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ソニーが小型フルサイズミラーレス「α7C」発表。「α7 III」の性能を小型・軽量ボディに凝縮

ソニーは2020年9月15日、フルサイズミラーレスカメラの新モデルとして、コンパクトさが特徴の「α7C」を10月23日に発売すると発表した。同社のフルサイズミラーレスカメラのスタンダードモデル「α7 III」の性能を小型・軽量ボディに凝縮した。市場想定価格(税別)はボディ単体が21万円前後、α7Cと相性のよいコンパクトな新型標準ズームレンズ「FE 28-60mm F4-5.6」が付属するレンズキットが24万円前後。

α7 IIIの性能を小型・軽量ボディに凝縮したα7C。写真はレンズキットに付属するFE 28-60mm F4-5.6を装着したシルバーモデル

「α7C」の「C」は、「Compact」の「C」

α7Cは、同社のフルサイズミラーレスカメラのスタンダードモデル「α7 III」の性能を小型・軽量ボディに凝縮したフルサイズミラーレスカメラ。デザインは同社のAPS-Cミラーレスカメラ「α6000」シリーズに近いスクエアなスタイル。カラーはシルバーとブラックの2色をラインアップする。

α7Cのシルバーモデル

α7Cのシルバーモデル

液晶モニターは3.0型・92万ドット。タッチパネルでタッチシャッターやタッチフォーカスなどが可能

液晶モニターは3.0型・92万ドット。タッチパネルでタッチシャッターやタッチフォーカスなどが可能

α6000シリーズに近いデザインのα7C。カラーはシルバーとブラックの2色をラインアップする

α7Cのデザインはα6000シリーズに近い。カラーはシルバーとブラックの2色をラインアップする

α6000シリーズのように、天面がフラットで、左肩に電子ビューファインダー(EVF)を備える

α6000シリーズのように、天面がフラットで、左肩に電子ビューファインダー(EVF)を備える

一番の特徴は小型・軽量ボディ。本体サイズは約124(幅)×71.1(高さ)×59.7(奥行)mm、重量は約509g(バッテリーとメモリーカードを含む)。重量はほぼ同じ性能のα7 IIIより141gも軽い。同社のAPS-Cミラーレスカメラの最上位機種「α6600」より6gほど重いだけで、ほぼ同じ重量とサイズ感に収まっている。

新型の標準ズームレンズ「FE 28-60mm F4-5.6」も小型・軽量で、キットの総重量は676gの軽さを実現。重量やサイズ感でフルサイズミラーレスを敬遠していたユーザーにとって、α7Cは待望のモデルと言えそうだ。

左がα7C、右がα7 III。一眼カメラスタイルのα7 IIIはファインダーが光軸上にある分、軍艦部分が盛り上がっているのに対して、α7Cはファインダーが左肩にあるスタイルで天面はフラットな形状。グリップ部分はα7 IIIのほう大きく盛り上がっておりがホールドのしやすさは、α7 IIIのほうがすぐれている

天面部分。ボタン類のレイアウトは似ているが、α7CにはC1、C2ボタンない。シャッターボタン近くのダイヤルも省略されている

α7Cにはマルチセレクターがないなど、α7Cはシンプルな操作性となっている

α7Cにはマルチセレクターがないなど、α7Cはシンプルな操作性となっている

左からα6400、α7C、α7 III。α7Cのサイズ感はAPS-Cミラーレスのα6400のほうに近い。フルサイズは大きくて重いので、APS-Cミラーレスからフルサイズへ移行できなかった人にとって、α7Cは有力な選択肢になりそうだ

α6400と比較するとグリップが大きく、ホールド性はα7Cのほうがすぐれている

α6400と比較するとグリップが大きく、ホールド性はα7Cのほうがすぐれている

この小型・軽量ボディを実現するために、ボディ内5軸手ブレ補正ユニットとシャッターユニットをα7Cのきょう体サイズに合わせて新規開発したという。また、マグネシウム合金を使ったモノコック構造を採用することで、小型・軽量ボディながら耐久性にもこだわっている。

新規開発のシャッターユニット

新規開発のシャッターユニット

自動車や航空機で採用されるモノック構造を採用したボディは防塵・防滴仕様で、20万回のシャッター耐久性を実現するなど、α7 IIIと同等の耐久性となっている

なお、α7Cは光学式ボディ内手ブレ補正を搭載した35mmフルサイズセンサー搭載レンズ交換式カメラとしては、世界最小・最軽量だという。

α7Cとα7 IIIのスペック比較。カードスロットがシングルとデュアルという違いはあるが、画質に関するスペックはほぼ同等

α7 IIIと比べるとグリップは浅めだが、α6400よりは深めでホールドしやすかった

α7 IIIと比べるとグリップは浅めだが、α6400よりは深めでホールドしやすかった

外部インターフェイスは左側面。カードスロットはSDメモリーカードのシングルスロット(UHS-I/II対応)、HDMIマイクロ端子 (タイプD)、USB Type-C、ヘッドホン出力、マイク入力を備える。カバーを開けっ放しにできる機構で、各種ケーブルを接続しながらでも使いやすい

画質性能は「α7 III」と同等

撮像素子は有効約2420万画素の裏面照射型CMOSセンサー、映像エンジンは「BIONZ X」でスペック的にはα7 IIIと同じ。フルサイズセンサーならではの美しいぼけ表現を楽しめる。常用ISO感度は100〜51200(拡張で50-204800)、ダイナミックレンジは15ストップと画質性能はα7 IIIと同じと考えてよさそうだ。ボディ内5軸手ブレ補正の効果もα7 IIIと同じ最高5.0段分。

撮像素子や映像エンジンはα7 IIIと同等

撮像素子や映像エンジンはα7 IIIと同等

オートフォーカス(AF)のエリア数は像面位相差AFが693点、コントラストAFが425点で、α7 IIIと同じ。人物と動物に対応した「リアルタイム瞳AF」は、α7 IIIよりもその精度がアップしているという。トラッキングは、α7 IIIがロックオンAFなのに対して、α7Cはリアルタイムトラッキングに対応。フォーカスモードに関係なく、AF-ONボタンを押すだけでリアルタイムトラッキングが作動する。低輝度限界は-4EV(ISO100相当、F2.0レンズ使用)とα7 IIIの−3EVからアップグレードされている。

連続撮影はAF・AE追従で最高約10コマ/秒での連写が可能。サイレントモードでも同様だ。223枚の連写バッファということで、持続性にもすぐれている。

バッテリーはα7 IIIと同じ「NP-FZ100」だが、撮影枚数などのスタミナ性能はアップしている。液晶モニター使用時で最大の740枚の静止画撮影と215分の動画撮影、電子ビューファインダー使用時で最大680枚の静止型撮影と220分の動画撮影を実現している。Wi-Fiは2.4GHz帯に加え、5GHz帯をサポートするなど、細かな点も改良されている。

バッテリーは「NP-FZ100」

バッテリーは「NP-FZ100」

電子ビューファインダー

電子ビューファインダーは0.39型・約235万ドットの「XGA OLED Tru-Finder(トゥルー ファインダー)」。倍率は約0.59倍でアイポイントは約20mm。フレームレートは「標準(60fps)」「高速(120fps)」から選択できる

バリアングル液晶で動画撮影用カメラとしても魅力的

α7Cはコンパクトなボディを生かして、Vlogや動画撮影にも適している。4K動画を撮影できるほか、カラーグレーディングをしなくても、忠実な描写が可能になるHLG(Hybrid Log-Gamma)を搭載。S-Log3/S-Log2もサポートする。色再現性はα7 IIIより向上しているという。100Mbpsの高ビットレートでフルHD 120p撮影にも対応しており、高品質なスローモーション映像も撮影できる。

オートフォーカスはファストハイブリッドで正確な被写体検出が可能。動画撮影時にもリアルタイム瞳AFとリアルタイムトラッキングを利用できる。

モニターは、ハイ&ローポジションや自分撮りがしやすいバリアングル液晶モニター。MOVIEボタンは押しやすい天面に搭載されている。そのほか、USB Type-Cで充電/給電ができるので、より長時間の撮影が可能。マルチインターフェースシューはデジタルオーディオインターフェイスに対応しており、別売のショットガンマイク「ECM-B1M」などを接続し、より高音質な動画を撮影できる。

先月発表された「α7S III」と同様、バリアングル液晶モニターを搭載

先月発表された「α7S III」と同様、バリアングル液晶モニターを搭載

MOVIEボタンは天面のシャッターボタンの近い場所に設置されている

MOVIEボタンは天面のシャッターボタンの近い場所に設置されている

「α7C」にマッチするコンパクトな標準ズームレンズも発売

α7Cはレンズとのセットでもコンパクトなシステムになるように、小型・軽量の標準ズームレンズ「FE 28-60mm F4-5.6」も発売する。サイズは66.6(直径)×45(長さ)mm、重量は167gで、35mmフルサイズセンサー搭載デジタルカメラ用交換式ズームレンズとしては世界最小・最軽量という。日常使いに最適なレンズと言えそうだ。画質面では3枚の非球面レンズを配置し、ズーム全域で諸収差を補正し、周辺部まで高解像度を実現しているいう。

駆動系にはリニアモーターを採用し、高速・高精度かつ静かなAFを実現。単品でも来年2021年春に発売する。希望小売価格は6万円(税別)。

FE 28-60mm F4-5.6は、焦点距離28m〜60mmをカバーする標準ズームレンズ。α7Cの機動力を最大限引き出すコンパクトなレンズだ

ストロボもガイドナンバー(GN)28の「HVL-F28RM」を用意。約65.1(幅)×83.5(奥行)×91.4(高さ)mm、重量約219gと小型設計ながら、GN28の大光量を実現。電波式ワイヤレス通信機能を搭載するほか、P-TTL調光/ハイスピードシンクロ/マルチ発光など多彩な撮影をサポートする。発売は12月11日で、希望小売価格は27,170円(税別)

GN28のHVL-F28RM

ガイドナンバー28のHVL-F28RM

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

ガジェットとインターネットが好きでこの世界に入り、はやいもので20年。特技は言い間違いで、歯ブラシをお風呂、運動会を学芸会、スプーンを箸と言ってしまいます。お風呂とサウナが好きです!

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