撮ったもの。ピント面はかなり薄いが、ピント位置では色収差が見られず、シャープな描写となった。最短撮影距離が20cmと短いため、この作例のように周囲を写し込みながら被写体に近づいて撮れるのがこのレンズの魅力のひとつだ。料理写真やテーブルフォトなどが撮りやすいレンズと言えよう
OM-D E-M1 Mark II、ISO200、F1.2、1/40秒、ホワイトバランス:オート、ピクチャーモード:Natural、JPEG
撮影写真(5184×3888、6.19MB)

画面中央の色にじみ(軸上色収差)をチェックするため、絞り開放にして蛇口にピントを合わせて撮ってみた。わずかではあるが、輝度差のあるところでパープルフリンジが見られる結果となった。全体的に色収差はよく抑えられているが、さすがに絞り開放だと色収差が残ってしまうときがあるようだ
OM-D E-M1 Mark II、ISO200、F1.2、1/160秒、ホワイトバランス:オート、ピクチャーモード:Natural、JPEG
撮影写真(3888×5184、6.97MB)

F3.5まで絞って連写撮影した中からの1コマ。全体的にシャープでコントラストが高く、青空と雲の抜けがよい描写が得られた
OM-D E-M1 Mark II、ISO200、F3.5、1/2000秒、ホワイトバランス:オート、ピクチャーモード:i-Finish、JPEG
撮影写真(5184×3888、7.86MB)

木陰のスポットライトを生かして、絞り値F6.3で撮影した作例。主要被写体(ベンチ)周辺の薄い光が差し込んだところに注目してほしい。光をよく拾ってくれる印象で、シャドーから中間調くらいのトーンがしっかりと出ている
OM-D E-M1 Mark II、ISO200、F6.3、1/60秒、ホワイトバランス:オート、ピクチャーモード:Natural、JPEG
撮影写真(5184×3888、8.63MB)

日没後に北西方向を撮影した1枚。絞り値はF4.5。画像周辺の強い光源部分でコマ収差や色ずれが見られるのが少し気になるが、全体的にはコントラストが高く、抜けのよい描写となった
OM-D E-M1 Mark II、ISO200、F4.5、1/10秒、ホワイトバランス:オート、ピクチャーモード:i-Finish、JPEG
撮影写真(5184×3888、8.41MB)

こちらも日没後に撮影。絞り開放で撮っているが、気になるような周辺光量落ちがなく、画面全体で均一な画質に仕上がっている。周辺部の色収差もよく抑えられているように見える
OM-D E-M1 Mark II、ISO200、F1.2、1/20秒、ホワイトバランス:色温度指定4400K、ピクチャーモード:Natural、JPEG
撮影写真(5184×3888、12.14MB)

逆光耐性のテストを兼ねて太陽を画面に入れて撮影した写真。光源付近のコントラストが強いところでわずかにフレアが見られるが、気になるような感じではない。サイドからの光に少々弱いところも見られたが、全体的には逆光に強い広角レンズだ
OM-D E-M1 Mark II、ISO200、F8、1/1600秒、ホワイトバランス:オート、ピクチャーモード:Natural、JPEG
撮影写真(5184×3888、6.82MB)

歪曲収差をチェックした1枚。ボディ側の補正もあるが歪曲収差はよく抑えられている。わずかに残っている感じもするが、このくらいの補正のほうが自然だ
OM-D E-M1 Mark II、ISO200、F4、1/40秒、ホワイトバランス:オート、ピクチャーモード:Natural、JPEG
撮影写真(5184×3888、10.18MB)

まとめ 「ボケ表現で重要なのは質」と感じさせる、上質な描写を味わえる1本

マイクロフォーサーズのメリットは、フルサイズやAPS-Cといったフォーマットと比べて撮像素子のサイズが小さいためカメラやレンズを小型・軽量化できること。オリンパスのミラーレスは一貫してこのフォーマットを採用し、マイクロフォーサーズのメリットを生かしたコンパクトで高画質なミラーレスシステムを開発している。オリンパスのミラーレスの絶対的な魅力でもある高性能なボディ内手ブレ補正も、撮像素子が小さいマイクロフォーサーズだからこそ実現できている部分と言えよう。

いっぽうで、撮像素子が小さいことによるデメリットもある。その1つがボケの量だ。マイクロフォーサーズはフルサイズ/APS-Cと比べて被写界深度が深く、得られるボケの量はどうしても小さくなる。同じ画角(※レンズの焦点距離ではなく見た目の画角)、同じ絞り値で同じ距離の被写体を撮る場合、計算上は、マイクロフォーサーズはAPS-Cよりも1段弱分ボケの量が小さい。フルサイズとの比較だと2段分の違いが出る。これは、「マイクロフォーサーズはAPS-Cより1段弱分、フルサイズより2段分被写界深度が深い」ことを意味するため、見方を変えればメリットでもあるのだが、ボケの量についてはフルサイズやAPS-Cのほうが大きいのは間違いない。

同じ画角でのボケ量が2段分の差があることを考慮すると、M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PROの開放F1.2というスペックは、フルサイズで換算するとF2.5相当のボケ量となる。フルサイズ換算で見れば、けっして大口径レンズならではの大きなボケ量が得られるというわけではないのだ。

だが、今回M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PROを使ってみて、ボケの表現は、ボケの“大きさ”ではなく“質”が重要であることをあらためて実感した。「美しくにじむボケ」にこだわった滑らかなボケ味は、マイクロフォーサーズやフルサイズ、APS-Cといったフォーマットに限定されずに、広角レンズとして特筆すべきクオリティだと思う。35mm判換算で焦点距離34mm相当の画角となる広角レンズで、ここまで自然なボケ味が得られるのはほかにはなかなか見当たらない。

加えて、ボケにこだわったレンズではあるものの、オリンパスのレンズらしく解像力にもすぐており、絞り開放から十分にシャープな画質が得られるのもポイント。ボケと解像力を両立した、非常に上質な描写をする広角レンズに仕上がっている。色収差については絞り開放付近だとわずかに残るようだが、周辺光量落ちと歪曲収差がよく抑えられており、画面全体でより均一な描写が得られるのもハイクオリティなレンズだと感じさせる部分だ。さらに、最短撮影距離が20cmと短いため、被写体に近づいて遠近感やボケを強調した撮り方ができるのも魅力である。

M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PROは、このレンズでないと味わえない描写を楽しめる1本だ。「カメラグランプリ2018」の「レンズ賞」を受賞したのも納得で、マイクロフォーサーズの歴史の中でも“銘玉”の1つに数えられるのは間違いない。価格は価格.com最安価格(2018年7月24日時点)で118,000円程度。高価だが、その価値は十分にあるレンズだ。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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