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オールシーズンタイヤに加えて2種類のSUV向けタイヤを発売

横浜ゴムが2020年1月に発売する「オールシーズンタイヤ」ってどんなタイヤ?

横浜ゴムは、同社初の乗用車用オールシーズンタイヤ「BluEarth-4S AW21」、クロスオーバーSUV用サマータイヤ「BluEarth-XT AE61」、マッドアンドスノータイヤ「GEOLANDAR CV G058」の3種類の新製品を順次発売すると発表した。

画像は、左から「BluEarth-XT AE61」、「GEOLANDAR CV G058」、「BluEarth-4S AW21」

画像は、左から「BluEarth-XT AE61」、「GEOLANDAR CV G058」、「BluEarth-4S AW21」

発売日は、BluEarth-4S AW21が2020年1月9日、BluEarth-XT AE61とGEOLANDAR CV G058が2020年2月の予定となっている。

乗用車用オールシーズンタイヤ「BluEarth-4S AW21」

今回発売される新製品のタイヤラインアップのうち、もっとも注目したいのがオールシーズンタイヤの「BluEarth-4S AW21」だ。

欧州で2018年に発売しているオールシーズンタイヤ「BluEarth-4S AW21」が、日本でも2020年1月9日から発売開始される

オールシーズンタイヤとは、四季を通じて走れる全天候型タイヤのことで、さまざまな路面での走行が可能となっている。たとえば、雪上路はサマータイヤでは滑ってしまって走ることができないが、オールシーズンタイヤであれば走行することができる(氷上走行は不可)。また、スタッドレスタイヤではグリップやタイヤの剛性不足などによって走行性能が劣ってしまう乾いた路面でも、オールシーズンタイヤであればサマータイヤとそん色なく走ることができる。オールシーズンタイヤは、サマータイヤとスタッドレスタイヤの中間に位置する、さまざまな路面で平均的なパフォーマンスを発揮するタイヤと言えるだろう。

横浜ゴムによると、欧州ではオールシーズンタイヤの需要が伸びており、2010年に約300万本だった販売本数が2017年には約1,500万本と、7年でおよそ500%も伸びているという。そんな欧州市場へ向け、同社は2018年に「BluEarth-4S AW21」を発売した。そして今回、日本においても正式な発売となった形だ。

オールシーズンタイヤは、装着しているタイヤのみで、さまざまな路面を走行できることが最大のメリットだ

オールシーズンタイヤは、装着しているタイヤのみで、さまざまな路面を走行できることが最大のメリットだ

日本では、オールシーズンタイヤの知名度はまだ低いものの、需要増の兆しは見られるという。同社がオールシーズンタイヤに関するアンケートを取ったところ、関東から南のいわゆる「非降雪圏」において、「装着したい」というユーザーが54%に上ったという。そして「装着したい」と答えたユーザーへその理由をたずねたところ、27%が「タイヤ交換の手間が省ける」、22%が「突然の降雪への備え」、20%が「経済的だから」と答えたとのことだ。

まれに浅い雪上を走行するだけならばオールシーズンタイヤを、凍結した路面を走行したり積雪が厳しい地域であればスタッドレスタイヤを選ぼう

たしかに、ふだんはほとんど降雪がなく年に数回しか雪が降らない都市部においては、わざわざスタッドレスタイヤを装着する必要性は低い。また、緊急用としてタイヤチェーンを備えているという方もおられるだろうが、着脱が面倒なうえに持ち運ぶにはかさばる。万が一、予期しない突然の降雪に見舞われたときなど、タイヤチェーンは自宅に置きっぱなしだった……なんてこともあるだろう。さらに、スタッドレスもタイヤチェーンも、どちらも所有していなければ新たに購入しなければならないという経済的な問題もある。オールシーズンタイヤのメリットは、1種類のタイヤでさまざまな路面に対応できる万能さと、それによる経済性の高さだ。住んでいる地域やクルマの使い方によっては、オールシーズンタイヤを選択したほうが便利というユーザーもいるはずだろう。

排水性と排雪性を両立する「V字ダイバージェントグルーブ」など、見た目から一般的なタイヤとは異なるタイヤパターンを持つ「BluEarth-4S AW21」

BluEarth-4S AW21には、雪上におけるグリップ力の高さと、ウェット路面やドライ路面における性能をバランスさせた新開発の専用トレッドパターンが採用されている。また、溝やサイプのエッジ量を、サマータイヤの「BluEarth-GT AE51」と比べて167%にまで増やすことで、排雪・排水性能をアップさせている。また、タイヤショルダーに大型ブロックを配置することで剛性を上げ、操縦安定性が高められている。また、タイヤコンパウンドは、雪上性能とウェット性能を両立させるようバランスよく配合された新コンパウンドが採用されている。

タイヤサイズは、14インチから19インチまでの全19サイズをラインアップし、コンパクトカーからミニバン、SUVにまで幅広く対応している。

■「BluEarth-4S AW21」のタイヤサイズ
225/55R19 99V
225/55R18 98V
235/55R18 100V
225/45R17 94V
225/50R17 98V
215/55R17 98W
215/60R17 100V
225/60R17 103V
225/65R17 106V
205/55R16 91V
205/60R16 96H
215/60R16 99H
215/65R16 98H
185/55R15 86H
185/60R15 88H
175/65R15 84H
185/65R15 88H
195/65R15 91H
175/65R14 82T

クロスオーバーSUV用サマータイヤ「BluEarth-XT AE61」

「BluEarth-XT AE61」は、小〜中型のクロスオーバーSUV専用のサマータイヤだ。主な対象車種やタイヤサイズは、以下の通りとなる。

2020年2月に発売予定のクロスオーバーSUV向けサマータイヤ「BluEarth-XT AE61」

2020年2月に発売予定のクロスオーバーSUV向けサマータイヤ「BluEarth-XT AE61」

■「BluEarth-XT AE61」の主な対象車種
トヨタ RAV4
トヨタ ハリアー
トヨタ C-HR
マツダ CX-5
マツダ CX-3
日産 エクストレイル
ホンダ CR-V
ホンダ ヴェゼル
スバル XV
三菱 エクリプスクロス
レクサス RX
レクサス NX
アウディ Q5
アウディ Q2
メルセデス・ベンツ GLC
BMW X1

■横浜ゴム「BluEarth-XT AE61」の発売タイヤサイズ
235/55R20 102V
225/55R19 99V
235/55R19 101V
215/50R18 92V
225/50R18 95V
215/55R18 99V
225/55R18 98V
235/55R18 100V
225/60R18 100H
235/60R18 103W
235/65R18 106V
215/55R17 94V
225/55R17 97W
235/55R17 99H
215/60R17 96H
225/65R17 102H
215/60R16 95V
215/70R16 100H

「BluEarth-XT AE61」では、ショルダーの剛性アップや排水性、静粛性などの向上のために非対称パターンが採用されている

BluEarth-XT AE61の特徴のひとつが、スポーティーでシャープなハンドリングを得られることだ。中央にある3本の高剛性リブ「トリプルセンターリブ」によって高速走行時の直進安定性が高まり、アウト側ショルダーはブロックを貫通させないサイプを採用することで高剛性を確保。ハンドリング性能が高まり、ふらつきなどを抑えてくれる。また、BluEarth-XT AE61はウェット性能も高い。4本の主溝がウェット路面での排水性を高めており、国内タイヤラベリング制度ではウェット性能の最高グレードである「a」を獲得している。

開発に携わった、横浜ゴム タイヤ企画本部 消費財製品企画部 製品企画1グループ グループリーダーの小畑恒平氏に、BluEarth-XT AE61のハンドリング性能についてうかがったところ、「BluEarth-XT AE61を履いたレクサス『NX』とマツダ『CX-5』を、テストコースで試乗しました。車種によっても変わってくると思いますが、ハンドルのニュートラル付近の手ごたえ感がしっかりしていることが、70〜100km/h前後の高速周回路で感じられました。また、ハンドルがリニアで追従性のよさが伝わってきて、思ったとおりに曲がってくれます。Gが、縦にも横にもきちんと伝わる、という感覚です。タイヤが空転せず、きちんとトラクションがかかるというのが、BluEarth-XT AE61の特徴だと思います」と話す。

また、小畑氏はBluEarth-XT AE61のウェット性能の高さについても触れ、「特徴的なのは、ウェット性能ですね。かなり(ウェット性能が)高い。たとえば、ウェット路面のテストコースで旋回した際に1周何秒ほどで回れるのかなどを計るのですが、やはり(同社の他のタイヤを装着した車両と比べてみても)タイムは速いですね。安定していますし、違いはかなり大きかったです。排水性が高く、ウェット路面でもしっかりとグリップしてくれますので、若干アンダーは出るのですが安心感があると言いますか、最後まで粘ってくれるという感覚があります」と答えた。

さらに、BluEarth-XT AE61では静粛性の高さも特徴的だ。溝やサイプの位置を綿密に設計することで、タイヤが地面を叩く音や路面とタイヤの間に発生する空気によって生じる「エアポンピング音」などを抑制。また、タイヤの横方向における溝のピッチは5種類用意され、音圧シミュレーションを用いて最適に配置することで、舗装路で目立つパターンノイズが抑制されている。

BluEarth-XT AE61の性能を、2012年に発売されたSUV用タイヤ「GEOLANDAR SUV G055」と比較すると、ドライ路面の制動テストで8%短縮、ウェット路面の制動テストで16%短縮、パターンノイズで7%低減するなど、全域にわたってパフォーマンスが向上しているという。

マッドアンドスノータイヤ「GEOLANDAR CV G058」

最後にご紹介する「GEOLANDAR CV G058」は、クロスオーバーSUV用の「マッドアンドスノー」(M+S)タイヤだ。

クロスオーバーSUV用のマッドアンドスノータイヤ「GEOLANDAR CV G058」。クロスオーバーSUV向けで、市街地での乗り心地や静粛性が高められているのが特徴だ

マッドアンドスノータイヤとは、オールシーズンタイヤのひとつで、泥や雪などが積もる悪路を走行できるSUV用タイヤのこと。GEOLANDAR CV G058は、マッドアンドスノータイヤの中でも市街地の走行が多いクロスオーバーSUV用に作られており、ロードノイズの改善や乗り心地の向上、ウェット性能のアップなど、おもに舗装路における性能向上が図られている。

具体的には、横ブロックを一定のピッチとせずにずらした新パターンによって、パターンノイズを低減する「5ピッチバリエーション」を採用。また、新コンパウンドによって凹凸路面などを乗り越える際の衝撃を軽減し、乗り心地を向上させている。さらに、直線的な2Dサイプと屈折した3Dサイプを組み合わせた新サイプパターンを採用することで、ウェットやスノーにおけるグリップ力をアップさせているほか、「グルーブ」と呼ばれる太い縦溝の構造変更によって排水性や排雪性を向上させている。これらの改善によって、従来モデルの「GEOLANDAR SUV G055」と比べてロードノイズを34%低減、ウェット路面における操縦安定性を13%向上させている。

タイヤサイズについては、「レクサス」など大径タイヤを履くSUVから、「ハスラー」など小径タイヤを履く小型SUVまで、全32サイズをラインアップしている。

■横浜ゴム「GEOLANDAR CV G058」の発売タイヤサイズ
245/50R20 102V/2月
235/55R20 102V/2月
235/50R19 103V/3月
225/55R19 99V/2月
245/55R19 103H/2月
215/50R18 92V/2月
225/50R18 95V/4月
235/50R18 97V/4月
225/55R18 98V/3月
235/55R18 100V/2月
225/60R18 100H/4月
235/60R18 107V/3月
245/60R18 105H/2月
235/65R18 106V/2月
215/55R17 94V/4月
225/55R17 97V/4月
235/55R17 99H/4月
215/60R17 96H/4月
225/60R17 99H/2月
255/60R17 99H/4月
225/65R17 102H/2月
235/65R17 108V/2月
245/65R17 107H/3月
215/60R16 95V/4月
235/60R16 100V/4月
215/65R16 98H/4月
215/70R16 100H/2月
235/70R16 106H/3月
175/80R16 91S/4月
165/60R15 77H/4月
205/70R15 96H/4月
175/80R15 90S/4月

オールシーズンタイヤのほか、いま売れ筋の車種カテゴリーであるクロスオーバーSUV向けのタイヤなど、市場動向を見据えつつ意欲的な新製品を続々と投入してきた横浜ゴム。四季があり年間の気候変動が激しい日本では、オールシーズンタイヤのようなさまざまな路面に対応してくれる利便性の高いタイヤが、これからは求められるのかもしれない。

桜庭智之(編集部)

桜庭智之(編集部)

PC、AV家電を中心に幅広く担当。クルマ好きのため、週末はフラフラと1000km超を運転する長距離ドライバーと化します。

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