レビュー
マイナーチェンジされた新モデルを長距離で試す!

スバル 新型レガシィアウトバック 1200km試乗/雪を求めて“飛騨高山”往復試乗

2017年10月にマイナーチェンジが施された、スバル「レガシィアウトバック」。今回、スタッドレスタイヤを装着したレガシィアウトバックを、雪を求めて岐阜県の高山まで連れ出した。そこで、1,200kmほど試乗したレガシィアウトバックのテストレビューを、高山観光も含めてお届けしよう。

スバル「レガシィアウトバック」イメージ、高山市街地にて撮影

スバル「レガシィアウトバック」イメージ、高山市街地にて撮影

スバル広報から、「ブリヂストンのスタッドレスタイヤ『ブリザック』を履いたレガシィアウトバックを用意しましたので、試乗しませんか」と誘われたのは、東京に大雪が降る少し前のことだった。わざわざ広報車で雪を求めて出かけるのはリスクがあると躊躇していたのだが、東京の雪での交通マヒを目のあたりにしたこともあって、スバルのAWDとスタッドレスを組み合わせた実力を知りたくなった。それが今回のテストのきっかけだ。

さて、飛騨高山は豪雪地帯として知られている。そこで、まずは城下町の高山を目指すことにした。

試乗の詳細をお伝えするまえに、レガシィアウトバックの価格とグレード、スペックについては以下の通りとなる。

スバル「レガシィアウトバック」グレードラインアップと価格
LEGACY OUTBACK:3,294,000円
LEGACY OUTBACK Linited:3,564,000円

スバル「レガシィアウトバック」の主なスペック
全長×全幅×全高:4,820×1,840×1,605mm
ホイールベース:2,745mm
最低地上高:200mm
車重:1570kg(LEGACY OUTBACK)/1580kg(LEGACY OUTBACK Linited)
最小回転半径:5.5m
JC08モード燃費:14.8km/L
駆動方式:AWD(常時全輪駆動)
エンジン:2.5L DOHC 16バルブ AVCS 水平対向4気筒(FB25)
トランスミッション:リニアトロニック(マニュアルモード付)
最高出力:129kW(175PS)/5,800rpm
最大トルク:235N・m(24.0kgf・m)/4,000rpm

高い悪路走破性を持ち合わせているスバルのクロスオーバーSUV

走り出す前に、レガシィアウトバックとブリザックについて復習しておこう。

スバル「レガシィアウトバック」は、2017年9月にマイナーチェンジによってアイサイトなどの安全機能が強化されたほか、サスペンションやエンジンにも改良が施されている

スバル「レガシィアウトバック」は、2017年9月にマイナーチェンジによってアイサイトなどの安全機能が強化されたほか、サスペンションやエンジンにも改良が施されている

レガシィアウトバックは、乗用車の快適性、SUVの走破性、ステーションワゴンの積載性をあわせ持ったコンセプトを携え、1994年にデビューした。このコンセプトは、現行モデルに至るまで踏襲されている。

現行のレガシィアウトバックには、スバル独自のシンメトリカルAWDに加えて、滑りやすい路面などでエンジンや4輪の駆動力、ブレーキなどを統合制御して、悪路走破性を高める「X-MODE」が採用されている。さらに、下り坂で低速を維持した走行を実現する「ヒルディセントコントロール」が設定されるなど、悪路や急勾配においてドライバーが安心できるような機能が装備されている。

スバル「レガシィアウトバック」のエンジンルーム。2.5リッター水平対向4気筒エンジン(FB25)が搭載されている

スバル「レガシィアウトバック」のエンジンルーム。2.5リッター水平対向4気筒エンジン(FB25)が搭載されている

搭載するパワートレインは、最高出力175ps/5800rpm、最大トルク235Nm/4000rpmを発揮する、2.5リッター水平対向4気筒DOHCエンジンに、リニアトロニック(CVT)が組み合わされている。

2017年9月のマイナーチェンジでは、アイサイトの機能のひとつとして「後退時自動ブレーキシステム」が新たに追加された。また、「全車速域追従機能付クルーズコントロール」の車速域が0〜120km/hへと拡大されたほか、「フロント&サイドビューモニター」や、ハイビーム照射時に対向車・先行車への眩惑を防ぐ「アダプティブドライビングビーム」が採用されている。さらに、「ステアリング連動ヘッドランプ」を搭載することで、安全性能を大幅に高めている。

走行性能については、サスペンションのチューニングや電動パワーステアリングの改良により、フラットな乗り心地と安定感のあるリニアなハンドリングを実現。加えて、エンジン部品の軽量化、フリクション低減や制御の見直し、リニアトロニックチェーンの改良によって、燃費と静粛性を向上させているという。

レガシィアウトバックにはぴったりのスタッドレスタイヤ「ブリザックDM-V2」

レガシィアウトバックに装着されていたタイヤは、ブリヂストンのSUV専用スタッドレスタイヤ「ブリザックDM-V2」

レガシィアウトバックに装着されていたタイヤは、ブリヂストンのSUV専用スタッドレスタイヤ「ブリザックDM-V2」

今回、レガシィアウトバックに装着していたスタッドレスタイヤは、225/65R17のブリヂストン「ブリザックDM-V2」。ブリザックは、北海道の札幌と旭川、そして青森、盛岡、秋田の5都市では約半数となる45.8%が装着。さらに、札幌市のタクシーでは実に73.3%がブリザックを装着しているというのだから驚きだ。

ブリザックDM-V2は、SUV/4WD用に開発されたものなので、レガシィアウトバックにはぴったりのスタッドレスタイヤといえるだろう。

穏やかすぎる、レガシィアウトバックの「全車速追従機能付クルーズコントロール」

2018年2月某日の朝、東京都八王子市の圏央道・高尾山インターチェンジより、岐阜県にある東海北陸自動車道の岐阜各務原(ぎふかがみはら)インターチェンジへ向けてスタートした。ルートとしては、中央自動車道を下って土岐(とき)JCTから東海環状自動車道へ。美濃関(みのせき)JCTから今度は東海北陸自動車道に入って各務原へと向かう、およそ340kmのルートを選択した。

無難なルートであれば新東名高速道路を選択するのだろうが、新東名のトラック通行量が増加したことから、そちらを避け、アップダウンとコーナーは多いものの通行量が少なく、景色も楽しめる中央道を選択した。事実、今回も諏訪湖サービスエリアからは、諏訪湖の御神渡り(おみわたり=湖面に亀裂が入りせり上がる現象のこと)を見ることができた。

全車速追従機能付クルーズコントロールは、ステアリング右側のスイッチでクルーズコントロールのオン、オフや設定車速の変更などの操作を行うことができる

全車速追従機能付クルーズコントロールは、ステアリング右側のスイッチでクルーズコントロールのオン、オフや設定車速の変更などの操作を行うことができる

中央道の下り方面は、上り坂が多いルートである。そこでのレガシィアウトバックの走りは十分に余裕があるもので、ゆったりとしたクルージングを楽しむことができた。そこに貢献しているのが、アイサイトの「全車速追従機能付クルーズコントロール」(ACC)だ。ACCは、きっちりと前方のクルマをとらえて、ぴったりとついていく。追従の加減速はスムーズで、ぎくしゃくした動作などを感じることはなかった。

しかし、前方のクルマがいなくなり、設定した速度へ戻ろうとする際には、なかなかその速度まで回復しないことがよくあった。他社のACCのように、すぐに速度を回復しようと急激に加速するのもどうかと思うが、レガシィアウトバックのように1〜2km/h刻みでゆっくりと加速されるのはとてもまだるっこく、追い越し車線では後続車に気を使って思わずアクセルを踏んでしまうということがたびたびあった。

もうひとつ、ACC作動時に前車の追尾を開始する時や、前車がいなくなったタイミングなどで、いちいち「ピッ!」と警告音が鳴るのは煩わしい。音というものは、車内全部の人に聞こえるものである。ACCの作動に関しては、ドライバーが認識していればよいので、メーター内に何らかの表示をするだけで十分であろう。

「アクティブレーンキープ」は次期モデルでの改良を期待

スバル「レガシィアウトバック」に搭載されている「アクティブレーンキープ」は、高速道路などで走行車線両側の区画線を認識してステアリングをアシストしてくれる機能だ

スバル「レガシィアウトバック」に搭載されている「アクティブレーンキープ」は、高速道路などで走行車線両側の区画線を認識してステアリングをアシストしてくれる機能だ

さて、レガシィアウトバックには、ACCに加えて「アクティブレーンキープ」機能も搭載されている。だが、レガシィアウトバックに搭載されているアクティブレーンキープの完成度は決して高いとはいえず、今回の旅ではまったく使わなかった。

具体的に、どういうことになるかを説明したい。アクティブレーンキープは、車線を読み取って車線の中央付近を走行するようにステアリングを操舵する機能なのだが、その動作が過敏で、わずかでも中央から外れたら元に戻ろうと反応するのだ。その結果、レーン内でずっと蛇行しながら走行してしまい、後席で寝ていたりすると、酔ってしまうかもしれないくらいの絶え間ないGを感じた。このアクティブレーンキープは、最新のアイサイトを搭載しているインプレッサなどではだいぶ改良されたようなので、次期アウトバックに期待したいところだ。その改良型が搭載されれば、高速道路の疲労はさらに軽減されるだろう。

欧州車と比べても、直進安定性の高さはかなりのレベルに達している

前述のアクティブレーンキープを除けば、アウトバックの直進安定性はかなりいい。乗り始めはスタッドレスタイヤということもあり、わずかにステアリングの反応が遅れる印象があったものの、そのうち慣れてしまった。たとえば、BMW「3シリーズ」やメルセデス・ベンツ「Cクラス」、プジョー「308」など、欧州メーカーの直進安定性の高いクルマと比較しても、直進時の修正舵は多いものの、かなり高いレベルに達しているといえるだろう。高山からの帰路は、八王子までノンストップで一気に走り抜けてしまったことからも、その実力の高さは十分に証明されたといえる。

とくに下半身のホールド性がよいレガシィアウトバックの「フロントシート」

とくに下半身のホールド性がよいレガシィアウトバックの「フロントシート」

そこに貢献しているもうひとつの要因が、よくできたフロントシートだ。肩甲骨から肩回りのホールドはいまいちではあるものの、それ以外の腰回りやお尻、太ももなどのホールドやバランスは非常によく、快適なグランドツアラーのシートとしての完成度はとても高く評価できる。

ブリヂストン「ブリザックDM-V2」は高速道路における騒音も少なく、スタッドレスタイヤであることを意識せずに走行することができた

100km/hでのエンジン回転数は1,700rpmほどで、エンジンノイズはほとんど気にならず、また、ロードノイズも低く抑えられていた。当然、スタッドレスタイヤを履いているので、それなりの騒音は覚悟していたのだが、結局、高速道路ではスタッドレスタイヤを全く意識することはなかった。これは高速道路でも同様で、安定性の高さにも貢献している。

ちなみに、帰路も含めた高速道路での実燃費は、メーター内の燃費計表示では12〜13km/Lであった。60リッターの燃料タンクをフルに使えば、700km以上の足を確保していることになる。

東海北陸自動車道の岐阜各務原インターチェンジでいったん高速道路を降り、友人のお墓参りの後、再び高速道路で高山へと向かう。東海北陸自動車道の飛騨清見あたりはチェーン規制がかかっていたが、ブリザックを履いているので安心だ。それにしても、除雪車などが多く走っているところを見ると、やはり相当の積雪があるのだろう。ただし、この日は結局雪に見舞われることなく、除雪された路肩の雪を眺めながら本日の目的地、飛騨高山温泉高山グリーンホテルに滑り込んだ。

「飛騨高山温泉高山グリーンホテル」前にて撮影

「飛騨高山温泉高山グリーンホテル」前にて撮影

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
関連記事
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る