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3列シート車になったジープ 新型「グランドチェロキーL」。 モチーフは“ワゴニア”

FCAジャパンは、ジープのフラッグシップモデルである「グランドチェロキー」を、およそ10年ぶりにフルモデルチェンジすると発表した。

新たに車名へ“L”が加えられた、ジープ 新型「グランドチェロキーL」。最大の特徴は、先代までの2列シート仕様に替わり、全グレードが3列シート仕様となったことだ

新たに車名へ“L”が加えられた、ジープ 新型「グランドチェロキーL」。最大の特徴は、先代までの2列シート仕様に替わり、全グレードが3列シート仕様となったことだ

グランドチェロキーLの製品画像
ジープ
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(レビュー-人・クチコミ11件)
新車価格:788〜999万円 (中古車:―円

5代目(日本では4代目)となる新型グランドチェロキーLの最大の特徴は、全グレードが3列シート仕様になったことだ。グレードラインアップは2種類で、乗車定員7名のLimited(リミテッド)が7,880,000円、乗車定員6名で最上級グレードのSummit Reserve(サミットリザーブ)が9,990,000円になる。なお、発売日は2022年2月19日が予定されている。

■ジープ 新型「グランドチェロキーL」のグレードラインアップと価格
※価格はすべて税込
Limited:7,880,000円
Summit Reserve:9,990,000円

新型のモチーフは「ワゴニア」

新型「グランドチェロキーL」のエクステリア

新型「グランドチェロキーL」のエクステリア

新型の特徴として、最初に目が行くのはエクステリアデザインだ。ジープブランドの特徴である7スロットグリルや、台形のホイールアーチなどは新型にも踏襲されている。そのうえで、1963年に誕生したアメリカン高級SUVの草分け的存在であるジープ「ワゴニア」のデザインが、モチーフとして採り入れられているのが大きなポイントになる。一例としてあげられるのが、逆スラント形のノーズだ。さらに、ピラーの位置やライトのデザインなども、ワゴニアを意識したものとなっている。また、ベルトラインを下げ、ピラーを細くしたことによって得られる開放感や視界のよさなども、ワゴニアに通じるものがある。

新型「グランドチェロキーL」のインテリア

新型「グランドチェロキーL」のインテリア

新型「グランドチェロキーL」のセンターコンソールには、新たに金属製のシフトコントローラー「ロータリーシフト」が採用されている

新型「グランドチェロキーL」のセンターコンソールには、新たに金属製のシフトコントローラー「ロータリーシフト」が採用されている

インテリアも、新型ではデザインが大きく刷新されている。伸びやかな水平基調のインパネによって、広々としているだけでなく、クルマの傾きなどがわかりやすくなっているのもジープらしさが感じられるところだ。また、インテリアには本物の金属や天然木などが使われており、クラフトマンシップを感じさせる仕上がりになっているほか、シフトにはジープ初の金属製シフトコントローラー「ロータリーシフト」が採用されている点なども見逃せない。

新型「グランドチェロキーL」の上級グレードであるサミットリザーブに採用されている、「マッキントッシュ製オーディオシステム」

新型「グランドチェロキーL」の上級グレードであるサミットリザーブに採用されている、「マッキントッシュ製オーディオシステム」

さらに、上級グレードのサミットリザーブに装備されているオーディオについても、少し述べておこう。サミットリザーブには、マッキントッシュ製オーディオシステムが搭載される。このウルトラハイエンドオーディオは、10インチのサブウーハーを含む19ものスピーカーで構成されており、それらの位置はすべて最適化されている。さらに、センターディスプレイにはマッキントッシュブルーのアンプメーターを表示させることもできる。これらは、オーディオマニアならずともワクワクさせる仕様だろう。

ロングのL

新型「グランドチェロキーL」の3列目シートは、快適に座れるようシートの大きさや広さなどにこだわって開発されている

新型「グランドチェロキーL」の3列目シートは、快適に座れるようシートの大きさや広さなどにこだわって開発されている

冒頭でも述べたが、グランドチェロキーLの最大の特徴は、3列シートの採用だ。「L」はロングを意味し、ホイールベースは通常のグランドチェロキーよりも長い3,090mmとなっている。そして、今回は3列のどのシートに座っても快適に過ごせることを目標として開発されているという。注目の3列目シートについては、「座面に向かって、滝が流れ落ちるような造形がポイントになります」と、インテリアデザインチームのディレクターであるクリス・ベンジャミン氏は言う。そうすることで、身長や体型に関わらず快適に座り続けられるのだそう。また、同氏は「高級車メーカーにおいても、これまでの3列目シートはとってつけたようなものばかりで、まるで板の上に座らされているような感じでした」と話し、グランドチェロキーLの3列目シートの快適性を強調した。

また、開発主査のマリオ・ホームズ氏は、3列目シートへどのように乗り込むかもポイントだったと言う。「2列目シートをチップ&スライドとすることで、2列目シートにチャイルドシートを付けたままでも3列目シートに座れるようにしました。また、2列目シートのスライド量を十分に確保することで、乗降性を向上させています」と説明する。さらに、「2列目シートは、先代グランドチェロキーと比べても、レッグルームが約50mm拡大されています。さらに、前後スライドもリクライニングできるようにするなど、2列目や3列目シートの快適性には徹底的にこだわり、クラス最高の乗車体験ができるようにしています」と述べた。

譲れない4WD性能

新型「グランドチェロキーL」の悪路走行イメージ

新型「グランドチェロキーL」の悪路走行イメージ

ジープとして譲れないものをあげるとすれば、そのひとつは悪路走破性の高さだろう。FCAジャパン社長のポンタス・ヘグストロム氏は、「4×4は、ジープがルーツです。ジープにとって、4×4は後付のオプションなどではなくDNAに深く埋め込まれたものであり、すべてのジープに息づいているものなのです」とコメントするように、新型グランドチェロキーLもそのフィロソフィーに基づいて開発されている。

まず、新型では新設計のモノコックボディの採用によってもたらされる重心の低さに加えて、ボディパネルやエンジンルームにアルミが採用されることによって軽量化が図られている。さらに、フロントアクスルはエンジンに直接マウントされることによって、NVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)が大幅に改善されているという。

そして、2速の副変速機を備える4WDシステム「クォドラトラックII」の搭載により、低いギアでは最適なトルク配分が随時行われ、4輪のいずれかのスリップを検知した際には別のタイヤにトルクが最大100%振り分けられることによってスリップを抑制してくれる。

さらに、新型における注目の装備のひとつとして、「クォドラリフトエアサスペンション」が採用されていることがあげられる。このエアサスペンションは、走行状況に応じて自動的に車高が変化し、高速巡航時には空力を改善させることによって快適性が向上し、障害物を乗り越える際などには走破性を向上させてくれるという。

このクォドラリフトエアサスペンションの車高モードは、通常はオート設定になっているのだが、コンソールのスイッチを操作することによって、以下の5段階のモードから任意に選ぶこともできる。

■「クォドラリフトエアサスペンション」の車高モード
-ノーマル⾞⾼モード-
最低地上高が212mmのノーマル⾞⾼モードでは、オンロード走行時の空力性能の最適化が図られることによって、燃費性能を向上させる。
-オフロード1モード-
ノーマルから⾞⾼が40mm上がり、最低地上高が251mmになる。
-オフロード2モード-
ノーマルから車高が60mm上がり(先代より9%高い)、最低地上高が276mmになり、水深最大600mmまでの渡河が可能となる(先代より10mm高い)。
-パークモード-
ノーマルから車高を46mm下げることで、車両への乗降を容易にするモード。
-エアロモード-
ノーマルから⾞⾼が21mm下がり、パフォーマンスと燃費性能を向上。

このクォドラリフトエアサスペンションによって、アプローチアングルは30.1°、ディパーチャーアングルは23.6°、ブレークオーバーアングルは22.6°と、クラス最大の角度を実現しているという。

3.6リッターV6エンジンに8速ATを搭載

新型「グランドチェロキーL」の走行イメージ

新型「グランドチェロキーL」の走行イメージ

新型グランドチェロキーLに搭載されるエンジンは、オールアルミのペンタスター3.6リッターV6エンジンで、最高出力286ps、最大トルク344Nmを発揮。組み合わされるトランスミッションは8速ATで、高速道路やオフロードなど路面状況に応じて常に最適なギアが自動的に選ばれ、エンジントルクの変動や坂道の検知、気温、加速度などから、ドライバーの意図に沿うようにシフトパターンを瞬時に変更してくれる「リアルタイムシフトマップ」機能が備えられている。

国産ミニバンからの乗り替えもアピール

輸入車におけるフルサイズSUVの割合は拡大傾向にあり、今後も堅調な伸びが見込まれているという。そして、「(ジープブランドは)輸入車SUVからの乗り換えだけが販売機会とは考えていません」と、ポンタス氏。ジープの販売が日本で堅調な理由として、「輸入車と国産車との購買層を、つなぐことができたことです」と説明したうえで、「ジープのオーセンティックさやオフロード性能をもってすれば、トヨタ車や日産車などのオーナーであっても、本物志向の方であればジープは魅力的な選択肢のひとつに映るはずです」と言う。

いっぽう、ここ数年におけるミニバンの販売台数は、毎年およそ10万台規模に上る。「日本国内では3列シート車に対する需要が根強く、今後も続いていくと思われます。現在、ミニバンを所有していて3列シートが必要という方々にも、新型グランドチェロキーLはアピールになるはずです。そのような方々にとって、必要なものが新型グランドチェロキーLにはすべて備わっているだけでなく、ミニバンにはないオフロード性能や快適性、多用途性なども備わっているからです」と述べる。

新型「グランドチェロキーL」の走行イメージ

新型「グランドチェロキーL」の走行イメージ

個性的なデザインをまとい、圧倒的な走破性能のみならず質感や快適性も高められた新型ジープグランドチェロキーL。開発者の話などを聞いていると、今回は質感も相当向上しているようで、製造工場では厳密な品質検査なども行われているという。今回は、実車を見ることはできなかったが、2022年1月には試乗会が開催されるようなので、その時に走行フィールや内外装の質感、また3列目シートを含む乗り心地などさまざまな点を改めてお伝えしたい。

内田俊一

内田俊一

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かし試乗記のほか、デザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。

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新車価格:788〜999万円 (中古車:―円
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ジープ
4.29
(レビュー17人・クチコミ261件)
新車価格:398〜1356万円 (中古車:27〜1059万円
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