交換レンズ図鑑

ソニーの最高峰レンズブランド「G マスター」の大口径・標準ズームレンズ「FE 24-70mm F2.8 GM」実写レビュー

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ソニーのレンズラインアップの中で最高峰に位置するプレミアムレンズとして登場した新ブランド「G マスター」。今回の「交換レンズ図鑑」では、そのG マスターの第1弾製品である、Eマウント用のフルサイズ対応標準ズームレンズ「FE 24-70mm F2.8 GM」(SEL2470GM)をレビューする。278,000円(税別)という価格ながら、Eマウント用レンズとしては初となる開放F2.8通しの標準ズームレンズということで期待値が高く、4月の発売時には供給不足になるほどの人気を集めた。発売から約2か月が経った今も人気は高く、価格.com「レンズ」カテゴリーでの売れ筋ランキングでは、Eマウント用レンズとしてもっとも上位となる10位(2016年7月5日時点)に位置している。

FE 24-70mm F2.8 GMは、ファン待望のEマウント用の大口径・標準ズームレンズ。画像はフラッグシップモデル「α7R II」に装着したイメージ

進化し続けるカメラの性能を引き出すプレミアムレンズ「G マスター」

G マスターの主な特徴
・Gレンズの上位モデルに位置する最高峰のレンズブランド
・コンセプトは「解像力とボケ味を高次元で両立すること」
・新しい設計基準と光学技術を取り入れることで高性能を実現
・空間周波数50本/mmでも高コントラストを実現する基準を適用
・最新のシミュレーション手法を導入し、ボケの質を向上
・新開発の超高度非球面レンズ「XAレンズ」を採用

ソニーはこれまで、解像力とボケ味のバランスのよさでコニカミノルタ時代から人気の高い「Gレンズ」と、高い解像力とコントラストが魅力の「カールツァイスレンズ」の2つを高級レンズとしてラインアップしていた。G マスターは、そのラインアップに追加された新ブランドで、ポジショニングとしてはGレンズの上位モデルとなる。ソニーのレンズラインアップの中では最高峰に位置するプレミアムレンズだ。

G マスターの製品コンセプトは「高い解像力と美しいボケ味を高次元で両立すること」。そのコンセプトからはGレンズの延長線上にあるという見方もできるが、G マスターは、これまでの高性能レンズと同じように作られているわけではない。今後も進化し続けていくカメラボディの性能を引き出すことを強く意識し、これまでにはなかった設計基準と光学技術を取り入れている。次世代を見据え、設計から開発、製造において従来以上の強いこだわりをもって作られているのだ。

解像力では、撮像素子の画素数が今後も継続して向上し、動画を含めてさらなる高解像度時代に入ることを想定。エレメント開発や光学設計、設計シミュレーション、検査・調整方法にいたるまで、従来よりも高い設計基準を設けて開発しているという。たとえば、レンズ性能を評価する指標であるMTF曲線では、10本/mmと30本/mmに加えて、50本/mmの空間周波数でも高コントラストを実現するという高い基準を新たに適用した。さらに、シミュレーションソフトの進化もポイント。ゴースト・フレアのシミュレーションでは、反射率だけでなくコート材質や構成も加味し、完成品での発生に近い状態でテストできるようになった。これにより、ソニー独自の「ナノARコーティング」などのコーティングの配置も従来以上に最適化されている。

ボケ味については、ボケの質を高めるために最新のシミュレーション手法を導入。ピント位置からとろけるようにボケていく理想的なボケ像を実現するため、設計の初期段階からシミュレーションを重ね、強い輪郭が出ないように配慮しつつ、解像力とのバランスが最適になるよう個々のレンズを調整しているという。

そんな特徴を持つG マスターの重要な要素となるのが、新開発の超高度非球面レンズ「XA(extreme aspherical)レンズ」だ。研磨が難しい形状の非球面レンズの表面を0.01ミクロン単位の精度で管理し、非球面レンズで発生しやすい同心円状の輪線ボケを低減し、ボケ味を損なうことなく高い解像感を実現するという。

さらに、オートフォーカスの性能にこだわっているのもG マスターの見逃せないところ。高速でフォーカス停止位置精度にすぐれた「ダイレクトドライブSSM」や新型の「リングドライブSSM」などを各レンズに最適化した構成で組み込むことで、非常になめらかで高精度なオートフォーカスを実現しているとのことだ。

G マスターの第1弾製品としてラインアップされたのは、今回取り上げる標準ズームレンズのFE 24-70mm F2.8 GM、中望遠・単焦点レンズ「FE 85mm F1.4 GM」(SEL85F14GM)、望遠ズームレンズ「FE 70-200mm F2.8 GM OSS」(SEL70200GM)のEマウント用レンズ3本。FE 24-70mm F2.8 GMとFE 85mm F1.4 GMは2016年4月に発売済みだが、FE 70-200mm F2.8 GM OSSは9月の発売が予定されている。

FE 24-70mm F2.8 GM(中央)のほか、FE 85mm F1.4 GM(右)とFE 70-200mm F2.8 GM OSS(左)もG マスター第1弾製品として登場。FE 70-200mm F2.8 GM OSSで利用できるテレコンバーターの新製品(SEL14TCとSEL20TC)もあわせて発表されている

高いMTF性能を実現した標準ズームレンズ「FE 24-70mm F2.8 GM」

FE 24-70mm F2.8 GMの主な特徴
・Eマウントレンズ初となるF2.8通しの標準ズームレンズ
・ズームレンズとしてα史上もっとも高いMTF性能を担保
・XAレンズ1枚を含む計3枚の非球面レンズを採用し、高い解像力とボケ味を両立
・EDガラス1枚とスーパーEDガラス1枚を採用し、色収差を補正
・ナノARコーティングを採用
・新形状の9枚絞り羽根
・ダイレクトドライブSSMを採用し、高精度で静粛なAFを実現

開放F2.8通しを実現したFE 24-70mm F2.8 GM。サイズは87.6(最大径)×136(長さ)mm、重量は約886g。フィルター径82mmの本格的な大口径ズームレンズだ

今回レビューするFE 24-70mm F2.8 GMは、広角端24mmから望遠端70mmのズーム全域で開放F2.8の大口径を実現した、Eマウント用のフルサイズ対応標準ズームレンズ。標準ズームレンズに求められるオールマイティーさを高いレベルで追及した製品で、ソニーは、どの焦点距離でも単焦点レンズ並みの解像力を実現したと自信を持つ。事実、MTF曲線をチェックすると開放でも高い性能を達成。ズームレンズとしてはα史上もっとも高いMTF性能を担保できたとしている。

レンズ構成は13群18枚で、XAレンズ1枚を含む計3枚の非球面レンズを採用。XAレンズを2群に配置することで、ズーム全域でXAレンズの性能を引き出し、中心から周辺までの高い解像性能とボケ味の両立を実現したという。さらに、ED(特殊低分散)ガラス1枚とスーパーEDガラス1枚を採用することで、色収差を良好に補正し、キレイなボケ味を実現。コーティングにはソニー独自のナノARコーティングを採用する。絞り羽根は、新たに形状設計された9枚絞り羽根で、開放付近でほぼ真円の円形ボケが得られるとしている。

13群18枚のレンズ構成。XAレンズ1枚を含む計3枚の非球面レンズのほかEDガラス1枚、スーパーEDガラス1枚も採用している

MTF曲線。空間周波数50本/mmの曲線は表記されていないが、絞り開放からコントラストが高く、すぐれた性能を持つことが読み取れる

フォーカス駆動にはダイレクトドライブSSMを採用し、ピント精度が高く、静粛性にすぐれたオートフォーカスを実現。レンズ系の中央部を移動させて距離合わせを行うインターナルフォーカシング方式を採用することで、動画撮影時の画角変動を抑えているのもポイントだ。静止画でも動画でもハイレベルなオートフォーカス撮影が可能となっている。

サイズは87.6(最大径)×136(長さ)mmで、重量は約886g。最短撮影距離は0.38m。フィルター径は82mm。開放F2.8通しの高性能なズームレンズだけあって相応に大きくて重いレンズとなっている。ボディにはシーリングによる防塵・防滴に配慮した設計を採用。カメラボディとの連結部の防塵対応を強化するため、レンズマウントゴムリングも採用されている。

鏡筒にAF/MF切り替えスイッチやフォーカスホールドボタンを搭載

鏡筒にAF/MF切り替えスイッチやフォーカスホールドボタンを搭載

マニュアルフォーカス時の細かいリング操作にもレスポンスよく反応する新機構のフォーカスリングを採用。フォーカスリングやズームリングには気温の低い場所でもリングが回しやすいゴム素材を採用している。ズームロックスイッチも搭載

花形バヨネット式のフードが付属する

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2017.11.17 更新
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