交換レンズ図鑑
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カールツァイスファン注目! Eマウント広角レンズ「Loxia 2.8/21」の圧倒的な描写力を見よ!

「α7S」にLoxia 2.8/21を装着

「α7S」にLoxia 2.8/21を装着

ここ数年、カールツァイスレンズのラインアップが急速に拡充している。光学性能を追及した一眼レフ用のMFレンズ「Otus(オータス)」、コシナとの共同開発となる一眼レフ用のMFレンズ「Milvus(ミルバス)」、ソニーEマウント用のフルサイズAFレンズ「Batis(バティス)」、APS-Cミラーレス用のAFレンズ「Touit(トゥイート)」などの新シリーズが続々と登場。本連載「交換レンズ図鑑」でも、これらのカールツァイスレンズをいくつか紹介してきたが、今回は、カールツァイス社が直接手がけるEマウント用のフルサイズMFレンズ「Loxia(ロキシア)」シリーズの新モデル「Loxia 2.8/21」を取り上げる。2016年1月発売の最新レンズで、非常にすばらしい描写力を持っている。

Eマウント用に設計し直したDistagon構成のコンパクトレンズ

Loxiaシリーズは、ソニーEマウントを採用する、35mmフルサイズ対応のマニュアルフォーカスレンズ。同シリーズの最大の魅力は、コンパクトで高品位な金属筐体に、フルサイズミラーレス「α7」シリーズ向けの設計を取り入れた、すぐれた光学性能を搭載していること。フォーカスや絞りのマニュアル操作にこだわって作られているのも特徴だ。これまでに「Loxia 2/50」「Loxia 2/35」の2本が発売になっているが、いずれも、カールツァイスらしい高品位なレンズとしてユーザーからの評価も高い。

同シリーズの第3弾となるLoxia 2.8/21も、他の2本と同様、らしさが随所に感じられるレンズだ。焦点距離21mmで開放F2.8という大口径の広角レンズながら、62(最大径)×85(全長)mm(レンズキャップ含む)で重量394gというコンパクトなサイズを実現。Loxia 2/50とLoxia 2/35とほぼ同じ最大径(約62mm)で、シリーズとして統一されたサイズ感になっている。また、鏡筒、フォーカスリング、絞りリング、マウントのすべてが金属製という高品位な作りを継承。機能面では、マウントに電子接点を搭載しており、絞り値を撮影時にモニター/ファインダー内で確認したり、Exifに記録することが可能だ。α7シリーズのMFアシスト機能(フォーカスリング操作時に拡大表示する機能)の利用にも対応する。さらに、動画撮影用の機能として、絞りリングのクリック感を外す「DeClick(デクリック)」も搭載している。

注目したいのは光学設計。焦点距離21mm/開放F2.8はカールツァイス伝統の広角レンズのスペックで、レンズ構成としては対称型のBiogonとレトロフォーカス型のDistagonの2種類がある。それぞれに特性が異なっているが、Loxia 2.8/21は、Eマウント用に設計を見直したDistagon構成を採用。非球面レンズ1枚、異常分散レンズ4枚を含む9群11枚構成だ。Loxia 2/50とLoxia 2/35はZMマウント用レンズの光学系をベースにしていたが、Loxia 2.8/21は新しい光学設計のレンズとなっている。

このほか、絞り羽根は10枚で、対応する絞り値はF2.8〜F22。最短撮影距離は0.25m。フィルター径は52mm。専用の金属製レンズフードが付属する。

Eマウント用に設計を見直したDistagon構成を採用。カールツァイスとして総合的な光学性能を保証する証でもある、独自の多層膜コーディング「T*(ティースター)コーディング」も採用している

距離指標付きのフォーカスリング、被写界深度目盛、絞りリングを搭載

距離指標付きのフォーカスリング、被写界深度目盛、絞りリングを搭載

同梱品の金属製レンズフードを装着。フードの内側には植毛加工が施されている

同梱品の金属製レンズフードを装着。フードの内側には植毛加工が施されている

同梱の専用キーを使ってバヨネット面の調整ねじを回すことで、クリック感の有無を切り替えられる。マウント部には、保護用の青色のゴムリングが付いている

実写作例

※以下に掲載する作例は、α7シリーズ(α7、α7S)とLoxia 2.8/21を使ってJPEG形式で撮影したもの(JPEG撮って出し)になります。すべてJPEG形式の最高画質(エクストラファイン)で撮影しています。なお、いずれの作例も、高感度ノイズリダクションは「標準」で、レンズ補正機能は、周辺光量補正が「オート」、倍率色収差補正が「オート」、歪曲収差補正が「切」になります。

※サムネイル画像をクリックすると、撮影写真を長辺900ピクセルに縮小した画像が開きます。リサイズを行なっていない撮影写真は、サムネイル画像下のテキストリンクをクリックすると開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

α7、ISO100、F2.8、1/1250秒、ホワイトバランス:太陽光、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:スタンダード、JPEG
撮影写真(6000×4000、10.4MB)

α7、ISO100、F11、1/200秒、ホワイトバランス:太陽光、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:ビビッド、JPEG
撮影写真(6000×4000、9.15MB)

α7S、ISO100、F2.8、1/1600秒、ホワイトバランス:オート、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:ライト、JPEG
撮影写真(4240×2832、7.12MB)

α7、ISO100、F11、1/200秒、ホワイトバランス:太陽光、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:風景、JPEG
撮影写真(4000×6000、11.2MB)

α7、ISO100、F11、1/400秒、ホワイトバランス:太陽光、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:ライト、JPEG
撮影写真(6000×4000、8.34MB)

α7、ISO100、F2.8、1/40秒、ホワイトバランス:オート、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:スタンダード、JPEG
撮影写真(6000×4000、9.04MB)

α7、ISO100、F11、1/125秒、ホワイトバランス:太陽光、Dレンジオプティマイザー:オート、クリエイティブスタイル:ビビッド、JPEG
撮影写真(6000×4000、21.5MB)

α7、ISO100、F11、1/320秒、ホワイトバランス:太陽光、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:スタンダード、JPEG
撮影写真(6000×4000、10.6MB)

α7S、ISO100、F14、1/160秒、ホワイトバランス:太陽光、Dレンジオプティマイザー:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、JPEG
撮影写真(2832×4240、10.4MB)

α7、ISO800、F4、1/13秒、ホワイトバランス:蛍光灯(白色)、Dレンジオプティマイザー:オート、クリエイティブスタイル:ビビッド、JPEG
撮影写真(6000×4000、8.75MB)

α7S、ISO1000、F2.8、1/30秒、ホワイトバランス:色温度設定(4300K)、Dレンジオプティマイザー:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、JPEG
撮影写真(4240×2832、8.40MB)

α7S、ISO1600、F2.8、1/40秒、ホワイトバランス:オート、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:スタンダード、JPEG
撮影写真(4240×2832、6.00MB)

描写力と操作感をレビュー

今回、Loxia 2.8/21で撮影してみて、そのサイズ感からは想像できないような、非常に鮮烈な写りをするレンズだと感じた。Loxiaシリーズは、Loxia 2/50もLoxia 2/35も絞り開放からシャープですばらしいレンズだが、Loxia 2.8/21は、高解像で高コントラストなカールツァイスレンズらしい特性が特に際立っていると思う。抜けのよさは圧倒的。豊かな色描写も特徴で、特にシャドー側のトーンがすばらしい。高コントラストなのだがつぶれるわけではなく、印象的で深い描写が得られる。ボケもなめらかなので、立体的な表現も得意なレンズだと思う。

さらにLoxia 2.8/21は、逆光にも強いのも特徴。太陽のような強い光源を画面に入れても、さすがに光源付近でフレアは出るものの、気になるような大きなゴーストはほとんど発生しなかった。ゴーストが出た場合でも、フレーミングを少し変えることでなくなることが多く、逆光耐性にすぐれるレンズだと感じた。さらに、広角21mmのDistagon構成ながら、歪曲収差もよく抑えられている。このあたりの写りのよさは、新設計レンズならではと言っていいだろう。写りで気になったのは、Loxia 2/50と同様、少し絞ったときに背景の光源が多角形のボケになりやすいことくらいだ。

なお、Loxia 2.8/21を含めたLoxiaシリーズの3本は、シリーズとして似た描写傾向を持っているものの、Loxia 2.8/21とLoxia 2/50はどちらかというと濃厚な発色で、Loxia 2/35は比べるとややナチュラルな発色になっていると思う。

操作感については、Loxiaシリーズの他モデルと同様、フォーカスリングのトルク感が絶妙で、なめらかなリング操作が行える。絞りリングは、Loxiaシリーズで共通しているのだが、やや軽い。もう少しクリック感があってもいいように感じた。

まとめ 高額だが価格分の価値のある製品

Eマウント用として新しい光学設計を採用したLoxia 2.8/21。その写りには、これまでレビューしてきたデジタル設計のどのカールツァイスレンズよりも、強烈な印象を受けた。シャープでコントラストが高く、抜けがよくて、非常に印象的な色が得られる。デジタルカメラ時代のカールツァイスレンズのよさが極まったと言ってもおおげさではない、すぐれた描写力を持つレンズだと思う。カールツァイス社の担当者にLoxia 2.8/21の写りのよさについて確認したが、やはり、新しいレンズ設計であることが大きいとのことだ。

また、Loxia 2.8/21を使ってみて広角・単焦点レンズの楽しさも再確認できた。絞ることでパンフォーカスが得やすいので、スナップ撮影において速写性にすぐれ、構図決定にも集中しやすい。ワイドな画角なので、風景をダイナミックに撮るのにも向いている。さらに、コンパクトで持ち運びやすいのもこのレンズならではの魅力。小型・軽量なフルサイズミラーレスα7シリーズにピッタリな、コンパクトな広角レンズだ。

価格は、価格.com最安価格(2016年3月3日時点)で約180,000円。カールツァイスが手がけるEマウント用レンズとしてはもっとも高額だが、それだけの価値のある製品だと思う。カールツァイスファンの方にぜひ試してもらいたい1本だ。最新のカールツァイスレンズの写りのよさを感じるはずだ。

なお、カールツァイスのEマウント用広角レンズとしては、オートフォーカス対応の「Batis 2/25」も用意されている。こちらも非常にすぐれた写りをするDistagon構成のレンズだ。価格.com最安価格(2016年3月3日時点)は約135,000円となっている。

真柄利行(編集部)

真柄利行(編集部)

体力勝負ならそこそこ強い編集部デスク。カメラやAV家電を中心に製品のレビュー記事を担当しています。撮られるのは苦手ですが撮るのは好きです。

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