デジタルとフィルムが融合した新しいインスタントカメラ

デジタル機能を備えた新しいポラロイドカメラ「The I-1」を使ってみました

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インスタントフィルムの生産を中止してしまったポラロイドから工場を引き継ぎ、現在、ポラロイドに代わってポラロイドカメラに対応するインスタントフィルムを製造、販売している「IMPOSSIBLE PROJECT」が、現代の新しいポラロイドカメラ「The I-1」を発表しました。デジタルとアナログが融合した「The I-1」は、日本国内でも2016年5月より発売されています。価格は税込38,000円。

IMPOSSIBLE「The I-1」

IMPOSSIBLE「The I-1」

「The I-1」は、従来のポラロイドカメラと同じように、専用のフィルムをセットして使います。ファインダーをのぞいて本体のシャッターボタンを押せば、撮影したフィルムがレンズの下から出てきます。それに加えて、専用のiOSアプリと連携させることで、より細かなマニュアル操作やリモートシャッター、二重露光やバルブ撮影など、高度な撮影を楽しむことができるようになるのが特徴。フィルム写真をスマホで撮れる、アナログとデジタルが融合したカメラとなっています。

従来のポラロイドカメラのように少ないスイッチ

正面から。上のファインダーは折りたたみ式です。レンズの周りのLEDリングフラッシュにはLEDが8個搭載されています。電源がONの状態だと、左下の赤いLEDが点灯します。本体は充電式で、フィルム吐き出し口の下に備えられたUSBポートから付属のUSBケーブルを使って充電します

ユーザー側からみて、本体右側面にある円状のつまみを回すことで、電源のON/OFFのほか、本体とスマートフォンとのBluetooth接続モードを選べるようになっています。つまみの内円はシャッターボタンになっています。正面のリングフラッシュの横には光量調節スイッチが備えられています。明るめ、ノーマル、暗めの3段階に調節が可能

接眼側はこのような感じ。ファインダーとなる2枚のレンズに描かれているそれぞれの円が重なるように、カメラを被写体に向けます

横から見るとこのような感じで、そこそこ大きめな高さや奥行き、真四角な底などから、従来からのポラロイドカメラ感がかんじられます。なお、底部には三脚用のネジ穴が用意されています

フィルム吐き出し口には、現像中のフィルムを光から保護する黒いカバーが備え付けられています

フィルム吐き出し口には、現像中のフィルムを光から保護する黒いカバーが備え付けられています

余分な部分は削ぎ落とされていますが、大きさは、従来のポラロイドカメラと同じくらい。折りたためないのがちょっと残念

ちなみにパッケージはこのような感じ。厚紙でできた箱に入っています。本体は、底部の三脚用のネジ穴で台紙と固定されています。日本語の説明書つき

アプリと連携することで、表現できることが増えて楽しい撮影機能!

「The I-1」本体だけでもインスタント写真は撮れますが、専用のiOSアプリと本体を連携することで、スマートフォンからさまざまな操作が可能になるのが「The I-1」のユニークなところです。

「マニュアルモード」ではフラッシュの強さや、F値やシャッタースピード、焦点距離を細かくコントロールして撮影することができます

「二重露光モード」。フィルムカメラですが、アプリ内のシャッターボタンをそのまま2回押すだけで二重露光の撮影が行えます

長時間露光の撮影ができる「ライトペイントモード」には、シャッターボタンのほかに、押している間だけスマートフォンの背面のLEDを点灯させるボタンも備わっています

ユニークなのが、設定した大きさ以上の音を感知した瞬間に撮影する「ノイズトリガーモード」。笑い声が起こった瞬間とか、犬の吠えた瞬間とかを撮ったらおもしろいかも?

パーティーや公園で実際に撮影してみました

ちょうどいいタイミングで友人の結婚式があったので、本機を会場へ持ち込んで撮影してみました。主に新郎新婦や、出席していた友人を撮っていたので、アプリを立ち上げてスマホで操作して……というより、本体の明暗コントロールとフラッシュだけを調整して撮影。

公園や都内を散策しながら撮影した日は、アプリに用意されているいろいろなモードを試してみました。

今回は、IMPOSSIBLE PROJECTより発売されている、「COLOR FILM FOR 600」と「B&W FILM FOR 600 CAMERAS」、丸型のフレームの「COLOR FILM FOR 600 ROUN FRAMES」の3種類のフィルムを使いました。フィルムが完全に現像されるのには、カラーフィルムで20分ほど、白黒フィルムなら10分ほどかかります。

撮影するときはファイダーと目を5cmほど離して被写体に向きます。慣れるまでちょっと難しいです

撮影するときはファイダーと目を5cmほど離して被写体に向きます。慣れるまでちょっと難しいです

室内の披露宴会場で、フラッシュを使って撮影してみました。撮影後、ビーッとフィルムが出てくるとみんなびっくり。ポラロイドカメラの存在を知っていても、実際に使ったことがある人は、若い世代では少ないのでは?

ガーデンにある鐘をならす新郎新婦の様子です。梅雨の間の、奇跡的な晴れの日で、日差しも強すぎず、最高の結婚式でした! 明暗コントロールを明るめにして撮ったので、ウェディングドレスの白色や空など、全体が明るくふわっとしていて、いい感じです

こちらは室内の、暗めのバーの中で、フラッシュを使って撮影しました。ちょっとブレちゃったけどやさしい感じになりました。人が、フレームに収まっていてよかったー

夕暮れはこのような感じ。街の灯りがかわいいです

夕暮れはこのような感じ。街の灯りがかわいいです

東京駅前のKITTEの屋上から撮りました。手すりが入らないように左手でカメラを持ち上げて撮影したのですが、右手のスマートフォンからアプリの「リモートシャッターモード」を使うことで、あまりブレずに撮影できたと思います。ポラロイドフィルムに写る小さい人間がいいですね、描写が粗くて鉄道模型か戦車プラモの人物フィギュアみたい

こっちは水平に撮りたいなーと思い、石垣の上にカメラを置いてアプリからリモート撮影しました。便利!

こっちは水平に撮りたいなーと思い、石垣の上にカメラを置いてアプリからリモート撮影しました。便利!

アプリの「二重露光モード」を使ってみました。ポラロイドカメラでの二重露光は初挑戦でしたが、アプリの「二重露光モード」を選択して、1枚目、2枚目と2回シャッターボタンを押すだけの簡単さ。デジタル最高! 出来上がりを想像しながら撮るのが難しいですね

室内でも二重露光モードを試してみました。暗い環境で、カメラの明暗コントロールも「暗め」に設定して撮るとうまくいきやすいということがわかりました。今回は、本体の明暗コントロールを「暗め」に設定し、真っ暗闇の中で、フラッシュを使って撮影することで成功しました

先ほどの写真を撮るのに失敗した3枚。左と真ん中の2枚は、明るい場所で撮ったのが失敗の原因みたいです。そこで照明を消して撮影してみたのが右の1枚ですが、顔の角度がズレて肌の明るさが異なってしまったようです

アプリの「ライトペイントモード」を使って撮影してみました。iPhoneのLEDを点灯させて絵を描いています

アプリの「ライトペイントモード」を使って撮影してみました。iPhoneのLEDを点灯させて絵を描いています

歩道橋の上から、「ライトペイントモード」を使い、長時間露光に挑戦です。長時間露光については、価格.comマガジンの「止めて流して世界が変わる! 『シャッタースピード』で遊びましょう!https://mag.kakaku.com/woman/?id=4235」を参考にしました

白黒のフィルムで花を撮るとこんなふうになりました。花のいろいろな質感が出ています。IMPOSSIBLE製のインスタントフィルムは、ポラロイドフィルムとは違う薬剤でできているそうで、空気中に出しておくとポラロイドフィルムよりも早く変色が始まってしまうのだそう。変色を防ぐために、専用の乾燥剤入り保存キット「IMPOSSIBLE DRY AGE KIT」(税込540円)に入れておくと便利です

また、撮影直後に強い日光に当たってしまうと、フィルムが変色してしまうそうで、出来上がった写真も上のように赤くなってしまうことがありました。暑い日は、フィルムを取り出してすぐ、「IMPOSSIBLE DRY AGE KIT」などを使って日陰になるような場所で保存したほうがよさそうです

まとめ

「The I-1」はスマートフォンと連携させて、アプリから撮影することもできますが、本体に最小限のスイッチ類だけが残っているのは、操作がわかりやすく、デザインとしても、従来のポラロイドを引き継いでいるようでかっこいいと思います。スティーブ・ジョブスがポラロイド創業者に憧れて、物理ボタンが少ないプロダクト(iPhoneとか)を作っていたという(本当かうそかわからない)話も、ワオ、なるほど〜 という気になってきました。

従来のポラロイドカメラではコツが必要だった二重露光や、長時間露光ができない機種も多かったと思いますが、その部分をデジタル化することで解決しながら、フィルムの写り加減と、シャッターボタン押すとすぐに出てきて現像されるという体験をそのままポラロイドカメラから引き継いでいるのが面白いところ。人を撮影して、その場の楽しい気分が新鮮な状態のうちに、本人やまわりの人と、現像された写真を囲んでワイワイ楽しむのは、インスタントカメラにしかできないなー と感じました。

カメラや写真に詳しくなくても、スマホ操作でアートなフィルム写真に挑戦できるので、必要なのは本人の美的センスや発想力なのでは? という感じがしました。なお、アプリにはスキャナーモードも用意されていて、現像されたフィルムを撮影してデジタルデータとして保存しておくことも可能です。

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「IMPOSSIBLE I-1」製品情報ページ

堤 智代(編集部)

堤 智代(編集部)

ホビーやおもちゃを中心にレビュー記事を担当しています。ラジコンやプラモデル、フィギュアを取り上げることが多いですが、それら以外でも楽しそうな製品を紹介していきたいと思います!

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2017.8.18 更新
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