交換レンズ図鑑

ライカブランドの大口径・広角レンズ、パナソニック「LEICA DG SUMMILUX 12mm / F1.4 ASPH.」実写レビュー

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絞り値別に中央部と周辺部の描写を比較した作例

※以下に掲載する比較作例は、LUMIX GX7 Mark IIとLEICA DG SUMMILUX 12mm / F1.4 ASPH.を組み合わせてJPEG形式の最高画質(ファイン)で撮影したもの(JPEG撮って出し)になります。露出をそろえながら絞り値別(F1.4/F2/F2.8/F5.6/F8の1段ずつ)に同じ被写体(夜景)を撮り比べました。撮影設定はホワイトバランス:オート、フォトスタイル:ヴィヴィッドで、その他の画質調整機能はすべて初期設定のままになります。

※中央部と周辺部の切り抜き画像を掲載します。リサイズを行なっていない撮影写真は、切り出し画像の下にテキストリンクでまとめました。

比較作例のサムネイル。緑枠が中央部、青枠が周辺部として切り抜いた部分

比較作例のサムネイル。緑枠が中央部、青枠が周辺部として切り抜いた部分

F1.4:ISO100、1/1.6秒、F2:ISO100、1.3秒

F1.4:ISO100、1/1.6秒、F2:ISO100、1.3秒

F2.8:ISO100、2.5秒、F4:ISO100、5秒

F2.8:ISO100、2.5秒、F4:ISO100、5秒

F5.6:ISO100、10秒、F8:ISO100、20秒

F5.6:ISO100、10秒、F8:ISO100、20秒

F1.4:ISO100、1/1.6秒、F2:ISO100、1.3秒

F1.4:ISO100、1/1.6秒、F2:ISO100、1.3秒

F2.8:ISO100、2.5秒、F4:ISO100、5秒

F2.8:ISO100、2.5秒、F4:ISO100、5秒

F5.6:ISO100、10秒、F8:ISO100、20秒

F5.6:ISO100、10秒、F8:ISO100、20秒

絞り値F1.4(4592×3448、7.39MB)の撮影写真
絞り値F2.8(4592×3448、7.54MB)の撮影写真
絞り値F2(4592×3448、7.50MB)の撮影写真
絞り値F4(4592×3448、7.47MB)の撮影写真
絞り値F5.6(4592×3448、7.56MB)の撮影写真
絞り値F8(4592×3448、7.53MB)の撮影写真

この比較作例では、点光源の描写をチェックしてほしい。画面中央部を見ると絞り開放からシャープな描写となっており、高い性能を持つ広角レンズであることがわかる。周辺部では、絞り開放だと細かいところでコマ収差が見られるものの、1段絞ってF2になると大幅に抑えられるようになる。F2.8まで絞ると気になるような像の流れやにじみは見られなくなる。

描写力と使い勝手をレビュー

・絞り開放からコントラスト、解像力が高い
・特にコントラストの高さと抜けのよさが印象的
・ボケ味は大きくてなめらか
・歪曲収差もよく抑えられている
・周辺部の描写力も高い。絞り開放だと収差が出るがF2〜F2.8まで絞れば解消する
・逆光耐性は価格を考慮するともうひとつ
・絞りリングがやや軽い

LEICA DG SUMMILUX 12mm / F1.4 ASPH.は、ライカブランドのレンズとして、非常にすぐれた光学性能を実現している。35mm判換算で24mmの広角レンズながら、絞り開放からコントラスト、解像力ともに高い。特にコントラストの高さと抜けのよさが印象的。ライカらしい表現力の高さを持つレンズだと思う。レンズ焦点距離12mmのレンズとしては大きくてなめらかなボケが得らえるのも特徴だ。ボディ側での補正もあるのだろうが歪曲収差が抑えられているのもポイントで、歪みが少なく、直線がキレイに伸びる。

さらに、周辺の描写にすぐれ、画面全体で安定した画質が得られるのが、このレンズの魅力。絞り開放だと点光源で像が流れることがあるものの、サジタルハロ(同心円状に広がるにじみ)はよく抑えられている。周辺光量落ちは、絞り開放だとやや目立つがF2〜F2.8まで絞れば解消される。気になるようであればボディ側のシェーディング補正を活用すればいいだろう。

逆光耐性は、やや強い光源が画面に入るとゴーストが出ることがあるのが気になった。広角レンズとしては及第点で逆光に弱いというわけではないのだが、実売約14万円という価格を考慮すると、もう少しがんばってほしかった。

使ってみて気になったのは、絞りリングがやや軽い設計になっていること。クリック感が弱く、使い始めは回しすぎてしまうことがあった。バッグからカメラを出し入れした際に絞りリングが動いていることも何度かあった。

まとめ ライカブランドの高級レンズとして期待どおりの性能を実現

・開放F1.4の大口径広角レンズながら開放から画面全体で高い性能を実現
・コントラストの高さと抜けのよさはマイクロフォーサーズ用としてトップクラス
・約14万円という価格に見合う価値のあるレンズ
・マイクロフォーサーズ用の単焦点レンズとしては大きい部類に入る

LEICA DG SUMMILUX 12mm / F1.4 ASPH.は、ライカブランドの高級レンズとして期待どおりの性能を持つ製品に仕上がっている。絞り開放F1.4の大口径を実現した広角レンズながら、開放から画面全体で高画質が得られる高性能を実現している。マイクロフォーサーズ用のレンズは画面全体で描写力にすぐれるものが多いが、このレンズは、その中でもトップクラスのコントラストの高さと抜けのよさを持つ。点光源に強いのも特徴で、星空や夜景の撮影にも向くのもポイントだ。

価格.com最安価格(2016年8月5日時点)は約14万円。安い製品ではないが、ライカの写りと作品作りにこだわるのであれば手に入れる価値は十分にあると思う。

ただし、描写力にすぐれる分、マイクロフォーサーズ用の広角〜標準域の単焦点レンズの中では大きくて重い部類となることは覚えておいてほしい。開放F1.4の広角24mmレンズというスペックを考慮すると十分にコンパクトだが、コンパクトなボディに装着すると少しレンズ側が重く感じるかもしれない。

真柄利行(編集部)
Writer
真柄利行(編集部)
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣とこだわりを持っています。フォトグラファーとしても活動中。パソコンに関する経験も豊富で、パソコン本体だけでなく、Wi-Fiルーターやマウス、キーボードなど周辺機器の記事も手掛けています。
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三浦善弘(編集部)
Editor
三浦善弘(編集部)
出版社で月刊誌やWebメディアの編集・記者を経験し、2013年にカカクコム入社。「価格.comマガジン」にて、PCやスマートフォン分野を担当。取材歴は20年以上。現在は「価格.comマガジン」全体を統括する。
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