レビュー

世界初! 超広角10mm対応のAFレンズ「RF10-20mm F4 L IS STM」レビュー

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ミラーレスカメラ用のAFレンズはついに焦点距離10mm対応へ。キヤノンから2023年10月27日に発売された、RFマウント用の「RF10-20mm F4 L IS STM」は、焦点距離10mmの超広角で撮影できるのが特徴の注目製品。使いこなしを含めて詳しくレビューしよう。

焦点距離10mmに対応する「RF10-20mm F4 L IS STM」。フルサイズミラーレス「EOS R5」と組み合わせて試用した

焦点距離10mmに対応する「RF10-20mm F4 L IS STM」。フルサイズミラーレス「EOS R5」と組み合わせて試用した

一眼カメラ用のAFレンズとして焦点距離10mmを初めて実現

「RF10-20mm F4 L IS STM」は、一眼カメラ用のフルサイズ対応AFレンズとして焦点距離10mmを初めて実現した超広角ズームレンズ。これまで、魚眼レンズを除いて、AFレンズでは一眼レフ用の「EF11-24mm F4L USM」(2015年2月発売)の焦点距離11mmが最広角だったが、本レンズはそこからさらに1mm焦点距離が短く(画角が広く)なったのだ。

まずは、本レンズの焦点距離10mmがどのくらい広く撮れるのかをご覧いただきたい。以下に、焦点距離10mm/12mm/14mm/16mm/18mm/20mmそれぞれで同じシーンを撮影した作例を掲載する。

超広角域の焦点距離の違い(広い屋内)

焦点距離10mm〜20mmそれぞれの画角イメージ

焦点距離10mm〜20mmそれぞれの画角イメージ

超広角域の焦点距離の違い(狭い屋内)

焦点距離10mm〜20mmそれぞれの画角イメージ

焦点距離10mm〜20mmそれぞれの画角イメージ

本レンズの焦点距離10mm時の画角は、水平121度55分、垂直100度25分、対角線130度25分。上の比較作例を見ると、焦点距離10mmは、超広角レンズとしては一般的なスペックである焦点距離14mm/16mmと比べて、ひと回り以上画角が広いことがわかる。

さらに、超広角域は焦点距離1〜2mmの違いが大きく、焦点距離12mmと比べてもひと回り広い。一般的には焦点距離18mm/20mmでも十分にワイドなのだが、焦点距離10mmと見比べると「画角が狭い」と錯覚してしまうくらいだ。

小型・軽量な鏡筒に「Lレンズ」の高性能を凝縮

「RF10-20mm F4 L IS STM」の大きな特徴として押さえておきたのが、焦点距離10mmに対応しながら小型・軽量なことだ。

そのサイズは約83.7(最大径)×112(全長)mmで、重量は約570g。一眼レフ用の「EF11-24mm F4L USM」と比べると、最大径は24.3mm、全長は20mm小さく、重量は610gも軽い。約84.1(最大径)×99.8(全長)mm/約540gの「RF14-35mm F4 L IS USM」よりも少し大きい程度のサイズ感に収まっている。

左が「RF10-20mm F4 L IS STM」で、右が「EF11-24mm F4L USM」。「RF10-20mm F4 L IS STM」のほうがひと回りコンパクトだ

左が「RF10-20mm F4 L IS STM」で、右が「EF11-24mm F4L USM」。「RF10-20mm F4 L IS STM」のほうがひと回りコンパクトだ

重量は約570g。スペックを考慮すると軽く、手持ちでも撮影しやすい

重量は約570g。スペックを考慮すると軽く、手持ちでも撮影しやすい

高性能な「Lレンズ」だけあって、スーパーUDレンズ1枚、UDレンズ3枚を含む12群16枚の充実したレンズ構成を採用するのも特徴だ。ズーム全域で色収差を抑え、色にじみの少ない高画質な描写を実現している。

AF機構は、リードスクリュータイプのSTMを採用するうえ、フォーカスリングの軽量化も実現しており、高速・高精度なピント合わせが可能。リードスクリュータイプのSTMと位置検出センサーの組み合わせを初めて採用するのもトピックで、電源オン時にフォーカスレンズがリセットされず、起動時間が短いのも使いやすい点だ。

ズーミングによって鏡筒内で前玉が少し前後する仕様。前玉は広角端(左)で最も前進し、焦点距離16mm程度(右)で最も後退する。その繰り出し量は8mm程度

ズーミングによって鏡筒内で前玉が少し前後する仕様。前玉は広角端(左)で最も前進し、焦点距離16mm程度(右)で最も後退する。その繰り出し量は8mm程度

手ブレ補正の性能も高く、レンズ単体で最大5.0段の補正効果を実現。ボディ内手ブレ補正を搭載する「EOS Rシリーズ」のカメラとの組み合わせでは、協調制御によって補正効果が最大6.0段(「EOS R3」使用時)に向上する。

さらに、広角レンズで発生しやすい画像周辺のブレを補正する周辺協調制御に新たに対応。
対応するカメラと組み合わせることで、レンズ内手ブレ補正やボディ内手ブレ補正では抑え切れない周辺ブレを、より強力に補正することができる。なお、本レンズ発売時点(2023年10月27日時点)で周辺協調制御に対応するカメラは「EOS R5」のみ。

レンズ左手側にフォーカスモードスイッチ、手ブレ補正スイッチ、レンズファンクションボタンを搭載。感度や露出補正などの機能を割り当てられるコントロールリングも備わっている

レンズ左手側にフォーカスモードスイッチ、手ブレ補正スイッチ、レンズファンクションボタンを搭載。感度や露出補正などの機能を割り当てられるコントロールリングも備わっている

かぶせ式の専用レンズキャップが付属

かぶせ式の専用レンズキャップが付属

焦点距離10mm対応ということで、さすがにレンズ前部にフィルターを装着することは不可。代わりに、カットしたゼラチンフィルターを差し込めるホルダーをレンズ後部に搭載している

焦点距離10mm対応ということで、さすがにレンズ前部にフィルターを装着することは不可。代わりに、カットしたゼラチンフィルターを差し込めるホルダーをレンズ後部に搭載している

なお、本レンズが大幅な小型・軽量化を実現できたのは、「RFマウント」のショートフランジバックを生かした設計を採用していることに加えて、カメラ側の電子補正を前提にしていることも大きい。「RFレンズ」の広角レンズでは一般的になってきているが、本レンズは、カメラ側の歪曲収差補正が自動的にオンなる仕様だ。

カメラ側の歪曲収差補正は自動的にオンになる。ユーザーがオン・オフを設定することはできない。キヤノン純正のRAW現像ソフト「Digital Photo Professional 4」でも、歪曲収差補正は自動的に(補正をオフにした状態でも強制的に)適用される

カメラ側の歪曲収差補正は自動的にオンになる。ユーザーがオン・オフを設定することはできない。キヤノン純正のRAW現像ソフト「Digital Photo Professional 4」でも、歪曲収差補正は自動的に(補正をオフにした状態でも強制的に)適用される

参考 レンズ単体の歪曲収差・周辺光量落ち

参考までに、本レンズ単体での収差具合がわかる比較画像を掲載する。電子的な補正(歪曲収差補正+周辺光量補正)が入ったJPEG撮って出しの写真と、「Adobe Photoshop」の「Camera Raw」プラグインを使用して、補正のない(レンズプロファイル未適用の)RAWデータをそのまま現像した写真を並べておく。

なお、発売日時点では、「Camera Raw」プラグインは本レンズのレンズプロファイルに対応していないため、RAW現像を行う場合は、歪曲収差を自動的に補正してくれるボディ内RAW現像機能、もしくは純正のRAW現像ソフト「Digital Photo Professional 4」を使用しよう。

焦点距離10mmでも画面全域で高い解像感を発揮

「RF10-20mm F4 L IS STM」は、「Lレンズ」らしいすぐれた光学設計を採用しており、超広角ズームレンズながらズーム全域かつ画像全域でシャープな特性を発揮する。

以下に、焦点距離10mmでの解像力をチェックした切り出し画像を掲載しよう。同じシーンにてF4/F5.6/F8/F11の絞り値で撮り比べてみた。

緑色の枠が中央部の切り出し範囲、オレンジ色の枠が周辺部の切り出し範囲

緑色の枠が中央部の切り出し範囲、オレンジ色の枠が周辺部の切り出し範囲

中央部の切り出し画像

写真中央部の比較(F4〜F11)

写真中央部の比較(F4〜F11)

周辺部の切り出し画像

写真周辺部の比較(F4〜F11)

写真周辺部の比較(F4〜F11)

上記の切り出し画像を見ると、中央部は絞り開放(F4)から非常にシャープな描写なのがわかる。周辺部も絞り開放から解像感は十分に高く、F5.6〜F8くらいまで絞るとさらによくなる。焦点距離10mmでの撮影していることを考慮すると驚異的な解像性能だ。

なお、F11では回折による解像感の低下が少し見られる。本レンズの焦点距離10mmでは、奥行きのあるシーンで手前から奥までしっかりピントを合わせたい場合以外、基本的にそれほど絞る必要はないだろう。

焦点距離10mmでの周辺光量落ちは、以下の比較画像をチェックしてほしい。カメラ側の周辺光量補正をオンにした状態でも、絞り開放だと少し残る。F5.6まで絞ると一気に改善し、F8あたりでまったく気にならなくなる。

F4〜F11の周辺光量落ちをチェック(周辺光量補正:オン)

周辺協調制御によって手持ちでも周辺までシャープに撮れる

「RF10-20mm F4 L IS STM」の機能で注目したいのが、新たに搭載した周辺協調制御だ。この機能は、広角レンズ特有の周辺ブレを強力に補正するというもの。

今回、周辺協調制御対応の「EOS R5」と本レンズを組み合わせて夜景を手持ちで撮影し、周辺ブレの補正具合をチェックしてみた。結果、遠景を撮る場合、シャッタースピードが1秒前後でも(両肘を突いた場合はシャッタースピードが1秒を超えても)、周辺まで手ブレの影響を抑えることができた。

もちろん、撮影したすべての写真で完璧に周辺ブレを抑えられたわけではなく、1秒前後のシャッタースピードでの成功率は大体50〜60%。微細なブレを完璧に抑えたい場合は三脚を使用したいことに変わりはないが、小型・軽量さと相まって、手持ちでアクティブに夜景撮影を楽しめる超広角レンズだと感じた次第だ。

焦点距離10mm/シャッタースピード1秒で撮影

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F6.3、1秒、ISO500、-0.3EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:ディテール重視、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(8192×5464、15.2MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F6.3、1秒、ISO500、-0.3EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:ディテール重視、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、15.2MB)

周辺部の切り出し画像

周辺部の切り出し画像

焦点距離10mm/シャッタースピード1.6秒で撮影(両肘を突いて撮影)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F4、1.6秒、ISO125、ホワイトバランス:色温度(4000K)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(8192×5464、13.7MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F4、1.6秒、ISO125、ホワイトバランス:色温度(4000K)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、13.7MB)

周辺部の切り出し画像

周辺部の切り出し画像

焦点距離10mm/シャッタースピード0.6秒で撮影

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F6.3、0.6秒、ISO640、ホワイトバランス:色温度(4000K)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、ボディ内RAW現像(デジタル露出補正+0.3)撮影写真(8192×5464、15.9MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F6.3、0.6秒、ISO640、ホワイトバランス:色温度(4000K)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、ボディ内RAW現像(デジタル露出補正+0.3)
撮影写真(8192×5464、15.9MB)

周辺部の切り出し画像

周辺部の切り出し画像

焦点距離20mm/シャッタースピード1秒で撮影(両肘を突いて撮影)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、20mm、F4、1秒、ISO160、ホワイトバランス:色温度(4000K)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(8192×5464、13.5MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、20mm、F4、1秒、ISO160、ホワイトバランス:色温度(4000K)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、13.5MB)

周辺部の切り出し画像

周辺部の切り出し画像

逆光耐性も申し分ない

「RF10-20mm F4 L IS STM」を使ってみて期待以上だと感じたのが、逆光耐性だ。前玉が出っ張った構造の超広角ズームレンズなのでフレア・ゴーストが発生しやすいと思っていたが、コーティングに「ASC」と「SWC」を採用していることもあって、意外に逆光に強い。

さすがに、太陽など強い光源が画面内(もしくは画面近く)にあるとフレア・ゴーストは発生するものの、焦点距離10mm対応ということを考慮するとよく抑えられている。太陽などは被写体で光線を切るように工夫すればフレア・ゴーストはかなり低減できる。

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F14、1/200秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:強め、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(8192×5464、12.0MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F14、1/200秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:強め、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、12.0MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F11、1/125秒、ISO100、+1.0EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(5464×8192、12.0MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F11、1/125秒、ISO100、+1.0EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(5464×8192、12.0MB)

狭い屋内で威力を発揮する“焦点距離10mm”

ここからは、使いこなし方の説明を含めて、「RF10-20mm F4 L IS STM」で撮影した写真を紹介していこう。

水平・垂直を出して面を意識して撮るのがポイント

「RF10-20mm F4 L IS STM」のような超広角レンズは、広い風景をワイドに撮ること以上に、屋内の限られたスペースを奥行き感のある画で撮りたい場合に威力を発揮する。注意したいのは、少しアングルを付けただけでパースが強調されてしまうこと。

特に焦点距離10mmという超広角では、ちょっとした構図のズレで直線が歪んだような不自然な画になってしまう。屋内の狭い空間を撮影する場合は、できる限り水平・垂直を出したうえで、面を意識して撮るとよいだろう。

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F6.3、1/15秒、ISO100、+0.3EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(5464×8192、9.5MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F6.3、1/15秒、ISO100、+0.3EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(5464×8192、9.5MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F6.3、1/5秒、ISO100、+0.7EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(8192×5464、11.8MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F6.3、1/5秒、ISO100、+0.7EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、11.8MB)

構図や被写体を工夫することでバリエーションが出る

以下に掲載する3枚の作例は、屋内にて同じモチーフ(3つの椅子)を焦点距離10mmで撮影したもの。屋内での超広角は使い道が限られる印象もあるが、構図や前後に配置する被写体を工夫することで、十分にバリエーションを出せる。

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F8、1/6秒、ISO100、+0.7EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:強め、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(8192×5464、11.9MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F8、1/6秒、ISO100、+0.7EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:強め、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、11.9MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F8、1/5秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:強め、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(5464×8192、13.0MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F8、1/5秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:強め、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(5464×8192、13.0MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F4、1/8秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:強め、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(8192×5464、9.6MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F4、1/8秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:強め、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、9.6MB)

超広角域で画角を調整できるのが便利

「RF10-20mm F4 L IS STM」は、焦点距離10〜20mmの超広角域で画角を調整できるのが便利だ。被写体との距離や主被写体の大きさ、パースなどを考慮しながら最適な焦点距離を追い込むことができる。

フレーミングの結果、焦点距離12mmで撮影した作例

以下に掲載する作例は、焦点距離、撮影距離、パースを探りながらフレーミングし、結果、焦点距離12mmで撮影した写真。主被写体の建物の手前にある石畳の大きさや視線誘導を意識しながら、周辺の被写体の入れ込み方にも配慮して構図を決定している。

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F4、1/8秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:強め、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(8192×5464、9.6MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F4、1/8秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:強め、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、9.6MB)

参考までに、上の作例と同じ位置から焦点距離10mm〜20mmので撮影した写真を以下に掲載しておこう。

焦点距離10mmで大きな建物を撮影した作例

次に紹介する作例は、焦点距離10mmで大きな建物を撮影したもの。主被写体の手前にある柵などを入れ込むことで、奥行き感のある写真に仕上がった。超広角は手前にどう被写体を配置するかが使いこなしのポイントになる。

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F14、1/200秒、ISO100、+0.7EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:弱め、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(8192×5464、17.3MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F14、1/200秒、ISO100、+0.7EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:弱め、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、17.3MB)

ちなみに、以下の作例は、上の作例と同じ位置から焦点距離20mmで撮影したもの。見比べると焦点距離10mmの“広さ”が伝わることだろう。

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、20mm、F14、1/200秒、ISO100、+0.3EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:弱め、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(8192×5464、16.3MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、20mm、F14、1/200秒、ISO100、+0.3EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:弱め、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、16.3MB)

なお、焦点距離10〜14mm程度の超広角域で青空を撮ると、時間帯(太陽光の高さ・角度)にもよるが、画角が広すぎて空のグラデーションが不自然になる場合がある。具体的には、写真の周辺部のほうが中央部よりも明るく見えてしまうことがある。気になるようなら、周辺光量補正をあえてオフにしたり効果を弱くしたりして、ビネット効果を強調してみるのもよいだろう。

あえてアングルを付けてパースを強調してみる

先に、超広角レンズは少しのアングルでパースが効いてしまうと紹介したが、あえてレンズの角度を付けてパースを強調するのも面白い。焦点距離10mmでのこの撮り方は被写体探しが難しいが、撮っていてとても楽しいのも事実。「RF10-20mm F4 L IS STM」を手に入れたなら、超広角の作法にあまり縛られず「焦点距離10mmの世界」を自由に味わってみてほしい。

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F11、1/25秒、ISO100、+1.7EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(8192×5464、15.7MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F11、1/25秒、ISO100、+1.7EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、15.7MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F11、1/25秒、ISO100、-1.3EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(8192×5464、12.5MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F11、1/25秒、ISO100、-1.3EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、12.5MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F11、1/50秒、ISO100、+1.0EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(8192×5464、15.2MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F11、1/50秒、ISO100、+1.0EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、15.2MB)

超広角のマクロ撮影は難しい

「RF10-20mm F4 L IS STM」の最短撮影距離は0.25mで、最大撮影倍率は0.12倍(望遠端時)。決してマクロに強いわけではなく、また超広角域ということで、被写体にかなり近づいても画面の中での主被写体の大きさが小さく、なかなか使いどころが難しい。

手前が広く写るため、レンズの影が被写体に落ちてしまうことが多くなるのも使いにくいところだ。本レンズに関しては、マクロ撮影はおまけ程度に考えておいたほうがよいだろう。

なお、本レンズのスペック上の最短撮影距離は0.25mだが、これはキヤノンの基準を満たすAF性能と画質を担保できる距離として記載されているとのこと。実測では、広角端では0.22m程度、望遠端では0.19m程度の距離でもAFでピント合わせが行えた。

焦点距離10mmで撮影したマクロ作例

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F4、1/640秒、ISO100、-1.0EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(8192×5464、10.0MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、10mm、F4、1/640秒、ISO100、-1.0EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、10.0MB)

焦点距離20mmで撮影したマクロ作例

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、20mm、F4、1/80秒、ISO200、+1.0EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(8192×5464、8.7MB)

EOS R5、RF10-20mm F4 L IS STM、20mm、F4、1/80秒、ISO200、+1.0EV、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、8.7MB)

まとめ 手に入れて使い倒したい至高の超広角ズームレンズ

「RF10-20mm F4 L IS STM」は、焦点距離10mmに対応しながら重量約570gという圧倒的な機動力と、「RFレンズ」の最新モデルらしいすぐれた描写性能を両立した超広角ズームレンズだ。

強力な手ブレ補正機能によって、暗い屋内や夜景など手ブレが気になるシーンでも手持ちでガンガン撮れるのも魅力で、建物や風景、屋内などを超広角域で撮影している人にとって、手に入れて使い倒したい至高の1本である。

価格は、2023年10月27日時点での価格.com最安価格が338,580円(税込)。一眼レフ用の「EF11-24mm F4L USM」の発売時点での価格設定が450,000円(税別)だったので、高額な製品ではあるが「Lレンズ」の超広角ズームとしては安くなっている。

物価高によってカメラやレンズが全体的に値上がりしている中で、「EF11-24mm F4L USM」の買い替え本命モデルとして登場しながら、より安価な価格設定なのはうれしい。

真柄利行(編集部)
Writer / Editor
真柄利行(編集部)
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣とこだわりを持っています。フォトグラファーとしても活動中。パソコンに関する経験も豊富で、パソコン本体だけでなく、Wi-Fiルーターやマウス、キーボードなど周辺機器の記事も手掛けています。
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