レビュー
NAやターボ、6MT車にも試乗!

ホンダ N-VAN 試乗/N-VANはカングーになり得るか!? アクティバンとも比較

「荷物を入れようとするとピラーがじゃまだった」

N-VANを開発するにあたり、多くの対象ユーザーへプロトタイプのN-VANを見せた時、ユーザーたちから怒られたという。「本当に現場を見て、考えて作ったのか」と、散々だったと山口さん。19年前の「アクティ」の時の考えを、そのままに開発していたためだ。そこから、改めて今の現場の声を聞いて回った結果が、荷物だけという考え方から、荷物も人も重要という方向性になっていったのだ。

ホンダ「N-VAN」助手席側はピラーレスとなっている

ホンダ「N-VAN」助手席側はピラーレスとなっている

そうは言っても、やはり荷物は重要。そこで、あらゆる荷物を自分たちでも積み下ろし、また、ユーザーの声も聞きながら、その場で荷室の変更をしていった。結果、「低床」「フラットフロア」、できるだけ隅まで使えるという「四角い大開口部」を持つ空間ができ上がったのだ。「少しでも広い荷室ということで、助手席のダイブダウンも開発しました。そして、そこに荷物を入れようとするとピラーがじゃまになったのです。では切ってしまえと(笑)」と山口さん。サイドから積載することで、安全性も向上する。また、移動販売車であれば、かなり使い勝手が向上するだろう。当然、安全性も問題はない。ピラーがない代わりに、ドアに同じような構造体を埋め込んだからだ。また、左右非対称な車体レイアウトを補うため、剛性のバランスも取りなおされ、走行面での違和感はまったくなかったことを付け加えておく。

N-VANで個人ユーザーを取り込みたいホンダの思惑

ホンダ「N-VAN」のラインアップイメージ。左が「+STYLE COOL」、中央が「+STYLE FUN」、右が「L」グレード

ホンダ「N-VAN」のラインアップイメージ。左が「+STYLE COOL」、中央が「+STYLE FUN」、右が「L」グレード

このように、プロユースとして開発されたN-VANだが、ベーシックな「G」と「L」グレード以外に「+STYLE FUN」「+STYLE COOL」と呼ばれる、カラーバリエーションや装備を追加したグレードもラインアップされている。「最近では、雑貨屋や花屋などおしゃれな店が増えていますので、そういったライフスタイルを表現しているような店のクルマとして、店の前に置きたくなるようなクルマになればという思いです」と古舘さん。また、「仕事と生活が一体となった、そういう方にここぞという1台として選んでもらいたい。趣味が仕事となり、その仕事で思う存分使いたいという方々に、おしゃれな1台としてぜひ購入してもらいたいです。事前に公開したウェブサイトにおいて、このFUNとCOOLを見て、たとえば車中泊や、趣味のバイク、釣りなどに使いたいというお客様のさまざまな声が寄せられています」と、本田技研工業 執行役員 商品ブランド部長の鈴木麻子さんは話す。

しかし、本当にそうだろうか。GとLグレードにカラーバリエーションを追加し、あとは自由にオプションを組み合わせる、それで十分な気がするのだ。また、価格面でもGグレードが126万7920円(Lグレードは134万1360円)に対し、FUNとCOOLは156万600円と、およそ30万円も高いのだ。しかも、チルトステアリングが「+STYLE」には装備されるが、それ以外の変更点の多くはシート生地であったり(ファブリックからジャージー生地)、専用の内外装パーツくらい。唯一、COOLではロールーフが選べるが、荷室のことを考えるとせっかくなのでハイルーフを選びたい。実際の販売割合も7割がGとLグレードが占めるだろうと予想されることから、やはりメインはこちらなのだ。それであれば、なぜCMをはじめカタログなどで積極的にFUNとCOOLを展開するのか。そこからは、現在のシェア落ち込み(過去最高時19.2%から昨年時3.5%)を、個人ユーザーも取り込むことで補おうという意図が感じられる。それはそれでいいのだが、せっかく多くのユーザーの声を聞き、開発したのであれば、そこをもっとCMなどでも強調すべきではないのか。確かにこういったものを見て、ディーラーへおもむいて「助手席やリアシートは厳しいね」となった時に、「いや、N-BOXもありますよ」と、来場誘因のキーとなるクルマにもなるはずなのだが……。

N-VANの6速マニュアルはクルマ好きには楽しい

ホンダ「N-VAN」の6速MTシフトノブ。ホンダ「S660」のものが流用されている

ホンダ「N-VAN」の6速MTシフトノブ。ホンダ「S660」のものが流用されている

実は、Gグレードの6速MTを試乗した時に、大いに楽しく乗ることができた。パワーの少ないエンジンを、MTでカバーする。しかも多くの荷物を積載するのだから、乱暴な運転は禁物だ。そうするとていねいなクラッチやアクセルワークが求められ、かなりの運転テクニックが必要となる。そうして、このクルマを乗りこなせることができれば、相当上手なドライバーになるだろう。また、ドライバー自身も楽しんで運転できる(もちろんクルマが好きであればだが)のは間違いない。

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