レビュー
ただのコンパクトなエントリー機ではなかった!

キヤノン「EOS Kiss M」で世界遺産を撮影&100万円超のレンズでレース撮影に挑む

マウントアダプターを使って超望遠を試す

マウントアダプターを使えば、膨大なEOS EFレンズシリーズのすべてがフル機能で活用できます。だったら、一番すごいレンズを付けてみたくなるのが人情かと。

ためしに、EOS Kiss Mへ100万円オーバーのレンズ「EF600mm F4L IS II USM」を装着

ためしに、EOS Kiss Mへ100万円オーバーのレンズ「EF600mm F4L IS II USM」を装着

この写真は著者近影・・・というわけではなく、EOS Kiss Mに100万円オーバーのレンズを付けてみようということで、レース写真家の方に「EF600mm F4L IS II USM」を少しだけお借りしたもの。レンズ単体の税別定価は、なんと1,370,000円! 最安価格は、価格.comで検索してください。

EOS Kiss Mは400gを切るのに、レンズが重いので総重量は4kgオーバーです

EOS Kiss Mは400gを切るのに、レンズが重いので総重量は4kgオーバーです

いかにEOS Kiss Mが400gを切る軽量とはいえ、EF600mm F4L IS II USMはレンズ単体とフードで4kgオーバー。さすがに、筆者では手持ち撮影は無理です。

EOS Kiss Mに、100万円オーバーのレンズ「EF600mm F4L IS II USM」を装着して撮影

EOS Kiss Mに、100万円オーバーのレンズ「EF600mm F4L IS II USM」を装着して撮影

しかし、この巨大なレンズであっても、EOS Kiss Mは正確にレンズのAFを駆動します。ピント合わせの速度も、一眼レフと大差ありません。

EOS Kiss Mに、100万円オーバーのレンズ「EF600mm F4L IS II USM」を装着して撮影

EOS Kiss Mに、100万円オーバーのレンズ「EF600mm F4L IS II USM」を装着して撮影
撮影したオリジナル写真(6000×4000 pixel、6.70MB)を見る

このレースは、SUPER GTのサポートレースとして開催されたTOYOTA SUPER RACEで、走るマシンは日本で言うところの「カローラ」です。コーナーの進入速度は、おおむね100km/h前後であろうと思われますが、この速度域であれば流し撮りモードでも十分に追いかけることができます。また、フォーカスエリアが広く、フォーカスポイントも143点と広いことから、かなり柔軟にピントを合わせてくるのが印象的でした。

EOS Kiss Mに、「100-400mm F3.5-5.6 L IS USM」を装着して撮影

EOS Kiss Mに、「100-400mm F3.5-5.6 L IS USM」を装着して撮影

そしてSUPER GTの決勝レース。レンズは、筆者所有の「100-400mm F3.5-5.6 L IS USM」に付け替えての撮影です。EOS Kiss Mのカタログ値では、速度優先で連写速度が10コマ/秒、フォーカス追従で7.4コマとなっていますが、SUPER GTのレーシングカーにフォーカスを追従させようとするとLoモードの4.0コマ/秒で全コマフォーカス追従となります。

これは、SUPER GTマシンの速度が速すぎるためにフォーカス変位の量が大きすぎてしまい、EOS Kiss Mがついていけないのです。これについては、キヤノン「EOS M5」では10コマ/秒でフォーカス追従します。また、EOS Kiss Mはメモリーバッファが少ないので、RAW撮影で10コマ連写するとバッファが満杯となり、若干待たされるといった場面もありました。

EOS Kiss Mに、「EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM」を装着して撮影

EOS Kiss Mに、「EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM」を装着して撮影

タイのSUPER GTの舞台となるチャン・インターナショナル・サーキットでは、撮影エリアとコースが比較的近い場所もあるので、「EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM」で撮影できそうなエリアで撮ってみました。4.0コマ/秒だと、EVF内のブラックアウトの時間が長くて被写体を追いづらい場面もありますが、少しワイドめにフレーミングをし、後からトリミングすることで写真として完成させることもできます。これは、2,410万画素という解像度に余裕があってこそできることです。

サーキットでのレース写真という、超望遠による高速連写は、本来のEOS Kiss Mでの使い方としては想定されていないので、その性能を論じることは避けたいと思います。ですが、超望遠レンズが使えるということと、陸上競技レベルの移動速度によるフォーカスの変位量であれば、7.4コマ/秒で全コマフォーカス追従するということを考えると、たとえば運動会などであれば、十分に活躍が期待できるでしょう。

EOS Kiss Mは、Kiss初のミラーレスとして、初心者はもちろんのこと、EOSシリーズの一眼レフユーザーにもおすすめな1台です

EOS Kiss Mを「M5」の廉価版と見る向きもありますが、実際のところはKissブランド初のミラーレスとして、手軽に使える基本性能の高いカメラ、と言えるでしょう。連写に多少の難があるだけで、スナップやポートレートなどでは、かなりの高機能を発揮しています。また、内蔵ストロボも光量が少ないだけで、照射角や制御は申し分ありません。レンズキット各種が最良のセレクトであろうと思えるのもEOS Kiss Mの美点で、これだけでもほとんどの撮影を完結させることができますし、豊富なEOSシステム、EFレンズシリーズも活用できる拡張性も魅力的です。

初のミラーレスとしておすすめなのは当然として、むしろEOSシリーズの一眼レフをすでにお持ちの方で、コンパクトなサブカメラを探している方にも最適な1台となることでしょう。

松永和浩

松永和浩

自動車系フォトジャーナリスト。主にモータースポーツ分野で活動中。自動車全般を取材対象とし、カメラ、写真用品にも精通。スマートフォン、通信関連、アプリゲームやIoT家電なども取材を行う。月刊AKIBA Spec発行人編集長も兼任。

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