レビュー
スーパーマクロでフラッシュが使えるとどうなる?

オリンパス「TG-4」の「顕微鏡モード」がさらに楽しくなる「FD-1」をいち早く試してみた!

「STYLUS TG-4 Tough」に、今回紹介する専用フラッシュディフューザー「FD-1」を装着して撮影した作例。望遠端(35mm版換算100mm)、1/100秒、F4.9、ISO100

オリンパスのタフネスデジカメ「STYLUS TG-4 Tough」(以下、TG-4)の大きな魅力となっているのが、「顕微鏡モード」でのスーパーマクロ撮影。最短1cmの撮影距離のままズーム撮影ができるという、圧倒的なクローズアップ能力を発揮するモードだ。ただし、超拡大撮影になるため、暗いところでシャッターを押すと手ブレや被写体ブレが発生しやすくなるうえ、ブレを防ごうとすると高感度になってしまい画質も劣化するという課題を抱えていた。

それを解決するアイテムとして2016年4月28日に発売になるのが、専用のフラッシュディフューザー「FD-1」。内蔵フラッシュの光をうまく活用することで、顕微鏡モードでの撮影を強化する純正アクセサリーだ。今回、TG-4とFD-1の組み合わせをいち早く試すことができたので、くわしくレポートしたい。

FD-1をTG-4に装着して撮影しているイメージ。顕微鏡モードの可能性を広げるフラッシュディフューザーだ

FD-1をTG-4に装着して撮影しているイメージ。顕微鏡モードの可能性を広げるアクセサリーだ

「顕微鏡モード」で内蔵フラッシュ撮影を実現する専用アクセサリー

TG-4は、コンデジとしてクラスナンバーワンのタフネス性能を備えたカメラだ。たとえば、防水性能は水深15mまで対応。耐衝撃性能は高さ2.1mの落下テストをクリアしており、100kgfの荷重に耐えられる構造も実現。-10度環境での動作保証も達成している。タフネスモデルとしては画質性能にもすぐれており、レンズには、広角端で開放F2.0の明るさを実現した、光軸折り曲げ式の光学4倍ズームレンズを採用する。

そうしたタフネス性能や画質性能の高さだけでなく、撮影機能が充実しているのも魅力。特に、最短撮影距離1cmのまま光学4倍ズームができるスーパーマクロ撮影機能「顕微鏡モード」が面白い。デジタルズーム(4倍、超解像ズームは2倍まで)も使用することで、まるで顕微鏡で観察しているかのような超拡大撮影が行える。モニターの表示倍率で言えば、デジタルズームを使うことで最大44.4倍まで拡大が可能(※1mmの被写体をモニター上で最大約44.4mmにまで拡大表示して撮影ができるという意味)。植物の葉脈や、果物・野菜などの断面、雪の結晶といった被写体を“ミクロの世界”で写せる、コンデジ最強のスーパーマクロ撮影機能となっている。

顕微鏡モードは、撮影モードとして用意されている。ダイヤルを回すことですばやく顕微鏡モードに移れる

顕微鏡モードは、撮影モードとして用意されている。ダイヤルを回すことですばやく顕微鏡モードに移れる

今回紹介するFD-1は、TG-4本体に内蔵されているフラッシュを活用することで、顕微鏡モード時のライティングをサポートする専用アクセサリー。カメラのレンズ部に装着する仕組みで、円形の反射面を使って、フラッシュの発光を前面に均一に照射するようになっている。

被写体に近づいて撮影するスーパーマクロ時は、被写体にカメラや手の影が落ちて光量を確保しにくいときがあるが、このアクセサリーを使うことで、暗くなってしまう場合でも明るく撮ることが可能。昆虫など動きのあるものに対しても、被写体ブレを抑えて撮ることもできる。さらに、フラッシュの明るさによって感度を低く保てるため、ノイズを抑えた高画質が得られるのもポイントだ。電気的な接点がないので水中での利用にも対応している。

FD-1はTG-4のレンズ部に装着する。FD-1自体が発光するわけではなく、フラッシュの光を拡散する構造になっている

FD-1を装着している様子。レンズ部にカチッと回して取り付ける

FD-1を装着している様子。レンズ部にカチッと回して取り付ける

FD-1の裏側。フラッシュの光が前方に集まるようになっている

FD-1の裏側。フラッシュの光が前方に集まるようになっている

円形の反射面を使ってフラッシュの光を均一に照射する

円形の反射面を使ってフラッシュの光を均一に照射する

上面には発光量を切り替えられるレバーを搭載。レバーを切り替えることで約1.4段分の減光が可能だ

上面には発光量を切り替えられるレバーを搭載。レバーを切り替えることで約1.4段分の減光が可能だ

TG-4は、ファームウェアVer.2.0(2016年3月29日公開)において、FD-1を利用するための機能が追加されている。Ver.2.0では、撮影メニューの「アクセサリー」という項目でFD-1の設定をオンにすることで、感度が上がりにくくなるなど顕微鏡モード時の自動露出がFD-1に最適化されるようになる。さらに、0.3段ステップで±2.0のフラッシュ補正も可能だ。

なお、オリンパスの公式情報によると、従来モデルとなる「TG-3/TG-2/TG-1」ではFD-1の使用は不可となっている。カメラに取り付けることは可能だが、従来モデルにはFD-1に対応する設定がないため、撮影環境によっては露出が合わない場合があるとのこと。

ファームウェアVer.2.0ではFD-1用の設定が追加された

ファームウェアVer.2.0ではFD-1用の設定が追加された

±2.0のフラッシュ補正も行える

±2.0のフラッシュ補正も行える

FD-1を使って撮影してみた

続いて、使ってみての感想を交えながら実際に撮影した作例を紹介していこう。掲載する作例は、明るさや色合いなどの編集は行わず、撮って出しの画像をそのまま長辺900pixに縮小している。

FD-1をTG-4に装着してスーパーマクロ撮影をしてみた

FD-1をTG-4に装着してスーパーマクロ撮影をしてみた

ちょうど雨上がりに撮影することができたので、小さな水滴をスーパーマクロで狙ってみた。FD-1を使うといい感じでフラッシュの光が回るので、通常であればカメラの影が付いてしまうような状況でも明るく仕上げることができる。望遠端(35mm版換算100mm)、1/250秒、F4.9、ISO100

上の作例の水滴を4倍のデジタルズームでズームアップして撮影した。デジタルズーム4倍、1/320秒、F4.9、ISO100

黄色い花びらに付いた水滴を撮影。水滴の中の小さな緑は虫ではなくて気泡? デジタルズーム4倍、1/200秒、F4.9、ISO100

葉っぱの後ろに細かい枝があったので、それを隠すためにピント位置の前に被写体を入れてみた。前の被写体(葉)にフラッシュの光が当たって、前ボケが明るくキレイに仕上がった。こういう使い方も面白いと思う。望遠端(35mm版換算100mm)、1/100秒、F4.9、ISO125、EV+1.0

小さな虫を発見して撮ってみたが、細かいところが鮮明に再現できている。望遠端(35mm版換算100mm)、1/100秒、F4.9、ISO100

やや離れた位置から背景の玉ボケを狙って撮ってみた。望遠端(35mm版換算100mm)、1/250秒、F4.9、ISO100

やや離れた位置から背景の玉ボケを狙って撮ってみた。望遠端(35mm版換算100mm)、1/250秒、F4.9、ISO100

続いて、屋内で撮影した作例をいくつか紹介する。小さなビーズが入ったおもちゃの指輪を被写体にして撮ると……

こんな感じで明るくカラフルに仕上がった。望遠端(35mm版換算100mm)、1/100秒、F4.9、ISO100

こんな感じで明るくカラフルに仕上がった。望遠端(35mm版換算100mm)、1/100秒、F4.9、ISO100

花がデザインされた小さなピアスも……

花がデザインされた小さなピアスも……

このようにキラキラと明るい感じになった。望遠端(35mm版換算100mm)、1/100秒、F4.9、ISO100

このようにキラキラと明るい感じになった。望遠端(35mm版換算100mm)、1/100秒、F4.9、ISO100

スワロフスキーの付いたピアスは……

スワロフスキーの付いたピアスは……

フラッシュがいい感じに当たって幻想的な色になった。フラッシュで照らされた被写体と背景との露出差によって背景が暗くなるのも効果的だ。望遠端(35mm版換算100mm)、1/100秒、F4.9、ISO100

FD-1を使わずに撮るとこうなった。望遠端(35mm版換算100mm)、1/15秒、F4.9、ISO1600

FD-1を使わずに撮るとこうなった。望遠端(35mm版換算100mm)、1/15秒、F4.9、ISO1600

小さな雪だるまのキーホルダーも……

小さな雪だるまのキーホルダーも……

表面の細かいヒビがフラッシュで照らされて面白い効果を生んだ。望遠端(35mm版換算100mm)、1/100秒、F4.9、ISO100

フラッシュなしで撮るとこうなった。被写体が細かく揺れる状態で撮っていたのでブレを止められなかった。望遠端(35mm版換算100mm)、1/13秒、F4.9、ISO1600

星座盤をモチーフにしたデザインの腕時計を撮ると……

星座盤をモチーフにしたデザインの腕時計を撮ると……

文字盤の青色がキレイに表現できた。望遠端(35mm版換算100mm)、1/100秒、F4.9、ISO100

文字盤の青色がキレイに表現できた。望遠端(35mm版換算100mm)、1/100秒、F4.9、ISO100

フラッシュなしだとこんな感じ。望遠端(35mm版換算100mm)、1/10秒、F4.9、ISO1600

フラッシュなしだとこんな感じ。望遠端(35mm版換算100mm)、1/10秒、F4.9、ISO1600

いちごの表面をスーパーマクロでフラッシュ撮影。望遠端(35mm版換算100mm)、1/100秒、F4.9、ISO100、EV+0.7

こちらはデジタルズームを使って撮ったものになる。デジタルズーム4倍、1/100秒、F4.9、ISO100、EV+0.7

こちらはデジタルズームを使って撮ったものになる。デジタルズーム4倍、1/100秒、F4.9、ISO100、EV+0.7

ノートPCのモニターを撮ってみた。モニター表面の肉眼では見えない細かい傷にフラッシュが当たって面白い効果が得られたと思う。デジタルズーム4倍、1/100秒、F4.9、ISO125

まとめ TG-4ユーザー必携のアイテム

TG-4の顕微鏡モードは、撮っていて本当に楽しい機能だ。FD-1は、その顕微鏡モードをさらに便利に、かつ楽しくするアクセサリーである。これまでであれば暗くなったり、手ブレ・被写体ブレが発生してしまうような状況でも、FD-1を使えば、明るくキレイに仕上げることができる。使ってみて、昆虫や植物の撮影で威力を発揮するだけでなく、いろいろな被写体を撮ってみても面白いと感じた。水滴など被写体によってはフラッシュの明かりが写ってしまうこともあるが、FD-1があれば、顕微鏡モードをさらにクリエイティブに活用することができるはずだ。

価格は8,100円(税込)で、TG-4ユーザーにとって必携のアイテムだと思う。TG-4に興味を持っていたものの購入まで踏み切れなかった方も、このディフューザーの登場を機にTG-4を手に入れてみてはどうだろうか。

ちなみに、FD-1と似たような純正アクセサリーとして、オリンパスは、LEDライトガイド「LG-1」という製品も用意している。こちらもスーパーマクロ用のオプションで、被写体に均一に光を照射する機能を持つのは同じだが、内蔵フラッシュの隣りにあるLEDライトを利用する点が異なっている。それぞれにメリットがあって、FD-1は、フラッシュの発光を使うため光量は圧倒的に多い。ただし、ある程度被写体との距離を保つ必要があり、カメラに装着した状態での撮影可能距離は2〜30cmとなっている。いっぽうのLG-1は最短撮影距離1cmでの撮影が可能。シャッターを切る前にLEDの光が照射される仕組みなので、FD-1を付けた状態のまま、平らな被写体にカメラをピタッとくっつけて撮ることができる。

TG-4は拡張性の高さも特徴で、FD-1とは別に、LG-1というLEDライトを利用するアクセサリーも用意されている。画像は、LG-1を装着したイメージ。TG-4では、LED発光モードを選択すると、シャッターを半押した際にLEDが光るようになる

LG-1は、装着した際に先端部がレンズ前面からちょうど1cmの距離になるように設計されているため、画像のように平らな被写体にピタッとくっつけて撮ることが可能。今回紹介したFD-1ではこの撮影はできないので注意したい

真柄利行(編集部)

真柄利行(編集部)

体力勝負ならそこそこ強い編集部デスク。カメラやAV家電を中心に製品のレビュー記事を担当しています。撮られるのは苦手ですが撮るのは好きです。

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