レビュー
より身近になった1億200万画素

富士フイルムのラージフォーマット「GFX100S」と交換レンズ2本で丸の内から皇居をぶらりと歩く

フルサイズが高解像度の王様という常識に、富士フイルムはラージフォーマットで挑戦。43.8×32.9mmの大型センサーを搭載して、フルサイズを上回る1億200万画素の「GFX100」を製品化した。そして、2代目「GFX100S」は小型化され重量はEVF付きで1.4kgから900gまでシェイプアップされた。さらにボディ内手ブレ補正機能は軽量化しつつ最大6段の補正効果を実現。さすがにレンズは大きいが、手持ちで撮れる1億万画素をバッグに忍ばせるとワクワク気分になれる。

今回、そんな「GFX100S」に広角から中望遠までをカバーする「GF45-100mmF4 R LM OIS WR」と、18mm相当の超広角「GF23mmF4 R LM WR」の2本の交換レンズを組み合わせた実写レポートをお届けしたい。ボディ900gにレンズ2本で1850g、合計約2.7kgとなかなかヘビーな機材を持ち出し、丸の内から皇居周辺の様子を撮影してきた。

GFX100Sのボディに45-100mmF4の標準ズームと超広角のGF23mmF4の2本を手持ちで撮影した

GFX100Sのボディに45-100mmF4の標準ズームと超広角のGF23mmF4の2本を手持ちで撮影した

一眼レフ感覚で使えるデザイン

「GFX100」が一眼レフカメラにモータードライブ、またはタテ位置グリップを付けたようなデザインだったのに対して、「GFX100S」は通常の一眼レフスタイルになった。これによってフルサイズミラーレスと同様の機動性を手に入れた。交換レンズの組み合わせによるが、重量のハンディはほぼ解消されたといって差し支えないだろう。これでフルサイズミラーレスの2倍から4倍の解像度が得られると考えれば、なかなかのコンパクトサイズと言える。

私のお散歩カメラ「X-E3」と比較すると「GFX100S」はひと回り大きい

私のお散歩カメラ「X-E3」と比較すると「GFX100S」はひと回り大きい

レンズもかなり大型だが、持ってみるとしっかりホールドできる

レンズもかなり大型だが、持ってみるとしっかりホールドできる

右上にはサブ液晶画面があり、電源OFFでもカメラの設定が表示される

右上にはサブ液晶画面があり、電源OFFでもカメラの設定が表示される

動画と静止画の切り替えはワンタッチ、カスタムモードが6つもある

動画と静止画の切り替えはワンタッチ、カスタムモードが6つもある

人の目を超えるラージフォーマット

シャッターチャンスを逃がしたくない時、そのタイミングはカメラマンにかかっているが、構図はレンズの焦点距離にも左右される。円周魚眼レンズを使って、後から歪みが完璧に補正できるなら、360度が写っているので被写体を逃がす心配はない。VRの360度動画がこれにあたる。静止画なら「GFX100S」に超広角レンズを付ければ似たようなことができる。風景全体を11648×8736ピクセルで記録して、後で必要な部分を切り出せばいいのだ。

今回も撮影した時に気付かなかったことがPCのモニター画面を通じて再発見されることがあった。富士フイルムのカメラをメインに使う写真家、小平尚典氏とともに丸の内から皇居、そして、私の散歩フィールドである善福寺川周辺を加えて、2人で撮影した画像を披露しよう。

「GF23mmF4 R LM WR」は開放絞り値F4、35mm判換算18mm相当の超広角レンズ。歪みが少なく隅々までシャープに写してくれる

「GF23mmF4 R LM WR」は開放絞り値F4、35mm判換算18mm相当の超広角レンズ。歪みが少なく隅々までシャープに写してくれる

手前だけを残して後ろに30階建てのビルを建築した日本工業倶楽部も、超広角レンズならしっかりと収まるFUJIFILM GFX100S、GF23mmF4 R LM WR、ISO320、F4、1/1250秒撮影写真(11648×8736、58.7MB)

手前だけを残して後ろに30階建てのビルを建築した日本工業倶楽部も、超広角レンズならしっかりと収まる
FUJIFILM GFX100S、GF23mmF4 R LM WR、ISO320、F4、1/1250秒
撮影写真(11648×8736、58.7MB)

上記の写真からハンマーを持つ男と糸巻きを持つ女性の像を左右1200ピクセルでトリミングしたもの。トリミングしただけでもこれだけしっかりと写ってくれる

上記の写真からハンマーを持つ男と糸巻きを持つ女性の像を左右1200ピクセルでトリミングしたもの。トリミングしただけでもこれだけしっかりと写ってくれる

東京駅前の広場。遠くでウエディングの撮影が行われている様子もしっかりとわかるFUJIFILM GFX100S、FJINON GF23mmF4 R LM WR、ISO320、F8、1/680秒撮影写真(11648×8736、54.2MB)

東京駅前の広場。遠くでウエディングの撮影が行われている様子もしっかりとわかる
FUJIFILM GFX100S、FJINON GF23mmF4 R LM WR、ISO320、F8、1/680秒
撮影写真(11648×8736、54.2MB)

ビルに反射する太陽と、その光を受けた木々。光の当たる葉の部分だけ明るい色に変わり、光が当たらない葉とのコントラストがとてもきれいだFUJIFILM GFX100S、FJINON GF23mmF4 R LM WR、ISO320、F13、1/170秒撮影写真(11648×8736、51.3MB)

ビルに反射する太陽と、その光を受けた木々。光の当たる葉の部分だけ明るい色に変わり、光が当たらない葉とのコントラストがとてもきれいだ
FUJIFILM GFX100S、FJINON GF23mmF4 R LM WR、ISO320、F13、1/170秒
撮影写真(11648×8736、51.3MB)

モノクロームのACROSで撮影。ビルの窓に太陽光が反射しているがフレアは出なかったFUJIFILM GFX100S、FJINON GF23mmF4 R LM WR、ISO320、F7.1、1/850秒撮影写真(11648×8736、48.6MB)

モノクロームのACROSで撮影。ビルの窓に太陽光が反射しているがフレアは出なかった
FUJIFILM GFX100S、FJINON GF23mmF4 R LM WR、ISO320、F7.1、1/850秒
撮影写真(11648×8736、48.6MB)

「GF45-100mmF4 R LM OIS WR」は、35mm判換算36〜79mm相当のズームレンズ。重さは1005gとヘビー級だが、これ1本でかなりカバーできる

「GF45-100mmF4 R LM OIS WR」は、35mm判換算36〜79mm相当のズームレンズ。重さは1005gとヘビー級だが、これ1本でかなりカバーできる

地元の善福寺川でカルガモの親子を撮影。望遠端でも川辺までは寄れなかったFUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、100mm(35mm判換算79mm相当)、ISO250、F8、1/250秒撮影写真(11648×8736、62.9MB)

地元の善福寺川でカルガモの親子を撮影。望遠端でも川辺までは寄れなかった
FUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、100mm(35mm判換算79mm相当)、ISO250、F8、1/250秒
撮影写真(11648×8736、62.9MB

上記の写真を100%でトリミングしてみると、ヒナの産毛までしっかり写っていた

上記の写真を100%でトリミングしてみると、ヒナの産毛までしっかり写っていた

東京駅の前で記念撮影する人々。影になったレンガ造りの駅舎の重厚な質感描写が見事だFUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、100mm(35mm判換算79mm相当)、ISO100、F4、1/800秒、Adobe Photoshop使用撮影写真(11648×8736、10.7MB)

東京駅の前で記念撮影する人々。影になったレンガ造りの駅舎の重厚な質感描写が見事だ
FUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、100mm(35mm判換算79mm相当)、ISO100、F4、1/800秒、Adobe Photoshop使用
撮影写真(11648×8736、10.7MB)

手前のレンガ造りと奥の硝子と金属で出来た高層ビル、その質感の違いが時代を物語るFUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、45mm(35mm判換算36mm相当)、ISO100、F4、1/900秒、Adobe Photoshop使用撮影写真(11648×8736、10.2MB)

手前のレンガ造りと奥の硝子と金属で出来た高層ビル、その質感の違いが時代を物語る
FUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、45mm(35mm判換算36mm相当)、ISO100、F4、1/900秒、Adobe Photoshop使用
撮影写真(11648×8736、10.2MB)

金属製のアート作品に街の風景が反射して不思議な空間を生み出していたFUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、79.6mm(35mm判換算63mm相当)、ISO320、F6.4、1/100秒撮影写真(11648×8736、50.7MB)

金属製のアート作品に街の風景が反射して不思議な空間を生み出していた
FUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、79.6mm(35mm判換算63mm相当)、ISO320、F6.4、1/100秒
撮影写真(11648×8736、50.7MB)

仲通りを散歩する人々。日向と日陰のコントラストが画面に立体感を与えるFUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、96mm(35mm判換算76mm相当)、ISO320、F4、1/100秒、Adobe Photoshop使用撮影写真(11648×8736、11.4MB)

仲通りを散歩する人々。日向と日陰のコントラストが画面に立体感を与える
FUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、96mm(35mm判換算76mm相当)、ISO320、F4、1/100秒、Adobe Photoshop使用
撮影写真(11648×8736、11.4MB)

歩道に吊り下げられた花。花びらのグラデーションの微妙なトーンが再現されているFUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、100mm(35mm判換算79mm相当)、ISO320、F4、1/170秒撮影写真(11648×8736、47.3MB)

歩道に吊り下げられた花。花びらのグラデーションの微妙なトーンが再現されている
FUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、100mm(35mm判換算79mm相当)、ISO320、F4、1/170秒
撮影写真(11648×8736、47.3MB)

皇居の正門石橋は、明治20年に完成した石造りの二重アーチ橋。暗部の階調性の高さがわかるFUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、100mm(35mm判換算79mm相当)、ISO320、F4、1/1000秒、Adobe Photoshop使用撮影写真(11648×8736、15.3MB)

皇居の正門石橋は、明治20年に完成した石造りの二重アーチ橋。暗部の階調性の高さがわかる
FUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、100mm(35mm判換算79mm相当)、ISO320、F4、1/1000秒、Adobe Photoshop使用
撮影写真(11648×8736、15.3MB)

にわか雨が上がった公園、人工的な遊具の発色と木々の緑の自然な色の描き分けがうまいFUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、100mm(35mm判換算79mm相当)、ISO320、F4、1/160秒、Adobe Photoshop使用撮影写真(11648×8736、15.3MB)

にわか雨が上がった公園、人工的な遊具の発色と木々の緑の自然な色の描き分けがうまい
FUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、100mm(35mm判換算79mm相当)、ISO320、F4、1/160秒、Adobe Photoshop使用
撮影写真(11648×8736、15.3MB)

マクロ機能はないが望遠端で撮れば背景がボケて手前のバラが浮き上がったFUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、100mm(35mm判換算79mm相当)、ISO100、F5、1/125秒撮影写真(11648×8736、40.6MB)

マクロ機能はないが望遠端で撮れば背景がボケて手前のバラが浮き上がった
FUJIFILM GFX100S、FJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR、100mm(35mm判換算79mm相当)、ISO100、F5、1/125秒
撮影写真(11648×8736、40.6MB)

まとめ

今回、「GFX100S」を持ち出して撮影してみて感じたことは、銀塩時代の中判カメラに比べれば、ラージフォーマットは楽々撮れるということだ。ハッセルブラッドはスタジオから出ても三脚がないと不安だったし、ペンタックス67は見た目は一眼レフだったが、ボディだけでも相当重くて、レンズを付けて手持ちでホールドできる時間は短く、手ブレ補正もなかった。「GFX100S」は手持ちで1億万画素がブレずに撮ることができ、しかもレンズの性能がいいので撮影された画像はどこをとっても緻密で歪みが抑えられている。ここまで高解像度になると、君は何を撮るのかと撮影者がカメラから問われることになるかもしれない。

ゴン川野

ゴン川野

カメラとオーディオが専門のライター。モノクロフィルムの現像、カラーのプリントを経て、デジカメ時代に突入。現在は仕事もプライベートもミラーレスOLYMPUS OM-D E-M1MK2を愛用。「阿佐ヶ谷レンズ研究所」にて掲載記事をまとめて発信中。

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