ここでは、「画質レビューPart1」での検証をベースに、より高性能な標準ズームレンズを使用して画質を比較してみた。検証のポイントは、「画質レビューPart1」と同じように、広角端での画像中央部と周辺部の解像感だ。
使用したレンズ
撮影時の設定
ズームの広角端に固定し、F8、F5.6、F3.5(※「X-T1」はF3.6、「α7」はF4)に設定を変更しながら6モデルで同じ被写体を撮影した。35mm判換算の焦点距離は、「OM-D E-M1」が24mm、「X-T1」が27mm、「α7」が24mm(レンズ焦点距離のまま)、「EOS 70D」が24mm、「D7100」が24mm、「K-3」が24mm。撮影設定は基本的に初期設定とし、絞り優先モード、マルチ測光、オートホワイトバランス、常用域の最低感度(ISO100もしくはISO200)、最高クオリティの画質、スタンダード系の仕上がり設定で撮影している。なお、6モデルでできるかぎり露出感がそろうように、各モデルで露出補正を行い、明るさを調整している。
※以下に掲載する画像は、JPEG形式の撮影写真の一部分(300×225)をピクセル等倍で切り抜いた画像となっています。(撮影写真)をクリックすると、リサイズ・補正を行なっていない撮影写真が開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。
F8
ISO200、1/400秒、EV+0.7
(撮影写真)
F5.6
ISO200、1/800秒、EV+0.7
(撮影写真)
F3.5
ISO200、1/2000秒、EV+0.7
(撮影写真)
「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」は、「画質レビューPart1 低価格な標準ズームレンズ編」で使用した「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ」よりも高性能な「M.ZUIKO PRO」シリーズのレンズ。価格.com最安価格で2倍以上の差があるレンズだが、その写りはすばらしい。特に、画像全体での画質の均一さがすごい。「画質レビューPart1」で使用した「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ」も周辺部で高いシャープ感が得られるレンズであったが、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」は、さらにワンランク上をいっている。F3.5でもF8とほとんど変わらない解像感が得られている。
また、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」は、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ」と比べて、高いコントラストが得られるのもポイント。仕上がり設定は同じ「ナチュラル」で、全体的にすっきりとした色味なのは変わりないが、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」では、より深い色に仕上がっているように感じる。
※以下に掲載する画像は、JPEG形式の撮影写真の一部分(300×225)をピクセル等倍で切り抜いた画像となっています。(撮影写真)をクリックすると、リサイズ・補正を行なっていない撮影写真が開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。
F8
ISO200、1/400秒、EV0.0
(撮影写真)
F5.6
ISO200、1/680秒、EV0.0
(撮影写真)
F3.6
ISO200、1/1700秒、EV0.0
(撮影写真)
「X-T1」のレンズキットに付属する「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」を使用。「画質レビューPart1 低価格な標準ズームレンズ編」で使った「XC16-50mmF3.5-5.6 OIS」と比べると、全体的に解像感が上がっている。特に周辺部のシャープさが増しているのが高ポイントだ。非常に高い描写性能を持つズームレンズであることは間違いない。ただ、今回の検証では、明るめの露出になったことも影響しているとは思うが、F3.6でコントラストがやや低くなり、画面中央部でもややシャープ感が失われたのが気になった。
色味については、ややグリーン寄りで抜けのよい仕上がりになった。
※以下に掲載する画像は、JPEG形式の撮影写真の一部分(300×225)をピクセル等倍で切り抜いた画像となっています。(撮影写真)をクリックすると、リサイズ・補正を行なっていない撮影写真が開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。
F8
ISO100、1/320秒、EV+0.3
(撮影写真)
F5.6
ISO100、1/640秒、EV+0.3
(撮影写真)
ISO100、1/1000秒、EV+0.3
(撮影写真)
ここでは、高性能なカールツァイスレンズ「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS」を使用して撮影した。「画質レビューPart1 低価格な標準ズームレンズ編」のキットレンズ「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS」と比べると、コントラストが高く、画面周辺部でもシャープな描写となっている。開放付近での落ち込みも少ない。周辺部でも高い描写が得られるレンズだ。「α7」でワンランク上の画質を求めるのならば手に入れておきたい1本だ。
また、「画質レビューPart1」の「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS」ほどではないが、ややグリーン寄りの色に仕上がっている。
※以下に掲載する画像は、JPEG形式の撮影写真の一部分(300×225)をピクセル等倍で切り抜いた画像となっています。(撮影写真)をクリックすると、リサイズ・補正を行なっていない撮影写真が開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。
F8
ISO100、1/320秒、EV+0.3
(撮影写真)
F5.6
ISO100、1/640秒、EV+0.3
(撮影写真)
F3.5
ISO100、1/1600秒、EV+0.3
(撮影写真)
「EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM」は、「画質レビューPart1 低価格な標準ズームレンズ編」で使用したキットレンズ「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」と比べて、ズーム域が拡張している標準ズームレンズ。ワンランク上の標準ズームとして人気の高い1本だ。一般的に、ズーム域が広くなるとレンズ設計は難しくなるが、今回の検証では、「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」よりもよい結果となった。やや落ち込みは見られるものの、開放での描写がすばらしく、周辺部でもすぐれた解像感が得られた。
また、色味については、わずかにマゼンタ寄りの発色となり、「画質レビューPart1」と同じ傾向となった。
※以下に掲載する画像は、JPEG形式の撮影写真の一部分(300×225)をピクセル等倍で切り抜いた画像となっています。(撮影写真)をクリックすると、リサイズ・補正を行なっていない撮影写真が開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。
F8
ISO100、1/250秒、EV+0.3
(撮影写真)
F5.6
ISO100、1/500秒、EV+0.3
(撮影写真)
F3.5
ISO100、1/1000秒、EV+0.3
(撮影写真)
「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」は、「D7100」のキットレンズとして用意されているレンズ。「画質レビューPart1 低価格な標準ズームレンズ編」の「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II」と比べて異なるのは、より抜けがよくなり、クリアーな描写が得られること。開放では、絞ったときと比べて周辺部がわずかに甘くなるものの、十分に良好な結果となっている。
色傾向は「画質レビューPart1」と変わらず、ややシアンからグリーンに寄ったイメージ。「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II」よりも画角が広くなり、緑が鮮やかに再現されているのが印象的だ。
※以下に掲載する画像は、JPEG形式の撮影写真の一部分(300×225)をピクセル等倍で切り抜いた画像となっています。(撮影写真)をクリックすると、リサイズ・補正を行なっていない撮影写真が開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。
F8
ISO100、1/200秒、EV+0.3
(撮影写真)
F5.6
ISO100、1/400秒、EV+0.3
(撮影写真)
F3.5
ISO100、1/1250秒、EV+0.3
(撮影写真)
「smc PENTAX-DA★ 16-50mm F2.8ED AL[IF]SDM」は、高性能な★(スター)レンズに属する標準ズームレンズ。防塵・防滴構造を実現しているのも特徴だ。描写性能は非常に高いが、ピント面にややクセのあるレンズで、今回の検証ようなパンフォーカスでの撮影だと、開放付近ではあまり良質な結果は得られないようだ。「開放付近で描写が落ちる」というよりも、「開放でこういう描写になるように設計している」といったほうが適切かもしれない。今回の検証では、このレンズのよいところは引き出せなかった。
色味は、「画質レビューPart1」の似た傾向。素直な色再現性で、クリアーな描写となっている。
「画質レビューPart1」での結果と比べてみると、さすがに、より高性能なレンズを使っていることもあって、どのモデルでも画像の周辺部まで高画質が得られる傾向になった。その中でも、特に、絞り値を小さくしていっても画質の変化が少ないのは、オリンパス「OM-D E-M1」であった。「OM-D E-M1」は、「画質レビューPart1」でも良好な結果が得られており、レンズとボディのマッチングがうまくいっている印象を受ける。
なお、「画質レビューPart1」と同様、富士フイルム「X-T1」とソニー「α7」の作例ついては、他の4モデルと比べてわずかにアンダー目の仕上がりになったものを選んでいる。理由も「画質レビューPart1」と同じで、露出補正によって中間調が明るくなったため、他の4モデルとのバランスも見て、わずかにアンダー目のものとした。