プロ注目の新しい高画質カメラの特徴をレポート

“富士フイルム史上最高画質”を実現した中判ミラーレス「GFX 50S」のコンセプト、画質、操作性に迫る!

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「GFX 50S」は、富士フイルムが先日発表した、中判サイズの大型撮像素子を採用する中判ミラーレス。「富士フイルム史上最高画質」を実現した、プロ向けの高画質なカメラだ。ここでは、発表会で得た情報をもとにGFX 50Sのコンセプトや画質、操作性などを紹介しよう。

GFX 50S(レンズはFUJINON GF32-64mmF4 R LM WR)

GFX 50S(レンズはFUJINON GF32-64mmF4 R LM WR)

「GFX 50S」の商品化の目的とコンセプト

富士フイルムがGFX 50Sを商品化した最大の目的は、コマーシャル、ファッション、自然・風景といった、より高解像・高画質が要求される撮影領域に対して最高画質のデジタルカメラを提供することだ。スナップやスポーツ、動物といった機動性が求められる領域は、APS-Cサイズの撮像素子を採用するミラーレス「Xシリーズ」でカバーし、そのカバーエリアよりも高解像・高画質が要求されるジャンルに対して、Xシリーズと同じく富士フイルムの色で応える必要があると考え、中判サイズの撮像素子を搭載するGFX 50Sの開発を決定したという。

製品コンセプトは、ミラー構造のないミラーレスシステムのメリットを最大限に生かすこと。Xシリーズでも実現している小型・軽量ボディや静かなシャッター音などの特徴はそのままに、一眼レフと同等の大きさのボディで、それ以上の画質を実現することを基本的なコンセプトに開発を進めた。サイズは147.5(幅)×94.2(高さ)×91.4(奥行)mmで、重量は約920g(電子ビューファインダー装着時)。一般的な35mmフルサイズデジタル一眼レフと比べても同等のサイズ・重量となる小型・軽量ボディに仕上がっている。マグネシウム合金ボディで、防塵・防滴、-10度の耐低温設計も実現した。

富士フイルムが考える撮影領域のイメージ。横軸が機動性、縦軸が画質となっている。コマーシャルやファッションといった、より高画質が要求される領域をGFX 50Sがカバーする

GFX 50Sは、ミラーレスシステムのメリットを最大限に生かすことをコンセプトに開発された。中判フォーマットの超高画質を35mmフルサイズデジタル一眼レフと同等のサイズ・重量で実現したとしている

中判は、フィルムカメラではプロ写真家にとって当たり前の「必然」のフォーマットで、アマチュア写真家にとっては「憧れ」のフォーマットであったと富士フイルムは考えている。カメラのデジタル化が進むにつれ、中判は一般の選択肢から外れるようになったが、GFX 50Sによって「すべての写真家の手に中判が帰ってくる」とアピールする。なお、約44×33mmサイズのフォーマットの呼び方を社内で議論したが、多くの方にとってわかりやすいだろうという理由で中判と呼ぶことに決めたとのこと

独自設計の撮像素子を採用。新機能「カラークローム・エフェクト」を追加

撮像素子は富士フイルムが独自設計したもの。サイズは43.8×32.9mmで、有効画素数は5140万画素。35mmフルサイズ(約36×24mm)の約1.7倍となる大型センサーだ。中判フィルムの645サイズ(56×41.5mm)よりは小さいが、中判デジタルカメラやデジタルバックで多く採用されているフォーマットである。5000万画を超える高画素センサーで非常に高い解像力が得られるだけでなく、同画素数の35mmフルサイズセンサーと比べてピクセルサイズが大きくなるため、階調性や高感度画質でも有利だとしている。

独自設計したところでトピックとなるのは、集光用のマイクロレンズとシリコンプロセス。新設計のマウント・レンズにあわせてマイクロレンズを最適化することで、画面の周辺まで高画質を実現。さらに、シリコンプロセスの改良によって、低感度から高感度まで安定した画質を実現した。

なお、GFX 50Sの撮像素子は、富士フイルムが得意とする独自のカラーフィルター配列の「X-Trans」ではなく、一般的なベイヤー配列となっている。ベイヤー配列を採用したのは、5000万画素を超えるためベイヤー配列でもモアレ・偽色がほとんど発生しないことや、ハンドリングがしやすいこと、コスト面など複数の点を考慮して、ベイヤー配列のほうがユーザーベネフィットが高いと判断したためとのことだ。

35mmフルサイズの約1.7倍の大きさとなる43.8×32.9mmサイズの大型撮像素子を採用

35mmフルサイズの約1.7倍の大きさとなる43.8×32.9mmサイズの大型撮像素子を採用

マイクロレンズの最適化やシリコンプロセスの改良など富士フイルムの独自設計により、低感度から高感度まで安定した画質を実現した

画像処理エンジンは、Xシリーズの最新モデルにも採用されている「X-Processor PRO」を搭載。感度はISO100〜12800に対応する。フィルムシミュレーションは、好評の「ACROS」を含むすべてのシミュレーションの利用が可能だ。色鮮やかな赤い花のような彩度が高く階調表現が難しい被写体でも深みのある色・階調を実現する新機能「カラークローム・エフェクト」も追加された。さらに、14bit RAWに対応し、約14段の広いダイナミックレンジも実現。カメラ内RAW現像では8bit TIFFの出力も可能だ。JPEG記録では、従来のFINEよりも低圧縮なSUPER FINEを新たに採用している。

また、プロの利用が多くなることを想定し、階調再現性を若干変えているという。従来よりもシャドー部の階調をつぶさないようにすることで、撮影後の編集をやりやすくした。特に、階調を重視するフィルムシミュレーション「PROVIA」「ASTIA」において処理に変更したとのことだ。

このほか、さまざまなフォーマットでのクロップ撮影が可能なのも特徴。有効5140万画素センサーを生かし、クロップでも高画素な撮影が行える。同社のレンジファインダーカメラ「TX-1/TX-2」のフルパノラマフォーマット(65:24)のクロップにも対応している。

新機能のカラークローム・エフェクトは、往年のリバーサルフィルムの色の深み、豊かな階調再現、立体感を実現する。効果は「強」「弱」「オフ」を選べる。カメラ内RAW現像時にも利用できる

従来よりもシャドー部の階調を軟調にすることで、画像処理耐性が向上

従来よりもシャドー部の階調を軟調にすることで、画像処理耐性が向上

アスペクト比4:3での撮影のほか、3:2、16:9、1:1、65:24、5:4、7:6でのクロップ撮影が可能

アスペクト比4:3での撮影のほか、3:2、16:9、1:1、65:24、5:4、7:6でのクロップ撮影が可能

新設計の「Gマウント」を採用。中判ミラーレス初のフォーカスプレーンシャッターも採用する

レンズマウントは新設計の「Gマウント」を採用。画質重視で設計し、マウント径は65mmで、フランジバックは26.7mmとなっている。開放部を広げることでバックフォーカスは最短16.7mmを実現しており、特に広角レンズにおいて自由度の高い設計を可能にした。

新設計のGマウントを採用。フランジバック26.7mm、バックフォーカスは最短16.7mmとなっている

新設計のGマウントを採用。フランジバック26.7mm、バックフォーカスは最短16.7mmとなっている

シャッター機構は、レンズシャッターではなくフォーカルプレーンシャッターを採用。中判サイズの撮像素子を採用するミラーレスとしては世界初のフォーカルプレーンシャッター機だ。Xシリーズと同様に静音、低振動、高耐久を重視した設計で、耐久性能は15万回となっている。

シャッター方式はメカニカル、電子先幕、電子シャッターの3種類から選択可能。ミラーレス構造によって低振動化を実現しているものの、中判サイズの大型撮像素子であるためシャッター幕のショックによる解像力の低下が起きやすいことを考慮し、状況にあわせてより振動を抑えた撮影ができるように、電子先幕と電子シャッターを含めた3種類のシャッター方式を選べるようにした。

対応するシャッタースピードは、メカニカル時で60分〜1/4000秒(Pモード時は4〜1/4000秒)、電子先幕時で60分〜1/500秒(1/640〜1/4000秒時は自動的にメカニカルに移行)、電子シャッター時で60分〜1/16000秒。電子先幕時は、高速シャッターになるとメカシャッターと電子シャッターの位置ズレによってボケ像が欠ける場合があるため、1/640秒以上の高速シャッター時は自動的にメカニカルに移行する。メカニカル・電子先幕時のフラッシュ同調速度は1/125秒以下。

なお、中判サイズの高画素・大型センサーであるため、電子シャッター時のローリングスピードは1/3秒程度が必要で、APS-Cセンサーを採用するXシリーズの最新モデル(ローリングスピードは1/30秒程度)と比べるとローリングシャッター歪みが発生しやすいとのことだ。

ミラーショックのないミラーレス構造に加えて、シャッターも低振動設計にすることで解像度の低下を抑えている

中判ミラーレスとしては初となるフォーカルプレーンシャッターを採用。メカニカル、電子先幕、電子シャッターの3種類のシャッター方式に対応している

Xシリーズを踏襲したデザインと操作性。上面にサブ液晶モニターを装備

ボディデザインと操作性はXシリーズのコンセプトを踏襲。カメラらしいたたずまいや、ダイヤルを中心とした操作性を継承しており、Xシリーズや中判カメラを使用している方であれば違和感なく操作できるとアピールする。

Xシリーズのコンセプトを踏襲したボディデザインを採用

Xシリーズのコンセプトを踏襲したボディデザインを採用

標準レンズ「FUJINON GF63mmF2.8 R WR」を装着したGFX 50S

標準レンズ「FUJINON GF63mmF2.8 R WR」を装着したGFX 50S

上面左に感度ダイヤル、右にシャッタースピードダイヤルやサブ液晶モニターを搭載する

上面左に感度ダイヤル、右にシャッタースピードダイヤルやサブ液晶モニターを搭載する

操作性の大きな特徴となるのが、3方向チルト式の液晶モニターと、上面のサブ液晶モニターだ。液晶モニターは3.2型で約236万ドット表示に対応し、Xシリーズの「X-T2」と同様に3方向の可動に対応。上90度、下45度、右60度に動かすことができる。タッチ操作にも対応しており、AFエリア選択・タッチAF、ライブビュー拡大、再生画像の拡大・縮小といった操作を直感的に行える。

約236万ドットの3.2型液晶モニターを採用。上・下・右の3方向チルト式モニターでタッチ操作にも対応している

ボディ上面にサブ液晶モニターを採用したのは、プロの現場での使用を意識してのもの。パソコンからテザー撮影を行う場合などでも撮影情報を確認しやすくするために採用したとのことだ。シャッタースピード、絞り値、感度、露出補正などの撮影情報や機能設定アイコンを表示でき、計8項目の表示をカスタマイズすることもできる。バックライトのオン・オフも可能だ。

サブ液晶モニターは白黒表示の1.28型

サブ液晶モニターは白黒表示の1.28型

右側面にデュアルSDカードスロットを採用。UHS-IIの使用に対応している

右側面にデュアルSDカードスロットを採用。UHS-IIの使用に対応している

インターフェイス類は左側面に集中しており、DC IN端子、リモートレリーズ端子(2.5mm)、HDMIマイクロ端子(Type D)、 USB3.0対応マイクロUSB 端子(Micro-B)、マイク端子、ヘッドホン端子を搭載。シンクロターミナルはボディ前面に配置されている

バッテリーは新開発の「NP-T125」で、撮影可能枚数は約400枚(オートパワーセーブオン時)。Xシリーズと比べると大きなバッテリーとなっている。バッテリーの挿入口はボディ左側面

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2017.10.16 更新
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