新製品レポート
オートフォーカスやEVFの性能が向上。4K動画記録も可能に

進化のポイントは“動体”への対応! 一眼レフスタイルの新型ミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T2」詳細レポート

Xシリーズ初となる4K動画撮影に対応

Xシリーズとして初となる4K動画に対応するのもトピックで、MOV形式での4K(3840×2160)/30p 24p記録が可能。入力解像度は5120×2880で1.17倍クロップでの撮影となる。カメラ単体では連続で最大約10分までの4K記録が可能だ。ビットレートは4K、フルHDともに100Mbpsに対応する。

また、写真撮影時と同様、動画撮影時にもフィルムシミュレーションの利用が可能なほか、ハイライトトーン、シャドウトーン、カラー、シャープネスの調整も行える。4K映像のHDMI出力にも対応。センサーの持つ広いダイナミックレンジを生かして高色域で撮影を行う独自のLogガンマ「F-Log(エフログ)」を選択することもできる。

MOV形式での4K(3840×2160)/30p 24p記録に対応

MOV形式での4K(3840×2160)/30p 24p記録に対応

発表会の会場に展示されていたプロフェッショナル向けの動画システムの例。4K映像のHDMI出力に対応するなど外部機器との連携をアピールしていた

操作性
ダイヤルの操作性が向上。縦位置でのチルトが可能な新モニターを採用

操作性では、ボディ上面でシャッタースピード、感度、露出補正、ドライブモード、測光モードをダイヤルで設定する操作をX-T1から継承。より使いやすくなるように、ダイヤルの高さは従来よりも高い設計になっている。シャッタースピードダイヤルと感度ダイヤルには、誤作動を防止するロック&リリースボタンが追加された。

上面のダイヤル類は高さが高くなった。シャッタースピードダイヤルと感度ダイヤルについては少し大きくなり、ロック&リリースボタンも追加されている

グリップも新しい形状となり、従来以上にしっかりと握ってホールドできるようになった

グリップも新しい形状となり、従来以上にしっかりと握ってホールドできるようになった

液晶モニターには、Xシリーズ初となる3方向チルト方式の3.0型モニター(約104万ドット)を採用。横位置撮影時の上下チルトに加えて、縦位置撮影時も上方向のチルトが可能となっている。また背面には、X-Pro2と同様、フォーカスポイントをダイレクトに操作できる「フォーカスレバー」を搭載。縦・横・斜めの8方向にフォーカスエリアを移動することが可能だ。

3方向チルト方式の3.0型モニター(約104万ドット)。縦位置撮影時も上方向に動かせる

3方向チルト方式の3.0型モニター(約104万ドット)。縦位置撮影時も上方向に動かせる

背面にはフォーカスレバーが搭載された

背面にはフォーカスレバーが搭載された

細かいところでは、上面の動画撮影ボタンがなくなり、ドライブダイヤルで動画撮影を選択できるようになった。露出補正はX-Pro2と同様にコマンドダイヤルポジションが追加され、±5.0EVまでの補正が可能だ。三脚穴の位置も見直され、光軸上にレイアウトされるようになっている。

底面の三脚穴は光軸上にレイアウトされている

底面の三脚穴は光軸上にレイアウトされている

SDメモリーカードスロットはカードを2枚挿せるデュアルスロットに進化。両スロットともUHS-II規格に対応する。「順次記録」「バックアップ記録」「RAW/JPG分割記録」「動画記録先」といった4種類の記録方式を選択できる。なお、SDカードカバーとバッテリーカバーはロック機構付きとなった。

UHS-II対応のデュアルSDカードスロットを採用

UHS-II対応のデュアルSDカードスロットを採用

また、15万ショットの耐久力を誇るフォーカルプレーンシャッターを搭載し、シャッタースピードは最速1/8000秒に対応(電子シャッター時は最速1/32000秒)。フラッシュ同調速度は1/250秒以下となっている。

新設計のフォーカルプレーンシャッター。シャッタースピードは最速1/8000秒に対応する

新設計のフォーカルプレーンシャッター。シャッタースピードは最速1/8000秒に対応する

ボディ
防塵・防滴・耐低温性能を継承。サイズ・重量はわずかにアップ

X-T2は、ボディの素材にマグネシウム合金を採用し、高い堅牢性・耐久性を実現。63点に施されたシーリングによって防塵・防滴構造とマイナス10度の耐低温性能も備わっている。従来モデルと同様、本格的なフィールド撮影が可能なミラーレスだ。

ボディサイズは132.5(幅)×91.8(高さ)×49.2(奥行)mm(最薄部35.4mm)で、撮影時(付属バッテリー、メモリーカード含む)の重量は約507g。X-T1は129.0(幅)×89.8(高さ)×46.7(奥行)mm(最薄部33.4mm)で約440gなので若干ではあるが従来よりもサイズアップしている。

付属バッテリーは「NP-W126S」に変更された。撮影可能枚数は約340枚(ノーマルモード時)。従来のバッテリー「NP-W126」も利用できるが、新しいNP-W126Sには発熱を防ぐ対応などが施されているため、4K動画撮影などを行うのならNP-W126Sの使用を推奨するとのことだ。

X-T2のボディを分解した展示

X-T2のボディを分解した展示

付属バッテリーのNP-W126S。NP-W126よりも発熱を抑える工夫が施されているという

付属バッテリーのNP-W126S。NP-W126よりも発熱を抑える工夫が施されているという

このほか、Wi-Fi機能を内蔵し、スマートフォンやタブレット端末へのデータ転送が可能なほか、スマホ・タブレットからのリモート撮影も行える。Lightroomのプラグインソフト「Tether Shooting Plug-in for Adobe Photoshop Lightroom」もしくは「Tether Shooting Plug-in Pro for Adobe Photoshop Lightroom」が用意され、このプラグインとLightroomを利用することで、Windows PC やMacとカメラを接続してのテザー撮影も行える。

アクセサリー
専用の縦位置グリップの利用で性能・レスポンスが向上

別売アクセサリーとして、専用の縦位置パワーブースターグリップ「VPB-XT2」が同時発売となる。装着することで、ホールド性や操作性だけでなく、X-T2の性能・レスポンスも向上する注目のアクセサリーだ。価格は49,000円(税別)。

VPB-XT2を装着したイメージ

VPB-XT2を装着したイメージ

VPB-XT2はボディと同様、防塵・防滴・耐低温マイナス10度に対応。バッテリーを2個装填でき、カメラ側のバッテリーと合計3個を使うことで撮影枚数は最大約1000枚(ノーマルモード)に増加する。

見逃せないのは、VPB-XT2装着時に「ブースト」モードを選択すると、複数個のバッテリーが同時に働くようになり、連写性能や撮影間隔、シャッタータイムラグ、ブラックアウト時間などのパフォーマンスが向上すること。連写性能はカメラ単体で8コマ/秒(メカニカルシャッター時)、14コマ/秒(電子シャッター時)に対応しているが、VPB-XT2装着時にブーストモードを選択するとメカシャッターで11コマ/秒の連写が可能となる。さらにVPB-XT2装着時のブーストモード時は、撮影間隔が0.19秒から0.17秒に、シャッタータイムラグが0.05秒から0.045秒に、ブラックアウト時間が0.130秒から0.114秒に短縮され、4K動画の連続記録時間も約10分から約30分にまで伸びる。

VPB-XT2装着時のパフォーマンス設定は、VPB-XT2に用意されているスイッチで行う。カメラ側のメニューでは操作できないようになっている

9月に発売になる「クリップオンフラッシュ EF-X500」。最大ガイドナンバーは約50。ハイスピードシンクロやワイヤレス多灯TTLオート発光などに対応する多機能なフラッシュだ

まとめ 撮影領域の拡大を狙い、実用的な機能強化を図った高性能ミラーレス

従来モデルのX-T1は、フルサイズセンサーを搭載する一眼レフに匹敵する大きな見え方のEVFを搭載するなど、意欲的なスペックを搭載し、完成度の高いミラーレスであった。X-T2は、小型・軽量で高性能なX-T1のいいところをベースに、X-Pro2の画質スペックを採用したうえで、より実用的な機能強化によって、プロフェッショナルユーザーのニーズを意識し、撮影領域の拡大を狙った製品だ。具体的には、スナップやポートレート、風景、天体といったシーン・被写体だけでなく、スポーツ、飛行機、レース、動物といった動体撮影にも対応できるように機能を進化させている。

新製品発表会では、X-T2のベータ機に触れ、性能向上を体験することができた。撮影コーナーが用意され、目の前で踊っている人を追尾撮影することができたが、トラッキング能力は間違いなくアップしていると感じた。さらに、EVFが非常に滑らかに表示されることも確認できた。これまでの富士フイルム製ミラーレスの中でもっとも動体撮影に強いカメラなのは間違いない。一眼レフスタイルでファインダーを使った本格的な撮影に向くX-Tシリーズと、レンジファインダースタイルでスナップなどの速写に向くX-Proシリーズとのすみわけがさらに進んだように感じた。

発売は9月が予定されており、市場想定価格はボディ単体が17万円前後(税別)、標準ズームレンズ「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」が付属するレンズキットが21万円前後となっている。

なお、富士フイルムはX-T2の発表にあわせて、Xマウントレンズのロードマップを更新した。今年2016年の発売予定に「XF23mmF2 R WR」が、2017年発売予定に「XF50mmF2 R WR」と「XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro」が追加されている。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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