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約30コマ/秒の超高速連写、6K/60p動画記録などを実現

キャッチコピーは「無双。」 超高性能フルサイズミラーレス「EOS R3」が74.8万円で登場

キヤノンは2021年9月14日、開発中であることを発表していたフルサイズミラーレスカメラ「EOS R3」を正式にリリースした。フラッグシップ一眼レフ「EOS-1D X Mark III」など「EOS-1シリーズ」と、フルサイズミラーレス「EOS R5」など「EOS 5シリーズ」の間に位置するハイエンドモデルとして、新たにラインアップに追加された製品だ。そのキャッチコピーは「無双。」で、縦位置グリップ一体型ボディに、EOS-1D X Mark IIIをも凌ぐ高速性を搭載したのが特徴。本格的な動体撮影や映像制作など、プロやハイアマチュアユーザーのニーズに対応できる超高性能なカメラとなっている。キヤノンオンラインショップでの直販価格は748,000円(税込)で、2021年11月下旬の発売が予定されている。

数々の新機能を搭載したEOS R3。EOS-1シリーズで培った信頼性や操作性を兼ね備えたハイエンド機としてラインアップに追加された。ボディサイズは約150.0(幅)×142.6(高さ)×87.2(奥行)mmで、重量は約1015g(バッテリー、カードを含む)

数々の新機能を搭載したEOS R3。EOS-1シリーズで培った信頼性や操作性を兼ね備えたハイエンド機としてラインアップに追加された。ボディサイズは約150.0(幅)×142.6(高さ)×87.2(奥行)mmで、重量は約1015g(バッテリー、カードを含む)

裏面照射積層型CMOSを採用し、最高約30コマ/秒の超高速連写などを実現

EOS R3のスペックで最も注目したいのは、EOSシリーズとして初めて、自社開発となる35mmフルサイズの裏面照射積層型CMOSセンサー(有効画素数:最大約2410万画素)を採用したことだ。この新センサーと高性能な映像エンジン「DIGIC X」の組み合わせによって、従来を大きく上回る高速性を実現している。

裏面照射積層型CMOSセンサーを採用することで、すぐれた受光効率に加えて、信号読み出しの高速化も実現

裏面照射積層型CMOSセンサーを採用することで、すぐれた受光効率に加えて、信号読み出しの高速化も実現

連写は、電子シャッター撮影時で最高約30コマ/秒(AF・AE追従)を達成(※メカシャッター時・電子先幕時は最高約12コマ/秒)。センサーの信号読み出しの高速化と連写シーケンスの再設計によって、連写中のブラックアウトフリー撮影を実現しているのも特徴だ。撮影開始のタイミングがつかみやすいように、1枚目撮影の直前はブラックアウト、2枚目以降はブラックアウトしない表示になるように工夫されている。

さらに、電子シャッター時は最速1/64000秒の高速シャッタースピードに対応するほか、ローリングシャッター歪みも大幅に低減。EOS-1D X Mark IIIの電子シャッターと比較して歪みは約1/4に低減しているという。

EOS-1D X Mark IIIと比べて、電子シャッター時のローリングシャッター歪みを大幅に低減

EOS-1D X Mark IIIと比べて、電子シャッター時のローリングシャッター歪みを大幅に低減

EOS R3は、同調速度1/180秒での、電子シャッター時のストロボ撮影にも対応している。ブラックアウトフリーでのストロボ連写も可能で、コマ間調光を行う場合は最高約15コマ/秒、コマ間調光を行わない場合は最高約20コマ/秒の速度に対応。なお、メカシャッター時の同調速度は1/200秒、電子先幕時の同調速度は1/250秒となっている。

フリッカーレス撮影も進化しており、電子シャッター時は機能をオンにした状態で最高約24コマ/秒(120Hzフリッカー時)の連写が可能。従来の100Hz/120Hzフリッカーへの対応に加えて、LEDやデジタルサイネージなど、速い周期で明滅する光源に対応できる、高周波フリッカーレス撮影機能(Tv/Mモード時)も追加されている。

さらに、EOS Rシリーズとして初めて、電子シャッター/電子先幕時のレリーズタイムラグ最速化機能を搭載。通常撮影時のレリーズタイムラグは電子シャッター/電位先幕ともに約50msとなっているが、最速化機能を使えば、電子シャッター時で約20ms、電子先幕時で約36msにまで高速化することが可能。最速化機能をオンにしたEOS-1D X Mark IIIの最速約29msよりも短いレリーズタイムラグで撮影することができる。なお、メカシャッター時のレリーズタイムラグは約76msとなっている。

このほか、3枚の画像を連続撮影・合成するHDR撮影も強化されて、EOS R3では、電子シャッターとHDR PQ(HEIF)に対応。最大約3000nitのHDR画像を生成することが可能になっている。レスポンスもよくなり、最高約0.02秒で3画像の撮影が完了するようになった。

ボディ内5軸手ブレ補正を搭載。レンズ側の手ブレ補正との協調制御により、最大8.0段分の補正効果を発揮する

ボディ内5軸手ブレ補正を搭載。レンズ側の手ブレ補正との協調制御により、最大8.0段分の補正効果を発揮する

EOS Rシリーズ最速AFを実現。被写体検出機能も大幅に進化。視線入力AFも搭載

EOS R3は、AFシステムに、縦横とも最大約100%の測距エリアを持つ「デュアルピクセルCMOS AF II」を採用し、追従性にすぐれた高速・高精度なAFを実現。電子シャッター撮影時に最高60fpsのAF演算およびトラッキング演算を同時に行えるようになっており、最高約30コマ/秒の高速連写中でも精度の高いAFが可能だ。AFの合焦時間はEOS Rシリーズ最速となる最高約0.03秒を達成している。AFの低輝度限界はEV-7.5で、肉眼では被写体の視認が難しい暗い環境下でもAFが可能だ。AFエリアの大きさをカスタマイズできる「フレキシブルゾーン」も新たに搭載している。

さらに、ディープラーニング技術を活用したアルゴリズム「EOS iTR AF X」を強化し、被写体検出機能も進化。人物の検出は従来の「瞳」「顔」「頭部」に加えて、新たに「胴体」の検出も可能になった。細かいアルゴリズムも刷新し、瞳は、横顔やメイクをした状態、マスク装着時などでもとらえることが可能に。頭部は、フードやヘルメットを被っている状態でも検出できるようになった。動物(犬・猫・鳥)の検出は、「瞳」「顔」「全身検出」に対応。乗り物(モータースポーツにおける車・バイク)の検出も可能で、「全体」のほか、ドライバーやライダーのヘルメットなど重要部位を検出する「スポット検出」を設定することもできる。

横顔やメイク、マスク装着時でも瞳の検出が可能

横顔やメイク、マスク装着時でも瞳の検出が可能

頭部はフードやヘルメットを被っている状態でも検出できる

頭部はフードやヘルメットを被っている状態でも検出できる

乗り物(モータースポーツにおける車・バイク)の検出にも対応

乗り物(モータースポーツにおける車・バイク)の検出にも対応

さらに、キヤノンのデジタルカメラとして初めて、静止画撮影時における視線入力AFを搭載したのも見逃せない。カメラが撮影者の視線を検出し、視線の位置に合わせてAFフレーム/AFエリアを移動する機能で、より直感的に被写体を選択して撮影することが可能となっている。

視線入力AFの利用イメージ。視線の位置とボタン操作(初期設定はシャッターボタン半押し)によってAFフレームを選択・移動し、即座にAF撮影を始めることができる

視線入力AFの利用イメージ。視線の位置とボタン操作(初期設定はシャッターボタン半押し)によってAFフレームを選択・移動し、即座にAF撮影を始めることができる

視線入力AFの基本原理は角膜反射法で、ファインダー内の赤外線LEDから赤外光を投射し、反射光を約7560万画素の視線検出センサーでとらえることで注視点を算出する

視線入力AFの基本原理は角膜反射法で、ファインダー内の赤外線LEDから赤外光を投射し、反射光を約7560万画素の視線検出センサーでとらえることで注視点を算出する

6K/60pのRAW動画記録や4K/120pのハイフレームレート記録に対応

動画撮影機能は、6K(6000×3164)/60pのRAWデータ(12bit)の内部記録を実現。4K/120pのハイフレームレート記録も可能だ。60pまでの4K記録であれば、クロップなしの6Kオーバーサンプリングによる、モアレやノイズを低減した高画質な処理が可能となっている。

さらに、通常の8bit記録のほか、HDR PQ動画(10bit)や、キヤノン独自のLogガンマCanon Log 3(10bit)にも対応。HDMI出力は、4:2:2 10bitの4K/60p出力に対応しており、HDR PQ動画の出力も可能だ。出力端子はHDMIマイクロ(タイプD)。

さらに、「Cinema EOS」を除くEOSシリーズで初めて、連続記録時間を30分以上に拡大。動画記録サイズや撮影環境によるが、最長6時間(ハイフレームレート時は最長1時間30分)の記録が可能となっている。

縦位置グリップ一体型初のバリアングル液晶を採用。マルチアクセサリーシューも搭載

電子ビューファインダー(EVF)には、約576万ドットの表示パネルによるOLEDファインダーを採用。リフレッシュレートは最高119.88fpsで、滑らかな映像表示を実現する。光学系にガラスモールド非球面レンズを2枚採用するなどして、画面の隅まで色にじみや歪みの少ない見えを実現しているのも特徴だ。倍率は約0.76倍で、アイポイントは約23mm。さらに、一眼レフの光学ファインダーのような見えを再現する表示モード「OVFビューアシスト」も搭載。このモードを使えれば、ピクチャースタイルの設定に関わらず、見たままに近い色味の表示になる。また、絞り込みボタンを押さなくても、常に被写界深度をシミュレーションして表示できる「露出+絞り」設定も追加されている。

液晶モニターは、約415万ドット表示の高精細な3.2型バリアングル液晶(タッチパネル対応)を採用。EOSシリーズの縦位置グリップ一体型モデルとしては初のバリアングル液晶搭載モデルとなっている。

約576万ドットのEVFと、約415万ドットのバリアングル液晶モニターを採用

約576万ドットのEVFと、約415万ドットのバリアングル液晶モニターを採用

左がEOS R3で、右がEOS-1D X Mark III。EOS R3は、スマートコントローラーを搭載するなどして、EOS-1D Xシリーズと共通性のある操作性を採用している

左がEOS R3で、右がEOS-1D X Mark III。EOS R3は、スマートコントローラーを搭載するなどして、EOS-1D Xシリーズと共通性のある操作性を採用している

撮影情報を確認できる表示パネルを上面に搭載。撮影モードはEOS R5などと同様、右手側の専用ボタンを押して選択する仕様だ

撮影情報を確認できる表示パネルを上面に搭載。撮影モードはEOS R5などと同様、右手側の専用ボタンを押して選択する仕様だ

CFexpressカード(Type B対応、VPG400対応)と、SDメモリーカード(UHS-II対応)のデュアルスロットを採用

CFexpressカード(Type B対応、VPG400対応)と、SDメモリーカード(UHS-II対応)のデュアルスロットを採用

EOS R3の底面

EOS R3の底面

ボディの外装にはマグネシウム合金を採用。本体とフロントカバーを一体化することで、高い剛性と放熱性、軽量化を実現している。さらに、外装カバーの合わせ部にシーリング部材を組み込み、操作ボタンの多くにシリコーンゴムブーツを配置するなどの工夫により、EOS-1D Xシリーズと同等の防塵・防滴構造も実現した。

マグネシウム合金製の外装で堅牢性を確保

マグネシウム合金製の外装で堅牢性を確保

各所にシーリングを施し、部品を高精度化することで高い防塵・防滴性も実現

各所にシーリングを施し、部品を高精度化することで高い防塵・防滴性も実現

インターフェイス類では、EOS Rシリーズとして初めてEthernet端子を装備。有線LANの高速かつ安定した通信環境で、スタジオ内でのFTP転送や、遠距離でのリモート撮影などが行える。また、USB Type-C端子を備え、画像転送アプリ「Mobile File Transfer」をインストールしたスマートフォンとUSBを介して接続することも可能。5G回線対応のスマートフォンであればより高速な画像転送が行える。ワイヤレス通信機能としては、2.4GHz/5GHz帯デュアルバンド対応のWi-FiとBluetoothを搭載。カメラだけでFTP転送や、「EOS Utility」を使ったリモート操作などが可能となっている。

左側面に、マイク入力/ライン入力端子、ヘッドホン端子、シンクロ端子、USB Type-C、HDMIマイクロ出力(タイプD)、Ethernet端子などのインターフェイス類を搭載。対応バッテリーはEOS-1D X Mark IIIと同じ「LP-E19」で、撮影可能枚数は約440枚

左側面に、マイク入力/ライン入力端子、ヘッドホン端子、シンクロ端子、USB Type-C、HDMIマイクロ出力(タイプD)、Ethernet端子などのインターフェイス類を搭載。対応バッテリーはEOS-1D X Mark IIIと同じ「LP-E19」で、撮影可能枚数は約440枚

EOS R3は、次世代のインターフェイスとしてマルチアクセサリーシューを搭載するのも特徴だ。新しいコネクタータイプの接点部を採用することで、電源供給や高速データ通信などの機能拡張を実現しており、対応するアクセサリーとの組み合わせにより、動画撮影時の音声のデジタル入力や、静止画撮影時の外部ストロボのコントロールなどが行える。

電源供給や高速データ通信など機能を拡張したマルチアクセサリーシューを搭載

電源供給や高速データ通信など機能を拡張したマルチアクセサリーシューを搭載

EOS R3のリリースにあわせて、マルチアクセサリーシュー対応の各種アクセサリーを用意。マイクでは、デジタル音声出力に対応した、クリップオンタイプの「DM-E1D」をラインアップする

EOS R3のリリースにあわせて、マルチアクセサリーシュー対応の各種アクセサリーを用意。マイクでは、デジタル音声出力に対応した、クリップオンタイプの「DM-E1D」をラインアップする

スマートフォンを固定できるスマートフォンリンクアダプター「AD-P1」(※幅が60〜80oのAndroidスマートフォン用)も用意。アダプターとスマートフォンを専用ケーブルで接続するため、カメラ側面のUSB端子に別途ケーブルを差し込む必要がなく、カメラのホールド性が損なわれないのが特徴だ

スマートフォンを固定できるスマートフォンリンクアダプター「AD-P1」(※幅が60〜80oのAndroidスマートフォン用)も用意。アダプターとスマートフォンを専用ケーブルで接続するため、カメラ側面のUSB端子に別途ケーブルを差し込む必要がなく、カメラのホールド性が損なわれないのが特徴だ

このほか、防塵・防滴性を備えた従来のアクセサリー(計7種類)を、防塵・防滴性を維持したまま装着できるシューアダプター「AD-E1」(左)と、バッテリーレスのコンパクトなスピードライトトランスミッター「ST-E10」(右)も用意している

このほか、防塵・防滴性を備えた従来のアクセサリー(計7種類)を、防塵・防滴性を維持したまま装着できるシューアダプター「AD-E1」(左)と、バッテリーレスのコンパクトなスピードライトトランスミッター「ST-E10」(右)も用意している

「RFレンズ」の新モデルとして超望遠ズームレンズ「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」も発表。全長約164.7mm、重量約635gの小型・軽量モデルで、別売のエクステンダーの装着にも対応している。発売は2021年10月下旬で、キヤノンオンラインショップの直販価格は90,500円(税込)

「RFレンズ」の新モデルとして超望遠ズームレンズ「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」も発表。全長約164.7mm、重量約635gの小型・軽量モデルで、別売のエクステンダーの装着にも対応している。発売は2021年10月下旬で、キヤノンオンラインショップの直販価格は90,500円(税込)

RFレンズ初の超広角・単焦点レンズ「RF16mm F2.8 STM」もリリースされた。焦点距離16mmの超広角ながら、「RF50mm F1.8 STM」とほぼ同等となる、最大径約69.2mm、長さ約40.2mm、重量約165の小型・軽量化を実現したのが特徴だ。発売は2021年10月下旬で、キヤノンオンラインショップの直販価格は41,800円(税込)

RFレンズ初の超広角・単焦点レンズ「RF16mm F2.8 STM」もリリースされた。焦点距離16mmの超広角ながら、「RF50mm F1.8 STM」とほぼ同等となる、最大径約69.2mm、長さ約40.2mm、重量約165の小型・軽量化を実現したのが特徴だ。発売は2021年10月下旬で、キヤノンオンラインショップの直販価格は41,800円(税込)

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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