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キヤノン「EOS R5 C」発表。8K/60p RAW記録などプロ向けの機能を搭載

キヤノンは2022年1月19日、映像制作機器「CINEMA EOS SYSTEM」シリーズの新モデルとして、「RFマウント」を採用する「EOS R5 C」を発表した。フルサイズミラーレスカメラ「EOS R5」をベースに、動画撮影機能を強化した、プロ向けのデジタルシネマカメラだ。発売は2022年3月上旬の予定で、市場想定価格は65万円前後(税込)。ここでは「EOS R5」との違いを交えながら「EOS R5 C」の特徴をまとめよう。

「CINEMA EOS SYSTEM」シリーズのラインアップに追加された「EOS R5 C」。「CINEMA EOS SYSTEM」の他モデルと同様、シャッターボタンと「Cマーク」のバッジは赤色になっている

「CINEMA EOS SYSTEM」シリーズのラインアップに追加された「EOS R5 C」。「CINEMA EOS SYSTEM」の他モデルと同様、シャッターボタンと「Cマーク」のバッジは赤色になっている

8K/60p RAWの内部記録を実現したハイブリッドモデル。ボディ内手ブレ補正は非搭載

「EOS R5 C」は、「EOS R5」の基本スペックをベースに、より動画撮影に軸足を置いたモデル。「EOS R5」からボディ内手ブレ補正を省略するなど一部機能の違いはあるものの、有効約4500万画素のCMOSセンサーと映像エンジン「DIGIC X」はそのまま搭載し、「CINEMA EOS SYSTEM」シリーズのハイレベルな動画撮影機能と、最高約20コマ/秒の高速連写などの静止画撮影機能を組み合わせたハイブリッドモデルとなっている。

動画撮影は、「CINEMA EOS SYSTEM」シリーズでは初となる、8K/60p RAWデータの内部記録を実現したのがトピック(※8K/60p RAW記録は外部電源による給電が前提)。採用するRAW記録フォーマットは、12bit記録の情報量を維持しながらデータ量を抑える「Cinema RAW Light」。「Cinema RAW Light」は、高画質な「RAW HQ」、通常画質の「RAW ST」、軽量記録の「RAW LT」の3種類を選択でき、8K/60p RAW記録は「RAW LT」での対応となっている。

また、汎用性の高いMP4形式での8K/30p記録にも対応。8K記録の際は軽量のProxy動画の同時記録も可能だ。さらに、8K全画素読み出しのオーバーサンプリングによる4K 4:2:2 10bit動画の記録も実現。4K/120pのハイフレームレート(HFR)動画もクロップなしの4:2:2 10bitで記録できる。HFR撮影時もAFの使用に対応し、音声を別ファイル(WAV)で記録することも可能だ。

このほかの動画撮影機能では、キヤノン製品で多くで採用されているガンマカーブ「Canon Log 3」を搭載。HDRはHLGとPQに対応している。HLGはITU-R BT.2100に準拠し、Vivid (ITU-R BT.2390記載のTraditional Colour相当)、BT.2100 (BT.2390記載のNatural Colour相当)から色味を選択できる。また、動画撮影時は低感度モードと高感度モードの基準感度の切り替えに対応している(※自動切換えモードも搭載)。

「EOS R5 C」に大口径・標準ズームレンズ「RF24-70mm F2.8 L IS USM」を装着したイメージ

「EOS R5 C」に大口径・標準ズームレンズ「RF24-70mm F2.8 L IS USM」を装着したイメージ

新開発の放熱構造と放熱ファンで長時間の動画撮影を実現

ベースとなる「EOS R5」では動画撮影の連続撮影時間に制限が設けられており、8K/4K動画撮影時は本体の温度上昇に気を配りながら使用する必要があるが、「EOS R5 C」はその点を大幅に改善。エアフローと基板が独立する新開発の放熱構造と、本体内の温度上昇を軽減する放熱ファンを採用したことで、「EOS R5」と比べて長時間のノンストップ記録が可能となっている。

エアフローを改善した放熱構造と放熱ファンを搭載。「EOS R5」よりも長時間の動画撮影が行える

エアフローを改善した放熱構造と放熱ファンを搭載。「EOS R5」よりも長時間の動画撮影が行える

動画撮影時のAFは、「EOS R5」の「デュアルピクセルCMOS AF II」ではなく「デュアルピクセルCMOS AF」になっており、動物や乗り物の被写体検出には非対応(※静止画撮影時は「EOS R5」と同じ「デュアルピクセルCMOS AF II」)。ディープラーニング技術を導入して開発した被写体認識アルゴリズム「EOS iTR AF X」を搭載しており、高精度な人物検知(瞳、顔、頭部)が可能となっている。「CINEMA EOS SYSTEM」シリーズとしては初の「瞳検出」対応だ。人物の顔が検出された場合のみフォーカスを動作させる(※顔検出が外れた場合はピントをそこで固定する)「顔限定AF」も搭載している。AF速度は10段階、AF被写体追従特性は7段階でカスタマイズが可能。ピント位置の前ピン/後ピンの情報を伝えるユーザーインターフェイス「デュアルピクセルフォーカスガイド」も備わっている。

また、動画撮影時は電子式の手ブレ補正が可能(※静止画撮影時には非対応)。レンズ内手ブレとの協調制御を行う「コンビネーションIS」にも対応している。

動画/静止画撮影の素早い切り替えが可能。Timecode入出力端子なども装備

操作性やインターフェイスは、動画撮影を意識して「EOS R5」からカスタマイズが施されている。

操作性では、電源レバーが動画撮影と静止画撮影の切り替えも兼ねるようになり、両撮影を素早く起動することが可能。アサインボタンは計13個用意されていて、割り当てる機能をカスタマイズできる。メニューボタンを押しながら任意のアサインボタンを押すことで、キー機能一覧が表示される仕組みで、各ボタンの機能の確認・変更を素早く行える。

電源レバーは電源オフを挟んで左が静止画撮影、右が動画撮影の起動になっている

電源レバーは電源オフを挟んで左が静止画撮影、右が動画撮影の起動になっている

ボディの上面や背面に計13個のアサインボタンを用意。液晶モニターはバリアングル方式の3.2型液晶(約210万ドット、タッチパネル対応)

ボディの上面や背面に計13個のアサインボタンを用意。液晶モニターはバリアングル方式の3.2型液晶(約210万ドット、タッチパネル対応)

インターフェイスでは、マルチカメラ撮影に必須のTimecode入出力端子を装備。アクセサリーシューは、「EOS R3」にも採用された新型のマルチアクセサリーシューで、ティアックのXLRマイクアダプター「CA-XLR2d-C」を接続することで、XLR端子を使用した4チャンネルでのオーディオ収録が可能となる。ケーブルプロテクターも付属している。

CFexpressカード(Type B)とSDカード(UHS-II対応)のデュアルスロットを搭載。8K RAW内部記録時にも4K XF-AVCやMP4、Proxyデータなどの同時記録が可能だ

CFexpressカード(Type B)とSDカード(UHS-II対応)のデュアルスロットを搭載。8K RAW内部記録時にも4K XF-AVCやMP4、Proxyデータなどの同時記録が可能だ

本体サイズは約142(幅)×101(高さ)×111(奥行)mmで、重量は約680g(本体のみ)。「EOS R5」と比べると30g重くなっているが、デジタルシネマカメラとしては小型・軽量だ。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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