注目製品○×レビュー
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コンパクトの最高峰、ソニー「RX1R II」の画質や使い勝手をレビュー

注目の高級フルサイズコンデジ、ソニー「サイバーショット DSC-RX1RM2」(以下、RX1R II)がいよいよ2016年2月19日に発売となる。ソニーはこの新型コンデジをフルサイズミラーレス「α7シリーズ」のフラッグシップモデル「α7R II」に並ぶようなハイエンドモデルに位置づけているが、果てしてその実力は? 今回の「注目製品○×レビュー」では、市場想定価格で43万円前後(税別)という価格も考慮しながらレビューした。

※製品特徴は、RX1R IIの新製品レポートをご確認ください。

注目度の高い高級コンデジ、RX1R II

注目度の高い高級コンデジ、RX1R II

○(いいところ)
レンズ一体型ならではの高画質を実現! AFも高速化

・レンズ一体型による高画質。クリアな描写で解像感が高い
・コンパクトで持ち運びやすい。AFも高速
・ポップアップ式ファインダーが便利

RX1R IIは、α7R IIと同等となる有効約4240万画素のフルサイズ裏面照射型「Exmor R」センサーと、開放F2・35mm単焦点のカールツァイス「ゾナーT *」レンズを組み合わせたコンパクトモデルだ。最大の特徴は、これらの組み合わせが実現した高画質になる。2ページ目に実写作例を掲載するが、非常に抜けがよく、高コントラストでクリアな描写となっている。解像感も非常に高く、全体的にキレのある写りだ。絞り開放ではエッジ部での色収差がやや気になるところはあるが、解像感の高さだけを見れば、α7R IIと「Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA」の組み合わせにも匹敵するレベルだと思う。高感度でもノイズが少なく、良質な画質が得られるのもポイントだ。なお、歪曲収差はそれなりに発生するので、気になるようであればレンズ補正機能の歪曲収差補正を「オート」にして補正しよう。

従来モデルと同様、開放F2の35mm単焦点「ゾナーT *」レンズを採用

従来モデルと同様、開放F2の35mm単焦点「ゾナーT *」レンズを採用

レンズ部には絞りリングのほか、マクロ切り換えリングも装備。この操作性は従来モデルから継承されている

レンズ部には絞りリングのほか、マクロ切り換えリングも装備。この操作性は従来モデルから継承されている

加えて、この高画質を113.3(幅)×65.4(高さ)×72.0(奥行)mm・重量約507g(バッテリーNP-BX1、メモリースティック デュオを含む)のコンパクトボディで楽しめるのも、このカメラの大きな魅力。オートフォーカスも、α7R IIと同じ399点の像面位相差AFセンサーを持つ「ファストハイブリッドAF」になり、従来モデルと比べると大幅に高速化された。α7R IIと変わらない高速オートフォーカスで、スナップ撮影のワンショットで使っている限りではストレスを感じなかった。

操作性では、倍率約0.74倍でポップアップ式の電子ビューファインダーを内蔵したのがトピック。有機ELデバイスを採用した明るくてクリアなファインダーで、ワンプッシュでポップアップと収納が行えるので、持ち運ぶ際は収納しておいて、使いたいときにすぐに呼び出せるのが便利だ。また、従来モデルと比べると、チルト可動式モニターを採用しているのもポイント。このほか、オート感度時の低速限界設定が可能になったのも、スナップ撮影では実用的でうれしいところだ。

ポップアップ式の電子ビューファインダーを内蔵。ワンプッシュでポップアップと収納が行える

ポップアップ式の電子ビューファインダーを内蔵。ワンプッシュでポップアップと収納が行える

チルト可動式の3.0型(約123万ドット)液晶モニターを採用

チルト可動式の3.0型(約123万ドット)液晶モニターを採用

オート感度時の低速限界設定。自分の手ブレしない限界のシャッタースピードを設定しておくことで、より低感度で手ブレのない撮影が可能になる

このほか、世界初の「光学式可変ローパスフィルター」を実現しているのも機能面では面白い。ローパスフィルターの効果の有無を切り替えられる機能で、この機能を有効すると解像感は落ちるもののモアレ・偽色の発生を抑えることができる。ただし、有効約4240万画素という高画素であるため、ローパスレスと同じ効果となる「オフ」の設定でもモアレは発生しにくく(目立たなく)なっているので、基本は「オフ」にしておいて、センサーの解像感の高さを優先していいと思う。ケースバイケースではあるが、建物や布などの細かい模様が規則的に並ぶ被写体の場合は、効果を「標準」にして利用すればいいだろう(※「強め」だとより解像感が落ちてしまうので注意)

ローパスフィルターの効果は、「オフ」「標準」「強」を設定できる

ローパスフィルターの効果は、「オフ」「標準」「強」を設定できる

×(気になるところ)
価格を考慮すると使い勝手や機能で気になるところがある

・高画素化によって手ブレが目立ちやすくなった
・4K動画記録に非対応
・バッテリー持ちがもうひとつ

画質や携帯性にすぐれたカメラだが、43万円前後(税別)という市場想定価格を考慮すると、いくつか気になるところがある。

使ってみて気になったのは、有効約4240万画素に高画素化されたことで、想像していた以上に手ブレを拾ってしまうことだ。ここまでコンパクトなボディなので手ブレ補正ユニットを内蔵しないことはいいのだが、コンパクトがゆえに、ラフにカメラを持って撮ってしまうと1/50秒程度のシャッタースピードだと手ブレ写真が多くなってしまった。しっかりとホールドすれば問題ないのだが、従来モデルよりも手ブレが目立ちやすくなっていると感じた。気になるようであれば、別売オプションのサムグリップを使うなどの工夫が必要になるかもしれない。

また、スチール撮影メインのカメラであるため、動画機能はそれほど重要ではないのかもしれないが、4K記録に対応しないのは残念。電子シャッターによるサイレント撮影に対応していないのも、撮影領域を広げるという点では残念なところではある(α7シリーズを見ると4K記録とサイレン撮影への対応はセットになっているので、センサーの仕様上、搭載は難しいのかもしれない)。ただ、RX1R IIはレンズシャッターなのでシャッター音が小さく、サイレント撮影が使えないことはそれほど気にならないと思う。

XAVC S形式ではビットレート50MbpsでのフルHD/60p記録が可能なものの、4K記録には非対応となる

XAVC S形式ではビットレート50MbpsでのフルHD/60p記録が可能なものの、4K記録には非対応となる

バッテリー持ちについては、液晶モニター使用時で約220枚、ファインダー使用時で約200枚。従来モデルとほぼ同等の性能なので、長時間撮影を行うのであれば、予備バッテリーは用意しておきたい。

まとめ スナップ撮影に最適な最高峰のコンパクト機だが……

RX1R IIは現時点で、レンズ一体型のコンパクトデジカメとして、最高レベルの画質と機能を搭載した最高峰モデルの1つである。最新の有効約4240万画素センサーと「ゾナーT *」レンズが生み出す画質は、このカメラでしか味わえないものだ。オートフォーカスが高速化したうえ、ポップアップ式の電子ビューファインダーも内蔵。従来から順当に進化を遂げており、スナップ撮影用としては、現時点でもっともすぐれたコンデジの1つだと思う。

ただ、市場想定価格で43万円前後(税別)、価格.com最安価格で40万円程度(2016年2月10日時点)という価格で、α7シリーズのフラップシップα7R IIに並ぶようなハイエンドモデルに位置付けられていることを考慮すると、欲を言えば、さらなる機能追求がほしかった。たとえば、ホールド性を高める工夫だったり、シャッタースピードの制限(従来モデルと同様、シャッタースピードはF5.6以上に絞った場合で最速1/4000秒、絞り開放時は最速1/2000秒)を緩和するなど。シャッタースピードについてはレンズシャッターなので致し方ないところだが、常識を打ち破るようなソニーらしい革新性がもっと随所に見られたら、「最高のスナップカメラ」と評価できたと思う。

とはいえ、ライカのフルサイズ機に並ぶような高級モデルがソニーから登場するのは、これまででは考えられなかった展開だ。高級路線に舵を取るコンパクトデジカメ市場に大きなインパクトをもたらすカメラである。

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