レビュー
すべてにおいて魅力がアップした新型Bクラス

メルセデス・ベンツ 新型「Bクラス」先代とまるで違う!軽快な走りが魅力的

フルモデルチェンジしたメルセデス・ベンツ 新型「Bクラス」に、短時間ながら試乗する機会が得られたので、その第1印象をレポートしたい。

2019年6月6日に発表された、メルセデス・ベンツ 新型「Bクラス」

2019年6月6日に発表された、メルセデス・ベンツ 新型「Bクラス」

新型「Bクラス」の受注は好調な滑り出し

2019年6月6日に発表された新型Bクラスは、7月上旬までに約600台を超える受注があった。メルセデス・ベンツ日本によると、新型Bクラスは好調な滑り出しという。記事執筆現在では、まだディーゼルモデルの「B200d」の納車が始まっていないことを考えると、たしかにその通りだ。

新型Bクラスにおけるおもなハイライトは、「デザイン」「ユーティリティー」「MBUX」「安全性」の4つだ。

先代と比べて、よりスポーティーになったメルセデス・ベンツ 新型「Bクラス」のエクステリア

先代と比べて、よりスポーティーになったメルセデス・ベンツ 新型「Bクラス」のエクステリア

まず新型Bクラスのデザインは、近年のメルセデスのデザイン・フィロソフィーである「センシュアル・ピュリティ」(官能的純粋)を具現化したもので、極力プレスラインを廃し、面で表現したエクステリアとなっている。特にサイドは、ドアハンドルあたりに削ぎ面を入れることで光の陰影をうまく取り入れ、ボディの豊かな表情を演出している。また、ヘッドライトやテールランプの薄型化によって、横方向への広がりや低重心であることを強調し、スポーティーさや若々しさを表現している。

デザインはスポーティーなだけでなく、空力性能も追求。新型Bクラスの全高は1,562mm(AMGラインは1,541mm)と、Aクラスの1,420mmと比べても背の高いタイプにもかかわらず、空気抵抗を示すCd値は0.24と、前面投影面積が非常に少ない、空力を考えたデザインとなっている。

「Aクラスを見にいって、室内が少し狭いからとBクラスを購入してもらうケースが非常に多かったのですが、今回はデザイン性がより向上したので、その流れがさらにスムーズになると思います」と話すのは、メルセデス・ベンツ日本 広報部 マネージャーの木下潤一さん。これまで以上にデザイン力が増したことから、販売台数のアップも期待できそうだ。

メルセデス・ベンツ 新型「Bクラス」のインテリアは、Aクラスのデザインが踏襲されている

メルセデス・ベンツ 新型「Bクラス」のインテリアは、Aクラスのデザインが踏襲されている

インテリアは、Aクラスのデザインが踏襲されている。2枚の大型のディスプレイがダッシュボード上に置かれ、カウルのないすっきりとした形状だ。唯一、Aクラスとの違いはというと助手席前のダッシュボード付近のデザインで、Aクラスが凸面であるのに対し、Bクラスは凹面であることくらいだろう。

「Aクラス」よりも広い室内空間をもつ、新型「Bクラス」

「Aクラス」よりも広い室内空間をもつ、新型「Bクラス」

ユーティリティーでは、室内空間がAクラスよりも大幅に広くなっており、大人4人が快適に過ごすことができる。また、これはAクラスにも搭載されているのだが、リアシートのバックレストが4対2対4の分割可倒が可能なのも便利な点だ。

メーター周りは視認性が高く、非常に見やすい。特に余計な表示がないのは、好感が持てる。また、ステアリングスイッチが左手で操作できるものはドライバーから見て左方向、たとえばオーディオ類などであり、右の操作範囲はクルーズコントロールやメーター表示の右側などにまとめられている。こういったスイッチ類の左右位置の意味付けも、ドライバーを中心によく考えられていると言える。

注目のMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)だが、基本的には昨年発表されたAクラスと同じで、「ハイ、メルセデス」というワードで起動する「自然対話式 音声認識機能」を備えている。たとえば「暑い」「寒い」というような、ファジーな言葉を認識してエアコンの温度を調整したり、「アンビエントライトを何色にして」といったワードでの操作も可能だ。

「ハイ、メルセデス」にフォーカスが当たっているが、MBUXには音声認識以外にもさまざまな操作方法が備わっている。タッチパネルやセンターコンソールにあるタッチパッド、ステアリングスイッチでも操作が可能で、「そのとき、そのドライバーの好みに応じた最適な操作方法をとってもらえるような作りになっている。これも、安全に寄与するものと考えている」と木下さんは言う。

先進機能や安全面については、フラッグシップの「Sクラス」とほぼ同等のシステムが、新型Bクラスにも採用されている。たとえば、前走車の衝突を軽減させる「アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し検知機能付)」や横断中の歩行者を回避するようステアリングをアシストする「緊急回避補助システム」、ウィンカーを点滅させるだけで車線変更できる「アクティブレーンチェンジアシスト」などが一例だ。

新型「Bクラス」のB180に搭載されるエンジンは、AクラスゆずりのM282型1.33リッター4気筒ターボエンジンだ。最高出力は136ps、最大トルクは200Nmを発揮。トランスミッションは7速DCTが組み合わされる。

先代モデルを払拭するような軽快な走り

新型「Bクラス(B180 AMGライン)」の走りは、先代と比べてはるかに軽快な走りを見せた

新型「Bクラス(B180 AMGライン)」の走りは、先代と比べてはるかに軽快な走りを見せた

今回、試乗したガソリンモデル「B180 AMGライン」の最初の印象は、実に軽快ということだった。先代Bクラスの走りは、正直に言うとボディデザインも含めてやや鈍重だったのだが、それは新型モデルで一気に払拭されたと言っていい。トランスミッションとの相性もよく、ショックを感じさせず非常にスムーズにクルマを走らせることができる。

また、ブレーキフィールも問題ない。途中から踏力に関係なく効きが増したりすることなく、非常にスムーズな印象だ。また、新型Bクラスのブレーキに関しては「オートブレーキホールド」が備わっており、その操作は通常のオン、オフではなく、停止後にブレーキペダルを強く踏みこむことによって作動する。これは非常に理にかなっており、停止時にドライバーが都度意識しながら作動させることになり、安全性にも寄与している。なお、メルセデスでオートホールド機能が搭載されている乗用車は、ほぼすべてがこの仕様となっている。

新型「Bクラス(B180 AMGライン)」の試乗イメージ

新型「Bクラス(B180 AMGライン)」の試乗イメージ

乗り心地については、総合的に先代Bクラスよりはるかに向上している。AMGラインであっても足のバタつきはそれほどではないが、標準のB180と乗り比べると少しバネ下の重さが気になり、市街地でマンホールを通過するシーンなどでは突き上げをともなうことがある。ただし、それは比較してはじめて気付くレベルだ。つまり、先代Bクラスのような常にドタバタと足元の重さが気になるようなことはないので、AMGラインを選択したとしても不満はそれほど感じられないはずだ。(標準:205/55R17/AMGライン:225/45R18で試乗車はどちらも「ピレリ チンチュラートP7」タイヤを装着)

また、Aクラスと比較すると新型Bクラスのほうがはるかにマイルドなセッティングで、スポーティーなAクラスとの差別化が図られている。シートの座り心地も、2時間程度の試乗範囲では良好であった。

新型「Bクラス」は高速道路も快適

新型「Bクラス(B180 AMGライン)」の試乗イメージ

新型「Bクラス(B180 AMGライン)」の試乗イメージ

今回、高速道路(首都高)はわずかな距離しか走ることができなかったが、乗り心地を含めた印象は市街地と同様に良好だ。60km/hを超えるあたりから、乗り心地はしなやかさを増して快適になる。ロードノイズもそれほど気にならず、普通に会話を楽しむことができるだろう。

アクティブクルーズコントロールやレーンキープアシストなどの先進機能も、今回の使用範囲では不満はなかった。ただ、他メーカーと比べるとレーンキープアシストは若干遅れ気味の印象だが、トレース性は悪くないと感じた。

物理キーの中央にあるのがハザードスイッチなのだが、瞬時に押しづらい

物理キーの中央にあるのがハザードスイッチなのだが、瞬時に押しづらい

ここで、少し気になる細かな点をいくつかあげておきたい。まずは、ハザードスイッチだ。他のメルセデス車と同様に、センタークラスター中央部にエアコン等の物理スイッチと並べて置かれているのだが、その操作がとっさにしにくい。やはり、ハザードスイッチは別のスイッチ類とは独立し、できればセンタークラスター上部に配してもらいたい。

もうひとつは、右側のドアミラーあたりにエアコンのアウトレットのシルバーの加飾部分が映り込むことが多々あり、少々うっとうしく感じた。そのドアミラーだが、相変わらずAピラー根元にマウントされている。しかし、新型Bクラスの場合は若干ではあるがステーが設置され、その先にミラーが取り付けられている。その結果、通常よりわずかではあるがミラーとピラーの間に隙間ができ左前方の視界はある程度は確保されている。

新型Bクラスは、先代と比べてすべての面において好感が持てた。尖ったような特徴はないものの、これはというネガティブな面がなく、高いレベルで仕上がっていると言っていいだろう。そして、Bクラスが目指すポジションは、まさしくそこなのである。もし、さらにスポーティーさが欲しいというのであればAクラスを購入すればいいし、もっとエレガントにということであれば、発表されたばかりの「Aクラスセダン」や、間もなく登場するであろう「CLA」も控えている。つまり、そういった豊富な兄弟車の中で、よりファミリー志向が強いユーザーに向けて、デザイン性と走行性能をリファインさせたのが新型Bクラスなのである。

内田俊一

内田俊一

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かし試乗記のほか、デザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。

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