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KマウントAPS-C一眼レフの新フラッグシップ

「PENTAX K-3 Mark III」ファーストインプレッション! 注目の一眼レフにいち早く触れてきた

リコーイメージングは2020年12月22日、2021年春の発売を目指して開発中のAPS-C一眼レフカメラ「PENTAX K-3 Mark III」のメディア向け内覧会を開催しました。従来モデル「K-3 II」の発売から約6年、待ちに待った後継モデルの登場が近づいてきています。今回の内覧会ではK-3 Mark IIIのベータ機に触れることができたので、操作性に関してのファーストインプレッションをお伝えします。

開発が最終段階を迎えたK-3 Mark III。ブラックとシルバーの2色のカラーバリエーションが用意される予定

開発が最終段階を迎えたK-3 Mark III。ブラックとシルバーの2色のカラーバリエーションが用意される予定

「PENTAX STATEMENT」に基づいて開発された第1弾モデル

K-3 Mark IIIのインプレッションをお伝えする前に、リコーイメージングが掲げるPENTAXブランドのビジョンについて簡単におさらいしておきましょう。

リコーイメージングは2020年7月16日に、PENTAXブランドの展開についてのビジョンを紹介する動画「これからのPENTAXカメラが大切にしていくこと」を公開し、今後も一眼レフ、ならびに光学ファインダーを搭載するカメラにこだわって商品を開発し続けることを明らかにしました。その中で、PENTAXがPENTAXであるための決意として、「PENTAX STATEMENT」というステートメントを発表しています。

5つの決意として発表されたPENTAX STATEMENT。一眼レフを開発し続けていくことが強く感じられる内容です

5つの決意として発表されたPENTAX STATEMENT。一眼レフを開発し続けていくことが強く感じられる内容です

PENTAX STATEMENTは、「写真が好きだからカメラを造る。」「対話するように撮れるカメラを理想とする。」「撮影プロセスまで愉しめるカメラにこだわる。」「数値では測れない領域まで挑む。」「ユーザーの『写真体験』を資産とする。」という5つの項目でまとめられています。詳細はブランドビジョンのWebページをご覧いただきたいのですが、そこからは一眼レフの未来像を意識し、写真愛好家のためのカメラ作りを大切にしていくことが読み取れます。また、撮影の結果だけでなくプロセスも楽しめる、写真愛好家のための一眼レフを開発し続けるという決意も強く感じられます。

K-3 Mark IIIは、そんなPENTAX STATEMENTに基づいて開発された第1弾のカメラ。APS-Cサイズの撮像素子を搭載するKマウントデジタル一眼レフの最上位モデルということで、撮像素子、画像処理エンジン、アクセラレーターユニットのすべてを刷新し、最高約12コマ/秒の高速連写や101点測距のAFシステムといった高性能を実現していますが、それ以上に注目してほしいのが光学ファインダーなどの操作性に徹底的にこだわっていることです。今回の内覧会ではその点に注目してベータ機を試してみました。

K-3 Mark IIIの主なスペック
・撮像素子:有効約2573万画素CMOSセンサー(APS-C、ローパスセレクター対応)
・画像処理エンジン:新開発
・アクセラレーターユニット:新開発
・感度:ISO100〜1600000
・AFシステム:SAFOX13、101点測距(25点はクロスタイプ)、低輝度限界EV-4
・連写:最高約12コマ/秒
・シャッタースピード:1/8000秒〜30秒
・光学ファインダー:視野率約100%、倍率約1.05倍のペンタプリズムファインダー
・ボディ内手ブレ補正:5軸対応、補正効果5.5段分
・測光センサー:30.7万画素RGBIrセンサー
・ダストリムーバル:超音波振動DR II
・動画:4K/30p記録対応
・記録メディア:・デュアルスロット、SD/SDHC/SDXCカード(UHS-II対応)
・液晶モニター:タッチパネル対応3.2型(約162万ドット)
・バッテリー:D-LI90P、撮影可能枚数約800枚
・インターフェイス:USB端子(USB Type-C、USB充電対応)、ケーブルスイッチ端子(φ2.5mm)、Xシンクロソケット、HDMI端子(タイプD)、マイク端子、ヘッドホン端子
・無線機能:IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth v4.2 (Bluetooth Low Energy)
・サイズ:約134.5(幅)×103.5(高さ)×73.5(奥行)mm
・重量:約820g(バッテリー、SDカードを含む)

光学ファインダーやシャッターフィーリングなど操作感のよさを実感

内覧会に用意されていたK-3 Mark IIIのベータ機。短い時間での試用でしたが、その操作性のよさを実感することができました

内覧会に用意されていたK-3 Mark IIIのベータ機。短い時間での試用でしたが、その操作性のよさを実感することができました

続いて、K-3 Mark IIIのベータ機に触れてみてのインプレッションをお伝えします。

このカメラを使ってみて最初に驚いたのが、光学ファインダーの見えのよさです。フルサイズ一眼レフ「K-1 Mark II」と同等となる倍率1.05倍(35mm判換算0.7倍)のペンタプリズムファインダーを搭載しているということで期待していましたが、まさに期待以上。視界が広いうえ、色付きが少なく、周辺まで明るくてクリアな見えに感動しました。コンパクトなAPS-C一眼レフはフルサイズ一眼レフと比べるとどうしても倍率が低くなりがちですが、それを覆す、すばらしいファインダーに仕上がっています。内覧会ではK-1 Mark IIとも比較しましたが、色付きが少ない分、K-3 Mark IIIのほうが見やすいと感じるくらいでした。PENTAXのAPS-C一眼レフとして最も高品位というだけでなく、APS-C一眼レフ全体を通しても最高クラスの光学ファインダーではないでしょうか。

左からK-1 Mark II、K-3 Mark III、K-3 II。内覧会ではこの3モデルのファインダーの見えを比較することができました。K-3 Mark IIIはK-1 Mark IIと同等の倍率というだけでなく、色付きが少なくてクリアな見えを実現しています

左からK-1 Mark II、K-3 Mark III、K-3 II。内覧会ではこの3モデルのファインダーの見えを比較することができました。K-3 Mark IIIはK-1 Mark IIと同等の倍率というだけでなく、色付きが少なくてクリアな見えを実現しています

K-3 Mark IIIの光学ファインダーのアイポイントは約20.5mm(見口枠より)/約22.0mm(レンズ中心より)でK-3 IIとほぼ変わらないスペック(K-3 Mark IIIはレンズ中心からの距離が0.3mm短い)ですが、K-3 Mark IIIのほうが、高倍率ながら周辺まで見渡しやすかったことも付け加えておきたいです。これはファインダーの見口枠を少し出っ張った構造にするなどして、より自然に覗き込めるように工夫していることが大きいとのこと。メガネをかけて覗いてみても、K-1 Mark II、K-3 Mark III、K-3 IIの3モデルの中でK-3 Mark IIIが最も隅まで見やすいと感じました。

担当の方にお話をうかがったところ、K-3 Mark IIIの光学ファインダーは「APS-C機ながらフルサイズ機のK-1 Mark IIを超えるファインダーに仕上げる」という意気込みで開発したとのこと。光学系では高屈折率の硝材を採用したうえ、マルチコーティングの材料を徹底的に追い込むことでよりクリアな見えを実現しているとのことでした。

K-3 Mark IIIの光学ファインダーは、見口枠を少し出っ張った構造にするなどの工夫によって覗き込みやすくなっています。また、PENTAX一眼レフとして初めてアイセンサーも搭載しています

K-3 Mark IIIの光学ファインダーは、見口枠を少し出っ張った構造にするなどの工夫によって覗き込みやすくなっています。また、PENTAX一眼レフとして初めてアイセンサーも搭載しています

K-3 Mark IIIは、最高約12コマ/秒の高速連写と1/8000秒の高速シャッタースピードを実現するためにミラーやシャッターの駆動制御系を一新していますが、これによって、シャッターを切った際のフィーリングが非常によくなっていることも伝えておきたいです。コアレスモーターを採用するなどして制御を追い込んだとのことで、非常にキレがよく軽快なフィーリングです。こう言うと誤解があるかもしれませんが、高速連写時のフィーリングはいい意味で「PENTAXじゃない」と感じたくらい。また、シャッターボタンも、K-1 Mark IIなどと同じく3枚の板バネを使ったリーフスイッチを採用しており、押し込み感が少ないのも使いやすいと感じました。

また、K-3 Mark IIIはファインダーを覗きながら操作することを重視して操作系が再構築されており、背面では、測距点をダイレクトに移動できるジョイスティックを新たに搭載。ジョイスティックの突起の形状を中央部と周辺部で変えるという凝りようで、指がかりがよく、扱いやすそうな印象を受けました。

上面のスマートファンクションの操作系は、従来の機能ダイヤルと設定ダイヤルの2ダイヤル仕様から、ボタン(S.Fnボタン)とダイヤル(S.Fnダイヤル)の1ボタン+1ダイヤルに変更。S.Fnボタンを押すと、ファインダー内下部に5つの機能が表示され、S.Fnダイヤルで変更する仕組みです。S.Fnボタンには22の機能から任意の5機能を割り当てることが可能でカスタマイズ性にもすぐれています。ファインダーを覗きながらという点では、この1ボタン+1ダイヤルの操作系のほうが扱いやすいのではないでしょうか。

なお、屋内での試用だったため細かいところはわかりませんでしたが、101点測距のAFはかなり速くなっていました。望遠ズームレンズ「HD PENTAX-DA 55-300mmF4-5.8ED WR」の望遠側で試してみても、とてもスピーディーに合焦してくれました。AF-Cの追従性も向上しているとのことで、製品版の仕上がりに期待していいと思います。

背面に測距点をダイレクトに移動できるジョイスティックを搭載。ボディの薄型化と堅牢性に配慮してモニターは固定式となっています

背面に測距点をダイレクトに移動できるジョイスティックを搭載。ボディの薄型化と堅牢性に配慮してモニターは固定式となっています

上面には、1ボタン+1ダイヤル仕様のスマートファンクションなどの操作系を搭載しています

上面には、1ボタン+1ダイヤル仕様のスマートファンクションなどの操作系を搭載しています

グリップもよく考えられてデザインされており、それほど力を入れなくてもしっかりと握れるフィーリングを実現。シャッターボタンやダイヤル類を人さし指で操作しながらでもホールドしやすい印象です

グリップもよく考えられてデザインされており、それほど力を入れなくてもしっかりと握れるフィーリングを実現。シャッターボタンやダイヤル類を人さし指で操作しながらでもホールドしやすい印象です

SDメモリーカードのデュアルスロットを採用。スロット1のみUHS-II対応になっています

SDメモリーカードのデュアルスロットを採用。スロット1のみUHS-II対応になっています

底面。シールなどは貼られていないですが製品版もこのデザインになるとのこと

底面。シールなどは貼られていないですが製品版もこのデザインになるとのこと

PENTAXの一眼レフらしく、マグネシウム合金の堅牢ボディを採用

PENTAXの一眼レフらしく、マグネシウム合金の堅牢ボディを採用

K-3 Mark IIIのスケルトンモデル

K-3 Mark IIIのスケルトンモデル

K-3 Mark IIIのカットモデル

K-3 Mark IIIのカットモデル

まとめ ミラーレスユーザーにも試してほしい理想的なAPS-C一眼レフ

今回、K-3 Mark IIIのベータ機を試してみて、とにかくその操作性のよさに感動しました。光学ファインダーを覗いてシャッターを切って撮影する楽しみを強く感じことができる、PENTAX STATEMENTの考え方に沿った形で開発されたすばらしいカメラだと思います。PENTAXファンや一眼レフファンだけでなく、ミラーレスをメインで使っている人にも使ってほしい。試用を終えて、そんな印象を持ちました。触ってみないとよさがわからないところがありますので、ぜひ、正式に発表された際には、店頭やショールームで試していただければと思います。

操作性以外のところでも、K-3 Mark IIIは基幹となるデバイスをすべて刷新しているので、画質の向上にも期待が持てます。また、最高約12コマ/秒の高速連写と、従来よりも高性能になったAFシステムも搭載しており、より幅広いシーンで活用できるカメラに進化を遂げているのも注目点。APS-C一眼レフとして理想的な操作性とスペックを持つカメラとして注目を集めそうです。

発売は、2021年2月25日〜28日に開催予定の「CP+2021 ONLINE」の頃を目指しているとのこと。価格は未定ですが20万円台後半を想定しているそうです。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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