いいモノ調査隊
冬タイヤを履いていても豪雪時にはあると便利

乗り心地に感動! ”非金属タイヤチェーン“の進化がすごかった

真冬になると、愛車の四輪駆動システムの性能をフルに発揮させる喜びに浸るべく、雪道を求めて北国ドライブを楽しむのが大好きな自動車ライター、マリオ高野です。

2台ある愛車は両方とも高性能な四輪駆動システムを備えるので、毎シーズン、スタッドレスタイヤに履き替えて豪雪地域のドライブを楽しんでおります

いよいよ冬真っ盛りとなり、関越道や上信越道、東北道など降雪量の多いエリアの高速道路ではチェーン規制がかかることが増えてきました。チェーン規制といっても、スタッドレスタイヤを装着していればタイヤチェーンは必要ないので、降雪量の多いエリアでは、ほとんどのクルマがスタッドレスタイヤを装着して備えています。

進化した非金属タイヤチェーンをテストした

スタッドレスタイヤの性能の向上が目覚ましいこともあり、昔に比べるとタイヤチェーンを装着するクルマはかなり減りました。自動車メディアでもタイヤチェーンをテストする企画は減少する傾向にあるので、個人的には久しくタイヤチェーンを使用する機会から遠ざかっておりました。しかし、タイヤチェーンも進化を遂げていると聞き、ウェブ上で評判のいい京華産業の非金属タイヤチェーン「スノーゴリラ コマンダー2」をテスト。すると、驚くべき雪上走破性能の高さに感動!

ちょっと見ない間にタイヤチェーンはとても進化していたので、そのもようをお伝えしましょう。

愛車のタイヤサイズ195/65R15に適合する(CL40)を選びました。「強じん・軽量なウレタン・エラストーマ採用」とうたっています

まずは取り付け作業。非金属製のタイヤチェーンの取り付けは比較的簡単で、本製品も装着がラクであることをアピールしていますが、雪道を走る前に試しに取り付けの練習をしておくことを強くおすすめします。いかに昔よりも簡単になったとはいえ、今もなお、タイヤチェーンの取り付けはまったくの初めてだとスムーズに作業できない可能性が高いです。雪国は寒くて手がかじかんだりしますし、現場での取り付け作業時間は少しでも短いほうがよいので。

筆者の愛車はスタッドレスタイヤを装着しているので、基本的にタイヤチェーンはあまり必要ありませんが、今回は装着&走行テストということで、あえて取り付けます。降雪地域の道路によく見られる「チェーン脱着場」にクルマを止めて、チェーンを装着。本製品はジャッキアップなしでも脱着が可能となっています

1セットにはタイヤ2本分のチェーンが用意されます。本来は四輪すべてに装着するのが理想ですが、緊急時を想定して、今回は駆動輪の2輪に付けます。筆者の愛車は常時四輪駆動車(前後の駆動配分は50対50を基本とするシステム)ですが、操舵(そうだ)と駆動の両方を担う前輪に装着します。同じ四輪駆動車でも、中には後輪に装着したほうが好ましい車種もあるので、愛車のトリセツでご確認ください。

タイヤチェーンには金属製と非金属製がありますが、一般的なおすすめは非金属製。金属製よりも脱着がしやすく、走行中の振動や騒音も少なめです

チェーン本体のほか、固定用のゴムバンドが2本ずつ、計4本用意されます。なくさないように注意しましょう

チェーン本体のほか、固定用のゴムバンドが2本ずつ、計4本用意されます。なくさないように注意しましょう

取り付け時は、軍手などの手袋をはめて行うほうがベター。袖の部分までカバーできる手袋があればなおよいでしょう

まずは、チェーンの先端部分が前輪と地面の接地面近くになるよう、軽く巻きつけます。チェーンの内側と外側を間違えないように注意してください

このような、固定バンドを引っ掛けるためのフックが出ているほうが外側

このような、固定バンドを引っ掛けるためのフックが出ているほうが外側

タイヤのトレッド面にかぶさるよう調整します。タイヤとフェンダーとのクリアランス(隙間)が3cm以下では使用できません。車高を下げるカスタムを施している場合や、元から車高が低いスポーツカーは3cm以上確保されているか確認してから購入しましょう

軽く巻きつけたら、固定用のリングで仮止めをします。タイヤと地面の接地面の間にチェーンを置くため少しクルマを前進させるので、タイヤが回っても固定バンドを引っ掛けるためのフックを踏んでしまわないよう注意しましょう

固定用のリングで仮止めしつつ、このまま少し前進させます

固定用のリングで仮止めしつつ、このまま少し前進させます

初回の装着には片輪およそ30分かかった

ドライバー1人でもできなくはないですが、できればドライバー以外の人に目視で確認してもらいながらクルマを動かすほうが無難です。固定用のリングで仮止め用のフックを踏まないか、またチェーンでフェンダーなどを傷つけたりしない状態にあるか確認しながらゆっくりクルマを動かしてください

チェーンのつなぎ目部分がクルマのうしろ側(右前タイヤの左側)あたりに来るまでタイヤを回します。チェーンがアルファベットの「C」の逆、水平に反転した「C」になるようなイメージです

固定用のバンドがホイールの内側の位置に来るよう、手で引っ張りながら調整します

固定用のバンドがホイールの内側の位置に来るよう、手で引っ張りながら調整します

チェーンは内側を先にロックします。やりにくい場合は、右前タイヤならハンドルを左に目いっぱい切った状態で作業するとやりやすくなります。ロック部分同士が届かない場合はチェーンが緩んでいる証拠なので、引っ張って緩みをなくしタイトに張るようにします

内側をロックしたら、外側もロックします。かなりタイトなので、届かない場合はチェーン全体の緩みをなくすように引っ張ってください

慣れないうちは多少の腕力が要るので、女性にはつらい作業でしょう。慣れれば、労力はかなり低減されます

慣れないうちは多少の腕力が要るので、女性にはつらい作業でしょう。慣れれば、労力はかなり低減されます

最後に固定用のリングをはめます。慣れないうちはそこそこの腕力を要しますが、慣れればそれほどでもありません。フックは8か所あります

2本のリングが交差するようにしてはめます。2本のリングが8角形になるようにするのが理想ですが、この状態でもかなり高いテンションがかかっているので、筆者の判断としてはこの状態で十分OKとしました

かなりタイトにタイヤを包んでいる印象で、フィット感は高く安心感があふれています

かなりタイトにタイヤを包んでいる印象で、フィット感は高く安心感があふれています

チェーンのトレッド面部分にある金属のピン(2個ずつ並んでいる)がトレッド面の真ん中に来ていればOK。ここまで30分ほどかかりました

続いて左前にも装着。2度目の作業ということで、最初の半分以下の時間(15分弱)で装着できました

続いて左前にも装着。2度目の作業ということで、最初の半分以下の時間(15分弱)で装着できました

2度目の作業でも、最後の固定用のバンドを巻くのが一番大変でした

2度目の作業でも、最後の固定用のバンドを巻くのが一番大変でした

まったく初めての作業では、前輪の2本分で合計45分ほどの時間を要しました。筆者はかなり不器用なほうなので、一般的な人ならもう少し短い時間で完了できそうですが、それでも1本あたり10分はかかる感覚です

雪国に行く前に、一度は装着の練習をしましょう

不器用な筆者の場合、取り付け作業はまったくの初めてだと思ったより難易度が高く思え、やや苦戦しましたが、一度やると2度目からは圧倒的に簡単となるので、やはり雪国へ行く前に一度試しておくことを強くおすすめします。寒い中で説明書を見ながら格闘するようなことは避けるようにしてください。

また、タイヤとフェンダーのクリアランスが3cm以上あっても、車高が低めのクルマの場合は取り付けの難易度が上がります。さらに、タイヤサイズ的には適合しても、一部の車高の低いスポーツモデルの中には適応しない車種があるので、スポーツモデルにお乗りの方は事前によく確認してから買いましょう。

車種によってはジャッキアップの必要があるかもしれませんが、もしジャッキアップをする場合は、坂道など傾斜のある場所での作業は絶対に避けて、平たんな場所で行うことを忘れずに。

アスファルトでの振動と騒音は少なく、雪面では圧倒的なグリップ!

装着後しばらくは雪のないアスファルトの路面を走行したところ、騒音と振動は思いのほか少なく、乗り心地に与える悪影響はほとんど感じられないことに驚きました。上限速度の時速50kmまでの領域では、違和感の類はほぼ皆無。ステアリングに伝わる手応えにも違和感はなく、むしろしっかり感が強まっているほどでした。試しに時速60キロでも走行しましたが、違和感の少なさはほとんど変わらず。ひと昔前までのタイヤチェーンとの大きさ差を実感した次第です。

もちろん、アスファルト上では普通のタイヤやスタッドレスタイヤとまったく同じように走れるわけではないので、急加速や急ハンドル、急ブレーキなど急の付く操作は厳禁。最も、これは雪道ドライブの基本的な注意事項でもあります。

そして、雪上では圧巻のハイグリップ感に感動しました! 愛車は常時四輪駆動なので、スタッドレスタイヤを装着していれば日本の道路で遭遇するほとんどの雪上/氷上路面で問題なく走破できますが、チェーンがあれば、まさに鬼に金棒状態。スタッドレスタイヤでも多少はグリップを失う山間部の急勾配からの鋭角的な右左折でも、雪上の杭(くい)でも打ち込んでいるかのように力強く路面をつかむ感覚を伴いながらガンガン曲がります。

外すのはとてもカンタン

外すのはとても簡単です。丸めてビニールに入れて帰宅し、後日きれいに掃除をして保管しましょう

外すのはとても簡単です。丸めてビニールに入れて帰宅し、後日きれいに掃除をして保管しましょう

非降雪地域での“雪の備え”として申し分なし

タイヤチェーンは、昔よりは減ったとはいえスタッドレスタイヤを履くまでもないと判断するユーザーが多い、あまり雪が降らないエリアでは今でもきわめて有効な雪対策アイテムとして重宝しています。普段はあまり雪が降らない大都市部などでもシーズンに何度かは積雪する可能性が高いので、スタッドレスタイヤを履くまでもないとお考えの方も、タイヤチェーンを用意しておけば安心でしょう。スタッドレスタイヤを買うよりはずっと安く、かつタイヤよりは圧倒的にかさ張らないので携帯性も悪くありません。きちんと管理すれば何年でも使えるところもスタッドレスタイヤよりお得なポイントです。

高速走行が不向きであることはスタッドレスタイヤに大きく及ばないところですが、シーズンに数回の雪上走行のためのアイテムとしては申し分ないと思いました。

タイヤチェーンといえば、かつては金属製のものがほとんどでした。脱着に時間がかかり、乗り心地も悪く、車内にはノイズが多く侵入してきたものです(金属のクサリをタイヤに巻いているので当然といえば当然ですが…)。しかし年月を経て技術は進歩し、軽くてグリップ力に優れ、脱着も容易になった非金属製タイヤチェーンの進化には驚かされました!

アスファルト路面での走行時にはピンの磨耗が気になるところですが、数十キロ程度の距離では新品同様の状態を維持していました

雪道では、雪で見えなくなった側溝にご注意ください。片側の2輪が脱輪してしまうと、自力では脱出困難となります

本製品は、外側に張り出し気味のデザインのホイールの場合、固定用ゴムバンドが干渉する可能性があります。場合によってはキズになる恐れもあるのでご注意ください。筆者の愛車では、ホイールキャップにゴムの擦り跡が付きました。ホイールキャップは外して取り付けるほうが無難です

マリオ高野

マリオ高野

1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。2台の愛車はいずれもスバル・インプレッサのMT車。

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