ミラーレス一眼はどこまでデジタル一眼レフに迫る?

中上級者向けミラーレス&一眼レフ6モデル徹底比較

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「ミラーレス一眼カメラはエントリー向け」というのは、もう昔の話。昨年2013年の後半あたりから、ミラーレス一眼でも高性能で操作性にこだわったものが続々と登場しており、中上級者向けとして、デジタル一眼レフに肩を並べるハイエンドモデルが増えてきている。そこで今回の特集では、ミラーレス一眼も含めて、ボディ単体の価格が9万〜12万円程度を目安に、この夏に購入できる中上級者向けのデジタル一眼カメラ6モデルをピックアップして徹底比較。画質(解像感)を中心に、携帯性、操作性、オートフォーカス速度をレビューしよう。

今回ピックアップした6モデル

画質レビューPart1 低価格な標準ズームレンズ編

レンズキット付属の標準ズームレンズを中心に、各メーカーのレンズラインアップの中から、より低価格なものをピックアップして画質を比較。違いが出やすい、広角端での画像中央部と周辺部の解像感をチェックしてみた。

使用したレンズと撮影時の設定

使用したレンズ

撮影時の設定

ズームの広角端に固定し、F8、F5.6、F3.5に設定を変更しながら6モデルで同じ被写体を撮影した。35mm判換算の焦点距離は、「OM-D E-M1」が24mm、「X-T1」が24mm、「α7」が28mm(レンズ焦点距離のまま)、「EOS 70D」が29mm、「D7100」が27mm、「PENTAX K-3」が27mm。撮影設定は基本的に初期設定とし、絞り優先モード、マルチ測光、オートホワイトバランス、常用域の最低感度(ISO100もしくはISO200)、最高クオリティの画質、スタンダード系の仕上がり設定で撮影している。なお、6モデルでできるかぎり露出感がそろうように、各モデルで露出補正を行い、明るさを調整している。

オリンパス「OM-D E-M1」
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ

※以下に掲載する画像は、JPEG形式の撮影写真の一部分(300×225)をピクセル等倍で切り抜いた画像となっています。(撮影写真)をクリックすると、リサイズ・補正を行なっていない撮影写真が開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

F8

ISO200、1/400秒、EV+0.7

ISO200、1/400秒、EV+0.7
(撮影写真)

F5.6

ISO200、1/800秒、EV+0.7

ISO200、1/800秒、EV+0.7
(撮影写真)

F3.5

ISO200、1/2000秒、EV+0.7

ISO200、1/2000秒、EV+0.7
(撮影写真)

「OM-D E-M1」のレンズキットは、ここで使用した「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ」が付属する「OM-D E-M1 12-50mm EZ レンズキット」と、、「画質レビューPart2 高性能な標準ズームレンズ編」で使用した高性能な「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」が付属する「OM-D E-M1 12-40mm F2.8 レンズキット」の2種類が用意されている。「OM-D E-M1 12-50mm EZ レンズキット」は、より低価格なキットレンズではあるが、写りは申し分ない。特に、周辺部の画質のクオリティがよく、絞り値を小さくしていっても解像感をキープしている。価格.com最安価格(2014年6月25日時点)をチェックすると、「OM-D E-M1 12-50mm EZ レンズキット」は、ボディ単体とほぼ同価格で12万円程度。キットレンズとしてコストパフォーマンスの高いレンズと言えよう。

写真全体の色味については、ややシアン寄りで、すっきりとした青空に仕上がっているのが印象的だ。オリンパスのデジタルカメラは、どちらかというと“こってり”とした色描写で定評があるが、仕上がり設定を「ナチュラル」にすることで、より忠実で自然な色が得られるようになる。

富士フイルム「X-T1」
レンズ:XC16-50mmF3.5-5.6 OIS

※以下に掲載する画像は、JPEG形式の撮影写真の一部分(300×225)をピクセル等倍で切り抜いた画像となっています。(撮影写真)をクリックすると、リサイズ・補正を行なっていない撮影写真が開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

F8

ISO200、1/450秒、EV0.0

ISO200、1/450秒、EV0.0
(撮影写真)

F5.6

ISO200、1/850秒、EV0.0

ISO200、1/850秒、EV0.0
(撮影写真)

F3.5

ISO200、1/2000秒、EV0.0

ISO200、1/2000秒、EV0.0
(撮影写真)

「X-T1」には、「画質レビューPart2 高性能な標準ズームレンズ編」で使用した「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」が付属するレンズキットが1種類用意されている。2014年6月25日時点の価格.com最安価格を見ると、ボディ単体が12万円程度、レンズキットが14万6,000円程度で、その差は2万6000円程度。ここで取り上げる「XC16-50mmF3.5-5.6 OIS」は、3万3,000円程度。差額を考慮すると、すでにこのレンズを持っている場合は除いて、また、広角16mm(35mm判換算で24mm相当)という画角にこだわるのであれば別だが、「X-T1」を購入する際に、あわせて「XC16-50mmF3.5-5.6 OIS」を選ぶという選択は少ないかもしれない。ただ、画質については、全体的に解像度が高く、絞り開放では周辺部が少し甘くなるものの、極端に落ち込むような感じはない。

色味は、富士フイルムらしく、抜けがよく鮮やかな感じに仕上がっている。コントラストが高く、深い色が得られているのも特徴だ。

ソニー「α7」
レンズ:FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS

※以下に掲載する画像は、JPEG形式の撮影写真の一部分(300×225)をピクセル等倍で切り抜いた画像となっています。(撮影写真)をクリックすると、リサイズ・補正を行なっていない撮影写真が開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

F8

ISO100、1/250秒、EV+0.7

ISO100、1/250秒、EV+0.7
(撮影写真)

F5.6

ISO100、1/500秒、EV+0.7

ISO100、1/500秒、EV+0.7
(撮影写真)

F3.5

ISO100、1/1250秒、EV+0.7

ISO100、1/1250秒、EV+0.7
(撮影写真)

「α7」は、35mmフルサイズセンサーを搭載するミラーレス一眼。今回紹介するモデルの中では、唯一のフルサイズ機となる。レンズの画角そのままで撮影でき、APS-Cよりも大きなボケが得られるのがポイントだが、センサーが大きい分、レンズにも相応の高い性能が求められる傾向にある。ここで使用した「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS」はレンズキット付属のレンズ。作例では、中央部で高い解像感が得られているが、周辺部の解像感については、もう一歩というところ。がんばってはいるが、絞り開放では周辺の流れが目立つ結果となった。

また、色味については、ややグリーンがかっているのが特徴で、他の5モデルとは少し異なる色に仕上がっている。

キヤノン「EOS 70D」
レンズ:EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM

※以下に掲載する画像は、JPEG形式の撮影写真の一部分(300×225)をピクセル等倍で切り抜いた画像となっています。(撮影写真)をクリックすると、リサイズ・補正を行なっていない撮影写真が開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

F8

ISO100、1/400秒、EV+0.3

ISO100、1/400秒、EV+0.3
(撮影写真)

F5.6

ISO100、1/800秒、EV+0.3

ISO100、1/800秒、EV+0.3
(撮影写真)

F3.5

ISO100、1/2000秒、EV+0.3

ISO100、1/2000秒、EV+0.3
(撮影写真)

ここで使用した「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」は、キヤノンのデジタル一眼レフ「EOS」シリーズのAPS-Cモデルのレンズキットに付属する、低価格な標準ズームレンズ。コンパクトながらも写りがよく、コストパフォーマンスの高いレンズとして評価されている。その描写は、絞った際に非常にすぐれた解像感を発揮するようになっている。ただ、F5.6から開放のF3.5に設定すると、絞ったときと比べてやや解像感が落ちていく。気になるのは周辺部で、今回の検証では、開放時にF8と比べて描写がかなり甘くなってしまった。カメラ内に歪曲収差補正機能がないこともあって、やや樽型の歪みが目立つのも気になるところ。

また、これは「EOS」シリーズ全体の特徴でもあるのだが、安定した発色が得られているのも押さえておきたい。屋外の晴天下では、わずかにマゼンタ寄りになるのも「EOS」シリーズの特徴で、青空がキレイに再現されている。

ニコン「D7100」
レンズ:AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II

※以下に掲載する画像は、JPEG形式の撮影写真の一部分(300×225)をピクセル等倍で切り抜いた画像となっています。(撮影写真)をクリックすると、リサイズ・補正を行なっていない撮影写真が開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

F8

ISO100、1/250秒、EV+0.3

ISO100、1/250秒、EV+0.3
(撮影写真)

F5.6

ISO100、1/640秒、EV+0.3

ISO100、1/640秒、EV+0.3
(撮影写真)

F3.5

ISO100、1/1250秒、EV+0.3

ISO100、1/1250秒、EV+0.3
(撮影写真)

「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II」は、ニコンの新しい標準ズームレンズだ。沈胴構造を採用し、大幅な小型化を実現したレンズである。価格は、価格.com最安価格(2014年6月25日時点)で15,000円程度。主に、エントリー向けモデルのキットレンズとして用意されているレンズで、「D7100」では、レンズキットとしては準備されていない。ただ、その写りはあなどれない。開放付近でもシャープな特性が得られる印象で、周辺部の画質も悪くない。今回の検証では、絞り開放でも十分な描写が得られている。なお、樽型の歪みが出ているが、カメラ内の設定で「自動ゆがみ補正」をオンにすれば軽減することが可能だ。

色味については、今回の検証では、ややシアンからグリーンに寄った色に仕上がった。青空や木の葉の色再現が高いのがポイントである。

リコーイメージング「PENTAX K-3」
レンズ:smc PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6AL WR

※以下に掲載する画像は、JPEG形式の撮影写真の一部分(300×225)をピクセル等倍で切り抜いた画像となっています。(撮影写真)をクリックすると、リサイズ・補正を行なっていない撮影写真が開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

F8

ISO100、1/200秒、EV+0.7

ISO100、1/200秒、EV+0.7
(撮影写真)

F5.6

ISO100、1/500秒、EV+0.7

ISO100、1/500秒、EV+0.7
(撮影写真)

F3.5

ISO100、1/1000秒、EV+0.7

ISO100、1/1000秒、EV+0.7
(撮影写真)

「smc PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6AL WR」は、「PENTAX K-3」のレンズキットとして用意されているレンズではないが、簡易防滴構造を採用し、PENTAXデジタル一眼レフの標準ズームレンズとして人気の高い製品だ。低価格なズームレンズながら、画面全体で均一な特性が得られるレンズで、安定した描写で撮影を行える。ただ、今回の検証では、解像感については、それほどすぐれた結果にはならなかった。開放でもF8と似たような仕上がりになるのはポイントが高いが、コントラストがやや低く、全体的に解像感はもう一歩という結果になった。また、樽型の歪みについては、カメラ内の「ディストーション補正」機能をオンにすることで軽減できるようになっている。

色味は、かなりすっきりとした仕上がりで、クリアーで抜けのよい描写が得られている。素直な色再現性を実現しており、ポイントが高い。

まとめ

画質を重視してデジタル一眼カメラを選ぶ場合に注意したいのは、カメラの画質は、ボディだけでなく、レンズの性能にも大きく左右されるということ。本ページでの検証のポイントは、ボディとレンズを組み合わせた際の画質。より低価格な標準ズームレンズを使って、各レンズの広角端での描写をチェックしてみたが、どのモデルも、絞りをF8まで絞れば十分なクオリティが得られる。違いが出たのは画像周辺部で、絞りを開放に近づけるにつれて周辺部が流れていき、シャープさが失われていく。この傾向はどのモデルでも変わらないが、開放付近でも解像感をキープしているのは、オリンパス「OM-D E-M1」、富士フイルム「X-T1」、ニコン「D7100」の3モデルとなった。

なお、富士フイルム「X-T1」とソニー「α7」の作例ついては、他の4モデルと比べてわずかにアンダー目の仕上がりになったものを選んだ。採用した作例から+0.3/+0.7段露出補正したものも撮影しているが、露出補正によって中間階が明るくなってしまうため、他の4モデルとのバランスも見て、わずかにアンダー目のものを掲載している。

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2017.10.16 更新
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