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今年はオンラインのCP+2021 一眼カメラ&レンズ 2021年春の新製品情報まとめ

今年はオンラインのみでの開催となった国内最大級のカメラ・写真イベント「CP+2021 ONLINE」。例年であればCP+の会場でお目見えになった新製品をレポートするところだが、今年は、CP+2021 ONLINEの開催にあわせて発表された情報を交えながら、この春に登場する主な一眼カメラと交換レンズを一挙紹介しよう。

ソニー 超高性能なフラッグシップミラーレス「α1」とシネマカメラ「FX3」を発表

ソニーは、驚異的な高性能を実現したフルサイズミラーレスのフラッグシップモデル「α1」を2021年3月19日に発売する。有効約5010万画素の高画素センサーを搭載しながらも、ブラックアウトフリーで最高約30コマ/秒の超高速連写を実現したほか、ソニーの一眼カメラ「αシリーズ」として初めて8K/30p動画撮影にも対応するなど、フルサイズミラーレスとして最高性能を実現した、フラッグシップの名にふさわしいカメラだ。市場想定価格は90万円前後(税込)と高額だが、その価値のある製品である。

最高約30コマ/秒の超高速連写を実現したα1。8K/30p動画撮影にも対応している

最高約30コマ/秒の超高速連写を実現したα1。8K/30p動画撮影にも対応している

CP+2021 ONLINEの開催にあわせて発表されたのがクリエイター向けシネマカメラの新モデル「FX3」。デジタルシネマ映像制作向けカメラ「Cinema Line」シリーズの最小・最軽量モデルで、動画専用機ならではの操作性や拡張性を備えつつ、αシリーズで培ったすぐれたAF性能やボディ内手ブレ補正機構を搭載。シネマカメラとαシリーズのいいところを融合した、取り回しにすぐれたモデルで、映像制作のクリエイターだけでなく、αシリーズのユーザーにも適したシネマカメラとなっている。2021年3月12日の発売で、希望小売価格は459,000円(税別)。

Cinema Lineシリーズ最小・最軽量のFX3。シネマカメラと一眼カメラのいいところを融合したモデルだ

Cinema Lineシリーズ最小・最軽量のFX3。シネマカメラと一眼カメラのいいところを融合したモデルだ

富士フイルム コンパクトな1億画素ミラーレス「GFX100S」と小型・軽量ミラーレス「X-E4」などを発表

2021年春発売の新製品を数多くリリースした富士フイルム。なかでも目玉となるは、フルサイズよりもひと回り大きいラージフォーマットセンサー(43.8×32.9mm)を採用する「GFXシリーズ」の新モデル「GFX100S」。同シリーズのフラッグシップモデル「GFX100」から約1億200万画素の高画素センサーと、進化したボディ内手ブレ補正を搭載しながらも、重量約900g(バッテリー、 SDメモリーカード含む)の小型・軽量ボディを実現。フルサイズ一眼レフ並みのサイズ感で、フルサイズユーザーからも注目を集める話題製品だ。2021年2月25日の発売で、市場想定価格は699,000円(税別)。ラージフォーマットでの1億画素の高画質が得られることを考えると、価格はかなり抑えられている。

約1億200万画素の高画素センサーを搭載したGFX100S

約1億200万画素の高画素センサーを搭載したGFX100S

富士フイルムはこの春、小型・軽量なAPS-Cミラーレス「X-Eシリーズ」の新モデル「X-E4」もリリースした。同シリーズの特徴であるミニマルなスタイルを徹底したモデルで、チルト液晶モニターを採用しながらも重量約364g(バッテリー、 SDメモリーカード含む)の小型・軽量ボディを実現。グリップのないフラットなフォルムも特徴で、スナップ撮影に適したカメラとなっている。2021年2月25日の発売で、市場想定価格は99,000円(税別)。

従来モデル以上にミニマルさを強調したX-E4

従来モデル以上にミニマルさを強調したX-E4

交換レンズもいくつかリリースしており、GFXシリーズ用のGマウントレンズの新モデルとして単焦点レンズ「GF80mmF1.7 R WR」を発売。35mm判換算で63mmの焦点距離となる標準域のレンズで、開放F1.7の明るさを持つのが特徴だ。Xシリーズ用のXマウントレンズには、小型の望遠ズームレンズ「XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR」と、薄型・軽量のパンケーキレンズのリニューアルモデル「XF27mmF2.8 R WR」を追加している。

発売はGF80mmF1.7 R WRが2021年2月25日、XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR が3月18日、XF27mmF2.8 R WR が3月11日。希望小売価格はGF80mmF1.7 R WRが300,000円、XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRが110,000円、XF27mmF2.8 R WRが52,000円(いずれも税別)。

GFX100Sの発売にあわせて追加されたGF80mmF1.7 R WR。開放F1.7の大口径を生かした撮影が可能だ

GFX100Sの発売にあわせて追加されたGF80mmF1.7 R WR。開放F1.7の大口径を生かした撮影が可能だ

35mm判換算で107〜457mmの焦点距離をカバーする小型の望遠ズームレンズXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR

35mm判換算で107〜457mmの焦点距離をカバーする小型の望遠ズームレンズXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR

絞りリングを追加し、防塵・防滴にも対応した薄型・軽量のパンケーキレンズXF27mmF2.8 R WR

絞りリングを追加し、防塵・防滴にも対応した薄型・軽量のパンケーキレンズXF27mmF2.8 R WR

リコーイメージング 特別カスタムモデル「J limited 01」を発表。「FA Limited」もリニューアル

リコーイメージングは、CP+2021 ONLINEにあわせて一眼レフと交換レンズの新製品をリリースした。

一眼レフでは、フルサイズ機「PENTAX K-1 Mark II」をベースに、特別色の塗装とカスタムパーツを装着した特別モデル「J limited 01」を発表。北米産のウォールナットを削り出し、9層のコーティングを施したオリジナルデザインのカスタムウッドグリップや、ディンプルデザインを採用した特別なラバーグリップ、「デュラテクトゴールド・コーティング」を施したボディマウントなど、大量生産では不可能な、高品位で手間のかかる加工や特別色の塗装、パーツ変更などを施しているのが特徴だ。受注生産品で2021年2月25日より受注を開始している。3月21日の受付分については4月30日に発売するとのことだ。価格はオープン。

ウッドグリップやラバーグリップなど個性的なカスタムパーツを散りばめたJ limited 01。カラーバリエーションは4色

ウッドグリップやラバーグリップなど個性的なカスタムパーツを散りばめたJ limited 01。カラーバリエーションは4色

レンズでは、アルミ削り出しの外観とこだわりの描写性能が特徴のKマウント用のリミテッドレンズ「HD PENTAX-FA Limited」シリーズの3機種「HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limited」「HD PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited」「HD PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited」をリニューアル。当たらに、より反射が少なく透過率が高いHDコーディングと、美しいボケ味が得られる円形絞りを採用している。発売は2021年4月下旬で、希望小売価格は31mmF1.8が156,000円、43mmF1.9が87,000円、77mmF1.8が120,000円(いずれも税別)。

HDコーティングと円形絞りを採用したFA Limitedシリーズのリニューアルモデル

HDコーティングと円形絞りを採用したFA Limitedシリーズのリニューアルモデル

さらに、APS-C用の高性能なスターレンズ「HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW(仮称)」の開発も発表した。35mm判換算で焦点距離24.5〜76.5mm相当の画角をカバーする、開放F2.8固定の大口径・標準ズームレンズ。名称や仕様の詳細は決定ではないが、高速で動画撮影時の滑らかなピント追従が可能なPLM(Pulse Motor)や、厳しい撮影環境下での雨粒や埃の侵入を抑制するAW(防塵・防滴)構造などを採用する予定。最短撮影距離は0.3mになるとのことだ。発売時期は2021年中を予定しており、価格は未定。

開発が発表された新しいスターレンズHD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW(仮称)

開発が発表された新しいスターレンズHD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW(仮称)

なお、CP+2021 ONLINEの頃の発売を目指して開発が進められてきたAPS-C一眼レフの新モデル「PENTAX K-3 Mark III」については発売時期が延期になっている。具体的な発売時期は近日中に改めて発表するとのことだ。

パナソニック 高性能と小型・軽量を両立した望遠ズームレンズ「LUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.」

パナソニックは、70〜300mmの焦点距離をカバーする、Lマウント用の望遠ズームレンズ「LUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.」をリリースした。UEDレンズ1枚、EDレンズ2枚、UHRレンズ1枚の特殊球面レンズを含む11群17枚のレンズ構成を採用し、ズーム全域で優れた解像性能とボケ味を実現。望遠ズームレンズながら、望遠端300 mmで最大撮影倍率0.5倍のテレマクロ撮影が可能なのも特徴だ。さらに、カメラとレンズの手ブレ補正を連動して制御する「Dual I.S.2」に対応し、手ブレの補正効果は5.5段分。優れた描写性能やテレマクロ性能などを持ちながら、重量は約790 gに抑えられている。2021年4月22日の発売で、価格は160,600円(税込)。

高いテレマクロ性能にも注目の望遠ズームレンズLUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.

高いテレマクロ性能にも注目の望遠ズームレンズLUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.

シグマ 小型・軽量な大口径・標準ズームレンズ「28-70mm F2.8 DG DN」を発表

シグマは、開放F2.8通しの大口径・標準ズームレンズ「28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」を発表した。「24-70mm F2.8 DG DN | Art」をベースに広角端を28mmとし、筐体を軽量なプラスチック製パーツを中心に構成することで、Artラインに匹敵する高い光学性能はそのままに、大幅な大幅に小型・軽量化を図ったモデル。サイズは72.2(最大径)×101.5(長さ)mmで重量は470gで、開放F2.8通しの標準ズームレンズとしてはクラス最小・最軽量となっている。ライカLマウント用とソニーEマウント用をラインアップし、2021年3月12日から発売する。希望小売価格は110,000円(税込)。

Artラインに匹敵する光学性能を持つ28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary

Artラインに匹敵する光学性能を持つ28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary

なお、開発が進められてきたフルサイズFoveonセンサーを搭載するカメラの製品化計画はリセットになっている。いったん開発そのものを白紙に戻し、センサー開発段階に立ち戻って仕切り直すとのこと。中止というわけではなく開発は進めているとのことなので、続報を期待して待ちたい。

コシナ 光学性能にすぐれたMFレンズ「APO-LANTHAR」の35mm版などを発表

コシナは「フォクトレンダー」ブランドのMFレンズをこの春に発売する。1本は「APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical」で、もう1本は「ULTRON vintage line 35mm F2 Aspherical Type II VM」だ。

画像左がAPO-LANTHAR 35mm F2 AsphericalのEマウント用で、中央はVMマウント用。右はULTRON vintage line 35mm F2 Aspherical Type II VM

画像左がAPO-LANTHAR 35mm F2 AsphericalのEマウント用で、中央はVMマウント用。右はULTRON vintage line 35mm F2 Aspherical Type II VM

APO-LANTHAR 35mm F2 Asphericalは、フォクトレンダーのレンズの中でも特に高性能な製品に与えられる「APO-LANTHAR(アポランター)」の称号を持つ準広角レンズ。色収差を徹底的に抑えるアポクロマート設計を採用しており、究極の性能を追求した標準レンズ「APO-LANTHAR 50mm F2」と双璧をなす性能を実現しているとのことだ。ソニーEマウント用と、VMマウント用が用意されているが、これら2本は単にマウントの仕様にあわせてチューニングしているのではなく、デザインや光学特性が異なる別のレンズとなっている。VMマウント用はAPO-LANTHAR 50mm F2と同様、Mマウントカメラ用センサーに最適化した設計のため、マウントアダプターを介して他社製カメラに装着しても本来の光学性能は発揮できないとのことだ。発売はソニーEマウント用が2021年4月、VMマウント用が3月。希望小売価格は120,000円(税別)。

ULTRON vintage line 35mm F2 Aspherical Type II VMは、最新の光学設計とクラシカルな外観を採用する「Vintage Line」シリーズの準広角レンズ「ULTRON Vintage Line 35mm F2 Aspherical VM」のリニューアルモデル。従来から光学設計はそのままに、1970年代前半に発売された名玉を想起させるクラシカルなデザインに変更になっている。指がかりのいいフォーカシングレバーに変更になっている。2021年3月の発売で、希望小売価格は90,000円(税別)。なお、従来モデルもType Iとして継続して販売される。

価格.comマガジン編集部

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