「価格.comプロダクトアワード2016」大賞レンズの実力は?

富士フイルム純正の人気レンズ「フジノンレンズ XF35mmF2 R WR」実写レビュー

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今回の「交換レンズ図鑑」でレビューするのは、富士フイルムの純正レンズ「フジノンレンズ XF35mmF2 R WR」(以下、XF35mmF2 R WR)。価格.comユーザーにもっとも支持された製品を選出するアワード「価格.comプロダクトアワード2016」の「カメラ周辺機器部門」において大賞を受賞した人気レンズだ。

※本記事中の価格表記は2017年3月2日時点での価格.com最安価格(税込)を参考にしています。

純正のXマウント用単焦点レンズとしてもっとも安い、小型・軽量な標準レンズ

XF35mmF2 R WR(ボディはX-Pro2)。ブラックのほかシルバーも用意されている

XF35mmF2 R WR(ボディはX-Pro2)。ブラックのほかシルバーも用意されている

Xマウント用の純正レンズは、2万円を切る低価格モデル(※Xマウントフィルターレンズを除く)や20万円を超える高価格モデルがなく、多くのモデルが4〜9万円台の価格となっている。極端に安い(高い)価格のものはラインアップせず、価格と描写力のバランスを重視して良質なレンズを着実に拡充している印象を受ける。特に、単焦点レンズのラインアップが充実しているのが魅力で、開放F1.2〜F2.8の単焦点レンズが計13本も用意されている。

今回紹介するXF35mmF2 R WRはその中の1本。35mm判換算で焦点距離53mm相当の画角となる、開放F2の標準・単焦点レンズだ。価格.comプロダクトアワード2016のカメラ周辺機器部門で大賞を受賞したユーザーからの評価が高い製品。富士フイルム純正のXマウント用の単焦点レンズとしてはもっとも安く、価格は約4万円となっている。

開放F2のコンパクトな標準レンズ。X-Pro2とデザインもマッチしている

開放F2のコンパクトな標準レンズ。X-Pro2とデザインもマッチしている

最大の特徴は、開放F2の明るさながら、60(最大径)×45.9(全長)mmで重量約170g(レンズキャップ・フード含まず)の小型・軽量ボディに収められていること。持ち運びやすい軽量レンズだが、外装には金属製のパーツを全面に採用し、しっかりとした作りの鏡筒となっている。さらに鏡筒各部に8か所のシーリングを施し、防塵・防滴・-10℃の耐低温構造も実現。「X-Pro2」や「X-T1」など防塵・防滴・耐低温構造を持つカメラボディとの相性もいいレンズだ。

レンズ構成は6群9枚。非球面レンズ2枚を採用し、絞り開放からコントラストが豊かで解像感の高い描写を実現しているという。絞り羽根は9枚円形絞り。フォーカシングはレンズの全長が変わらないインナーフォーカス方式。AF駆動には、ユニットの小型化と静音化が可能なステッピングモーターを採用する。

鏡筒は先細りの形状で、すっきりとしたデザイン。絞りリングとフォーカスリングを備え、他のXマウントレンズと同様、シングルAF時でのAF合焦後にMFでピント調整が行えるAF+MFにも対応している

金属製マウントを採用

金属製マウントを採用

円形フードが付属。フードを装着した状態でレンズキャップを付けることが可能だ。付属フードとは別に、金属製の穴あきフード「LH-XF35-2」が別売オプションとして用意されている

●主な仕様
・レンズ構成:6群9枚 (非球面レンズ2枚)
・焦点距離:35mm(35mm判換算53mm相当)
・絞り値:F2〜F16
・絞り形式:9枚(円形絞り)、1/3ステップ (全19段)
・撮影距離範囲:35cm〜∞
・最大撮影倍率:0.135倍
・フィルター径:43mm
・サイズ:60(最大径)×45.9(全長)mm
・重量:約170g(レンズキャップ・フード含まず)

実写作例

※以下に掲載する作例は、X-Pro2とXF35mmF2 R WRを組み合わせてJPEG形式の最高画質(画像サイズ:L 3:2、画質モード:FINE)で撮影したもの(JPEG撮って出し)、もしくは、RAW形式のデータをJPEG形式に変換したもの(カメラ内RAW現像を利用)になります。いずれの作例も、グレイン・エフェクト:オフ、ダイナミックレンジ:100%、ノイズリダクション:0(初期設定)、長秒時ノイズ低減:オンの設定で撮っています。

※サムネイル画像をクリックすると、撮影写真を長辺900ピクセルに縮小した画像が開きます。リサイズを行なっていない撮影写真は、サムネイル画像下のテキストリンクをクリックすると開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

夕暮れ時に絞り値F4.5で撮影した1枚。大きくてなめらかな背景ボケが得られた
X-Pro2、ISO200、F4.5、1/500秒、ホワイトバランス:晴れ、フィルムシミュレーション:Velvia、JPEG
撮影写真(6000×4000、9.0MB)

日没頃に撮影。コントラストの高い1枚となった。フィルムシミュレーションをVelviaにして色合いと金属の質感を強調した
X-Pro2、ISO200、F8、1/220秒、ホワイトバランス:晴れ、フィルムシミュレーション:Velvia、JPEG
撮影写真(6000×4000、9.2MB)

ss

開放で撮影。ピント位置はシャープな描写で、輪郭線のないキレイな背景ボケに仕上がった
X-Pro2、ISO200、F2、1/80秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA、JPEG
撮影写真(4000×6000、9.1MB)

ガラス越しにグラスを開放で撮影。色収差が出やすい被写体で、ボケの輪郭がわずかに色づいているものの、気になるようなにじみは出ていない
X-Pro2、ISO1600、F2、1/80秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA、JPEG
撮影写真(6000×4000、10.6MB)

逆光で撮っているがフレア・ゴーストが出ていないのがポイント。二線ボケが気になる被写体だが、ボケがうるさい感じはない
X-Pro2、ISO200、F2、1/6400秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:ASTIA、JPEG
撮影写真(6000×4000、9.63MB)

F8まで絞って撮影。クリアで抜けのよい描写で、周辺の解像感も高い
X-Pro2、ISO200、F8、1/220秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA、JPEG
撮影写真(6000×4000、15.4MB)

最短撮影距離35cm付近で撮影した1枚。開放で最短撮影距離だとピント位置は少しやわらかい描写になるようだ
X-Pro2、ISO200、F2、1/140秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA、JPEG
撮影写真(4000×6000、9.5MB)

こちらは最短撮影距離付近から10cm程離して撮っている。背景ボケがややうるさい感じになってしまった
X-Pro2、ISO200、F2、1/850秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA、JPEG
撮影写真(6000×4000、10.3MB)

フィルムシミュレーションをACROSにしてF2.8で撮影。奥行感・立体感のある写真になった
X-Pro2、ISO200、F2.8、1/70秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:ACROS、JPEG
撮影写真(6000×4000、8.2MB)

手持ちで夜景を撮影した1枚。開放で撮っているため周辺部ではわずかにコマ収差が見られるが、よく抑えられている。カメラ内RAW現像で明るさとトーンを調整した
X-Pro2、ISO1250、F2、1/60秒、ホワイトバランス:蛍光灯3(白色蛍光灯)、フィルムシミュレーション:Velvia、RAW(+0.7EV増感、シャドウトーン-1)
撮影写真(6000×4000、13.0MB)

描写力と使い勝手をレビュー

XF35mmF2 R WRは、クセのない素直な写りをするレンズで、解像感とボケ味のバランスにすぐれているのが魅力だと感じた。近接撮影時にやや鮮鋭さに欠けるところもあるが、絞り開放から色収差が抑えられており、シャープな描写でコントラストも高い。どちらかというとくっきりとした色表現が得意なレンズではないだろうか。開放F2なので極端に大きなボケが得られるわけではないが、ボケ味は自然でやわらかい。

操作感については、フォーカスリングは電子フォーカスとなるが適度なトルク感があって操作しやすい。MFでの微妙なピント合わせも可能だ。絞りリングもしっかりとしたクリック感で誤操作が少ない。また、X-Pro2で使用したが、AFは静かでスムーズ。使っていてストレスを感じることはなく、快適なAF撮影が行えた。鏡筒が細い形状なので、OVFを覗いたときのケラれがほとんど気にならないのもいいところだ。

まとめ コストパフォーマンスにすぐれたスナップ用に最適なレンズ

XF35mmF2 R WRは、小型・軽量で持ち運びやすく、開放から安定した描写力を発揮する標準レンズだ。スムーズなAFが可能なのもポイントで、高い携帯性とレスポンスが求められるスナップ撮影に最適なレンズとなっている。ピント位置はシャープでなめらかなボケ味が得られる描写力の高さと、外装に金属パーツを使った高品位な筐体を考慮すると、約4万円という価格はコストパフォーマンスが高い。はじめての単焦点レンズにも適した製品ではないだろうか。

製品選びでは、富士フイルム純正レンズとして、同じ画角で開放F1.4の「XF35mmF1.4 R」も用意されており、XF35mmF2 R WRとどちらを選ぶか悩ましいところ。XF35mmF1.4 Rの価格は約56,000円。開放F1.4の大きなボケが欲しいのならXF35mmF1.4 R、価格と携帯性を重視するならXF35mmF2 R WRといったように予算やニーズに合わせて選択するといいだろう。

なお、富士フイルムは、小型・軽量と描写力を両立する開放F2の単焦点レンズ群を「F2シリーズ」として、XF35mmF2 R WRのほかに、「XF23mmF2 R WR」と「XF50mmF2 R WR」もラインアップしている。いずれも先細りの鏡筒でデザインを統一。単焦点レンズでの軽快な撮影を楽しめるシリーズとなっている。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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2017.12.15 更新
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