自他共に認める「カメラ好き」の皆さまは、普段からカメラについての知識を集めて、ご自分の「うんちく」として貯めておられることだとおもいます。
そんなカメラ好きの皆さまに問題です!
【問】 赤印 と 青印 の違いは、なんでしょう?
5つのカメラ、赤と青の違いとは……?
Thinking Time……
【答】 赤印 = フィルムカメラ(一眼レフ) 青印 = デジタルカメラ(一眼) でした!
正解した人、普段から淡々とカメラの知識を蓄えられているんでしょうねぇ、さすがです!
……ですが、これは、実は「前説の”問”」でございまして……この次が、本稿の本筋の”問”となります。
先ほど登場した5台のカメラの軍艦部をよく見ると、フィルム・デジタル問わず、「同じマーク(Φ)」が記されていることが確認できます。なにか意味があるんでしょうけど……。
どのカメラにも「Φ」マークが記されています
機種によってマークが記された「位置」はバラバラです。左だったり右だったり。そして大きさもバラバラ。小さかったり大きかったり、これはユーザーを混乱させるトラップか……? むむむ。。。
最新機種にもある謎のマーク「Φ」
これです、これ! これはいったい……?
そこで、カメラ好きの皆様に問題です(今回の本題)。
【問】 カメラの上にあるこの「Φ」マークは、いったいなんでしょう?
何を意味するのでしょう?(※本稿では「Φ」と表記しています)
アナログ、デジタル問わず記された「Φ」マーク
いったい、なぁーに??
Thinking Time……
これは「距離基準マーク」といいます(撮像面マークとも)。
「距離基準マーク(Φ)」とは、「センサーの撮像面」「フィルム面」の位置を表している印 なのです。
なるほどなるほど……納得です
ところでですよ、意味はわかりましたが、使い方がわかりませんよね。これまで、知らなくても特に不自由はしませんでしたしね……。
それでは、「距離基準マーク(Φ)」がなんのために記されているのか、理由をご説明いたしましょう。
ここに、デジタル一眼と、フィルムカメラにつけられたレンズの「 最短撮影距離 」を示しました。これは、そのレンズがどこまで寄れるかということで、それぞれ「0.3m」と「0.28m」です。
レンズに記された最短撮影距離
これらのレンズの「最短撮影距離」を図で示すと下記のとおり。
おやおや、どうやら「距離基準マーク(Φ)」を起点にしているようです
レンズに記されている「撮影距離(合焦距離)」は、「距離基準マーク(の面)」からの距離だった!
※「合焦距離」とは、 ピントが合う距離のこと
プロの現場では、メジャーを使って正確に測ることだってあるんです。だから、「起点」はとても重要。くれぐれも、”撮影距離はレンズ先からの距離ではない” のでお間違えなきよう。これを知っていると、レンズスペックの「最短撮影距離」欄を見るのが楽しくなるかも。
ここからはおさらい。
下の写真は、「ハッセルブラッド」という「中判 ブローニーフィルム」を使う6×6フォーマットのカメラです。6×6フォーマットは、撮画像面積が35mm(デジタルではフルサイズといわれる)のおおよそ3.5倍という大きなフィルム。そのフィルムは、ハッセル本体後方につけられた「マガジン」に収納され、マガジン交換で、素早く撮影を進められます。中判フィルムにもかかわらず、機動性が極めてすぐれているのが特徴。
ハッセルブラッド 500C/M
この中判カメラのハッセルにも、フィルムが収納されたマガジン部にもれなく「距離基準マーク(Φ)」が記されております。
「Φ」マークはここに
ハッセルブラッド 500C/Mのフィルム面イメージ
ハッセルのマガジンはこれです。「引き葢」を引き、フィルム面をお見せしています(フィルムが入っていたら感光する状態ですね……)。
このマガジンの写真で、「フィルム面」や「センサー面」の理解がより深まるかと考え、おさらいとして掲載いたしました。
最後にまとめると、
・カメラの上の「Φマーク」は「距離基準マーク(撮像面マーク)」と呼ばれており、「センサー面」や「フイルム面」の位置を示している
・レンズに記されている撮影距離(合焦距離)も、「距離基準マーク」の面を起点とした距離
こんな感じでしょうか……。
この話、AF使っている場合はほぼ無関係なので知らなくても困らない知識ですが、知っているとお友達に自慢できる「うんちく」であることは確かだとおもいますよ。
※すべての一眼カメラに「Φマーク」がついている、記されているとは限りません(まれについていないのも存在します)。また、高級コンデジでは、マークがあるものもあります。
有限会社パンプロダクト代表
中居中也(なかい・なかや)のショップとブログ
「使える機材のセレクトショップ」
「使える機材Blog!」
銀塩カメラマンとして広告や雑誌でキャリア開始。2010年より「唯一無二の撮影機材通販」にも参入し、現在は「映像作家」としても活動中。写真が上手になると定評があるブログを参考にするカメラマン続出中!